学校保健活動「3・3・3運動」について

相談者: シアンさん (25歳:男性)
投稿日時:2010-07-13 23:53:21
学校保健活動に携わっているのですが、3・3・3運動を勧めようと思っているのですが、いくつか疑問点があるのでお教えください

・食べたり飲んだりした後の口の中の細菌は、まったく活動しておらず、プラークも存在しない

・食後すぐの唾液には、歯の表面をカバーして酸から歯を守る作用がある

・食べ残しがph値を変動させるもとになるので、それを取り除けばよい

・そのためには、何度も歯を磨いくことは歯を削ってしまうおそれがあるので、うがいで十分である

・ただし睡眠中は細菌の活動が活発になるため、夜寝る前の歯みがきは必要である

というようなことを聞いたことがあります。
(おそらくテレビ番組か何かで…)

以上の用な3・3・3運動を否定する意見にたいして、どのように説明すればいいのでしょうか?

よろしくお願いします


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2010-07-14 00:34:56
こんばんは。

3・3・3運動と言うのは、毎食後、3分以内に3分間歯磨きを、と言うものですよね?

個人的には悪い運動とも思わないのですが、細菌が・・とかpHが・・みたいな科学的な話になるとあまり太刀打ち出来ませんよね。

とてもキャッチーで分かりやすいのが大きな利点ですが、一方で科学的な論拠には乏しく、(むし歯の多い)日本オリジナルのキャンペーンですから、万人が納得出来る様な説得力は正直ありませんね^^;

どちらかと言えばシアンさんが書かれているテレビ番組か何か?の話の方が正解に近いと思いますよ。



とは言え、私の知る限りは日本の歯科関係者も多くは昼食後に歯磨きをしますし、それが海外では多少呆れられているという話も聞かなくもないですが、悪い習慣ではないと思います。

学校保健活動と言う立場からなら、昼食後に歯磨きをする、毎日歯を大切にする、という習慣を身に着けさせるのは、エチケット的にも悪くないと思いますよ。

ただし、3・3・3と言うのは予防の本質ではありませんし、それさえすれば予防効果抜群!と言う説明は避けて頂きたいところですね。



学校保健活動に携わっているということでしたら、個人的には食後のフッ化物洗口を勧めて頂く方が実際のところの予防効果は顕著に見られると思いますよ。

他力本願な感じですが、コスト的にも安上がりですし。

私の母校の社会口腔保健学講座でも、地域の確か幼稚園〜小・中学校だったかで30年以上実施しているのですが、歴然とした効果が出ています。

プラス、出来れば間食の取り方や、夜の歯磨きの重要性、フッ化物(一般的には歯磨材として)の有用性、歯科の定期的な受診などをみっちりと指導して貰えると、たぶん理想的なのではないでしょうか。



参考⇒小学生の虫歯予防。学校でのフッ化物応用について
参考⇒食後の歯磨きのタイミングと、予防に力を入れている歯科医院の見つけ方
参考⇒歯磨きのタイミング(食前or食後?)
参考⇒歯の再石灰化と食事・ph・フッ素の関係



なかなか、一筋縄ではいかないでしょうけれど、是非とも頑張って下さいね。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2010-07-14 00:53:40
こんばんは。ご質問にはお答えできませんが、一言。


>(おそらくテレビ番組か何かで…)

私の師匠が出演した番組かも知れませんね (^^;)

番組という限られた時間内で伝えようとしているため、端折られて伝わっている可能性はありますが、個人的には「3・3・3運動」は論理性に欠けた運動と思っています。

そこそこのお話しようと思っても、軽く15分はかかります。

まぁ、日本歯科医師会の会報誌でも「3・3・3運動」を推奨するような記載があるので、否定的な先生は多くはないでしょうね。

一度抜いた刀を元の鞘に戻せないのか、、、事情は分かりませんが。

個人的な意見を言わせてもらえば「所詮、対症療法」です。
野生の動物のように「せずに済む」のが理想ですね。

ですが、野生の力を失った「ヒト」にとってプラークコントロールは、
「予防の基本」とも言える大切なものであることは間違いないとは思っています。

・・・といことなので、


>3・3・3運動を否定する意見にたいして、どのように説明すればいいのでしょうか?

・・・というご質問にはお答えできる立場にありません (>_<)


あ、モタモタしている間にノア先生が柔らかく書いてくれましたね。
まぁ、そういうことです (^^)

学校保健活動としては「分かりやすいキャッチフレーズ」は受け入れられやすいかも知れませんね。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2010-07-14 08:42:23
そうですね。

ノア先生、吉岡先生が書かれているように論理的にどうこうと言うよりは

「学校保健活動と言う立場からなら、昼食後に歯磨きをする、毎日歯を大切にする、という習慣を身に着けさせるのは、エチケット的にも悪くないと思いますよ。」

「学校保健活動としては「分かりやすいキャッチフレーズ」は受け入れられやすいかも知れませんね。 」

と言う意味合いで浸透させて行ってはいかがでしょうか。


それと、理論的に行くならノア先生の書かれた

「食後のフッ化物洗口

が唯一にして、最も効果の高い虫歯予防法と言う事になるでしょうか。


全てノア先生の書かれている通りだと思います。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2010-07-14 09:03:05
今の60歳ぐらいの人は「かりかりチャン運動」と言って、小学校で、昼食後に歯についた食べかすをとるという目的で、たくあんを5分間かりかり噛んでいたそうです。

その当時のう食歯に対する科学的な見解がそのレベルだったので、そんな運動があったのかもしれません。

地域の歯科医師会に相談されて、3,3,3という固定観念は一度捨てて、今わかっている虫歯予防の科学的な情報をベースに、地域歯科医師会のアドバイスをうけつつ、具体的な有益な児童の虫歯予防のやりかたを組みあげてゆくべきではないでしょうか。

小学校の記憶はずっと残りますので、その時代でベストという予防教育を施してあげてほしいです。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2010-07-14 09:55:16
シアンさま、おはようございます。

学校保健活動に携わっていらっしゃって、中でも歯科保健について関心を持っていただいているのは心強い限りです。

我々歯科医は、歯科検診以外で学校保健とかかわる機会は全くといっていいほどありません。

歯科保険教育にかかわりたいと考えていても、なかなか係れないために個人的にはいつも歯がゆい思いをしています。

学校現場では、おそらく忙しすぎて保健教育の中でも歯科保健について、系統的に教育する時間がないように感じています。

是非この部分について勉強なされて、いい保健教育をなさるよう応援いたします。

3・3・3運動については、歯科保健教育の一断面でしかありません、全体を見渡した上でその学年に必要な知識教育と体験をしてもらうのがいいように思います。

私のイメージとしては、たとえば小学校においては歯を磨くとはどういうことかを含めて、技術的な指導と歯の役割についてのお勉強がいいように思います。

一年生では6歳臼歯萌出しているので、その磨き方の指導がいいように思います。

目先の目標は6歳臼歯が磨けるようになることです、将来の目標としては6年生になったとき永久歯がほとんど生え揃うので、6年生で自分ですべての歯を磨ききることができればいいでしょう、またお菓子との付き合い方の教育も大切だと思います。

中学生になれば、自分の体を理解する一環として生き物としての歯の役割の知的教育がいいと思います。

高校生になれば生徒さんが親になったときむし歯ゼロに育てるには、どのような育児方針がいいかを教えてあげるのがいいと思います。

そして妊娠がわかったとき、どのような育児がむし歯ゼロに繋がるか母親教室でお話をしてあげることが出来ればいいと考えています。

そして出産後育児が始まったら、具体的に個人にあわせた指導が求められると思います。

そして3歳過ぎれば歯磨き練習を開始すれば、比較的簡単に一生むし歯ゼロが実現できるでしょう。

この中で我々歯科医が関与できるのはほとんどありません、教育現場と歯科医との連携が取れれば、有効な歯科保健教育が出来るのではないかと考えています。

もうひとつご自身が、実際に自分の歯を磨いてみて、どの辺りに問題があるかも知っていただいていたほうがいいと思います。

推薦図書として「行動の変容をめざした これからの歯科保健指導 医歯薬出版 編集 丸森賢二・石井直美 6,500円」をお勧めいたします。

http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.cfm?bookcode=454810

予防歯科 http://www.yamadashika.jp/prevent.html
毛先磨き http://www.yamadashika.jp/prevent08.html#kesaki

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2010-07-14 12:24:22
乳歯から永久歯に生え替わる年代は、上下顎がきちんと咬み合っておらず、咬合面に食物残渣、プラークが残っている事が多いです。

食物残渣はうがいで取れるかもしれませんが、咬合面にへばりついた物が、果たしてうがいだけで除去できるでしょうか?
 
例えば、粘着性の食べ物を咀嚼してうがいだけしたとします。
食べかすがすべて取れますか?
多分完全には取れないでしょう。

それと、食べたままの状態でズーッとそのままにしておくと、個人的には気持ち悪いのですが・・・・。

 
 

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2010-07-14 14:05:36
シアンさん

すみません、私も3・3・3運動には否定的見解なのです。


3・3・3運動について調べてみたのですが、

昭和38年6月「歯の衛生週間」に歯磨工業会が「毎食後3分以内に3分間、1日3回歯を磨こう」というスローガンを共同PRした

とありました。

何と47年前の歯磨き粉メーカーさん達の運動です。

そりゃ、現在の知見をベースに反論さらたら太刀打ちできません。


私も自分のコラムで否定的な文章を書いています。
http://www.h3.dion.ne.jp/~sugihara/colum/index.html
の6・7月号です。


ただ、学校保健という場で小学生に「分かりやすくブラッシング習慣をつけさせる」という主旨ならば良いのではないかと思います。

このサイトにも予防関連の記事がありますから、参考にしてください。


ご参考まで・・・

回答 回答8
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2010-07-14 14:24:32
酸の強い物(柑橘類、酢etc.)を飲食した直後のブラッシングは禁忌というのはあります。
歯の表面が一層柔らかくなっていますので。
二十数年前に英国人留学生から聞きました。
日本ではあまり聞かなかったのですが、最近はよく耳にします。

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2010-07-16 22:57:00
>・食べたり飲んだりした後の口の中の細菌はまったく活動しておらず、プラークも存在しない

歯みがきをまったくしない場合、食直後が口腔内の細菌が最も少ない といった考えは聞いたことがありますが、いくらなんでも活動していないとか存在しないなんてことはあり得ないです。


>・食後すぐの唾液には歯の表面をカバーして酸から歯を守る作用がある

だからといって、歯みがきをしないほうが良いということにはならないと思います。


>・食べ残しがph値を変動させるもとになるので、それを取り除けばよい

一般的な見解とは異なると思います。
おそらくデータないんじゃないですかね?


>・そのためには、何度も歯を磨いくことは歯を削ってしまうおそれがあるので、うがいで十分である

少なくとも、うがいで十分といった根拠は聞いたことがないです。


>・ただし睡眠中は細菌の活動が活発になるため、夜寝る前の歯みがきは必要である

寝る前に歯みがきをしたほうが良いことと、食後に歯磨きをすることは相反しません。
寝る前だけでよいのであれば食後の歯みがきは不要ですが、これまた根拠が乏しいと思います。



あと
山田先生>

>我々歯科医は、歯科検診以外で学校保健とかかわる機会は全くといっていいほどありません。

そんなことはありません。

歯科医師会の学校歯科保健委員会に問い合わせていただければすぐわかりますよ。


あと、

学校保健会
学校歯科医会
歯科保健優良校

等で検索されても、歯科医師がかかわる学校保健活動がわかると思います。




タイトル 学校保健活動「3・3・3運動」について
質問者 シアンさん
地域 非公開
年齢 25歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯磨きに関する疑問
子供の虫歯予防
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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