楔状欠損、自分の歯を削らずに修復できませんか?

相談者: *まお*さん (31歳:女性)
投稿日時:2011-06-09 09:44:17
参考:過去のご相談
楔状欠損でもホワイトニングは可能ですか?



楔状欠損で削れてしまった部分が気になり、質問させていただきました。

レジンなどで埋めるのではなく、修復できないかとネットで調べてみました。

すると、東北の大学でハイドロキシアパタイトの微粒子を高速噴射して、ほぼ元の形に戻せることに成功したという記事を見つけました。

虫歯で削った歯を埋めることができるとあったのですが、楔状欠損も埋められるのでしょうか?

まだ研究段階なのでしょうか?

また、人口エナメル質再生法という技術の記事も読んでみましたが、削れた部分を埋めるものなのか、表面に膜のようなものを形成するものなのか わかりませんでした。

ほかにも色々な技術があると思いますが、楔状欠損を修復することは可能なのでしょうか?

かかりつけの歯科では、気になるなら薄く削り、レジンで埋める方法しかないと言われました。

自分の歯を削らずに修復することはできないのでしょうか?

長くなりましたが、教えていただけると助かります。

よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2011-06-09 09:53:18
>東北の大学でハイドロキシアパタイトの微粒子を高速噴射して、ほぼ元の形に戻せることに成功したという記事を見つけました。

後学の為、どの記事か教えて頂けるとありがたいのですが。


個人的な意見として言わせていただきます。

まず口腔内でアパタイトの微粒子の高速噴射などしたら、口腔粘膜、歯肉等の軟組織が出血してとても現実的とは思えません。


やはり通法通り、レジンなどで修復するのが一般的だと思います。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-06-09 10:00:29
>東北の大学でハイドロキシアパタイトの微粒子を高速噴射して、ほぼ元の形に戻せることに成功したという記事を見つけました。

>まだ研究段階なのでしょうか?

はい。
まだ研究段階です。

東北大学とサンギ、仙台ニコンとの共同研究で科学技術振興機構(JST)の採択課題になり、2009年から臨床試験を始めると言われておりました。

http://www.jst.go.jp/pr/info/info232/besshi1.html

「常温常圧下におけるハイドロキシアパタイト厚膜形成法の開発と新しい虫歯治療への応用」

ただ、残念ながら現時点では我々一般開業医が、普通に行える技術としては提供されておりません。



>かかりつけの歯科では、気になるなら薄く削り レジンで埋める方法しかないと言われました。

基本的にはその通りだと思います。



>自分の歯を削らずに修復することはできないのでしょうか?

*まお* さんにとって、「削る」と言うイメージがどのようなものでしょうかね。

我々は「削る」と簡単に患者さんに言ってしまいますが、正確には「新鮮面を出す」と言う事です。

例えば接着剤で何かと何かをくっつける時、接着面が汚れたままくっつけますか?
接着面は綺麗にしてからくっつけませんか?

同じ事です。

ただ、歯の場合、楔状欠損象牙質に達している事が多く、汚染された象牙質の象牙細管には細菌が侵入している事も少なくありません。
(電子顕微鏡で調べないと解らないレベルですけどね)

なので、我々は「象牙細管に入り込んだ細菌を除去する」「接着面を綺麗にする」と言う目的で「削る」のです。


まあ、担当医によって、肉眼見ながらでザクっと削るか、ルーペやマイクロを使って必要最小限の削りをするかの違いはあるかもしれませんが…。


前スレッドで諸先生方が回答されているように、僕は知覚過敏症状があれば、知覚過敏抑制剤などを使ってホワイトニングし、その色に合わせてレジンで修復します。


細見先生とかぶりました。

東北大の研究は上記URLから見てくださいね〜(^。^)

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2011-06-09 10:10:17
こんにちは、

>東北の大学でハイドロキシアパタイトの微粒子を高速噴射して、ほぼ元の形に戻せることに成功したという記事を見つけました。

夢の治療法ですね!
ただタイヨウ先生がおっしゃるように、一般臨床で使えるようになるのは沢山のハードルがまだまだありますので、今の所現実的な方法ではないですね^^;

タイヨウ先生の

>前スレッドで諸先生方が回答されているように、僕は知覚過敏症状があれば、知覚過敏抑制剤などを使ってホワイトニングし、その色に合わせてレジンで修復します。

なんですが、イソジンなどのヨウドを頻繁に使用するならレジン充填は止めておかれた方がいいですよ。

すぐに黄色く変色してきますから、症状がなければそのまま放置と言うのが最も低侵襲な方法かと思います。

私も一度だけ経験がありますが、イソジンなどの洗口剤を毎日使用すると表層だけの着色で治まらず、レジンの内部まで色が付いていたことがありました。

レジンは周りの環境にもより変色スピードが異なりますので、注意してくださいね^^


おだいじに
 

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2011-06-09 10:37:44
を!

イソジンの事を忘れてました。(゜o゜)

井野先生に同意です。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: *まお*さん
返信日時:2011-06-13 23:01:13
細見先生
タイヨウ先生
井野先生

早速ご回答いただき、ありがとうございました。

ハイドロキシアパタイトの微粒子を高速噴射…
やはり、まだ研究段階なのですね。

記事の発表が数年前でしたので、自費で受けられればと思っておりました。



楔状欠損は、削ってまで治療するよりは現状維持のほうが良いという先生もいらっしゃって、何が一番歯にとっていいのか悩んでしまうところです。

細身先生、リンクを張るのを忘れておりました。
タイヨウ先生のご回答にあるURLを私も参考にさせていただきました。

タイヨウ先生のおっしゃる「削る」ということが、確かに医師と患者のイメージが一致していないのかもしれません。

井野先生のおっしゃるとおり、現状維持がいいのかもしれません。

できる範囲内でホワイトニングをし、欠損箇所はいじらずマウスピースをして就寝というのがいいのでしょうか?

何件も歯科を回りましたが、未だに楔状欠損を「磨きすぎ」の一言で終わらせてしまう医師が結構いるのです。

私はリナメルで磨いたり、やわらかいタイプのブラシを使用したり、気を使っているつもりなので磨きすぎ以外のことで問題があるはずなのです。

素人なりに調べて食いしばりや歯軋りのほうが問題視されているとわかりました。

なので「磨きすぎ。レジンで埋めればいい。」という診察結果を聞くとガッカリしてしまうのです。

素人が頑張っても得られる知識は限られています。

だから専門的な意見を求めているのですが、面倒くさい患者扱いを受けきちんと話もできないまま帰宅することばかりです。

生意気なことを言ってすみません。

FAPの人工エナメル再生法は、数は少ないですが治療しているようです。

もう少し調べてみます。

お忙しい中、ご回答いただきありがとうございました。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2011-06-13 23:20:59
>FAPの人工エナメル再生法は、数は少ないですが治療しているようです。

「?」
と思って簡単にネットで診てみましたが、

あるサイトから引用

「APF(フッ素塗布剤)は、再石灰化を目的にして初期虫歯に使われています。」

初期虫歯に使用するだけみたいですね。


ですから、楔状欠損で無くなった部分にモリモリエナメル質が再生する訳ではなさそうですね。
と言うか、それが臨床応用出来るようになったらある種革命ですよ!!

早くそうなればいいですけどね^^
残念ながら、今の医学で臨床応用出来る再生療法というものはまだまだ未知数です。

これ以上はネットで期待できそうな治療法、探さない方がいいですよ、下手をすればオカルト的な治療法にすがることになってきますから^^;
 



吉岡先生のブログから、

http://www.breath-design.com/?eid=1404796
 
「人工エナメル=レジン」 と言う記事もあるようですから^^;

レジンを接着させるボンディングを塗る方法も確か、「人工エナメル」とか言っていたような。
 
「人工エナメル」の定義って・・・
  

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2011-06-14 05:17:03
http://homepage2.nifty.com/nmc/FHAP_j.pdf

にあるように、FAPは楔状欠損のようにミリ単位の実質欠損を回復するものではなさそうです。

CO程度の歯質の表面部分が、強くなったと書いてあるみたいです。

ただ使う薬剤は35%過酸化水素でこれは劇薬ですから、口腔内で15分も安全に歯牙表面に保持することは大変難しそうに思います。

個人的にはハイリスク、ローリターン、ハイプライスにならなければいいけどと思います。

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2011-06-15 09:39:53
小山 隆夫 2011/06/15
小山歯科東京)の小山と申します。

本題とは離れたお話で恐縮なのですが、イソジンのことが出ていたので補足します。

結論的には、

イソジンの頻繁な使用はお止めください。

イソジン原液は、pHが1.5~3.5で意外と酸性がつよく、濃い液は歯をとかします。

脱灰してしまい悲惨な結果を、私のような臨床医でも何例か経験しております。

以上、よろしくおねがい申し上げます。

<参考>http://hobab.fc2web.com/sub6-sterilization.htm

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2011-06-15 22:12:19
*まお*さまこんばんわ。

楔状欠損を何とか治したいとお考えな様ですね、そもそも楔状欠損は歯磨剤を使って力任せに歯をゴシゴシ磨いたため歯肉の磨り減りで退縮が起こり、歯根部の象牙質が露出してその部分が磨り減ったものです。

したがって歯肉が磨り減らなければ起こることはありません、また歯肉が磨り減っても歯磨剤(正確には歯磨剤に含まれる研摩剤)を使わなければ、決して起こることはありません。

ですから今後歯磨剤をやめれば、これ以上楔状欠損がひどくなることはありません、老婆心ながら今日から歯磨剤を使わず歯を磨かれることをお勧めいたします。

また出来たら歯肉をこすらず、軽い力で歯を磨く技術を習得なさることをお勧めいたします。

とりあえず3ヶ月、歯ブラシを使って毛が開かない力で磨けるよう練習なさるか、歯科医歯科衛生士に教えてもらうのがいいと思います。

楔状欠損 http://yamadashika.jugem.jp/?cid=90
毛先磨き http://yamadashika.jp/prevent08.html#kesaki

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: *まお*さん
返信日時:2011-06-18 16:00:20
井野先生
柴田先生
おやま先生
山田先生

お忙しい中、ご返信ありがとうございます。

研磨剤は、ここ数年は使用していないので(リナメルのみです)圧が強いのかもしれません。

イソジンは仕事上どうしても使わなくてはいけないのですが、更に薄くしたり最後に水でうがいをしてみます。

たくさんのアドバイス、ありがとうございました。



タイトル 楔状欠損、自分の歯を削らずに修復できませんか?
質問者 *まお*さん
地域 非公開
年齢 31歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ その他(その他)
楔状欠損(くさび状欠損)
回答者




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