噛み合わせ治療と食い縛り・歯軋りを防げば、顎関節症は改善するか

相談者: たみさん (25歳:女性)
投稿日時:2009-05-04 21:55:01
先日は下記の相談でお世話になりました。
参考:首の前側全体、喉の辺りが痛みますが顎関節症なのか、喉が悪いのか?



この件はその後のどの内部の方に強い痛みを感じたため、口腔外科受信の前に近くの耳鼻咽喉科を受診したところ、

「奥に炎症が起きているので抗生物質(トミロン)を処方しますのでそれでよくなるでしょう」

とのことで、のど自体の問題でした。

現在は(顎関節症としての顎からつながってののど近辺の痛みはありますが)この症状としては直っています。




今回は改めて質問させていただきたいことがあります。

「口が開かない!」と明らかな症状と耳と顎の痛みを感じて地元の口腔外科を受診してから3か月近くたちますが、一向によくなりません。

まず最初の診断でCTを撮り、関節円盤がひずんでいることがわかりました。

円盤の動きが悪いので動く範囲を広げるように、スプリントでの治療を始めました。
今現在は奥を高くしたものを使用しています。


スプリントを使うようになってわかったことですが、就寝中の食いしばり、歯軋りが酷く、それが顎を悪くした一番の原因です。

食いしばりの跡があり、高くした部分も磨り減っているので(使用期間と減り方を考えるとかなり強いとのことです)、それをやめない限り、痛みはとれない、と言われました。


その他にもかみ合わせもよくなく、

「噛み方(顎の動き)自体顎に負担をかける形である。
また、そのかみ合わせの悪さが歯軋り食いしばりの一因でもある。」

とも言われました。

自分でも朝起きた時、顎が疲れていたりと自覚はあります。
スプリント装着して間もない頃は朝起きると右側で「カチカチ」やっている自覚もありましたが現在はそれはありません。

日中意識してやめるのはもちろん、寝る時もしないようにしようとはしていますが、寝ている時は意識的に直せるものではないので・・・・。

寝姿で顎に負担をかけないように、よい姿勢で寝れるように枕を変えてみたりはしましたが・・・・。


「ストレスも歯軋り食いしばりの大きな原因なのでそれを取り除くよう。」

とも言われましたが、特にストレス源に心当たりはありません。

イチ社会人として働いている以上は仕事などそれなりにはありますが、特に強くは思っていませんし、何よりこの3年ほど全く環境も変わっていません。

確かにいわゆる「クソまじめ」「完璧主義者」的な性格で小さいことでもストレスに感じやすい性格ではあると思いますが。。。



円盤の状態を詳しく見るためにMRIも撮りましたが、特に外科的な措置をするほどは悪い状態ではないそうです。

口をあけた時に左側が動きが悪いのは悪いがそこまでは悪くない、と言われました。

炎症で水がたまるが、その状態もとる措置をするほどではない、とも言われました。

薬としては、筋弛緩剤(アロフト)を処方されましたが、薬疹が出たため、やめました。

無数の口内炎と多形紅斑がでました。

他の筋弛緩剤でも危険なため、現在はロルカムという抗炎症剤を処方されています。
我慢できなかったら飲むように、ともらった薬ですので今は飲んでいませんが・・。



我慢しようと思えばできるものですが、鈍い痛みがずっとつづくとその痛いこと自体がストレスになってきました。

開口量的には35mm程度は開くのですが、噛むと痛みとだるさがあります。
その他、首、肩の異常なこり、頭痛などいろいろな症状があり、つらいです。

こうなると噛み合わせをよくする→歯軋り食いしばりをやめる→顎関節症の改善、という方向でいくしかないのでしょうか?


長期間かかることや費用面では特に問題はないのですが、可逆的な手段をやりつくした上で、かみ合わせが明らかな原因なら納得して治療できようものですが、現状では噛み合わせ治療に入る勇気はありません。

現在左四番の根幹治療中ですので、やるにしても現在通院中の歯医者でそれが終わってから、矯正専門医を紹介してもらう形がよいのでしょうか。

(ここは以前虫歯の治療に通っていた歯医者で顎関節症で通院中とは別のところです。
治療にあたって顎関節症のことは言ってはありますが)

と言ってもその四番の根っこが複雑で(交差してさらにその奥で曲がっている)いつ終わるかはわからないのですが;


回答 回答1
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2009-05-05 10:16:09
まず歯ぎしり食いしばりをやめる→噛み合わせをよくする→顎関節症の改善の順番です。

かみしめが強い人はそれだけで奥歯の低位咬合の可能性が有るからです。

とにかく上下のを食べるとき以外接触させないように徹底的に自己管理してください。


咬み合わせは診させてもらわないことにはコメント出来ません。

噛み合わせ治療を薦められたと言うことですが、診断が重要です。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2009-05-05 12:35:35
こんにちは。

たみさんや松山先生のお考えに賛成です。

>可逆的な手段をやりつくした上で、かみ合わせが明らかな原因なら納得して治療できようものですが、現状では噛み合わせ治療に入る勇気はありません。

↑これは、現在の世界的なコンセンサスでもありますね。

かつては顎関節症=噛み合わせの問題ぐらいにも捉えられていたのですが、根拠とされていた過去の研究論文を詳しく見ていくと、明確な関連性は認められない(が、完全否定ではない)ことが分かっています。

噛み合わせが悪いから歯軋り、食いしばりが起きる・・と言う考えのグループも確かにありますが、客観的な根拠には欠けています。

それでもほんの一部、(歯軋り食いしばりではなくて)顎関節症には関係があるかも、と言われる噛み合わせの状態もあるにはあるのですが、やはりまずは可逆的な手段をやりつくすのが先決だと思いますよ。



松山先生のおっしゃるとおり、かみしめの自己管理は非常に大切だと思います。

それと、スプリントも大切です。

スプリントは擬似的な噛み合わせの改編でもありますから、これで成果が出るなら噛み合わせ治療にも明かりが見えてくるかも知れませんよね。

でもスプリントだけで日常生活に支障がなくなるなら、無理に矯正治療を削る様なことはする必要はないと思います。

もしもスプリントで改善しないのなら、噛み合わせ治療で治るのかどうかも個人的には疑問が残ります。

それと一応、奥が高いスプリントというのは短期的なら症状の改善につながるかも知れませんが、長期的には現在は推奨されていない様に思いますが・・。



ということで、これは考えの割れるところだとは思うのですが、個人的には顎関節症治療目的での大掛かりな噛み合わせ治療というのは反対です。

・・とは言え、実際に診察するとこれはさすがに・・と思うケースもない訳ではないので・・複数の先生に意見を求められた方がいいかも知れませんね^^;

松山先生のおっしゃる様に、診断が重要だと思います。

回答 回答3
  • 回答者
湯浅です。
回答日時:2009-05-07 08:33:54
この相談室でも、たとえば松山先生のようにかみ合わせに詳しい先生から、僕のように、かみ合わせの治療の頻度が少ないと考えている(軽視しているのではないです)者までおります。

よって、たみさんが、いろいろなサイトで情報を入れるほど、混乱されるのが、この病気です。

ただ、この相談室で一致している見解が、

1.診断を的確に行うこと

2.安易にを削らないこと(咬合調整

3.著しく噛む位置が異なるようなスプリント治療は、一般的でない

4.高額(数十万円以上)な治療でないと顎関節症が治らないとする先生の治療を受けるのなら、充分なセカンドオピニオン・サードオピニオン後でないいと心配である

5.顎関節症の治療の目的で、矯正治療を始めないこと

6.成功率100%や、全身のいろいろな症状が治るとする先生の治療は、薦めない

7.情報を入れすぎて、不安におちいったり、関係ない症状(これは難しいですが)まで、顎関節症やかみ合わせを原因にして悩まないこと

8.受診する前に、どんな治療があるかなどをネットで調べてたり相談したりして安心しようとすると、かえって不安になることが多いので、まず、大学病院などの顎関節外来を受診すること

9.完治を目標にせずに、食事をすると顎が疲れる、何もしてないと顎が気になってくるなどに、どのように付き合っていくかを考える


だと思います(読まれた先生方、違っていたら指摘してください)。

回答 回答4
  • 回答者
湯浅です。
回答日時:2009-05-07 12:32:07
>我慢しようと思えばできるものですが、鈍い痛みがずっとつづくとその痛いこと自体がストレスになってきました。

>開口量的には35mm程度は開くのですが、噛むと痛みとだるさがあります。
その他、首、肩の異常なこり、頭痛などいろいろな症状があり、つらいです。


とのことですので、

肩こり・頭痛と顎関節症(円板転位でなく、筋肉が主症状の場合)の関係は、不明であります。

僕は、肩こり・頭痛と顎関節症の関連は、少ないと考えておりますが、関連が強いとしている先生も多いです。

また、かみ合わせというか、歯軋りと、これらの症状との関係は、クローズアップされているものの、明確な回答は得られておりません。

将来、「実は、のくいしばりが要因で、くいしばってしまう未知の原因が何かを診断しないといけない」というぐらい、医学が進む可能性は、大きいものの、現時点では、多くのことが推測です。

そのような状況下で、僕が、研究論文などの根拠でなく、臨床での雰囲気で感じているのは、肩こりは、顎関節症やかみ合わせという前に、まず、肩こりに対するストレッチ・運動をするのがよいと思っています。

また、ストレッチの方法をネットでみると、いろいろありますが、臨床研究にのっとった治療法はありません。
以下に紹介する方法も、研究の質は低いです。

その方法は、簡単な図は、
参考:http://jada.ada.org/cgi/content/full/131/2/202/F1でみれます。

全文は、http://jada.ada.org/cgi/content/full/131/2/202

です。

ネットで調べると、患者さんのサイトのようで、

「6.歯医者さんで治療することが多い病気ですが、・・・・」

と、

「最後の市販のスプリント」のところは、推奨しませんが、他の文章は、きわめて参考になるのをみつけました。
参考:http://goodbye-pain.com/information2jaw.html
まずは、ストレッチをやってみてはどうでしょうか。

PS:僕の患者さんの多くに、上記のストレッチの話をしますが、やってみます!と言い切った方は、ほとんどいません。

また、僕も肩こりがひどいですが、怠けて、ストレッチをしていません。

パソコンや読書の時に、15分ごとにタイマーを鳴らして、ちょっとストレッチするだけでも違ってくるとわかっているのですが、なかなかできないものですね。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2009-05-07 13:14:08
肩こりについては完全に民間療法になるのですが、500mlのペットボトルに水を入れたものを持って腕をグルグル!回すのがけっこう効くかもしれませんよ。

僕は今は1日中パソコンばっかりなので、一時肩こりでかなり悩まされたのですが、野球をやっていた時には全く肩こりが無かったことを思い出して上記の情報を試すようにしてみたところ、肩こりが全く無くなりました。

詳しい方法は500mlのペットボトルに水を入れたものを持って、腕を前回しで20回、次に後回しで20回、また前に20回・・・と、100回くらい繰り返すだけです。

ただ、普段運動をされていない方にはちょっときついかもしれませんので、最初は水の量を少なめにしたり、何も持たずにやっても良いかもしれません。

全員に効果があるかどうかはわかりませんが、僕はこの方法で肩こりが全く無くなりましたので、もし興味があれば試されてみて下さいね。

なんだか、どんどん歯医者から遠ざかっていくようです・・・(T T)




タイトル 噛み合わせ治療と食い縛り・歯軋りを防げば、顎関節症は改善するか
質問者 たみさん
地域 非公開
年齢 25歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 根管治療その他
噛み合わせ(咬合)治療
歯軋り(歯ぎしり)
顎関節症
薬剤その他
口内炎
紅板症
頭痛、めまい
肩こり
回答者




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