ビスホスホネート系の薬剤(骨粗鬆症予防薬:フォサマック)による顎骨壊死
相談者:
さちさん (35歳:女性)
投稿日時:2007-12-10 07:55:18
一人暮らしの85歳の祖母が5年前より
骨粗しょう症の予防薬、フォサマックを服用しています。
一年前に一般歯科にて残根を抜歯しました。
その後、祖母はずっと、
<うずく感じがする>と言い、
その歯科医院に何度も通院し
<傷の治りが老人だから悪い>として
消毒やレーザー治療を受けていました。
一年も・・・
この12月に入り、
人相が変わるぐらいに
顔が腫れたらしく口腔外科のある総合病院で
診察してもらい、即日入院、手術致しました。
下顎骨骨髄炎、右頬部から顎下部 蜂か織炎とのことでの
全身麻酔の手術でした。
術後、フォサマックによる顎骨壊死との診断でした。
ゆくゆくは壊死した下顎骨を切除し、再建が必要と言われました。
ただ、最近出てきた症例で
その先生も実際に診たことが無いとの事で
セカンドオピニオンを勧められました。
一般歯科では判らないものなのでしょうか?
パノラマ、デンタルなどには映らないのでしょうか?
早く判っていればこんな事にならなかったのでは・・・
と、考えてしまいます。
一年も診ていて改善されなければ
大学病院などに紹介などをしないのでしょうか?
骨粗しょう症の予防薬、フォサマックを服用しています。
一年前に一般歯科にて残根を抜歯しました。
その後、祖母はずっと、
<うずく感じがする>と言い、
その歯科医院に何度も通院し
<傷の治りが老人だから悪い>として
消毒やレーザー治療を受けていました。
一年も・・・
この12月に入り、
人相が変わるぐらいに
顔が腫れたらしく口腔外科のある総合病院で
診察してもらい、即日入院、手術致しました。
下顎骨骨髄炎、右頬部から顎下部 蜂か織炎とのことでの
全身麻酔の手術でした。
術後、フォサマックによる顎骨壊死との診断でした。
ゆくゆくは壊死した下顎骨を切除し、再建が必要と言われました。
ただ、最近出てきた症例で
その先生も実際に診たことが無いとの事で
セカンドオピニオンを勧められました。
一般歯科では判らないものなのでしょうか?
パノラマ、デンタルなどには映らないのでしょうか?
早く判っていればこんな事にならなかったのでは・・・
と、考えてしまいます。
一年も診ていて改善されなければ
大学病院などに紹介などをしないのでしょうか?
回答1
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2007-12-10 11:51:09
すみません。
僕も実際にそのような患者さんを拝見した事が無いので‥。
>セカンドオピニオンを勧められました。
大学病院の口腔外科専門医が診ても解らないんですよね‥。
特に骨に詳しい先生を紹介していただくとか‥。
難しいですよね。
>一年も診ていて改善されなければ大学病院などに紹介などをしないのでしょうか?
これはその先生の考え方次第ですから何とも言えませんよね。
僕は「解らない!」となれば紹介しちゃうんですけど‥。
僕も実際にそのような患者さんを拝見した事が無いので‥。
>セカンドオピニオンを勧められました。
大学病院の口腔外科専門医が診ても解らないんですよね‥。
特に骨に詳しい先生を紹介していただくとか‥。
難しいですよね。
>一年も診ていて改善されなければ大学病院などに紹介などをしないのでしょうか?
これはその先生の考え方次第ですから何とも言えませんよね。
僕は「解らない!」となれば紹介しちゃうんですけど‥。
相談者からの返信
相談者:
さちさん
返信日時:2007-12-10 15:45:23
回答2
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2007-12-10 23:29:52
今晩は
大変お困りなようですが、この件につきましては、まだ最近問題になりだしたばかりです。
この薬は最近になって骨粗鬆症に使用が認められた薬で、アメリカでは、副作用としてこの薬を飲んで抜歯をすると、あごの骨が壊死したという報告が伝わってきています。
われわれ歯科医師に注意が促されたのも最近で、すでに日本でも数例発症しているようです。
しかもこの情報も壊死したことだけが報告され、どのように対処したらいいのかが伝わってきません。
実際のところ、壊死した事実以外何もわかっていないようです。
いったん服用すると、服用をやめても10年?は影響が残るとも言われています。
さちさんも、いろいろご不審に思われるかもしれませんが、このような状況で、歯科医師も困っている状況です。
私のオフィスでも、最近この薬を飲んでいることで、手術を中止した患者さんが見えます。
もし服用していて、抜歯がどうしても必要な患者さんが見えたらどうしたらいいのかお手上げの状態です。
行政の中でも、歯科は医科よりどうしても下に見られている、現状をお察しください。
大変お困りなようですが、この件につきましては、まだ最近問題になりだしたばかりです。
この薬は最近になって骨粗鬆症に使用が認められた薬で、アメリカでは、副作用としてこの薬を飲んで抜歯をすると、あごの骨が壊死したという報告が伝わってきています。
われわれ歯科医師に注意が促されたのも最近で、すでに日本でも数例発症しているようです。
しかもこの情報も壊死したことだけが報告され、どのように対処したらいいのかが伝わってきません。
実際のところ、壊死した事実以外何もわかっていないようです。
いったん服用すると、服用をやめても10年?は影響が残るとも言われています。
さちさんも、いろいろご不審に思われるかもしれませんが、このような状況で、歯科医師も困っている状況です。
私のオフィスでも、最近この薬を飲んでいることで、手術を中止した患者さんが見えます。
もし服用していて、抜歯がどうしても必要な患者さんが見えたらどうしたらいいのかお手上げの状態です。
行政の中でも、歯科は医科よりどうしても下に見られている、現状をお察しください。
回答3
回答日時:2007-12-11 01:35:28
こんにちは。
大変なことですね、ご本人はもとより、ご家族、知人の方のご心痛もお察しします。
歯科の方の状況は、小牧先生がおっしゃる通りです。
私がこの件について初めて耳にしたのも、よくは覚えてないのですが、たぶん今年に入ってからだったと思います。
(昨年の暮れぐらいから問題にはなり始めていた?様ではありますが、詳しくは分かりません)
また、医科では気軽に処方される?という話もあり、インプラント等は元より、抜歯すらお断りしなくてはならないということで、非常に困惑しているところでもあります。
(合併症の率は20%も?という話も今はある様です・・)
一般の患者さん、医科・歯科ともに早く周知されないといけない問題です。
・・とは言えご家族としては納得出来ないでしょうし、経緯などについては、詳しくお知りになりたいことと思います。
中本先生の受け売りではありますが、この様な場合には、まずは弁護士さんに相談されるのが良い様です。
弁護士さんに相談する=裁判ではけしてありませんので、費用はかかりますが、実際に相談してみてはどうでしょうか。
(1時間あたり5000円ぐらいのことが多い様です。)
参考⇒医療事故情報センター
http://www3.ocn.ne.jp/~mmic/
興味があれば、まずは電話で問い合わせてみて下さい。
まずはなんとか回復し、良い形で解決に向かうことを心より願っています。
お大事にされて下さい。
大変なことですね、ご本人はもとより、ご家族、知人の方のご心痛もお察しします。
歯科の方の状況は、小牧先生がおっしゃる通りです。
私がこの件について初めて耳にしたのも、よくは覚えてないのですが、たぶん今年に入ってからだったと思います。
(昨年の暮れぐらいから問題にはなり始めていた?様ではありますが、詳しくは分かりません)
また、医科では気軽に処方される?という話もあり、インプラント等は元より、抜歯すらお断りしなくてはならないということで、非常に困惑しているところでもあります。
(合併症の率は20%も?という話も今はある様です・・)
一般の患者さん、医科・歯科ともに早く周知されないといけない問題です。
・・とは言えご家族としては納得出来ないでしょうし、経緯などについては、詳しくお知りになりたいことと思います。
中本先生の受け売りではありますが、この様な場合には、まずは弁護士さんに相談されるのが良い様です。
弁護士さんに相談する=裁判ではけしてありませんので、費用はかかりますが、実際に相談してみてはどうでしょうか。
(1時間あたり5000円ぐらいのことが多い様です。)
参考⇒医療事故情報センター
http://www3.ocn.ne.jp/~mmic/
興味があれば、まずは電話で問い合わせてみて下さい。
まずはなんとか回復し、良い形で解決に向かうことを心より願っています。
お大事にされて下さい。
回答4
歯医者/歯科情報の歯チャンネル運営者の田尾です。
回答日時:2007-12-11 02:56:29
僕も今年になってから、タカタ先生からこのお話を聞きました。
ビスフォスフォネート系の薬剤を服用されている患者さんの場合には注意が必要ということですが、インプラントは他の選択肢があるのでまだいいとして、抜歯も出来ないとなるとどうすれば良いのか…。
早く対策やガイドラインができると良いのですが…。
一応、参考までに。
骨吸収抑制薬(ビスホスホネート系)
アレンドロン酸ナトリウム水和物<経口剤>
リセドロン酸ナトリウム水和物
(フォサマック錠,ボナロン錠,ベネット錠,アクトネル錠)
[重要な基本的注意]
「本剤を含むビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において,顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例のほとんどが抜歯等の歯科処置や局所感染に関連して発現しており,また,静脈内投与された癌患者がほとんどであったが,経口投与された骨粗鬆症患者等においても報告されている。リスク因子としては,悪性腫瘍,化学療法,コルチコステロイド治療,放射線療法,口腔の不衛生,歯科処置の既往等が知られている。本剤の投与にあたっては,患者に十分な説明を行い,異常が認められた場合には,直ちに歯科・口腔外科に受診するよう注意すること。」
「重大な副作用」
「顎骨壊死・顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。」
ビスフォスフォネート系の薬剤を服用されている患者さんの場合には注意が必要ということですが、インプラントは他の選択肢があるのでまだいいとして、抜歯も出来ないとなるとどうすれば良いのか…。
早く対策やガイドラインができると良いのですが…。
一応、参考までに。
骨吸収抑制薬(ビスホスホネート系)
アレンドロン酸ナトリウム水和物<経口剤>
リセドロン酸ナトリウム水和物
(フォサマック錠,ボナロン錠,ベネット錠,アクトネル錠)
[重要な基本的注意]
「本剤を含むビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において,顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例のほとんどが抜歯等の歯科処置や局所感染に関連して発現しており,また,静脈内投与された癌患者がほとんどであったが,経口投与された骨粗鬆症患者等においても報告されている。リスク因子としては,悪性腫瘍,化学療法,コルチコステロイド治療,放射線療法,口腔の不衛生,歯科処置の既往等が知られている。本剤の投与にあたっては,患者に十分な説明を行い,異常が認められた場合には,直ちに歯科・口腔外科に受診するよう注意すること。」
「重大な副作用」
「顎骨壊死・顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。」
相談者からの返信
相談者:
さちさん
返信日時:2007-12-11 13:38:50
回答5
歯医者/歯科情報の歯チャンネル運営者の田尾です。
回答日時:2008-01-09 04:55:03
本件に関する参考資料です。
http://www.jsoms.or.jp/pdf2/bone_bisphos.pdf
http://www.hsp.ehime-u.ac.jp/medicine/practical_training/drug_information/DI_BPS.pdf
http://www.jsoms.or.jp/pdf2/bone_bisphos.pdf
http://www.hsp.ehime-u.ac.jp/medicine/practical_training/drug_information/DI_BPS.pdf
回答6
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2008-01-15 03:01:10
最新の報告ではあごの骨の壊死が、30例に達しています。
そのうち骨粗鬆症のために飲まれていた方は5名。
歯科処置は、抜歯は16名、そのほかには、インプラントや義歯装着、歯周病も関連したケースがあるようです。
アメリカの学会で、ガイドラインが発表されていますが、まったくエビデンスが無いようです。
訴訟対策かと勘ぐりたくなるような内容です。
そのうち骨粗鬆症のために飲まれていた方は5名。
歯科処置は、抜歯は16名、そのほかには、インプラントや義歯装着、歯周病も関連したケースがあるようです。
アメリカの学会で、ガイドラインが発表されていますが、まったくエビデンスが無いようです。
訴訟対策かと勘ぐりたくなるような内容です。
回答7
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2008-01-18 01:18:44
アメリカのBPに対する予防策のガイドラインです。
【経口剤による顎骨壊死の予防】
1) ビスフォスフォネート使用期間が3年以上。
1. 処方医に対して、治療の前および治療後、それぞれ3ヶ月間ずつ休薬することを相談。可能であれば1年間の休薬が望ましい。
2. 手術前には骨吸収マーカーであるCTX(C-telopeptide)レベルを測定し、CTX>150pg/mLであること。
3. 患者に対しては、経口BP剤に基づく顎骨壊死の可能性について十分な説明を実施。
4. 可能であれば、BP剤以外の治療薬の選択について処方医に相談する。
2) ビスフォスフォネート使用期間が3年未満で以下のリスクが無い。
・ステロイド使用
・骨硬化症あり
1. CTX>150pg/mLであること。
2. 口腔内手術は実施可能であるが、患者に対しては、経口BP剤に基づく顎骨壊死の可能性について十分な説明を実施。
3. 処方医に対しては、BP剤以外の治療薬の選択もしくは休薬について相談できるようにしておく
3) ビスフォスフォネート使用期間が3年未満で以下のリスクのいずれかを有する。
・ステロイド使用
・骨硬化症あり
1. 3ヶ月間の休薬を行う。
2. 血中CTX<150pg/mLであれば、口腔内手術を中止し、BP剤の休薬を3ヶ月以上行う。3ヵ月後、再度、血中CTXレベルを測定。
3. CTX>150pg/mLであれば口腔内手術を実施。
4. 口腔内外科治療実施後には、BP剤を3ヶ月間休薬する。
【関連性の高い相談】
・骨粗鬆症とインプラント
・ビスフォスフォネート剤は短期服用でも、抜歯で顎骨壊死の危険性はある?
・ビスホスホネート製剤による治療中の根管治療実施の有無について
【経口剤による顎骨壊死の予防】
1) ビスフォスフォネート使用期間が3年以上。
1. 処方医に対して、治療の前および治療後、それぞれ3ヶ月間ずつ休薬することを相談。可能であれば1年間の休薬が望ましい。
2. 手術前には骨吸収マーカーであるCTX(C-telopeptide)レベルを測定し、CTX>150pg/mLであること。
3. 患者に対しては、経口BP剤に基づく顎骨壊死の可能性について十分な説明を実施。
4. 可能であれば、BP剤以外の治療薬の選択について処方医に相談する。
2) ビスフォスフォネート使用期間が3年未満で以下のリスクが無い。
・ステロイド使用
・骨硬化症あり
1. CTX>150pg/mLであること。
2. 口腔内手術は実施可能であるが、患者に対しては、経口BP剤に基づく顎骨壊死の可能性について十分な説明を実施。
3. 処方医に対しては、BP剤以外の治療薬の選択もしくは休薬について相談できるようにしておく
3) ビスフォスフォネート使用期間が3年未満で以下のリスクのいずれかを有する。
・ステロイド使用
・骨硬化症あり
1. 3ヶ月間の休薬を行う。
2. 血中CTX<150pg/mLであれば、口腔内手術を中止し、BP剤の休薬を3ヶ月以上行う。3ヵ月後、再度、血中CTXレベルを測定。
3. CTX>150pg/mLであれば口腔内手術を実施。
4. 口腔内外科治療実施後には、BP剤を3ヶ月間休薬する。
【関連性の高い相談】
・骨粗鬆症とインプラント
・ビスフォスフォネート剤は短期服用でも、抜歯で顎骨壊死の危険性はある?
・ビスホスホネート製剤による治療中の根管治療実施の有無について
タイトル | ビスホスホネート系の薬剤(骨粗鬆症予防薬:フォサマック)による顎骨壊死 |
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質問者 | さちさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 35歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
歯が抜けた・抜く予定 その他 インプラントその他 医療ミス、不信感その他 専門的な質問その他 薬剤その他 骨粗鬆症 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。