[写真あり] デンタルフロスを使わないと歯の間の虫歯が大量発生しませんか?

相談者: ドラ焼きさん (33歳:男性)
投稿日時:2009-11-21 17:06:15
20歳くらいからデンタルフロスを毎日使っています。

テレビか何かで、初めて使ったときはゴミや食べかすが大量に出てくる、その匂いにもショックを受けると言ってました。
確かに大量に出てきて、出血もあって最初のころはびっくりしました。

歯ブラシだけじゃ駄目なんですね。
使うようになってからは、虫歯はほとんどできていません。

でも、身の回りの人はほとんど使っていないようです。
ネットで見ても20%とか30%ぐらいしか使用率はないとか。

ということは、ほとんどの人は、あれだけの磨き残しをつけたまま寝ちゃうということですよね。
と歯の間も虫歯は、学校の検診ではなかなか見つけにくいと聞きます

フロスを使っていないということは、歯の間を5年10年と磨いていないということだとも思います。
ですから、たとえば20歳とか20代後半ぐらいには、少しずつ大きくなった、歯の間の虫歯が大量発生してしまうのではないかと思うのですが。

実際のところどうなんでしょうか?
レントゲンを撮ったら、あちこち虫歯だらけという人は多いのでしょうか?

それとも、唾液の力は思った以上に強く、そう簡単には虫歯だらけにはならない(虫歯ができても、治療に踏み切らなくてもいい)のでしょうか?

一般的な質問ですみません。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2009-11-22 01:26:48
ドラ焼きさま、こんばんわ。

フロスを使う様になって、むし歯がほとんど出来なくなったのですね、しかし世間ではフロスの使用率が低いので使っていない方のむしが心配になっているのですね。

むし歯や歯周病の原因のひとつがプラークであるというのは間違いありません、しかし実はプラークの性状も重要な鍵になります。

砂糖の摂取量の多い方のプラークと、間食をなさらない方のプラークではひと目見ただけで全く違っているのが分かります。

したがって幾ら磨き残しがあっても、間食をなさらなければむし歯や歯周病に簡単になってしまうことはありません。

また赤ちゃんの頃からお菓子を食べない食生活を続けていると、口腔内細菌叢がむし歯になりにくいものになります、これが生涯にわたってお口の中の健康状態を左右します。

3歳までお菓子を与えない育児をすると甘党にはなりません、したがってお菓子を欲しがるようなことはないので、そもそも砂糖の摂取過多にはならないのです。

また口腔内の細菌叢の中に占めるミュータンス菌の比率が低くなることが知られています、これはとりもなおさず同じプラークでも蝕窩活性が低いことを現しています。

このようにお口の中の状態は一人一人様々なので、ひと括りにフロスを使っていないといっても色々な状況があります。

我々歯科医は、このような一人一人の違った生活背景をお口の中の現在の状況から推測して、インタビューを重ねながらその方にあった健康管理の進め方を考えていきます。

したがって全ての方にいきなりフロスの使用を提案するようなことはありません。

参考になれば幸いです。

プラーク http://yamadashika.jp/perio01.html
間食をなさらない方 http://yamadashika.jugem.jp/?search=%BA%A3%B0%E6
間食をしない方のお口の中 http://yamadashika.jp/prevent04.html#a02
むし歯ゼロ育児の事例 http://yamadashika.jp/0care.html
むし歯ゼロ育児インタビュー  http://yamadashika.jugem.jp/?cid=171

画像1 ゼロ歳から食を中心とした生活習慣に留意して子育てした子どもたちの口腔細菌について 今村智之

画像1画像1

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2009-11-22 12:06:54
ドラ焼きさん、こんにちは。

>実際のところどうなんでしょうか?
レントゲンを撮ったら、あちこち虫歯だらけという人は多いのでしょうか?

ブラッシングのやり方にもよりますが、確かにレントゲンを撮ったら虫だらけの方もいらっしゃいます。
そういう方のほとんどは歯ブラシの回数ももちろん、フロスを使われていない方が多いです。


>それとも、唾液の力は思った以上に強く、そう簡単には虫歯だらけにはならない(虫歯ができても、治療に踏み切らなくてもいい)のでしょうか?

口腔内の状態にもよりますが、プラークコントロールが充分でなくても虫歯になりにくい人はいますね。

いずれにしても私は歯周病予防も含めて、歯ブラシのときにフロスを使用することをおすすめしています。

そのまま続けていただいて良いと思いますよ。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2009-11-22 17:13:51
こんにちは。

とても良い疑問だと思いますよ。
一見常識の様なご質問ですが、正確に答えられる専門家も少ないと思います。



隣接面虫歯予防フロスは有効か?」と言うことを、過去に公表されている研究論文からまとめた論文があります。

コチラ⇒
Dental flossing and interproximal caries: a systematic review.
Hujoel PP, Cunha-Cruz J, Banting DW, Loesche WJ.
J Dent Res. 2006 Apr;85(4):298-305.
http://jdr.sagepub.com/cgi/content/full/85/4/298

これを読むと、結論としてはある程度有効な様です。

ですがよくよく読みますと、結果を

a)プロによる学校でのフロッシング(毎日)
b)プロによる3ヶ月ごとのフロッシング
c)自分で家で行うフロッシング(毎日)

に分けてあり、b)とc)については有効とは言い切れない(結果が誤差の可能性がある)様です。

a)については通学した日は毎日、1.7年間実行することで、40%(24-52%)もの隣接面の虫歯を予防した、との勇気付けられる結果でした。
・・が、これはあまり現実的ではありませんよね。



そもそも、ここからがこの話題のオチになるのですが、この研究の対象は4〜13歳の子供です。

疫学的に言って、これぐらいの年齢(〜もう少し上、20歳台ぐらいまで)でしか隣接面の虫が発生することはほとんどありません。

確率だけで言うなら、現在33歳のドラ焼きさんが、もしも今後一生フロスを使わなかったとしても、たぶん隣接面の虫歯は出来ませんよね^^;



正確に言うと、フロスの虫歯予防効果についてはまだあまり十分な、信頼に足る研究結果が出ていないというのが実情の様です。
(因みに歯ブラシでさえも、です)

ですが食べかすがたくさん出てくるのも事実ですし、現在あるデータからも、行って悪いことではないでしょう。



隣接面の虫歯が発見しづらく、見落とされがちなのもまた事実ですので、不安でしたらフッ素の応用の方が比較的手軽で、良さそうなデータが出ていますよ。
(もちろんこれも子供が対象の研究データです)

参考⇒虫歯予防に対するフッ素の効果的な使用法とは?
文献はコチラ⇒
Toothpaste technique. Studies on fluoride delivery and caries prevention.
Sjögren K.
Swed Dent J Suppl. 1995;110:1-44.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7660318?itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum&ordinalpos=3



フロスやフッ素のデータから言えるのは、フッ素入りの歯磨き剤を使用した歯磨き後に、せっかく隣接面に停滞しているフッ素を、フロスでわざわざは取り除かない方が良さそうですね。


これからも予防頑張って下さい。



因みに私(34歳)も、大体毎日フロッシングはしていますよ。
ある意味プロによる毎日のフロッシングなので、効果はあるかも??

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ドラ焼きさん
返信日時:2009-11-23 14:12:13
一般的な質問に答えていただきありがとうございました。

フロスをはじめたのは20歳くらいからなんですよね。

20歳ぐらいになると、隣接面虫歯できにくくなるとは知りませんでした。
たぶん、それ以前にできている隠れた虫はあるかもしれません。
甘いものの控えめしたいと思いました。

いずれにしても、これからも、気をつけて行きたいと思います。
ありがとうございました。



タイトル [写真あり] デンタルフロスを使わないと歯の間の虫歯が大量発生しませんか?
質問者 ドラ焼きさん
地域 非公開
年齢 33歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯磨きに関する疑問
その他(写真あり)
回答者




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