[写真あり] 黒い影がある上顎奥歯の根管治療を避けたい

相談者: mk_555さん (31歳:女性)
投稿日時:2009-04-18 21:06:57
はじめまして。

なるべくと神経を抜きたくないため、どうぞお力添えをお願いします。
以下に状況をまとめます。


●1年ほど前に、左上顎内部(一番奥、7・8番あたり)が腫れ通院。

結果、歯軋りにより8番歯周ポケットが10ほどまで達し、(5年ほど前に矯正をしていたこともポケットが深くなる理由の一つだったようです)抜歯を進められる。


●どうしても抜きたくなかったため、別の歯医者を探してどうにか定期的な掃除とケアで温存に成功。
おそらく現状歯周ポケットは7くらいまで復活。
(数ヶ月前にそう診断されました)


●それから一年後の現在、患部が冷たいものがすごくしみるように。

医者へ行くも、歯を磨きすぎでエナメル質が剥がれたため(あとは噛み合わせの調整)と診断され、2度ほど簡単な治療をする。

だがその直後あたりより、上顎奥部以外の痛み(左下顎の3・4番くらいと上顎3・4番くらいのあたりが)痛むようになる。
波があったものが数日後には痛くて眠れないほどに。

懸案の患部ではなかったため、当初はストレスによる痛みかと思っていたのですがあまりの痛さで不安になる。


●そこで別の歯医者へ行ってみると、(その歯医者へは紹介状等一切持たずに行きました)上顎8番歯の根元に黒い影があるのでおそらく膿ではないかと診断。

今管部の治療をしたいところだが、下顎の痛みもあるようで不安に思うのではという心遣いから、フロモックスとボルタレンを3日分処方。

理由としては、それを服用することで(まぼろしの?)痛みはなくなり、正しい幹部、左上顎8番の痛みが出てくるはずと言われる。

言われるも、服用して初日は痛みがおさまらず不安になるが、服用二日目(本日です)全くいたみはなくなりました。



●そこでご教授いただきたいのです。やはり根元の黒い影というのは膿なのでしょうか?

根の治療はなるべく避けたいです。
歯周ポケットが深いので、あまりいじりたくないのです。

神経を抜くために虫歯になっていない歯を、たくさん削るというのも・・・ですし。。


また、この歯はどちらにせよ10年もたないといわれました。
上顎なのでインプラントも少し怖いです。
(インプラント自体にもやはり不安はあります。)

ブリッジは7・6番に負担がかかりすぎるので、最悪この先抜歯となった場合、すきっぱにならないようにすることとほかの歯の最良な温存といった面から、入れ歯が最適なのではと思います。こちらについてはいかがでしょうか?


また31なので、なるべく歯と神経は残していきたいと思っています。
日ごろから歯磨き歯間ブラシもきちんとしていただけに、動揺を隠せません・・・

どうぞよろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2009-04-19 01:26:10
mk_555さん、こんにちは。

ご質問の内容を拝見しました。大変お困りのことと思います。

【1】

まず確認したいのですが、

>8番歯周ポケットが10ほどまで達し、

>上顎8番の根元に黒い影があるのでおそらく膿ではないかと診断。

とありますが、上記の「8番」(つまり親知らず)というのは間違いないのでしょうか? 7番ということはないですか?

仮に、本当に8番(親知らず)であるならば、深い歯周ポケットの存在および根の症状が疑われるのであれば、よほどのことがない限り抜歯抜髄ではなく)をされた方が良いと思います。

一方で7番であれば、確かにできるだけ不可逆的な処置をしていきたいところですね。



【2】

ただ、文面のみのご相談であるこちらでは、

>やはり根元の黒い影というのは膿なのでしょうか?

ということに関してははっきりとしたことをお答えすることはできません。


>服用して初日は痛みがおさまらず不安になるが、服用二日目(本日です)全くいたみはなくなりました。

とのことですが、『左下顎の3・4番くらいと上顎3・4番』の痛みがなくなったことと、この『根元の黒い影』との関連も不明です。

再度かかりつけの歯科医院を受診されて、その後の経過と今後の対応について、しっかりとご相談されることが重要ではないか、と考えます。



【3】

なお、抜髄(神経を抜く)のことについて少しコメントします。

確かに、日々の口のケアもしっかりとしていたにも関わらず、神経を抜かないとならない状況になることなど、悲しい気持ちになりますよね。

ですが、抜髄は、本当に必要な状況にある時には、しっかりとその治療を受けられてください。


抜髄に抵抗感を持たれている方は多いのですが、抜髄即歯をダメにする・寿命を決定的に短くするというものでもありません。

むしろ、抜髄が必要な時期に必要な処置を受けられない方が、予後は余程悪くなることがあります。


抜髄をすることと、歯を失うことは、必ずしもイコールではない、ということを知っていただいた上で、今後の処置に臨まれては、と考えます。



お大事になされてくださいね。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2009-04-19 01:43:25
mk_555さん、こんばんわ。

中本先生の回答に同意ですね。

抜きたくない気持ちは分かるのですが、状態が良くないようだと残された(特に第二大臼歯)への悪影響も考えられます。


ちょっと例え話をさせてもらいます。

第三大臼歯親知らず)のところで火事が発生した場合の選択肢

1)消火活動で難を逃れられるのであれば、消火活動をする

2)もう手に負えない状況なら、延焼しないように隔離する
  (建物の意図的な破壊=このケースは抜歯

2)の状況で下手に燃えくすぶる建物を残しておくと、町内一帯に延焼して、大火事になってしまう可能性がある、ということです。
(周辺歯牙も巻き添えを喰って保存不可能な状態になりうる)


参考になりましたでしょうか?

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2009-04-19 07:30:39
mk_555さん おはようございます。

歯周病が進んでくると、しみたり、ぐらついたり、腫れてきたり、不安もあり、ほんとうにつらい思いをされて、お気持ちはお察しします。

の治療にあたっては皆さんそれぞれ色々な価値観をお持ちで、その価値観にあった治療が「良い治療」と感じられると思います。

そして皆さんの価値観と、歯科医師の価値観が合っていると安心して治療を任せられる「相性のいい歯医者さん」になるのかも知れません。


さて、私は歯を長持ちさせる治療が「良い治療」という価値観で治療に取り組んでいますが、歯を長持ちさせるという意味をここではっきりさせておきましょう。

歯を長持ちさせるとは、10年後20年後により多く歯が残っているということです。

10年後20年後により多く歯が残っているとは、残っている歯の本数が多い、1本の歯で言えば残っている部分が多いということです。



画像1をご覧になってください。
画像をクリックすれば大きな画像で見れます。

1999年のレントゲン写真です。
上の段がオリジナル、下の段がその解説です。


4番の歯は:根の先に炎症を起こしています。
5番の歯は:周囲の骨が大きく溶けて支える骨がほとんどありません。
6番の歯は:5番との間の骨がなくなっています。

歯周病が進んで骨が溶け、歯の神経にも問題を起こしているという状態です。


画像2はその9年後、2008年11月のレントゲン写真です。
上の段がオリジナル、下の段がその解説です。

4番の歯は:歯の神経の治療をして根の先の炎症が治っています
5番の歯は:抜歯しています
6番の歯は:5番との間の骨が回復してきています

全体としては、歯の神経の治療をし、抜歯もし、歯を削りかぶせ物をしましたが、残っている歯は1999年より2008年のほうが歯が長持ちする良い状態になっています。



私は歯の神経の治療をする方が歯が長持ちするときに、歯の神経の治療をします。

歯を抜くほうが利益が大きいときに歯を抜かせていただきます。

歯を抜く方が、周囲の歯にとってはより良い状態になり、かえって10年後20年後により多く歯が残っている場合もあります。

歯を削って、かぶせて、つないだ方が、かえって歯が長持ちする良い状態になる場合があります。


何が何でも歯を抜かない、何が何でも歯の神経の治療をしない、何が何でも歯を削らない、というのが歯を長持ちさせるためにいつも良い治療とは限らないんです。

ご参考になれば幸いです。


さて10年後に、mk_555の歯が、より多く残っている治療はどんな治療でしょうか?


(mk_555さんの場合の具体的な考えは後ほど投稿いたします)

画像1画像1 画像2画像2

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: mk_555さん
返信日時:2009-04-19 12:15:45
●中本先生
早速の返信ありがとうございました。

大変失礼いたしました。
親知らずではなく、7番です。
一番奥のになります。


また、

>『左下顎の3・4番くらいと上顎3・4番』の痛みがなくなったことと、この『根元の黒い影』との関連も不明です。

そうなんです。
これについても、かかりつけ医とその他で見てもらいましたが、レントゲンには何も写らず歯をたたいても特に痛みはなかったため、おそらく7番の歯が痛むことによりその部分が痛いように感じているのでは、という見方をしてもらったのではないかと思います。

神経を抜くことは時には必要なのですね。
歯と同じように、なるべく抜かないほうがいいと思っていました。

ただその場合も、ラバーダム等々使用してくれる根元の治療が上手なお医者さんを探さなければいけないですね・・

どうもありがとうございました。。



●吉岡先生
返信ありがとうございました。
そうですね。
とても解りやすいご説明ありがとうございます。

私が一番怖いと思っているのが、根元の治療は歯を支えるものなのできちんとしなければいけないのに、黒い影が膿かどうかわからないまま、神経を抜いてしまい膿の治療をしなければいけないというところなのです。。。

確かにレントゲンは色が付くものではないですし、お医者様が膿の可能性が高いとおっしゃるなら間違いはないと思うのですが。。


ただ、ご指摘あったようにとなりの歯まで影響がいってしまってからでは遅いと思うので、早めに対処を考えたいと思います。
本当にありがとうございました。




●松本先生
写真つきでとてもわかりやすい返信ありがとうございました。
確かにおっしゃるとおりだと思います。

やはり膿の治療をしたほうがいいですよね・・


このサイトを読ませていただき、根元の治療がいかに大変できちんとした対応してもらうことがが大切かを知りました。

なるべく安心してお願いできる歯医者さんを探したいと思います。。。


本当にどうもありがとうございました。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2009-04-19 19:08:43
mk_555さん こんばんは

の治療についての基本的なことを理解してくださってありがとうございます。

前回答で具体的なことを投稿しますと申し上げましたが、もう充分理解してくださっているので、これ以上私からのコメントは不要と思います。

これから先は信頼できる主治医の先生と相談しながら治療を進めてください。


・歯を長持ちさせるために歯の神経の治療をすることもあります
・歯を長持ちさせるために歯を削ってかぶせることもあります
・周りの歯を長持ちさせるために、その歯を抜くこともあります

歯の治療は多くが体を傷つける治療です。
私たちは、傷つける以上の大きな利益が患者さんにあると思うからこそ、そういう治療を選択しています。


良い歯科医にめぐり合えるといいですね。




タイトル [写真あり] 黒い影がある上顎奥歯の根管治療を避けたい
質問者 mk_555さん
地域 非公開
年齢 31歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療の治療法
歯周病(歯槽膿漏)治療
歯周病に関するトラブル
その他(写真あり)
根管充填
回答者




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