シーラント大激論

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シーラント大激論


質問者
主婦A さん
地域  
年齢 36歳
性別  
職業  
カテゴリ 虫歯予防
シーラント
う蝕関連
予防関連
公開日 2007-07-03 22:09:00
回答者
森川先生
田尾 耕太郎先生
渡辺 徹也先生
タイヨウ先生
小牧令二先生
さがら先生

質問 以前の質問=幼児(6歳)の歯科治療とシーラント

以前もシーラントについて質問させていただきました。
その後また疑問が生じたため、ご相談させてください。

以前質問した幼児のシーラントではなく、その子のきょうだいである小学校高学年の子どものシーラントについてです。

小学1年のときにシーラントをしてあったのですが、その後何年も経過して、数ヶ月前にふと口のなかをまじまじと見たら、シーラントが部分的に脱離しているようで、溝がオレンジ色っぽく見える気がしました。これはイカン!と慌てて歯医者へ。

そこで、ダイアグノデントを使用して歯科衛生士さんが診断を行い、「数値が25〜28ぐらいだから、もう一度シーラントすればいいです」ということで、衛生士さんが古いシーラントを取り除いて再度充填を行いました。

オレンジ色っぽく見えるシーラントもあるから、たぶんこの色はう蝕ではないと思う、というのが衛生士さんの診断でした。

私としてはこのとき、医師にきちんと診断をして欲しかったのですが、成人の患者にかかり切りで、質問すら出来ませんでした。

その医院は小児の患者は衛生士さんが診断も処置も行う(※切削は除く)ところだったのですが、行ってみるまでそれは分からなかったのです。

う蝕かどうか、疑わしいところに、再度上からシーラントをして封じてしまっていいのだろうか?という疑問を持っていたのですが、質問の機会を逸して、うやむやのままに終わりました。

そして最近。ふとまた口のなかをまじまじと覗きましたら、シーラントを再度充填していた歯の溝が茶色っぽいのです。

シーラント下でう蝕発生、それも大事に守ってきたはずの6番の歯が……とショックを受けています。

よく観察したところ、咬合面の溝だけでなく、平滑面までたーっぷりと歯冠を半分ぐらいまですっぽり覆うようにシーラント剤がかかっていたことに気が付きました。

さらに、平滑面にあるうっすらとした溝のところも、シーラントされていない歯茎に近い部分は茶色っぽくなっており、これまたショックを受けています。


そこで質問したいのは、


1.

う蝕かどうか怪しいかもしれない歯に対して、シーラントを行うかどうかについては何か判断基準はあるのでしょうか?

シールドレストレーションという、接着剤でう蝕を封じ込めるという考え方も、ネット検索や文献検索で調べていて見かけるので、多少のことでも再度シーラントをしてしまった衛生士さんの行動は根拠のあることなのだと理解しました。

しかし、これはどの程度のう蝕に対して適用されるものなのでしょう。

ダイアグノデントで数値がいくつだから良いとか、拠り所は存在するのでしょうか。


2.

平滑面までシーラントを行うというのは一般的なことなのでしょうか?

色々自分で調べてみて、咬合面の裂溝に行うということが何を見ても書いてあって、平滑面に……というのが見あたりません。


3.

医師の診断を受けて、このシーラント下の茶色いものが虫歯だと明確になった場合、どういう処置が行われるものでしょうか。

シーラントをすべて外すことになると、外した後のエナメル質は表面が傷んでしまっているのではないかと、とても心配です。

虫歯の部分は削って治療するとして、その他の部分(うちの子の場合は平滑面まで)はどうなるのでしょうか。


以上、長くなりましたがご回答をよろしくお願い致します。

主婦Aさん  2007-07-03 13:41:00
回答1
ポプラ小児歯科医院の森川です。

1.

シーラントう蝕になりそうな歯、もしくは初期う蝕の歯に行うものかと思います。

したがいまして、もともとシーラントを行う歯=う蝕かどうか怪しい歯ということになります。


2.

平滑面までシーラントを塗ってもすぐに脱落します。
脱落していないとすればおそらくシーラントではないと思います。


3.

シーラントの下にう蝕を発見し充填処置を行う場合は、う蝕の部分を含めて健康な歯質を大量に切削します。

従いまして、シーラントがのっていたエナメル質の表面のことを考える必要はほとんどありません。すべて切削してしまいますので。

仮にそうでなかったとしてもシーラントをはずした咬合面のエナメル質の表面は問題視するほど傷ついてはいないと思います。

2007-07-03 22:09:00
返信1 森川先生、コメントありがとうございます。

シーラントは、虫歯のまったく無い萌えたての永久歯に対して、予防のために行うものだと思っていたのですが、ちょっと私の認識が違っていたということですね。

もともと、虫歯かどうか怪しい歯に対して行うものだったわけですね。

平滑面までシーラントを行うのが一般的なのかどうか、という質問の趣旨は、まさに3番の回答と関連するのですが、う蝕が見つかった場合に、シーラントが被さっていた部分すべてを切削しなければならなくなり、平滑面までシーラントされていると、ほとんど丸ごと削られてしまうという事態になるのを心配しての質問でした。

そんな可能性があるのなら、平滑面までやって欲しくなかったと思ってしまいますし、本当にショックで愕然としています。

そうなると、うちの子どもの場合、私が見た限りでちょっと溝が茶色いだけなのですが、平滑面までほとんど丸ごと削られてしまうことになるのでしょうか??

ちょっとのう蝕のはずが、平滑面まで丸ごと削るとなると、咬頭もすべて削られて、いきなりアンレーとかクラウンになってしまう可能性もあるのでしょうか。

せっかく予防のためにと思って、子どものために良かれとやっていたことなのですが、まるで逆の事態を引き起こしてしまって、安易に歯科医院で勧められるままにやってしまったことを心から後悔してしまうのですが。。。

こういう高いリスクがあるにもかかわらず、多くの歯科医院で子どもにシーラントを勧めているのはなぜなのでしょうか?

よろしければ教えていただければ幸いです(もしもシーラントで虫歯を抑えられなかった場合に、大量に歯を切削しなけらばならなくなるというリスクは、過去に他院でも、一度も説明を受けたことがありません)。

主婦A さん  2007-07-03 22:34:00
回答2
ポプラ小児歯科医院の森川です。

シーラントの下にう蝕を発見したということは、シーラントを流す前からう蝕があったことになります。

咬合面の充填の場合、健全な歯質の切削量が少量でよいということはあまりありません。

ある程度はどうしても切削します。もしあったしても、それは充填処置の必要がなかった場合だったりします。

ですので、シーラントを行わずに早めに充填を行っていたとしても削る歯質の量は、それほど少なくはなかったと思われます。

また、シーラントを行っていたことで、むし歯の進行は遅くなっていたと思われます。

すなわち、シーラントをすることにより、虫歯でない歯は削らずに済み、削らなければいけなかった歯は、その処置を遅らせることができたと考えられます。

シーラントを勧める理由を理解していただけたでしょうか?

2007-07-03 23:17:00
返信2 先生、再度のコメントありがとうございます。

先生のおっしゃる通り、一度シーラントが脱離したことに私が気付かず、そのあいだに初期の虫歯には、きっとなっていたのだと思います。

すっきりしないのは、そこで医師の診断がなく、衛生士の診断(しかもダイアグノデント頼み)だけで再度のシーラントが行われたこと。

そして、先ほども書いているように、うちの子の場合、平滑面までシーラントされていたということです。

シーラントが乗っていたエナメル質をすべて切削しなければならないという事実が、まだ受け入れられません。

シーラント下に見られる茶色い着色はほんの僅かですが、それでも、シーラントがのっている部分はすべて切削されなければならないのは、いったいなぜなのでしょう。

あまりに子どもが不憫です。
大事な6番ですから。

溝の部分だけの僅かな着色(虫歯)でも、咬頭は残せないのでしょうか。

だとしたら、シーラントをわざわざ平滑面まで行うことの合理性はまったく無くて、むしろ切削する部分が多くなってしまい、良くないことばかりのように思えます。

なぜ、あの衛生士がそんなことをしたのか、彼女の勝手な判断なのか、平滑面までシーラントすることに何か科学的な根拠があるのか。。。

あるのだとしたら、教えて頂きたいです。

主婦A さん  2007-07-03 23:34:00
回答3
歯医者/歯科情報の歯チャンネル運営者の田尾です。

お久しぶりです。

平滑面というのは、もしかして頬側溝のことでしょうか?
(頬側溝=頬側の咬頭と咬頭の間の溝)

もともと頬側溝が非常に深いような形態の歯の場合には、そこにもシーラントをするという方法が一応あります。

シーラント自体は特に6歳臼歯のように非常に虫歯になりやすい歯に対しては有効だと思いますし、ダイアグノデントを使っているだけでもましだとは思いますが、診断を衛生士さんが行う…というのはちょっと心配ですよね。

実際にはしっかりと勉強されている衛生士さんであれば、法的にはダメだったとしても、下手な歯医者さんより診断能力が高かったりすることもあるのですが…。

虫歯予防に関してシーラントはあくまでも「補助的」なもの、一番大切なのはフッ素の応用や歯磨き・食生活などです。

でも、セルフケアだけでの虫歯予防にもかなり限界がありますから、なるべく早く「ここなら信頼できる!」という歯科医院を見つけて、かかりつけにしたいところですね。

文面からは、現在行かれている歯科医院が特別悪いような感じは受けませんが、衛生士さんの診断など不安な点もおありだと思いますので、十分な説明を求めてみるなり、他の医院にセカンドオピニオンを求めてみるなりしたほうが良いかもしれませんね。

結局歯の運命というものは、患者さん自身の知識・患者力と、良い歯科医院を見つけられるかどうかにかかっていると言っても過言ではありませんので。

2007-07-04 07:04:00
回答4
土田歯科医院の渡辺です。

こんにちは。
今回もマニアックですね。

小児歯科なら、今回は森川先生が回答して下さるかと思い静観していました。

私はシーラントを実際にした記憶が・・・ほぼないですので。
(※小児を診る機会が極端に少ないので)


で、知識があまりないのですが、気になるのが2点。


1)シーラントの虫歯予防効果については確たるデータはないのでは?

・・と理解しています。

エビデンスには世界一うるさいスウェーデンイエテボリ大学の小児歯科の先生のお話を小牧先生経由で聞いた話では、萌出途上の永久歯で、かつメインテナンスに通える、というのが条件と考えている。とのことでした。(間違っていれば小牧先生、訂正をお願いします)

見た目的にいかにも虫歯予防になりそうですし、接着強度の強いもの弱いもの、フッ素徐放性材料なども色々選べますから、個人的にはもう少し適応を広げられそうな気もしなくはないのですが。

萌出途上、というのは、咬合面虫歯が発生するのはほとんどがその時期だから、という理由と思います。

逆に対合歯とかみ合う様になってからはほぼリスクがなくなるので、今回の場合、剥がれたら剥がれたままでも良かった様な気もしないでもないです。

メインテナンスについては、主婦Aさんも気にされてる通り、シーラント下で虫歯が進行してかえって惨事になる場合を懸念されてのことだと思います。

専門医による管理下、という条件で、シーラントに用いる材料などもよく選んで行われる分には森川先生のおっしゃる通りに少し適応範囲を広げて良さそうな気もしますが、原則的には「虫歯のない、萌出途上の永久歯、メインテナンスに通える」という点は外せなさそうなので、案外ハイレベルな判断を要する様に思っています。

主婦Aさんや森川先生、田尾先生を相手に確証のない話で申し訳ないのですが・・。


2)ダイアグノデントによる判断について

これも自分は使わないので25〜28というのがどの程度のものなのか、分からずお話するのですが。。。

これも主婦Aさんがひっかかっている点だと思うのですが、仮に専門知識を十分に学んでいない歯科衛生士が、マニュアル的に、「数値が25〜28ぐらいだから、もう一度シーラントすればいいです」と判断していたらどうか、ということについて考えてみたいと思います。

ひとつには上述した様に、年齢やリスクの問題があります。

イエテボリ大学の解釈では、むしろ「やりすぎない様にしましょう」と言っている様にも取れます。

ダイアグノデントの問題点として指摘されているのは、「虫歯を虫歯と発見する率は非常に高いが、虫歯でない歯を虫歯でないと発見する率は低い」という点があります。

虫歯を検査陽性とすれば「陽性的中率は高いが陰性的中率が低い」という表現になるのでしょうか・・

ですから、今回ダイアグノデントで、「虫歯じゃない」と判断されたこと自体はそこそこ信頼できるのかなとは思います。

ですが小学校高学年のお子さんで、しかも主婦Aさんのお子さんでケアは徹底されていて、萌出して5年ぐらいも経過している6歳臼歯にシーラントは・・必要があるのでしょうか。


因みに、元々発見されていたオレンジ色は、多分色素の沈着の可能性が高いのではないかな、と思います。

5年も経過する間に接着力が弱くなり、部分的に剥がれたところに色素がたまった可能性も考えられます。

でそこに再度シーラントをされるなら少なくともその色素は接着阻害因子になるでしょうから徹底的に研磨除去し、唾液などにも邪魔されない様にして接着する必要があるでしょうね。

健全な歯であるという前提で、きちんと接着操作をするのであれば、何歳であってもシーラントはやって悪いことはないとは思いますが、いい加減な判断、いい加減な操作はちょっとだけ心配になってしまいます。

シーラントは正式名を「フィッシャー(溝)シーラント」と言う様に平滑面を覆うことはありません。

平滑面に虫歯が出来ることはありません(※隣接面を除く)ので必要もありません。

今回確かに平滑面が覆われているとしたらこれは明らかな「やりすぎ」ですが、悪影響があるかと言えばそこまででもない気はします。

かみ合わせに悪影響がなければ自然に剥がれるのを待っていてもいいのかも知れませんね。


経験もないクセにつらつらと書いてしまいましたが、聞きかじりの知識の私の個人的な感想としてはこんな感じです。

重要度の低い参考程度に。

どちらにしても主婦Aさんのお子さんに限って、大事に至ることはないと思いますが、不安でしたら院長先生に一度相談されるべきでしょうね。

2007-07-04 08:28:00
回答5
タイヨウ・デンタル・オフィスのタイヨウです。

いや〜。
途中から参加させていただきます。


まあ、個人的な考えなので、聞き流してくださいね。

僕はレジン系のシーラント剤に関しては、基本的にNGだと思っています。

 エナメルエッチングを必要とすること
 萌出途中の永久歯ラバーダムをかけること自体不可能な事
 過剰に盛った場合、咬合に悪影響を与える可能性があること

が主な理由です。

だったら単純に「グラスアイオノマー」の方がいいんじゃない?と。

防湿できない歯面にエッチングをすると言うことはダメですよね。

もしかしたら明日、脱離していまう可能性もあるわけで、エッチングで脱灰されたエナメル質が次の定期健診まで唾液にさらされているわけですから、これは人工的に初期う蝕を作っているようなものじゃないか?と。

だったら、歯面清掃を行ってすぐに塗布できるグラスアイオノマーなら、万が一、翌日脱離したとしても処置前とエナメル質にはダメージを与えていませんから、何の悪影響も無いと思います。

また、グラスアイオノマーであれば当然、対磨耗性は低いわけですから、咬合で勝手に減ってくれます。悪影響は少ないと思います。

そして、フッ素徐放性はレジン系シーラント剤と比べて圧倒的に多いですから、歯面にとどまっている限りう蝕の進行抑制と再石灰化歯質強化には有利です。

もちろん、フッ素のリチャージも多いですから、毎日のフッ素入り歯磨きの効果が生きてきます。


ウチの法人は衛生士専門学校がありますから、実習生にはシーラントを教えていますが、僕の診療室では使いません(学校の先生ゴメンナサイ)。

衛生士学校の学生であれば萌出しているし、ラバーダムもかけられます。
エナメルエッチングして、シーラントすれば脱離の可能性は低くなります。

ワタナベ先生のおっしゃられているように「健全な歯であるという前提で、きちんと接着操作をするのであれば」良いと思いますが、唾液の分泌量が多く、ラバーダムをかけられない状況の中でのエナメルエッチングはいかがなものか?と思うわけです。


僕は担当の衛生士の判断で予防充填(グラスアイオノマー)をさせています。
小児の患者さんも大人の患者さんも、予防は「やっといて〜」です。

た、だ、し、

裂溝をダイアグノデントで測定後、ハーモソニックなどで清掃を行い、再度、ダイアグノデントで測定し、マイクロスコープで裂溝の状態を確認してから充填させています。

ですから、歯科衛生士に判断させ「やっといて〜」と言うにしても、ドクターの指導がどう言う体制かによっても違うような気がしますね。

そして、歯面にダメージを与えない「グラスアイオノマー」で充填させます。


まあ、勝手な意見ですよ。
あくまでも参考までに。

2007-07-04 14:05:00
返信3 先生方、コメントありがとうございます。

昨晩はこの問題で頭がいっぱいでなかなか寝付けませんでした。。。

こうして、コメントくださる先生方がいるだけでも、精神的な支えになっています。本当にありがとうございます。

歯の問題で悩むと、私はクレンチングが出て顎関節症も急激に悪化してしまい、さらに自分の歯が悪くなるという悪循環におちいります。

しかし、歯チャンネルの先生方の存在が、私にとってはメンタル面での支えになっていて、たいへん感謝しております。


>田尾先生

「平滑面というのは、もしかして頬側溝のことでしょうか?」

それも含めて全体的に、です。でも、頬側溝というところが深い人の場合は、そこにシーラントを施すケースもあるわけですね。

予防については、幼児期にはちょっとフッ素の応用が不足していたなぁと自己反省していますが、食生活、食習慣に注意を払ってここまで頑張ってきていたので、本当に衝撃が大きかったです。

お菓子を取り締まりすぎてかわいそうだというジジババからの攻撃をかわしたり、すぐに飴をくれる近所の薬剤師さんをかわしたりして頑張ってきたのに……と無念でなりません。

実は、今回の医院は、過去の「すぐ削る歯医者」から脱却し、探しに探しまくって見つけた期待の医院でした。

K先生の名前をホームページで出していたり、「予防・MI」という文句に惹かれて行ったのです。

田尾先生のおっしゃるとおり、特別悪い医院だという感じはしませんし、経営努力の形跡はみられるし、私の根掘り〜の葉掘り〜の質問攻撃に対しても衛生士さんの的確な反応が返ってくるので、まぁいいかもと思ったのです。

ただ、「担当衛生士制」が、その医院では事実上「医師の診断の代行」として運用されている感があり、理想を掲げても保険制度のからみでこうなってしまうのだろうと私も理解を示しつつも、さすがに今回のような事態になってしまうと……といったところです。

担当衛生士制がどのように運用されているかまでは事前に見抜けず、後悔の残る結果となったのは残念です。


>渡辺徹也先生

まさに、

「案外ハイレベルな判断を要する様に思っています」

「健全な歯であるという前提で、きちんと接着操作をするのであれば、何歳であってもシーラントはやって悪いことはないとは思いますが、いい加減な判断、いい加減な操作はちょっとだけ心配になってしまいます」

という先生のお言葉が、私の疑念、もやもや感、すっきりしない気持ちを代弁しているかのようです。

そういう点がまさに引っかかっていて、だからこそ医師の慎重な診断を得られなかったことを悔やんでいるのです。

なにしろ、シーラントを行うにあたっては歯面を封じてしまうわけですから、できるだけベストな状態でなければと考えて、通院前もとても気を遣っていました。

食事の直後は歯面の状態が悪そうでイヤだなと思って、ステファンカーブの曲線が高い位置にきていそうな……そんな時間帯を想定して予約をとっていたほどです。

ところが子どもが、通院の前に友達と遊んで、もらったピーナツチョコを食べてしまっていて(不測の事態)……仕方なくそれでも歯磨きして医院に連れて行き、状況を話したのですが、衛生士さんに明るく「お掃除して消毒するから別に大丈夫ですよー」とあっけらかんと言われてシーラントをされてしまいました。

私の神経質ぶりとはかなり温度差を感じて、本当にこれで再シーラントしてよかったのかと、またさらにもやもやしてしまうという……。

すみません、愚痴になってしまいました。

平滑面に関し、「かみ合わせに悪影響がなければ自然に剥がれるのを待っていてもいいのかも知れませんね」というと、もし虫歯だと確定診断が出たとして、咬合面う蝕の部分のみを切削していただいて、虫歯になっていない平滑面はただ剥がしてもらうような形で対応してもらえる可能性はあるでしょうか……

切削は最小限が希望です。

シーラントを剥がしたところは、表面を研磨してもらったほうがよいのでしょうか。

シーラントを剥がしたあとって、歯面が傷んで脱灰しやすそうな気がして心配です。


>タイヨウ先生

実は、前回のタイヨウ先生にいただいた回答でグラスアイオノマーのことが気になり、別な医院(本物の小児歯科)に問い合わせもしていたんです。

北大の保存科でも、グラスアイオノマーで予防充填をやっていることが分かったので、良さそうだなと思って。

ただ、問い合わせした医院では使用していなくて。タイヨウ歯科に行くこともチラッと頭をよぎりましたが、距離的に。。。

その後、つい一昨日のことですが、問い合わせをした小児歯科で、下の子の6歳臼歯レジン系シーラントをやっていただきました。

遠心側が僅かに歯肉がかぶさっていたのですが、先生はラバーダムをふつうにかけてくださってシーラントを行い、脱灰を気遣って辺縁にフッ素塗布もして仕上げてくださいました。

上の子の再シーラントをした医院よりは、ラバーダムが当たり前のようにサッと出てきたという点で、すごく満足できました。

もっと早くこの医院に転院していたら、上の子の歯も……と後悔先に立たずです。

マイクロスコープで裂溝の状態を確認してから」って、素晴らしいですね〜〜。

そのぐらいしていただいた上で、再シーラントをするか否かを判断してもらえていたら、私も心から納得がいったと思います。



ともかく結論として、今後はシーラントのことはより慎重に考えていきたいと思います。

また、今後の状況をご報告させていただきたいと思います。
貴重なご意見を、本当にありがとうございました。

主婦A さん  2007-07-04 18:06:00
回答6
ポプラ小児歯科医院の森川です。

「もし虫歯だと確定診断が出たとして、咬合面う蝕の部分のみを切削していただいて、虫歯になっていない平滑面はただ剥がしてもらうような形で対応してもらえる可能性はあるでしょうか……切削は最小限が希望です。」

咬合面のう蝕の場合、う蝕の部分のみ切削することはまずありません。
う蝕の部分と連続するすべての裂溝を含めて切削します。

シーラントの乗っている部分の歯質を切削するわけではありません。
切削したい歯質の上にたまたまシーラントが乗っているだけです。

ですので「う蝕の部分を含めて健康な歯質を大量に切削します。」と書いたのですが、どうもうまく伝わっていなかったようですね。

また、シーラントは、裂溝を含む極力狭い範囲に流すのが基本ですから、基本に沿って流せた場合、シーラントの範囲は充填のための切削の範囲より広くなりません。

ですので

「シーラントがのっていたエナメル質の表面のことを考える必要はほとんどありません。すべて切削してしまいますので。」

と書いたのですが、これもうまく伝わっていなかったようですね。

「シーラントを剥がしたところは、表面を研磨してもらったほうがよいのでしょうか。シーラントを剥がしたあとって、歯面が傷んで脱灰しやすそうな気がして心配です。」

シーラントは裂溝に入っている部分を取り除くと簡単にきれいに外れます。

また、シーラントは多かれ少なかれ脱離していきますが、その部分が裂溝以外であればむし歯にはまずなりません。

シーラントをした歯で、う蝕になるのは、シーラントの下にすでにう蝕があった場合か、シーラントが外れた裂溝の部分か、あるいはシーラントを流せなかった裂溝の部分のいずれかです。

裂溝以外の部分でシーラントが外れてう蝕になるとすれば、対合歯と接触していない歯(自浄作用の極端に少ない歯)くらいのもので、めったにありません。

ですので、研磨は不要(というか逆効果)ですし、表面が痛んで脱灰を気にする必要は通常ありません。

2007-07-04 23:11:00
返信4 森川先生!
またまたのレスをありがとうございます。

私も先生の意図をよく読解できていなかったようで、丁寧に解説していただけてようやく理解ができました。

「大量に切削」、しかも大事な6番の歯が……と動揺していたせいかもしれません(歯オタクなので、ちょっとの虫歯でも動揺してしまうのです)。

シーラントは、裂溝を含む極力狭い範囲に流すのが基本ですから」とのこと、やはり、歯冠をすっぽり覆うように平滑面まで行うのは、通法どおりのシーラントとは言えないようですね。

こんど、下の子で試しに受診した小児歯科が気に入ったので、上の子を連れて行ってきます。

森川先生のお話で納得ができたので、私もどっしり構えていられそうな気がします(でもやっぱり6番が虫歯、というのはショックはショックです…)。

先生の歯科医院のサイトも拝見しました。

私も、数年前まであの「ポプラ並木」のすぐ近くの建物で仕事をしていましたので、懐かしく思いました。

13条のイチョウ並木も懐かしいです。
本当に、ありがとうございました。

主婦A さん  2007-07-04 23:52:00
回答7
美江寺歯科医院の小牧です。

人に自分考えを伝えるのは難しいですね。
渡辺先生、私の考えをまとめてみます。


シーラントに関してはよく研究され効果が証明されています(エビデンスあり)。

しかし多くの研究は日常にフッ化物が使われ定期的なメインテナンスが実施されているような状況下で行われていると思いますので、日本のような状況とは異なります(内部妥当性はあっても外部妥当性が無い)。

シーラントは2次う蝕が発見しにくいことと考え合わせると、定期的にメインテナンスを受けていない患者には適用しないほうがよい(私見)。

裂溝に細菌がいても、密閉されてしまえば発育は抑制されう蝕は進行しない(エビデンス)。

しかし、ラバーダムで防湿をしっかりしないと接着が不十分でう蝕、マイクロリンケージの危険性がある(私見)。

治療費が安く経済的である(エビデンス)。

国家的には大きな差があるかもしれないが、ここの患者においてはほど大きな金額の差にはならない(私見)

長期的には咬合により破損しやすく、2次う蝕の危険がある(エビデンス)。

定期的な検診が必要(私見)。

シーラント下でう蝕が進行する事があり、定期的な咬翼法によるレントゲン撮影が必要(私見)。

適応症は、局所的なリスクが高く(溝が深い)、口腔全体・全身的リスクが高い場合(権威者の意見)。

どちらかのリスクが高い場合は、検討を要する(権威者の意見)。

どちらもリスクが低ければ非適応症(権威者の意見)。

う蝕の進行状態は、C2のごく初期まで、それ以上ならフィッシャーブロックの適応(私見)。

平滑面(隣接面)のシーラントに関しては、まだエビデンスが不足している。

グラスアイオノマー系のシーラントに関してはレジン系より生存率が格段に落ちる(エビデンス)。

エッチングをしなくても、残存して部分とのギャップから2次う蝕の危険性が増す(私見)。


ディアグノーデントについては、NPV・PPVは有病率によって変化するので、この場合は”感度は低いが特異度は高い”という表現になると思います。

オーバートリートメントにならないように、意図的にそのような数値に設定しているようです。

但し臨床では測定エラーも多く、確定診断には使えません。

う蝕の診断はあくまでも視診と次にレントゲン咬翼法、その補助としてディアグノーデントとなります(権威者の意見)。


MIの考えから、充填とシーラントの併用、う蝕になっている部分のみ充填し、う蝕に侵されていない裂溝はシーラントを行うという方法もあります(権威者の意見)。

チョッと専門的になってしまいすみません。

2007-07-06 01:26:00
返信5 小牧先生も、コメントありがとうございます。
じっくり熟読いたしました。

私も試みに論文検索かけてみたら、ずいぶんたくさんシーラントの研究があるんだなぁと思いました。

しかし、外部妥当性がないとのこと……
先生の深〜〜い見識に圧倒されました!!!

国ごとの状況も加味して、データを読んでいかなければならないわけですね。


>裂溝に細菌がいても、密閉されてしまえ場発育は抑制されう蝕は進行しない(エビデンス)。

。。。という点については、「虫歯を取り残して二次カリエスになる」ということと、何か矛盾があるような気がして、どこが判断の分かれ目になるのかな。。。と考えてしまいました。

主婦A さん  2007-07-06 21:28:00
回答8
美江寺歯科医院の小牧です。

面白い研究があります。

虫歯の部分をわざと取り残してレジン充填をして観察したら、虫歯は進行しなかった。

確実に接着していれば、細菌の発育に必要な栄養が来ないため発育が抑えられるようです。

この研究の結果から二通りの考え方が出来ます。


1)
しっかり充填すれば少しぐらい虫歯を取り残してもいい。

2)
虫歯はとりきらないといけないが、万が一虫歯を取り残してしまったときのことを考えて、接着をしっかりしよう。


どちらの先生にかかりたいですか?
私だったら2)の先生ですね。


2007-07-06 22:54:00
返信6 そうですね、2)の先生のほうがいいです!

小牧先生、本当にたくさんの論文を読んでおられてすごいですね。

「わざと取り残して」というのは、すごいですね〜。
被験者の人は、わざと取り残されたことは知っているのでしょうか(汗)。

今回の、シーラント下で虫歯になっている件については、ラバーダムはもちろん無しでやっていましたので、しっかり接着してもらったかどうかについては……???

今度からは、ラバーダム使用で充填をしていただける医院を見つけましたので、そちらでしっかり接着してもらって予後をできるだけ良くしていきたいです。

(もちろん、メインテナンスにこまめに通って!)

貴重なお話を、本当にありがとうございました。

主婦A さん  2007-07-06 23:25:00
返信7 その後のご報告までと思い、書かせて頂きます。

下の子の検診のために受診した小児歯科に、問題の上の子どもを先週連れて行きました。歯学部附属病院で小児歯科学教室に長くおられて、歯科材料にも詳しそうな、そしてラバーダムを使ってくださる開業医の先生です。

渡辺先生のコメントから、

「因みに、元々発見されていたオレンジ色は、多分色素の沈着の可能性が高いのではないかな、と思います。」

というお話がありましたが、今回診て頂いた先生は、この色をじっくり観察したうえで(右側6番)、これは初めて行われたシーラントが、オレンジ色のシーラント剤を使っていて、それが残っていたものだと思うと、診断を下しておられました。

初めてシーラントをした時点では、私はデンタルIQゼロでしたので、どんなシーラント剤だったのかまったく覚えていませんでした。。。

オレンジというか赤というか、そういう色の材料があるんだそうです。

ただ、やはり左側6番は虫歯っぽいようで、それでも先生の判断は「削らずに経過観察」となりましたので、これから3ヶ月ごとに通って出来るだけ進行しないことを祈るばかりです。

うちの子どもの歯を先生はご覧になって、溝が深いとおっしゃっていたので、小牧先生が書いておられた「局所的なリスクが高い」という適応になるようです。

私としては悩ましいことは起こってしまいましたが、いちおう、最初に通っていた医院でシーラントを勧められるままにやったのは、あながち間違ってはいなかったと納得はできました。

ちなみに、小牧先生が書いておられた、

「MIの考えから、充填とシーラントの併用、う蝕になっている部分のみ充填し、う蝕に侵されていない裂溝はシーラントを行うという方法もあります(権威者の意見)」

というお話とまさに一致する治療方法が、デンタルダイヤモンドのサイトに画像つきで紹介されてあるのを見つけて、素人にとっては、小牧先生が書いてくださったことを具体的にイメージできてよかったです。

http://www.dental-diamond.co.jp/ddtest/2005/ddtest0506_2a.html


ご報告は以上です。
本当に、今回も丁寧なご回答をありがとうございました。

主婦A さん  2007-07-22 20:39:00
回答9
美江寺歯科医院の小牧です。

いい先生とめぐり合うことが出来てよかったですね。
私もうれしく思います。

2007-07-22 22:43:00
回答10
国際ビル歯科院長のさがらです。

こんばんは。
さがらです。

私自身では試していませんが、ご参考までに最新の治療方法があります。

幼若永久歯C1〜2のう蝕になっている裂溝に対しては、人工エナメルを塗り込む方法でう蝕は消失してしまうと言われています。

目に見えるう蝕ばかりでなく、一見正常に見えても狭い裂溝の奥でう蝕となり、ダイアグノデントレントゲンでのみ発見されるようなう蝕にも有効です。

この場合、う蝕は全く削らなくてかまいません。きれいにして塗るだけです。

その理由として今まで先生方が回答されているように、お口の中とのアクセスを絶たれてしまうとう蝕は進行しなくなるからです。

この方法の特徴は、削ったり、酸エッチングしたりする欠点や危険が全く避けられることです。

そして、とてもきれいな排列構造のアパタイトがエナメル部分に積み上がって一体となってしまうので非常に強い歯になり、シーラントのように異物が接着されていることによって起こる欠点が出ません。

反面、何度も塗り込まなくてはならず回数が必要です。
また、どんな治療方法でも当然ですが、平行して効果的な予防診療を継続的に受けることも欠かせません。

もちろんCO(要観察歯)や形態が狭くて深い裂溝への予防処置としても適応となります。

ただ隣接面への適応はまだ今のところでは、はっきりしていません。
しかし、幼若永久歯のう蝕好発部位は咬合面の裂溝と頬側溝ですからこの時期には有効になると思われます。

ただこの方法は現在のところまだ正式には提供されていません。
あと1・2年後には発表されると思います。

2007-07-22 23:30:00
返信8 さがら先生、はじめまして。

最新の治療法、すごいですね!!!
とっても期待してしまいます。

発表まで1〜2年とのことですが、いったいどんなかたちで公表されるんでしょう。。。

うちの子がお世話になっている小児歯科医の先生も、やってくださったらいいなぁと思います。

たいへん貴重な情報を、ありがとうございます!!

主婦A さん  2007-07-23 20:23:00
回答11
美江寺歯科医院の小牧です。

最新の治療法は気をつけましょうね。

研究結果がすごく良かったといって、鳴り物入りで市場に出た製品が、数年すると市場から消えている事はよくあります。

市場に出て、数年してから人が使ったのを見てからにしたほうがいいですよ。

2007-07-24 00:01:00
返信9 小牧先生、そうでしたね、3Mixもそうですし慎重に考えなければならないですよね。ちょっと期待しながら、情勢を見守ってみます。

主婦A さん  2007-07-24 00:13:00

・上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
・歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
・保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意下さい。

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