質問 |
saian1 2024/05/19(Sun) 07:18
こんにちは。
インビザライン矯正の流れについて質問があります。
ワイヤー矯正では、
・レベリング
・犬歯移動
・前歯移動
・ディテーリング(フィニッシング)
の順で治療を進めます。インビザライン矯正も、上記の流れで治療を進めるのでしょうか?
上記についてご教示いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。 |
回答1 |
Dr.ふなちゃん 2024/05/19(Sun) 21:27
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船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
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こんにちは。
色々なケースがありますから一概にいえません。また、歯科医の考えにより治療ゴールも仕上げも異なるでしょう。
それはワイヤー矯正の場合も同じですね。
一般的にインビザライン矯正の場合は、非抜歯ケースは難易度が低く、抜歯ケースは難易度が高いと言われています。顎骨に非抜歯で全ての歯を綺麗に並び切りしっかり噛ませるほどのスペース的な余裕がないケースでは難易度が高くても小臼歯を抜歯して残った歯を並べ切るスペースを作り出す事が必要になるはずですが、場合によっては急速拡大装置を併用して口蓋の真ん中を割って縫合を離開させてスペースを作る先生もおられます。
インビザラインの場合、レベリングレベルの軟らかさのアライナーで治療最初から最後まで動かす必要が生じる為、抜歯ケースの歯の移動様式の場合は犬歯移動と前歯移動を交互に行ってアライナーが不用にたわまないようなステージングが推奨されていると思います。また、より細かくステージング割をしなければ予測実現性に乏しくなる為かなりの戦略が必要とされています。
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返信1 |
saian1 2024/05/20(Mon) 00:25
船橋先生、いつも大変お世話になっております。
今回もご回答くださり、ありがとうございます。
>色々なケースがありますから一概にいえません。また、歯科医の考えにより治療ゴールも仕上げも異なるでしょう。
それはワイヤー矯正の場合も同じですね。
ワイヤー矯正では、レベリング→犬歯移動→前歯移動→ディテーリングが大原則と認識しております。ワイヤー矯正でいきなり前歯移動や側方拡大から始まるというケースもあるのでしょうか?
インビザラインでは、側方拡大から始めるケースもある、とネットで見た記憶があります。
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回答2 |
Dr.ふなちゃん 2024/05/20(Mon) 07:14
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船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
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小臼歯抜歯ケースですか?
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返信2 |
saian1 2024/05/20(Mon) 20:50
ご返信くださり、ありがとうございます。
いえ、小臼歯抜歯による抜歯矯正or非抜歯矯正などのケースに関わらず、ワイヤー矯正において、
1.レベリング
2.犬歯移動
3.前歯移動
4.ディテーリング(フィニッシング)
上記の順番で治療を行う流れは 基本中の基本、大原則なのかどうかをお聞きしたいのです。
むし歯治療に「診察→お口のクリーニング→麻酔→歯を削る→補綴」という流れがあるように、ワイヤー矯正は上記の1〜4で治療を進めていくのが大原則ではないのでしょうか?
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回答3 |
Dr.ふなちゃん 2024/05/21(Tue) 01:29
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船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
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小臼歯抜歯ケースならば、レベリングした後、犬歯を小臼歯抜歯スペースに移動後、前歯4本を後方移動して抜歯スペースをクローズし、最後ディテールを仕上げるという流れがよくあるパターンですが、非抜歯ならばレベリングしてディテーリングだけで仕上がるかもしれませんし、臼歯の遠心傾斜を追加しないと上手く噛まないかもしれませんね。
インビザラインの場合はシークエンシャルに動かすか?サイマルに動かすか?タイプが別れますね。大臼歯の遠心移動が骨ボリュームから可能であれば動きにくい大臼歯を最後臼歯から一本ずつや、2本ずつや、タイミングをズラしながら後方移動させて作ったスペースを使って前歯を綺麗に並べるパターンもあれば、奥歯の後方移動はせずに側方拡大と主にIPRで作ったスペースに歯を移動させてガタつきを治したりします。デフォルトでG6が抜歯ケースに対応していますが、デフォルトでは上手く行かない為改良が重ねられました。矯正が必要な歯並びやお顔やお口のバリエーションはかなり幅広い為、そんなに簡単な流れ仕分けは出来ないでしょう。
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返信3 |
saian1 2024/05/21(Tue) 19:44
船橋先生、丁寧なご回答をくださりありがとうございます。
>そんなに簡単な流れ仕分けは出来ないでしょう。
そうなのですね。
ネット上で見る限りでは、レベリングから始まりディテーリングで終わるのがワイヤー矯正の大原則としか書いてないので、目からうろこでした。
また、インビザラインにおいても、レベリングから始めて...という流れはかならずしも当てはまらないのですね。
インビザラインに限らず、歯科矯正は基本的に1本ずつ(シーケンシャル)歯を動かすのが普通、とネットで見ます。でも、船橋先生のおっしゃるように、複数の歯をまとめて(サイマル)動かす場合もあるのですね。
大臼歯の遠心移動についてはワイヤー矯正ではブラケット装置単体ではほぼ不可能、とネットで見ました。インビザラインはワイヤー矯正と比べて大臼歯の遠心移動がしやすい(ただし、大臼歯の遠心移動がカンタン、という訳ではない)という情報もネット上で見たことがあります。
ネットの歯科医院のサイトや歯科豆知識のサイトでは得られない情報をご教示くださりありがとうございます。勉強になります。
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回答4 |
Dr.ふなちゃん 2024/05/22(Wed) 19:38
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船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
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〉ネットの歯科医院のサイトや歯科豆知識のサイトでは得られない情報
一般の方向けに非常に短く簡単に書いてあるのがそれらですが、他方歯科医が学ぶ内容は書店の本棚を埋め尽くすくらいのボリュームがあります。また日々の治療材料の進化や新しい試みをして成功した歯科医が紹介する新しい治療技術など5年すれば今のやり方が陳腐化して来ているのが今の矯正歯科の進化度合いです。
その為各歯科医は膨大な時間と費用を費やして日々研鑽し続ける義務を負っています。
ネットで検索すれば一般の方にもわかってしまうように薄っぺらならば楽が出来るのですけどね…
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返信4 |
saian1 2024/05/22(Wed) 20:23
船橋先生、ご回答くださりありがとうございます。
>日々の治療材料の進化や新しい試みをして成功した歯科医が紹介する新しい治療技術など5年すれば今のやり方が陳腐化して来ているのが今の矯正歯科の進化度合いです。
私自身、患者として歯科治療を受ける中で、船橋先生のおっしゃる「日々の進化」は本当に感じます。むし歯治療や抜歯など、私の子ども時代では考えられなかったような先進的な技術や機器により、快適に治療を受けられるようになりました。
また、矯正歯科の進化のスピードもすごいですね。今まで、インビザラインが最新の技術だと思ってましたが、現在、形状記憶素材(形状記憶レジン)を用いる韓国メーカー製のインハウス・マウスピース矯正が最新の技術だとネット上で見ました(レジン素材およびインハウス矯正のシステムが薬機法に認可されたニュースもつい先日、見ました)(インビザラインですら、薬機法に認可されていないのにも関わらず(インビザラインアライナーの熱可塑性シートは認可されているようですが))。おそらく、インハウス・マウスピース矯正が今後、普及していくのでは?と一個人として感じています。
ご多忙の中、いつも丁寧にわかりやすいご回答をくださり、ありがとうございます。
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