[写真あり] 多孔性であるレジンでの充填は危険はないのですか?

相談者: 舞さん (30歳:女性)
投稿日時:2009-01-31 20:00:33
はじめまして。
よく拝見させていただいております。


早速ですが、レジンは多孔性といって目には見えない穴が空いていて、内部に水分や汚れを吸収してしまう性質があるので、神経に刺激がくわわり、後にしみたり痛みがでてきて、抜髄する可能性があると聞きました。

88チャンネルをみていて、レジンで抜髄の危険性があるとは読んだことがなかったのですが、修復するサイズによるのかもしれませんので、修復するサイズのインレーも添付いたします。


1)レジン治療はよく行われているようですが、このような危険はどうなさっているのですか?


2)抜髄するに至るまでに何か良い手はないのでしょうか

切断面に、流動性のあるレジンでコーティングをするそうですが、結果的同じレジンなので、抜随の危険性は否めないとのこと。


3)上記のようなコーティングは、みなさんがよく書かれている、インレーの下にされたりするレジンベースと同じでしょうか?


4)レジンとレジンはひっつかないが臨床上はできると読んだと思うのですが、メーカが違うと無理だとか、そうでないとか?大丈夫でしょうか?


もし以前に同じような質問がありましたら申し訳ありませんが
教えていただけますでしょうか

画像1画像1


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2009-01-31 21:01:05
はじめまして、どこかのサイトで書いてあって不安になってしまいましたかね!?

レジンは多孔性といって目には見えない穴が空いていて、内部に水分や汚れを吸収してしまう性質があるので、神経に刺激がくわわり、後にしみたり痛みがでてきて、抜髄する可能性があると聞きました。

確かにレジンは多孔性ですね。
ただしレジンは色々な種類が存在しますよ。

多孔性と言ってもイメージされている、ストロー上の管ではないですよ^^;
小さな気泡状の穴です。
上のレジンの穴が神経近くまで繋がっている訳ではありません。

充填後にしみるのは、レジンと言うより接着不良による場合もありますね。
また昔の化学重合型レジンではないので、そこまで刺激などはないです。
現在のレジンは直接覆髄にも使用するぐらいですから。



>1)レジン治療はよく行われているようですが、このような危険はどうなさっているのですか?

全く気にするほどの危険性ではないと判断しています。
それより得られるメリットが大きいので、特に使用を止めようなど考えていませんね^^

前歯の小さな虫歯でレジンに変わる材料もありませんし^^;
どこかの国のように、前歯にアマルガム詰める訳にもいきませんから。



>2)抜髄するに至るまでに何か良い手はないのでしょうか

担当の先生がお勧めする方法の中から選んでみてください。


>切断面に、流動性のあるレジンでコーティングをするそうですが、結果的同じレジンなので、抜随の危険性は否めないとのこと。

気にすることはないと思いますよ。
私はメタルインレーでもほぼ100%レジンでベースをして整えた後に形成し直し印象していますが、これが原因でが悪くなった経験はありません。

ケースによっては直接覆髄法などを併用します
http://www.eedental.jp/contents/medicalcase/mta.html

MTAの直上にはレジンがきます。


>3)上記のようなコーティングは、みなさんがよく書かれている、インレーの下にされたりするレジンベースと同じでしょうか?

ボンディング材(レジンの接着剤)を塗布する方法をレジンコーティングと言う時が多いですね。
ただし、保険治療ではこの算定はできないので自費治療の際のオプションと考えてもらった方がいいと思います。


>4)レジンとレジンはひっつかないが臨床上はできると読んだと思うのですが、メーカが違うと無理だとか、そうでないとか?大丈夫でしょうか?

駄目とおっしゃる先生もいますが、私の臨床において問題を起こした経験はありませんね。

例えば画像1のようなレジン充填(左:術中 右:術後)も、メーカーの異なる3種類のレジンを使用していますが、1年経過しても凍みるなどの問題は起こっていません。


歯科材料は全て人工物です。
どんな材料においてもリスクは存在します。

私は舞さんの写真のような保険のインレーの方が、レジンよりリスクが高いと判断しています。

レジンと好き好きは世代にも表れていると感じます。
若い先生ほどレジンに興味がある傾向があります。


現在強固なセメント類には殆どレジンが含まれています。
メタルインレー修復を行っても結局はレジンを使用する訳です。
インレーの下に来てしまい、多くが口腔内に露出していなくてもレジンに違いありません。

コンポジットレジンと違い、セメント類のレジンは殆ど問題視されません。
(怒られそうですね^^;)



比較的新しいデーターですが、メタルインレーとコンポジットレジンの平均生存期間に差がなくなってきているとの報告(日本国内の論文)もあります。

・メタルインレー:10.42年
・コンポジットレジン:9.68年

10年後生存率も
・メタルインレー:67.5%
・コンポジットレジン:60.4%

*同じ窩洞形態で比較実験をしたものではありません。
またこの修復物は1991年〜2005年までのものです。
(論文読んでの感想ですが、20世紀のレジンであれば過去の世代のレジンなので現在の接着システムだと・・・)


たかがレジンですが、私の臨床においてレジンなしの臨床は考えられません。

 

ただ舞さんのケースでは既に削っている面積が大きい&奥歯なので、レジン充填が得意な先生でない限りレジン充填はお勧めできませんね^^;

 
 
画像1
レジン充填(左:術中 右:術後)

トンネリングでアプローチしています。
http://www.eedental.jp/contents/medicalcase/tunneling.html

 

画像1画像1

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2009-02-02 09:21:04
僕も井野先生の意見に100%同意です。

>どこかのサイトで書いてあって不安になってしまいましたかね!?

僕も?ですね。
インターネットと言う情報化社会において、得た情報が正しいかそうでないかの選択は難しいと思いますが、今回の件に関しては「間違った情報」と言う感じでしょうか。

単純にレジンとはプラスチックです。

「プラスチック製のコップに水を入れたら多孔性だから漏れてきた」

と言う経験はありますか?
ちなみに僕はありません。

つまり

ここで言う多孔性=穴が空いているから歯髄に刺激が伝わる

ではありません。


なので


>1)レジン治療はよく行われているようですが、このような危険はどうなさっているのですか?

レジンの材質による危険性は無いと思っています。
むしろ接着不良(テクニカルエラー)の方が危険です。


>2)抜髄するに至るまでに何か良い手はないのでしょうか

むしろ、適切な接着操作を行ったレジンの方が、歯髄を保護するためには有効だと考えます。


>3)上記のようなコーティングは、みなさんがよく書かれている、インレーの下にされたりするレジンベースと同じでしょうか?

ほぼ同じだと思います。
(微妙な操作は歯科医師ごとに違うかもしれませんが)


>4)レジンとレジンはひっつかないが臨床上はできると読んだと思うのですが、メーカが違うと無理だとか、そうでないとか?

理論上はくっつきません。
しかし、臨床上はくっついています。



>私は舞さんの写真のような、保険のインレーの方がレジンよりリスクが高いと判断しています。

>ただ舞さんのケースでは既に削っている面積が大きい&奥歯なので、レジン充填が得意な先生でない限りレジン充填はお勧めできませんね^^;

僕も同感です。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2009-02-02 09:39:31
おはようございます、北区梅田の佐藤です。

私も上記の両先生方に同意致します。

奥歯であり、隣接面と歯が隣り合うポイント)が含まれていることから、治療の際はゴールドのインレーが最も適していると
思われます。

よほどの事が無い限り、レジンでの修復はとてもお勧めできません。

もしも、自分がその立場なら、ゴールドのインレーにしてもらいます。
レジンで治すことは絶対に嫌です。


御快癒を御祈念しております。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 舞さん
返信日時:2009-02-03 13:29:07
先生方、ご回答ありがとうございました。
御礼が遅くなりました。

言葉足らずで、すみません。
もう少しお伺いしていいでしょうか?

多孔性については、今診ていただいている先生より聞きました。

レジンの上にインレーが被さる場合でなく、レジンのみでの治療だと、穴が空いているから水分により冷たさ・熱さが浸透しやすく象牙質の中の、管を通って神経に刺激を与え痛みが数年後出る可能性が、100人に1人くらいの割合でもあるとか。


1)ご回答を読んでいると大丈夫そうですが、そんなこと1%の可能性もないでしょうか?
この考えで行くと、細菌もレジンを通して入って行ってしまいそうです。

2)万が、万が一何かあったとしても、神経というのは徐々に障害が出てはこないのですか?

何か障害が出た場合、抜髄する前に詰め物を交換してみるとか対処法は、全くないのですか?

先生は抜髄しかないようでしたが、すぐ抜髄となるのでしょうか?



>私は舞さんの写真のような、保険のインレーの方がレジンよりリスクが高いと判断しています。

3)それはどうしてですか?
(レジンでなければ保険のインレーでお願いしようと思っています。)

大変個人的な質問になって申し訳ないのですが、自分のような(奥歯5番です)患者なら、みなさんはレジン充填のみと保険のインレーとどちらでトライなさいますか?



>ただ舞さんのケースでは既に削っている面積が大きい&奥歯なので、レジン充填が得意な先生でない限りレジン充填はお勧めできませんね^^;

4)得意でない先生にお願いするとどういった、支障がでてきますか?

井野先生のサイト見せていただきました。
(技術のすばらしさは驚きでした。)
サイトの中に、「保険プラスチック修復だと、5年ほどで虫歯が再発する」とか!? 得意でない先生にお願いするそういうことになるんでしょうか?

(得意かはわかりませんが、生活に支障がない程度の治療はできると先生は話されていました。)



5)先の質門の4)はサイト情報です。
硬化させた後でも、レジン同士はメーカーが違ってもひっつきますか?


大変長くなってしまいわかりにくく
すでにある質問で、調べ不足でしたら、申し訳ありません。
お忙しく無いときで、いつでも結構ですのアドバイス頂けますでしょうか。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2009-02-03 14:03:20
レジンのみでの治療だと、穴が空いているから水分により冷たさ・熱さが浸透しやすく、象牙質の中の、管を通って神経に刺激を与え痛みが数年後出る可能性が、100人に1人くらいの割合でもあるとか』

レジンの多孔性の説明としてはズレていると思います。

金属製の修復よりはレジンの方が知覚過敏様、もしくは単純性歯髄炎様の症状は発現し難く、修復材料の優劣ではなく、単に歯髄までの距離や、修復の穴の大きさ深さに起因すると思います。

また、細菌が入っても穴伝いに奥に侵入できるような形状ではありませんので、ご心配なく。


どうも主治医は説明ベタなのか、聞き覚えの段階でずれているのか、その両方なのかどこかズレているような気がします。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2009-02-03 23:58:23
レジンのみでの治療だと、穴が空いているから水分により冷たさ・熱さが浸透しやすく象牙質の中の、管を通って神経に刺激を与え痛みが数年後出る可能性が、100人に1人くらいの割合でもあるとか。

担当の先生の意見も聞かずここで否定することはフェアーでないので、同じ事を大学病院などで聞いてみてください!?


>>私は舞 さんの写真のような、保険のインレーの方がレジンよりリスクが高いと判断しています。
>3)それはどうしてですか?

レジンと金銀パラジウム合金では、後者の方がアレルギーのリスクが大きいと思うからです。

今まで歯科医師をしていて、金属アレルギーは年に数人診ますが、レジンアレルギーは覚えて範囲で2人ぐらいしか診たことありませんね。


>4)得意でない先生にお願いするとどういった、支障がでてきますか?

フロスが入らなかったり、とレジンの段差がでてしまい、2次カリエスなどのリスクが大きくなるでしょうね。
奥歯の歯と歯の間にレジンを綺麗に詰めるのは、少しのコツと多くの時間が必要です。


写真もインレー内にカリエスがあったのでやり代えましたが1、時間以上かかっています。

短時間で適合を上げるにはインレーの方が有利です。
でもレジンに比べ歯は削りますよ。


>硬化させた後でも、レジン同士はメーカーが違ってもひっつきますか?

その日のうちに詰める分には全く問題ないと思います。
私はそこまで気にしていません。

そこまでこだわるのなら、同じメーカーのレジンでも詰めている間に唾液に詰めている面が触れたり、出血で詰めている面が汚染される方が大きな問題だと思いますよ。


ん〜、あまり中途半端な知識で、深いところまでこだわらない方がいいですよ。
不幸な結果しか生まれませんから。


>サイトの中に、「保険プラスチック修復だと、5年ほどで虫歯が再発する」とか!? 得意でない先生にお願いするそういうことになるんでしょうか?

神様にしか分かりませんね^^;
「5年」と言うのは統計上の数字であって半年で詰め物が取れる場合もありますし、10年持つ場合もあります。

先の回答で書いた値の方が数年前に発表された新しいデーターです。


先生の出されたお勧めでがいいと思いますよ^^

画像1画像1

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 舞さん
返信日時:2009-02-04 16:53:13
佐藤先生・井野先生ご回答ありがとうございました。

自分の聞き覚えがズレているのかもしれませんね。

神経を失うのは怖いなと思っていたのですが、井野先生の実例を見せていただいても、佐藤先生のお話からもレジン自体に問題はなさそうですね。



>硬化させた後でも、レジン同士はメーカーが違ってもひっつきますか?

妙な質問の仕方をしてすみませんでした。

先生により使われるレジンは違うとのことでしたので、(レジンでの修復をしていただこうかと思っていたので)今後修復の際は、同じレジンを使用する先生でないと、レジンの欠けてしまった部分だけ直す事はできないのかなぁと思い質問いたしました。



知識がないのに質問をしてしまってすみませんでした。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2009-02-04 17:31:56
いえいえ、知識がないことは恥じることでもお詫びされるようなことではありませんよ。

何が知らないのか?これが判明するだけでも素晴らしい事です。
お役に立てて光栄です。


御快癒を御祈念しております。

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2009-02-04 21:36:35
>知識がないのに質問をしてしまってすみませんでした。

いえいえ、知識を得るために質問するのですが、ある程度予備知識がないと、こちらの書く内容も伝わらないので予備知識を持ってくださいね。


また、こだわる所がかなりミニマムな点に着眼していることも気になります。

歯科と言っても細分化されつつあり、どの分野も得意と言う先生は少なくなってきていますので、レジンと言う治療選択肢を提示されない限り、

「レジンでお願いします!!」

など言わないでくださいね^^;

と歯の間の虫歯もケースを選べばレジンで詰めれますが、まだまだ一般的な治療ではありませんので。


お大事に^^




タイトル [写真あり] 多孔性であるレジンでの充填は危険はないのですか?
質問者 舞さん
地域 非公開
年齢 30歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ レジン(白いプラスチック)
材料・機材関連
その他(写真あり)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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