移植という使い道があるのに親知らずを積極的に残さないのはなぜか

相談者: musasiさん (38歳:女性)
投稿日時:2011-07-06 13:22:19
⇒参考:過去のご相談
「お湯がしみるようになったこの状況での神経温存はあり得る?」



こんにちは、お世話になります。
早速ですが、虫歯親知らずを抜歯すべきか、残す価値があるか、アドバイスをお願いします。

上、左右の親知らずが軽い虫歯です。
先生は基本抜歯を勧めるが、とりあえず治療も可能との事。
(私が妊娠を切望しており年齢を考えて、こちらの思いを優先して下さったよう)

私は既に上、左右5番6番を抜髄しており、いずれこの歯が駄目になった時に親知らずを移植できないかと考え、抜歯に踏み切れません。

親知らずの状態ですが、上左右両方若干外向きに生えており、下左右の親知らずはなく、咬み合わす歯は無いです。

先生に相談しましたが、移植はインプラントに比べ、成功率は低いので勧めないとおっしゃいます。
(移植には積極的でないようで、詳しくお伺いできませんでした)

そこで、

1.親知らずを残す事により、隣の歯の虫歯のリスクを高めるなら、いつ駄目になるかわからない歯の為に、移植可能かわからない親知らずを残しておくのはお勧めしませんか?

2.「移植」という使い道があるのなら、なぜ歯医者さんは、積極的に親知らずを残そうとされないのですか?
インプラントが主流だから?

3.インプラントは糖尿などの持病があるとできないと聞きますが、移植はどうですか?
また、移植可能な年齢はやはり40歳位までですか?

自分の意思一つとは思いますが決め手が無く、他の方の質問を読めば読む程、迷ってしまって…。

お忙しい所恐縮ですが、アドバイスと共に、先生方のお考えをお聞かせいただければ嬉しいです。
毎夜、抜歯をする夢から救って下さい。
よろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2011-07-06 13:50:23
>1.親知らずを残す事により、隣の歯の虫歯のリスクを高めるなら、いつ駄目になるかわからない歯の為に、移植可能かわからない親知らずを残しておくのはお勧めしませんか?

隣の歯が虫歯になるのが早いか、移植の出番が先かは全く判りません。
そーいう意味では、今そこに有る危険として親知らずの抜歯を勧めるかも知れません。


>2.「移植」という使い道があるのなら、なぜ歯医者さんは、積極的に親知らずを残そうとされないのですか?
インプラントが主流だから?

一応は総合的に見て判断します。
ダメになりそうな6番が有って、親知らずが移植に使えそうなら保存するかもしれません。
移植には使えないような親知らずは抜歯します。
移植はドナー歯とレシピエント床のサイズが合わなければ出来ません。
その点インプラントは汎用性が有ります。


>3.インプラントは糖尿などの持病があるとできないと聞きますが、移植はどうですか?
>また、移植可能な年齢はやはり40歳位までですか?

糖尿病でもコントロールさえしっかりしていれば可能ですが、健常者よりもリスクが高い事は間違いないです。

年齢はあまり関係有りません。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-07-06 13:57:58
musasi さん、こんにちは。


>1.親知らずを残す事により、隣の歯の虫歯のリスクを高めるなら、いつ駄目になるかわからない歯の為に、移植可能かわからない親知らずを残しておくのはお勧めしませんか?


私の場合の基準を申し上げます。

親知らずがあることで、隣の歯に影響がある場合。
親知らず自身が大きな虫歯や進行した歯周病である場合。
(移植のための親知らずは、スペヤータイヤの様なものですから、パンクしたスペヤータイヤでは、役にたちませんから)
年齢などこの先、抜くことにリスクが高まる場合。
(高齢や、妊娠など)

異常の場合は抜くことをお勧めしています。
あくまでも私の個人的な意見です。


>2.「移植」という使い道があるのなら、なぜ歯医者さんは、積極的に親知らずを残そうとされないのですか?
インプラントが主流だから?

移植ができる、または、たくさんの症例を行ったことがある先生が少ないからです。


>3.インプラントは糖尿などの持病があるとできないと聞きますが、移植はどうですか?


糖尿病でも、きちっとコントロールされていれば問題ないと思います。
コントロールされていなければ、移植やインプラントに限らず、ご自分の天然の歯でも歯周病などの問題を起こす可能性は高くなります。
また、それ以外の外科手術もコントロールされていない方は、予後が悪くなる確率は高くなると思います。



>また、移植可能な年齢はやはり40歳位までですか?

特に年齢は関係ないと思います。

私の場合、70代の患者さんで行ったこともあります。
10年弱経過を見ておりましたが、成功しておりました。
その後は来院が途絶えておりますので、わかりません。

回答 回答3
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2011-07-06 14:08:22
将来移植に使えるかもしれないけど、とりあえず、今は邪魔な親知らずを抜くべきか保存しておくべきか・・いつも悩んでいます。

よってケースバイケースで、一般的な事としての回答は困難(不可能?)です。


移植自体は、必ずしもあまり難しい技術ではないかもしれませんが、移植後の扱い(根菅治療ほか)にはとても手間がかかります。
もし、「’歯根膜’を残す!」といった気合がなければインプラントの方がずっと無難かもしれませんね。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2011-07-06 14:15:25
移植には積極的な方ですが・・・

>1.

私見ですが、移植のために親知らずを残す判断基準

・親知らずの大きさ・形態などが移植に適している
(極端に小さい場合や歯根が複雑な形だと移植に適しません)

・親知らずを傷つけずに抜歯できそう
(横向きに埋まっている親知らずはバラバラにしないと抜歯できない場合があります)

親知らずを移植できそうな場所の歯に抜歯の可能性がある
(まったく虫歯歯周病が無ければ移植の必要性は低い)

・親知らずを残すことで他に障害を与えない
(残すことで親知らず自体に問題が起りそう、周囲の歯が虫歯や歯周病になりそう、噛合せに害になりそうなら抜歯でしょう)

などの総合判断です。


>2.
移植は不確定要素が多いので将来の予測が困難です。
その意味ではインプラントの方が安全かもしれません。

私は移植の「歯根膜がある」「異物ではなく自分の一部である」状態は重要だと思っていますので移植が好きです。


>3.

細見先生と同意見です。

何歳でも可能ですが、若い方が有利だと思います


移植に積極的な医院でセカンドオピニオンを聞いてみてはどうでしょう。


ご参考まで・・・

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2011-07-06 14:18:30
musasiさん、こんにちは


>1.親知らずを残す事により、隣の歯の虫歯のリスクを高めるなら、いつ駄目になるかわからない歯の為に、移植可能かわからない親知らずを残しておくのはお勧めしませんか?

そうですね。
結局親知らずはプラークコントロールが難しいんです。

そして一番奥にあるために気がつかないことが多く、また一番奥にあるために治療も難しいんですね。

そんな状態で苦労して残しておくより、他の歯を守るために口の中をきれいにしやすい環境にしておくことのほうが良いと思います。


>2.「移植」という使い道があるのなら、なぜ歯医者さんは、積極的に親知らずを残そうとされないのですか?
インプラントが主流だから?

というより実際に親知らずを残しておいても、最終的には虫歯になってしまったり、智歯周囲炎になってしまって抜歯することが多いからでしょうね。

移植の場合はあくまでタイミングだと思います。

あとは諸先生が回答されている理由もあるでしょう。


>3.インプラントは糖尿などの持病があるとできないと聞きますが、移植はどうですか?
>また、移植可能な年齢はやはり40歳位までですか?


移植の場合は特に年齢制限はないと思います。
私も40歳以上の患者さんでも経験があります。

ただ、全身的な疾患は関係すると思います。
例えばコントロールされていない糖尿病などの場合はかなり成功率は下がるかもしれませんね。

参考になれば幸いです。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2011-07-06 14:24:34
>1.親知らずを残す事により、隣の歯の虫歯のリスクを高めるなら、いつ駄目になるかわからない歯の為に、移植可能かわからない親知らずを残しておくのはお勧めしませんか?

比較的早い段階で抜歯が予測されるケース以外は抜歯することが多いです。
また、親知らずがあるからといって、サイズや根っこの形など、利用には向かない場合も結構あります。

ということで、僕は、移植の可能性があれば、間違いなくインプラントよりも移植を選択するのですが、それでも、親知らずはかなりのケースで抜歯をします。

ようは、診査診断だと思います


>2.「移植」という使い道があるのなら、なぜ歯医者さんは、積極的に親知らずを残そうとされないのですか?
>インプラントが主流だから?

移植治療をあまり行っていないか?
成功体験が少ない。
もしくは、移植歯の成功は根管治療の正否にかなり大きな比重がありますので、その点を考慮すると、インプラントの方が予知性が高いと判断しているのだと思います。
あとなの場合、移植は自費算定になりますし・・
(地域的な差はあるかもしれません)



>3.インプラントは糖尿などの持病があるとできないと聞きますが、移植はどうですか?
>また、移植可能な年齢はやはり40歳位までですか?

他の先生が書かれているとおりだと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: musasiさん
返信日時:2011-07-07 09:11:44
お忙しい中、たくさんのお返事ありがとうございます。
今回も心から感謝です。

先生方のご回答を頂き、将来抜歯する歯ができた時、治療代(インプラントは高額なので)と、自分の体を使った治療にこだわらなければ、抜歯してしまっても問題ないような印象を受けました。

私はインプラントに治療が長い、根付かないなど、悪いイメージしかなかったのですが、移植よりインプラントの方が治療の条件や予後など、広い意味で安定性があると考えていいのでしょうか?
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2011-07-07 11:35:01
>移植よりインプラントの方が治療の条件や予後など、
広い意味で安定性があると考えていいのでしょうか?

そうですね、インプラントのほうがいろいろな面で予知性は高いと思います。

ただ、ケースバイケースですので、どちらがどうという判断はできないですね。

そういう意味では治療法がどちらが良いというよりきちんと診断のほうが重要だと思います。

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2011-07-07 16:04:28
>移植よりインプラントの方が治療の条件や予後など、広い意味で安定性があると考えていいのでしょうか?


そうですね。

畑田先生が書かれているように、インプラントの方が予知性は高いと思われます。

もちろん、移植にはインプラントには無い「歯根膜」というクッションが存在しますので、上手く行けば移植の方が良いとは思うのですが…。

回答 回答9
  • 回答者
回答日時:2011-07-07 17:08:12
先生方の回答どおり、将来の計画次第です。

もし残すのであれば、もうそれ以上虫歯にしない予防が大切ですし、移植した後も虫歯にしない予防が大切です。
予防は他の歯にも大切ですから、無駄にはなりません。

もし移植する場合はそれ自体難しい治療ですから、そこもクリアする必要があります。

しかし、もし全てうまくいけば、良い結果が出る可能性があります。

インプラントはある意味で簡潔ですが、人工という問題がつきまといます。
天然の歯にかないません。

先に親不知を抜いて捨ててしまえば後からはできませんから、まず移植してその後に歯がダメになってから次の手段としてインプラントを考えても良いかもしれません。

もし移植がある程度うまくいき、将来のその時には医療が進歩していれば、インプラントに変わる再生医療などの良い治療が受けられるようになっているかもしれません。

それまでの繋ぎの治療として、移植を考えることもできます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: musasiさん
返信日時:2011-07-08 14:48:13
お返事が遅れて申し訳ございません。

先生方のご回答を何回も読み返し、今、自分がやるべき事を考えてみました。
先を考えてああしたい、こうしたいと迷っても、今まで歯を大切にしてこなかった自分が悪いのに、虫がよすぎました。

・今残っている自分の歯を大切にしたい
妊娠を希望している
・移植先の歯はおそらく今すぐ駄目にならない
インプラントの悪いイメージが軽減された

以上から、すぱっと抜歯しようと思います。
(少し怖いけど、いや、だいぶ怖い)

いつ出番がくるかわからない親知らずを残すリスクのほうが高く感じました。

ご回答頂いた先生方、お忙しい中、本当にありがとうございました。
勉強になりました。
今回も解決の糸口だけでなく、心も救っていただきました。
どうもありがとうございました。



タイトル 移植という使い道があるのに親知らずを積極的に残さないのはなぜか
質問者 musasiさん
地域 非公開
年齢 38歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 抜歯:8番(第三大臼歯、親知らず)
親知らずの移植
親知らずその他
回答者




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