酸性の飲み物、砂糖、プラーク、歯磨きと虫歯について

相談者: 桜っlpさん (29歳:女性)
投稿日時:2011-01-18 18:04:23
以前から気になっていた事で質問があります。

質問、1

虫歯とは、食べカスとプラークが混ざり酸を形成する事によってなるので、プラークを取り除く為に歯を磨くんですよね?

砂糖+プラーク=虫歯
食べカス+プラーク=虫歯

という事であれば、プラークが完全にない状態であれば、砂糖や食べカスが歯についても、虫歯にならないのでしょうか?


質問、2

酸性の食品ですが、砂糖が全く含まれていないけど酸性の飲み物(ダイエットコーラなど)は、飲んだ後に歯磨きをするべきなんでしょうか?
もしするべきなのであれば、何故でしょうか?

やはり、

酸性の飲み物+プラーク=虫歯

という図式になっていて、プラークを取り除く為に歯磨きが必要なんですか?

それとも、酸性の飲み物はプラークとか関係なく、歯を溶かすのでしょうか?(←これが特に気になります)

それなら歯磨きは必要なく、お茶を飲んだり、唾液を出すなどして口の中を中性に戻すだけで良いのでは?と思います。


質問、3

酸性度を示す表で、ペットボトルの紅茶が(5.5)となっていました。

こちらのサイトで見たのですが、私の通っている歯科医院にも同じ図があります。
http://www.h2.dion.ne.jp/~okamoto/sub104.htm
5.5は歯が溶け始める数値です。

しかし色々なサイトをみると、紅茶は歯に良いと書いてあります。
緑茶などと同じ「お茶」ですし、歯に悪影響はないと思います。

この図はペットボトルの紅茶は砂糖が入っているから、酸性度が高く5.5なのでしょうか?
無糖で飲めば、数値は変わるのですか?

私は紅茶+パルスイート(アスパルテームの甘味料で虫歯にならないそうです)で飲んでいるのですが、安全なのかなと気になっています。


回答 回答1
  • 回答者
泉川歯科医院(茨城県笠間市)の泉川です
回答日時:2011-01-18 18:28:01
桜っIPさんこんにちは!

物を食べるとき、良く咬むと耳下腺などの唾液線から唾液がでますよね

そうすると、一時的に口の中の酸性度が中和状態(無菌状態)になります。

唾液には虫歯を防ぐ部質や免疫物質等が出てきます。

虫歯は、主に唾液の少ない寝ている時になりやすいですね(細菌が繁殖しやすい)。

歯磨きは、いつするか寝る前と起きた時にするのが合理てきですね。

ご参考まで。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-01-19 00:48:57
こんばんは。

なかなか面白い質問ですね。
私も疑問に感じている部分もありますから、とりあえず想像で回答してみます。
後で他の先生が、ズバッと答えてくれるといいですけど。



>質問、1
>プラークが完全にない状態であれば、砂糖や食べカスが歯についても、虫歯にならないのでしょうか?

そうですね…たぶんそうだと思います。
実際、少し理由は異なりますが、むし歯学の専門家の間でも食前磨きは悪くない習慣だと考えられている様に思います。

ただし、桜っlpさんの理論だと、前提条件の「プラークが完全にない状態」というのが非現実的ですけどね。




>質問、2
>砂糖が全く含まれていないけど酸性の飲み物(ダイエットコーラなど)は、飲んだ後に歯磨きをするべきなんでしょうか?
>歯磨きは必要なく、お茶を飲んだり、唾液を出すなどして口の中を中性に戻すだけで良いのでは?と思います。

これもそうですね。
少し自信はないのですが、確かに、お茶を飲んだり、唾液を出すなどして口の中を中性に戻すだけで良い、と思います。

プラークは、主にショ糖(注:効率は落ちますが、他の炭水化物でも可)をエネルギーにして元気になり、排泄物として酸を出します。
ですから、プラーク自体は酸でやられることはなく、単なる酸に浸されたところで良くも悪くもないでしょうね。

一方、歯質はどうなるかと言えばもちろん強めの脱灰が始まります。
脱灰は、度を超えなければまた再石灰化して元通りになりますから、すぐに洗い流せる様な、非糖質系の酸なら問題はない様に思いますが…いかがなものでしょうか。

因みに臨界pHを超えると溶け始めるのですが、溶ける=脱灰は、いきなり目に見えて小さくなったり穴があいたりするわけではなくて、歯質中のミネラル(カルシウムやリン)が溶け出ている状態のことで、基本的には形が変わる様なことはなく、いわばほんの少しだけ軟らかくなっている、、、という様な状態です。

ですから糖質をとったり、酸に浸されたりした直後にゴシゴシ歯ブラシを当てるのは歯が削れやすくなるので本来良くありません。

あと、カルシウムやリンが元々よく溶けて飽和状態の唾液に浸されているからこそ歯は状態を維持出来ています。

ですからカルシウムやリンを含んでいないただの水に歯を浸しておいたとしても、脱灰は起こるはずです。




>質問、3

その図については分かりません。
砂糖とpHって直接リンクするのかも、興味深いですけど分からないですね。



あと抜けている要素として、その飲食物がネバネバするとかしないとかの停滞性(=時間)についてと、歯そのものや唾液の質の、個人差みたいなもの(=宿主)も考慮するとたぶん完璧ですね。

むし歯の発生は

砂糖+プラーク=虫歯

という足し算ではなく、更に上記2つの要素が絡まりあってようやく成立する、と考えられていますよ。

紅茶+パルスイートも、歯にくっついてベトつく様なら注意が必要かも知れませんね。



ご参考までに。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2011-01-19 09:25:55
Q1 プラークが完全にないということが虫歯の原因とされる細菌数がゼロであるといことではないので、全くならないとは言えないと思います。
 
またプラークが完全に無い状態を作ることは結構大変のような気がします。


Q2 いわゆる酸蝕症の可能性がありますので、口腔内の酸性度は下げる必要があると思います。
(ダイエット)コークの中に歯牙を一晩漬けておくと、包丁で歯のスライスができるそうです。


Q3 Yahooで検索したら

http://liyn-an.com/tea_room/mag/club-bak/m0000012.ht

というページにたどりつきました。
どうやら酸性なので酸蝕症の原因にはなりそうです。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2011-01-19 10:02:31
ご相談ありがとうございます。

今までの回答でほぼお分かりと思いますが、要点だけを書いてみます。


>質問、1
>虫歯とは、食べカスとプラークが混ざり酸を形成する事によってなる>ので、プラークを取り除く為に歯を磨くんですよね?

そうです。


>という事であれば、プラークが完全にない状態であれば、砂糖や食べカスが歯についても、虫歯にならないのでしょうか?


もし仮に完全に取り除けたとしたら、「プラークが完全にない状態」は3時間くらいありますから、理屈としてその間にむし歯にはならないはずです。



>質問、2
>酸性の食品ですが、砂糖が全く含まれていないけど酸性の飲み物(ダイエットコーラなど)は、飲んだ後に歯磨きをするべきなんでしょう>か?


もし仮に「プラークが完全にない状態」であれば、磨く必要はありません。


>もしするべきなのであれば、何故でしょうか?


そのために磨くことは危険も生まれます。

先生方の回答通り、柔らかくなっている歯のコラーゲンによって守られている構造を破壊してしまう危険が出てきます。

また、どの位の頻度でそういった嗜好品を摂取するかも問題です。

その頻度によっては、歯みがきの回数がとても増えてしまいますが、そんなに頻繁に「プラークが完全にない状態」にできるのでしょうか?

またそれを毎日、一生続けられるほど完璧な人間を求めるのでしょうか?

それを無理して続けることによって失うものがたくさんあることや、それを解決する方法を知っていただくことも予防診療になります。


>やはり
>酸性の飲み物+プラーク=虫歯
>という図式になっていて、プラークを取り除く為に歯磨きが必要なんですか?


その図式は間違いです。


>それとも、酸性の飲み物はプラークとか関係なく、歯を溶かすのでしょうか?(←これが特に気になります)


その通りです。

むし歯という病気で歯を溶かすことがむし歯で、酸で溶かす病気は酸蝕症といい、全く別の病気です。


>それなら歯磨きは必要なく、お茶を飲んだり、唾液を出すなどして口>>の中を中性に戻すだけで良いのでは?と思います。


お茶も悪くはありません。
身体にも良いと言われています。

しかし、最大の解決方法は身体が持っている力を引き出すことです。

それが唾液の力です。
その能力を検査することが唾液の検査であり、その能力を十分に発揮させる具体的なプランが、心身の状態や生活習慣の調査を含む予防診療です。


>質問、3
>酸性度を示す表で、ペットボトルの紅茶が(5.5)となっていまし>>た。
>緑茶などと同じ「お茶」ですし、歯に悪影響はないと思います。


先ほど書きましたが、お茶は悪くありません。

全てのお茶類の酸性度がどうなのかは知りませんが、酸性度が低いものは、どんなものでも歯を溶かし始めます。

ここを分けてどう考えるかが予防診療の相談のひとつになります。


本当の予防は、メリットを最大に、デメリットを最小限に、歯だけではなく生活全般に役立つように、しかも、その場限りではなく、一生無理なく、そして甘いものを毎日腹一杯食べながら、楽しく効果を上げることです。

とても研究熱心で感心しました。
しかし、お一人ではそのうちに大きな間違いをして後悔します。
人生とは落とし穴がたくさんあるからです。

予防に実績を上げている歯科医師に、ご自分だけにあった予防プログラムを立てていただくことをお勧めいたします。

回答 回答5
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2011-01-19 11:26:04
>砂糖が全く含まれていないけど、酸性の飲み物(ダイエットコーラなど)は、飲んだ後に歯磨きするべきなんでしょうか?

飲んだ直後の歯磨きは控えたほうが無難だと思います。
理由は渡辺先生・さがら先生が述べられた通りです。
個人の唾液緩衝能によると思いますが、大雑把に1時間は待つべきだという事です。


>(アスパルテームの甘味料で虫歯にならないそうです)で飲んでいるのですが、安全なのかなと気になっています。

「安全」という言葉が気になります。
「アスパルテームはアメリカで開発された人工甘味料だが、脳腫瘍、催奇形性、骨格異常、白血球の減少など多くの有害性を指摘されながら、FDA(米国食品医薬品局)が使用許可してしまった。」(「買ってはいけない 」・ 株式会社金曜日 p.47)

真偽は分かりませんが、現在のところ私個人は使用しませんし、他人に薦めることもしません。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2011-01-19 12:24:20
藤森先生のご指摘は、真実かどうかは別として、考えはとても重要です。


むし歯の予防ばかりに気を取られて、もっと大きなものを失っている方が少なくありません。

予防の対象を、歯だけ、歯だけではなく口という働き、口だけではなく身体の健康、身体だけではなく心の健康、命、どこまでを目標にするかです。

実はこの順番に健康上は大きいとも言えます。

予防診療とはお一人ずつに目標を決めていただくことから始めます。

森を見て木を見るように大きな目標設定は、とても複雑で大変とも言えますが、一生で最も後悔が少なく、満足感が最も最大と言える結果が出るとも言えます。

むし歯ばかりにこだわることも、悪くはありませんが、歯周病は良いのでしょうか?

むし歯で無理や無駄をすると、それによって他を失うことは格言にもありますが「角を矯めて牛を殺す」こともあります。

回答 回答7
  • 回答者
誠安・瑞石牙医診所(台湾)の王です。
回答日時:2011-01-20 02:37:14
>質問、1
虫歯とは、食べカスとプラークが混ざり酸を形成する事によってなるので、プラークを取り除く為に歯を磨くんですよね?
>砂糖+プラーク=虫歯
>食べカス+プラーク=虫歯
>という事であれば、プラークが完全にない状態であれば、砂糖や食べカスが歯についても、虫歯にならないのでしょうか?


理論上はそうなると思います。

虫歯を作る細菌は色々ありますが、ミュータンス菌は代表格だと言えます。(他にも乳酸桿菌とかいろいろあります)

ミュータンス菌がいなければ虫歯になることはありません。
ミュータンス菌の除菌が出来ますと、虫歯になる危険性を下げることが出来ると研究で明らかにされています。

なので、究極の虫歯予防対策はミュータンス菌に感染しないことになるわけですが、これまでに幼児の口腔内のミュータンス菌をゼロに除菌できたという報告はありません。

生まれたばかりの赤ちゃんの腸や口腔内には細菌はいませんが、生後に周囲から唾液を介して感染していきます。 

一旦ミュータンス菌に感染されますと、歯の表面は構造上凸凹が多く、徹底的にクリーニングしても完全に死滅させることが難しいとされています。



>質問、2
>酸性の食品ですが、砂糖が全く含まれていないけど酸性の飲み物(ダイエットコーラなど)は、飲んだ後に歯磨きをするべきなんでしょうか?

個人的にはすぐしないようにアドバイスしています。
酸によって歯質表面が脆弱化している状態でブラッシングしますと、摩耗してしまうそうです。

酸蝕の負荷が掛かった直後にブラッシングは避けられたほうがいいでしょう。
少なくても食後30分−1時間の間隔は空けたほうが無難だと思います。


>酸性の飲み物+プラーク=虫歯
>酸性の飲み物はプラークとか関係なく、歯を溶かすのでしょうか?(←これが特に気になります)

そうです。
酸の摂取によって歯質が溶解されることが認められています。
ですので、酸性の飲み物+プラークはダブルパンチですね。

あと、酸性の飲み物は、飲む量よりも飲み方の違いによって酸蝕の発症に影響を与えると言われています。
飲み方によって歯との接触面積・時間が違ってくるからです。

ストローを使って、その先端が歯の表面に当たらないようにするのが望ましいとされています。


>質問、3
>この図はペットボトルの紅茶は砂糖が入っているから、酸性度が高く5.5なのでしょうか?

他に何か添加物は入っていませんか?



>無糖で飲めば、数値は変わるのですか?

糖とは関係ないと思います。


>私は紅茶+パルスイート(アスパルテームの甘味料で虫歯にならないそうです)で飲んでいるのですが、安全なのかなと気になっています。

藤森先生、さがら先生が仰っている通りだと思います。


色々なファクターが重なり合って始めて虫歯が出来ます。
心配であれば、虫歯予防に力を入れている歯科医院で行われているカリエス・リスクテストを一度試してみたら如何でしょうか?


お大事に。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2011-01-20 14:17:50
この手の質問があるといつも考えさせられるのですが、「理想と現実のどこで折り合いをつけるか?」と言う事なんですよね。

スタートとしてはノア先生の書かれている

「前提条件の「プラークが完全にない状態」というのが非現実的ですけどね。」

です。

産まれてから無菌室で暮らしてこない限り、感染は防げません。
また、虫歯菌は一度定着してしまうと除去が非常に困難となりますから、「完全に取り除く事」を考えるより「共存する事」を考える事の方が現実的です。


では、理想は叶わないならどこを終着点とするか?

それはさがら先生の書かれている

「予防の対象を、歯だけ、歯だけではなく口という働き、口だけではなく身体の健康、身体だけではなく心の健康、命、どこまでを目標にするかです。」

に集約されて行くのだと思います。


人間だれでも「数値」は気になります。

そして限りなく「ゼロ」や「満点」を追求したくなるものです。


しかし、そればっかりを追求しすぎて本質を見失ってしまう事の方が人生においてはるかに損失が大きいモノです。



なんだか哲学的なお話になってしまいましたが、予防と哲学は切っても切れない分野なのだと思います。
(と、大野先生が教えてくれました)

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2011-01-20 17:47:54
いろいろ回答が出て、だんだんなぞが解けてきたと思います。

とても予防にご興味が深くて感心しました。
もう少し説明しましょう。

むし歯って、実は理屈は簡単ではないのですね。

でも予防は劇的にできますが・・・。
一生むし歯の無い生活は手に入ります。


まず虫歯菌って、1つではないといわれています。

以前に目の敵にされた、ミュータンス菌と乳酸桿菌以外に、最近ではストレプト・コッカス・ソブリヌス菌も大きな要素だと言われ始めています。


ストローについては異論もあります。

いくら歯に付かないように喉に向けてストローで吸っても、飲み込むときには嚥下の反射によって、口の中の動きで自動的に、喉から口の中ほとんどに戻ってしまうからです。



ノア先生、タイヨウ先生の書かれている、理屈ではなく、現実にできることに絞って、簡単にしてから習慣づけることの方が効果的です。

科学の進歩によって、むし歯の実態も予防方法も変わっていくことがありますが、その研究は我々歯科医院に任せておいて、実効的な実りの果実だけを皆さんが受け取るようにすると楽です。

もちろん、その時に私達は、皆さんの健康に対する成長レベルに合わせて説明していきます。

むし歯予防計画も、人生のステージで違います。
子供時代、大人時代、高齢期、虫歯対策は全く違います。

今だけの知識を身につけることができて満足しても、次のステージに移れば、役に立たないことがあるか、それが危険なことにさえ変わることも知っておかれると良いと思います。

歯科医院で何でもお尋ね下さい、いつでも回答する用意があります。


つまり本当に予防効果を上げたい場合は、ネットで1つのことだけ調べるだけではなくて、予防診療の医院で相談する方法が上です。
ネット相談だけで一生歯を残すことはできません。




タイトル 酸性の飲み物、砂糖、プラーク、歯磨きと虫歯について
質問者 桜っlpさん
地域 非公開
年齢 29歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯磨きに関する疑問
歯磨き(プラークコントロール) その他
予防関連
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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