右下6・7番抜歯。インプラントを予定しているが将来が心配 (アメリカ)

相談者: smileさん (56歳:女性)
投稿日時:2011-08-03 11:54:06
参考:過去のご相談
歯石取り残しと思われるが4ヵ月後まで放置して問題ないか?(アメリカ)




アメリカ在住。

右下#6欠損歯の為、30年程前から#5〜#7をブリッジ
#7に問題が生じ、一ヶ月前に#7抜歯
現在#6#7欠損歯。

抜歯後、インプラントを予定していましたが疑問があり、相談させて頂きます。



質問1

インプラントを入れた後に病気や寝たきりで自分でメンテナンスが出来なくなった場合、インプラントに問題が生じるかと思いまが、処置はどのようになるのでしょうか?
(インプラントの取り外しは困難とのことで懸念しています。)


かみ締め防止のナイトガードも必要とのこと。
こちらも、ナイトガードが出来ない期間が生じた場合、どうなるのでしょう?

ナイトガードが使用できない期間がどの程度までなら問題ないのでしょうか?



質問2.

年齢的にも身体に問題が起こりえる将来のことを考えるとインプラントをして良いものか迷っております。
  
取り外しが容易である、部分入れ歯の方が良いのではと思い、部分入れ歯を一度、試してみたい旨を医師に相談しましたところ、半年から1年までの入れ歯期間なら良いがそれ以上だとインプラントでなく総入れ歯ですね・・・。と言われました。

長年入れ歯をしている人が後にインプラントしたという話もよく聞きます。
入れ歯をして1年以上たつとインプラントは困難になったり不可能になるのでしょうか?

インプラントを前提とする場合の部分入れ歯の期間は、どの位の年数までなら問題ないのでしょうか?  


                

質問3

インプラントを選択した場合の質問ですが、
  
当初の医師の話では、#6#7にインプラント予定でしたが、#6の幅が狭いということで症状の無い#5を抜歯し(15年程前に神経を取っているので今後維持できるのは6〜7年位だろうとの事で)#5#7を2本インプラントで#5〜#7ブリッジを薦められました。

#5は神経はありませんが、現在、悪いといった自覚症状もなく、レントゲンでも問題がありませんでした。
先のことを考え、問題のない#5抜歯という選択はベストなのでしょうか?

( 抜歯を望まない場合#6#7をインプラントにして、いずれ#5が駄目になった時点で#5インプラント出来る可能性は90パーセントで、3本目インプラントも可能との事。
もし#5インプラントが不可能の場合、#6から#5にフェイクの歯を付け足す方法があるとの事。)


  

質問4

なお、医師の話ではインプラント自体は単独だが、上部の被せ物は全て、繋がるとのことです。
インプラントブリッジ以外は被せ物が各々、切り離され、清掃が楽になると考えていたのですが、全て繋がっているというのは、日本でも一般的なのでしょうか?

  
長くなりましたがご回答の程、よろしくお願い申し上げます。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2011-08-03 13:56:02
>質問1
インプラントを入れた後に病気や寝たきりで自分でメンテナンスが出来なくなった場合、インプラントに問題が生じるかと思いまが、処置はどのようになるのでしょうか?
>(インプラントの取り外しは困難とのことで懸念しています。)

2ピースのインプラントであれば、上部構造アバットメントを外し、ヒーリングキャップにしてスリーピングさせる事が可能です。

1ピースの場合は…解りません。



>かみ締め防止のナイトガードも必要とのこと。
>こちらも、ナイトガードが出来ない期間が生じた場合、どうなるのでしょう?
>ナイトガードが使用できない期間がどの程度までなら問題ないのでしょうか?

僕は基本的にナイトガードは「一次的な使用」または「補助的な使用」と考えております。

噛み締めを辞めるのは患者さん自身です。

TCH奥歯を接触させる癖)を意識する事で多くの方は歯ぎしりや噛み締めはコントロールできるようになると思います。




>質問2.
入れ歯をして1年以上たつとインプラントは困難になったり不可能になるのでしょうか?
>インプラントを前提とする場合の部分入れ歯の期間は、どの位の年数までなら問題ないのでしょうか? 
                 
抜歯して長期間(体感的には5〜10年以上)経つと、顎の骨が痩せ、インプラントを入れる事が難しくなります。

僕は「抜歯後2年以内に決断してください」と伝えます。



>質問3
>先のことを考え、問題のない#5抜歯という選択はベストなのでしょうか?

実際の状態が解らないので、何とも回答のしようがありません。

僕ならしないと思います。




>質問4
>全て繋がっているというのは、日本でも一般的なのでしょうか?

2本以上のインプラントでは「連結が基本」とされています。
しかしそれもケースバイケースで、単冠で作る場合もあります。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: smileさん
返信日時:2011-08-03 17:55:46
タイヨウ先生、

早速のご返信、有難うございました。
ご回答に対して,2点質問があります。


>2ピースのインプラントであれば、上部構造アバットメントを外し、ヒーリングキャップにしてスリーピングさせる事が可能です。

ヒーリングキャップにしてスリーピングさせる・・・の意味がよくわかりません。

インプラントを完全に取り外さず一部残して、機能させないという事でしょうか?
インプラントが一部残っている状態でインプラント歯周炎のような問題は起こらないのでしょうか?

アメリカ在住ですが、こちらでも2ピースのインプラントは一般的ですか?



>>質問3
>>先のことを考え、問題のない#5抜歯という選択はベストなのでしょうか?

>実際の状態が解らないので、何とも回答のしようがありません。
>僕ならしないと思います。

「しない」・・・というのは、抜歯をしないと言うことだと思いますが、抜歯をしない場合、先生なら、どのような処置をお考えでしょうか?

#6,7を部分入れ歯でしばらく持たせるのでしょうか?
あるいは、#6#7をインプラントにして、#5がいずれ悪くなった時に3本目のインプラントにするという事でしょうか?

アメリカの医師の話では#6の幅が狭いのでインプラントを3本入れることが出来ない可能性もあるとの事です。
(3本インプラントに少し無理があるようです。)


もし、#5にインプラントが出来なければ、#6から#5にフェイクの歯を付け足す方法をとるとの事ですが、この場合、強度的に問題はないのでしょうか?
平均して何年位、持つものでしょうか?

再度の質問、よろしくお願い致します。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-08-03 22:54:12
ご相談ありがとうございます。

代わりに回答いたします。

>ヒーリングキャップにしてスリーピングさせる・・・の意味がよくわかりません。


インプラントだけを歯茎の下に隠して眠らせてしまうという方法です。

普通は噛む部分が付いていますが、まずそれをとり、それとインプラントをつないでいたパーツも外し、ポッカリ空いたインプラントのつなぎ目の穴をキャップの部品でフタをしておくと、そのうち自然に歯肉がその上を覆って隠してしまうことを期待する方法です。

キャップの名前はメーカーによっていろいろです。
しっかりふさがらないことも少なくありません。




>先生なら、どのような処置をお考えでしょうか?

これはタイヨウ先生の回答をお待ちください。




ーーーーーーーーーーーーーーーー

元のご質問に戻ります。
それは実際に問題も出ていて、ホットであり、またとても重大な問題です。
それだけ回答も長くなります。
気が向けばお目通しください。


基本的な考えとして、人生後半のインプラント治療には、若いときとは違う困難が待ちかまえていて判断はより難しくなります。
ご指摘通り、ただ口の中だけで計画すると危険さえ出ていることが報告されているからです。

将来の想定にも深く踏み込んだ、総合的なインプラント計画が求められるでしょう。


現実には、いつどういった終末を迎えるか分からないこと、その時の生活環境が日本の貧弱な福祉行政では全く悲惨なことさえあること、インプラント部分以外の口の中の状況と、身体や気持ちや思考や習慣や生活環境との関連を無視できないため個人差がでやすいこと、によって個々人により方針の違いが出ます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

>質問1

>インプラントを入れた後に病気や寝たきりで自分でメンテナンスが出来なくなった場合、インプラントに問題が生じるかと思いまが、処置はどのようになるのでしょうか?

A.
一つ目の問題はインプラント周囲の歯肉の炎症です。

インプラントの種類によっては炎症を起こしやすかったり、起こしたあとは簡単に治められない場合もあります。
処置は困難を極めます。

ある種の物は炎症が急性化して化膿したり腫れたり痛んだりする傾向があり、別種のものは炎症が慢性的に進むため一見困らないままのこともあります。

前者は内服や撤去となり、後者は清掃することが重点となり、大きな処置は不要なことが多そうです。


ある種の物は炎症によりついには自然に脱落してくれる場合もあります。
ある種の物は炎症が途中で止まり、噛む機能は変わらず使える場合もあります。

どちらも清掃が主な処置となります。


基本的に、取り外しは不可能ではありませんが、終末の状態によってはかなり困難なことはあります。

状況によっては、1ピースの場合は深刻な事態になることもありそうです。
大々的な手術となるかもしれません。



>かみ締め防止のナイトガードも必要とのこと。
>こちらも、ナイトガードが出来ない期間が生じた場合、どうなるのでしょう?


想定されている事態がその時に起こると、期待されて効果が九仞の功を一簣に欠くこととなります。



>ナイトガードが使用できない期間がどの程度までなら問題ないのでしょうか?

いつ想定されている事態が起きるか分かればその期間となります。


つまり、ナイトガードに頼ること自体が予測不可能ですし、本当に効果があるかどうか議論の分かれるところです。




二つ目は体への炎症の影響です。

思うような治療ができない体の状態で炎症が起きると、体にとって重篤な症状につながることも出てきます。

全身的な投薬や処置の必要が出るかもしれません。


しかしお口の状況によっては、インプラントによって他の歯の寿命が守られたり、咀嚼により体力の維持が図られ闘病生活の支援になったり、咬合の維持により頭脳や体力や免疫力の向上に役立ったりする可能性もあります。

実際現代の統計でも、入院した場合の回復力を入院日数で表してみると、よく噛めない人と噛める人では明らかな差が出ていると言われています。

よく噛めない人の中には、病院で入歯を外されてしまう人も含まれていると思われますし、合わなくなった入歯で不自由されている人も含まれていると思われます。


あらかじめ介護となってもケアのしやすい設計となっていれば、他人によっても炎症が予防できる場合もあります。




>質問2.
>年齢的にも身体に問題が起こりえる将来のことを考えるとインプラントをして良いものか迷っております。

A.
確かにいろいろと報告されております。

体の自由が利かなくなったときに、口を閉じることができなくなったり、舌や口唇や頬が歯に押し付けられたままになったりして、口が渇いて炎症がひどくなったり、押された自然の歯は倒れて抜けるほどとんでもない方向に動いてしまうことが報告されています。

口臭も強大になりますから、これは濡らすことと清掃処置となります。



そのうちに歯は抜けますが、インプラントは抜けませんし動きません。
口の中が変化していて、無意識に顎を噛む力が入ると、インプラントが反対側の何も無い顎を思い切り咬んで傷つけてしまうことも報告されています。

本人にも止められないことはお世話する周りもとてもつらくなります。

そういう状態でもご本人の意識が正常であればつらいはずですし、意識も薄れていれば恍惚となりご本人は苦痛から解放されます。

痛みなどがつらい場合は鎮痛剤や鎮静剤や睡眠導入剤などを処置するかもしれません。




>取り外しが容易である、部分入れ歯の方が良いのではと思い、部分入れ歯を一度、試してみたい旨を医師に相談しましたところ、半年から1年までの入れ歯期間なら良いがそれ以上だとインプラントでなく総入れ歯ですね・・・。と言われました。

A.
必ずしもそうはなりません。




>長年入れ歯をしている人が後にインプラントしたという話もよく聞きます。
>入れ歯をして1年以上たつとインプラントは困難になったり不可能になるのでしょうか?

A.
やはり必ずしもそうはなりません。



>インプラントを前提とする場合の部分入れ歯の期間は、どの位の年数までなら問題ないのでしょうか?

お一人ずつによって全く変わります。
例えば総入れ歯は、顎の肉だけで力を受け止めるために、馬の背のように顎に入歯が食い込んでいき、骨を無くしていきます。

しかし、その総入れ歯でさえ、個人差があり、一度作って40年以上裏打ちさえしないで無事に使えた例も報告されています。

かたや新聞などでは、噛めない笑えない入歯をたくさん抱えていて、一つも使えなくなっている人もいます。


少し脱線しますが、総入れ歯が40年も長持ちするには条件があります。

もちろん骨が良いこと、35才前に全部抜歯すること、歯周病がほとんど無かったこと、入歯作りが上手なこと、です。
女性は少々厳しいと思います。

このように入歯の予測は単純ではありません。
一般的な話はあまり役に立ちません。



結論から言えば、インプラントだけで終末の生活が決まるわけではありません。

むしろ病気を恐れず、健康な一生を心がけることが基本になるのではないかと思っております。
それには自由に自分で噛めることが、脳にも身体にも免疫力にも大きな力になります。

日本ではPPK運動というのがあります。
ぴんぴんころり、略です。

入歯では食べ物さえ自由に選べません。
入院したら気力だけでは回復しません。
奥歯が無ければ、歯を食いしばって耐える気力も湧かないからです。
日本の病院では珍しくありませんが、入院後入歯を取り上げられたら、人に合わせる顔もなくなり、思いを伝える話もままならなくなれば、人との関係が薄れていきさらに認知症を読んでしまいます。

個人的には、入歯から解放されることは、自由を取り戻すことにつながると考えています。
日本人は長生きです。
自由にならない長生きはつらいはずです。

奥歯に力が入り、何でも噛め、間髪を入れず口を出し、思い切り笑っていれば病気は逃げていきます。
大事なことは長生きではなく、健康長寿です。
それにインプラントは役立つと思います。

それにはそういったことまで考えた計画だけが達成できるはずです。



>質問3

>インプラントを選択した場合の質問ですが、
  
>当初の医師の話では、#6#7にインプラント予定でしたが、#6の幅が狭いということで症状の無い#5を抜歯し(15年程前に神経を取っているので今後維持できるのは6〜7年位だろうとの事で)#5#7を2本インプラントで#5〜#7ブリッジを薦められました。

>#5は神経はありませんが、現在、悪いといった自覚症状もなく、レントゲンでも問題がありませんでした。
> 先のことを考え、問題のない#5抜歯という選択はベストなのでしょうか?


ドクターお一人ずつで考えも設計も全く違ってきます。
その先生にはベストなのだと思います。


私個人的には正反対となり、まず5番は残せないかと考えます。

他の歯や歯周病や噛み合わせなどお口全体や、身体やお考えや性格や理解力や生活習慣にもより簡単には決められませんが、条件がそろえば5番によって噛み合わせの位置が保存でき、それを抜歯することによって人工的に変更された噛み合わせのリスクを予防できると思うからです。

5番の同じ場所にインプラントを入れたからと言って、抜いた瞬間に噛みあわせは変わったままになり、元通りにできるわけがないからです。

自然に備わった健康部分をいかに壊さないかという姿勢が好結果を産むと考えています。

現代の医学の進歩は著しいとは言え、過去の定説は今否定されるなど当たり前ですから、今正しいことは将来否定されるかもしれません。
自然を克服したと考えるのは不遜です。


健康とは定義しづらいものですが、天然の歯という自然への畏敬を忘れず、人工的なことはできるだけ減らすことが健康に近いのではないかという気もします。




>( 抜歯を望まない場合#6#7をインプラントにして、いずれ#5が駄目になった時点で#5インプラント出来る可能性は90パーセントで、3本目インプラントも可能との事。
>もし#5インプラントが不可能の場合、#6から#5にフェイクの歯を付け足す方法があるとの事。)
  

可能ならば私なら今は保存します。

フェイクの歯を付け足す方法は、カンチレバーの設計と言います。
それはつい最近まで問題ないと言われていた古くからある、しばしば行われていた方法ですが、最近では疑問視されています。

もちろん上の歯とか他の歯とかそれが可能な条件になっているのかもしれません。



>質問4

>なお、医師の話ではインプラント自体は単独だが、上部の被せ物は全て、繋がるとのことです。
>インプラントブリッジ以外は被せ物が各々、切り離され、清掃が楽になると考えていたのですが、全て繋がっているというのは、日本でも一般的なのでしょうか?


基本的にはつなぎますが、初めからその設計で行けば、単独でも可能です。

しかし単独にすることで清掃が楽になるとは限りません。
なぜならば天然の歯のようにフロスを通す必要はないからです。
歯間ブラシは必要ですが、つながっていても使えます。

どちらにしても初めから清掃性が良いように設計しなければ後で困ることになります。
 

長くなりましたがもし最後までお目と押し頂いたら、一般論では答えが出ないことがおわかりになったと思います。

何かご理由があってお選びになった、ベストな先生でしょうから、よく理解していただいているはずのご担当の先生に相談されることが一番です。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: smileさん
返信日時:2011-08-04 06:53:07
さがら先生

ご丁寧なお答えを有難うございました。

一般論ではお答えがむずかしいという事を承知のうえ、#5抜歯後の処置について再度、ご意見をお伺いしたいのですが・・・・



>>( #5抜歯を望まない場合#6#7をインプラントにして、いずれ#5が駄目になった時点で#5インプラント出来る可能性は90パーセントで、3本目インプラントも可能との事。
>>もし#5インプラントが不可能の場合、#6から#5にフェイクの歯を付け足す方法があるとの事。)
  
>可能ならば私なら今は保存します。

>フェイクの歯を付け足す方法は、カンチレバーの設計と言います。
>それはつい最近まで問題ないと言われていた古くからある、しばしば行われていた方法ですが、最近では疑問視されています。



***********

質問 1

#5の保存を希望しておりますが、のちに#5が駄目になり、#6,7に既にインプラントが入った状態で、(インプラントを入れる幅に懸念があり)#5のインプラントが不可能あるいは困難と判断された場合、カンチレバーに疑問視されているのであれば他にどのような方法が望ましいとお考えでしょうか?
#5のみ部分入れ歯ということでしょうか?




質問 2.

現在、#6抜歯して一ヶ月が過ぎました。
#6,7の歯が無い状態です。

インプラント手術をする場合、予定は抜歯後、五ヶ月先となっています。
それまで仮歯の必要はないとのことで現在、仮歯などは装着しておりません。
  
抜歯後、歯並びやその他の悪影響を避ける為には抜歯後どの位の期間迄でしたら、仮歯なしで放置していても大丈夫なのでしょうか?



お手数をおかけします。再度、ご回答お願い申し上げます。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2011-08-04 08:33:49
ご返信ありがとうございます。

>質問 1

A.
部分入れ歯の選択もあります。

そこは日本人では特に骨が薄くなりやすい場所ですから、骨移植をしてインプラントをするという選択肢もあります。

あるいは、歯の保存を心がけていれば、歯も骨も大分残せます。

それでも歯を失ってしまう時期が大分高齢になってからであり、
その他の歯もきちんと保存できていれば、1本くらいは無いままでもかまわない場合もあると思います。


あるいは健康で長生きしていれば、科学が進み別の選択肢も増えてきます。
それは歯の再生です。
それ以外にも新しい発見や開発があるかもしれません。

それまでに心配な歯はその1本くらいにしておき、他の歯をもう失わない計画を実行しておくと被害を少なくできます。



>質問 2.

数ヶ月くらいであれば変化は無視できるくらいに抑えら得る場合もあります。
残された歯や歯並びはそれぞれの健全性と全体の歯並びや体や気持ちの調和によって維持されます。

持って生まれた優れた特性があれば、そのままで何年経っても大きく変化しない場合もあります。


他の歯に歯周病があり、心身に問題があれば速く大きく動きます。
また他の歯の治療物などに不適切が有れば、やはり変化しやすいことも有ります。

これは今までのお口や健康に対する思い入れがどのくらいであったかによっても違いが出てくる場合が有ります。

直接診察していただいている、ご担当先生のご指示に従うことが一番近道かもしれません。



つまり考え方として、困った時の病気の後始末も大事ですが、同時に今困っていない他の歯の健康をいつも考える習慣が、土壇場でも役に立つということです。

奥歯を2本も失い、5番も抜歯をほのめかされるほどの状態を作ってしまった原因を考え、他の歯については間に合えば、今同時に健康について計画するいい時期かもしれません。


いつでも歯科治療とは、目先だけと、将来を見た治療の二つがあり、言葉を変えればその場しのぎと、根本的・総合的解決を図るという二つにはっきり分かれます。

いわばいつも目の前に現れる二つの分かれ道を若い時から、そして今でも選択することになります。
若い時から健康を選択してきたならば、今何も困っていないことさえあるはずです。

分かれ道の入り口は、見た目にあまり変わりがないように見える物ですが、先に行けば行くほど道は離れていき、最後は別世界へとそれぞれたどり着き、そこからもとの分かれ道へは戻れなくなります。

まだ歯が残っているならば、それだけ健康レベルは残っていて、選択のチャンスもまだ小さくないとも言えます。
全部歯が無くなると、選択肢はとても少なくなります。
まぁそれだけ悩む数が減るとも言えますし、少ない悩みが深くなるとも言えます。




一般的に、殆どの方が治療計画を間違えています。

まず今困っているところをきちんと治し、その後に今度こそ予防しようと思っています。

間違いです。


ただ、困っていることの応急処置をまずすることは間違いではありません。
そのまま本格的に治療が始まってしまうことは危険という考え方です。

なぜなら、繰り返し同じことを考え、同じことで悩んでいることを反省してみれば分かるはずです。
治療だけに精力を使い果たし、予防などすっかり後回しになっています。

その奥歯だって、いきなり抜歯とはならなかったはずです。

小さい虫歯を削って詰め、何かあってまた削り、また何か起きてまた削り、またまた何か起きてついに嫌々抜歯になり、他の歯も同じことを嫌々ながら延々と繰り返すだけだからです。


先に一生の健康に役立つ予防計画を考え、いつもそのテーブルの上で治療計画を立てる約束が一番いい結果を生みます。

そのテーブルから外れた治療は、何年かたてばつじつまの合わない、納得のいかない結果につながることが殆どだからです。

そして失っていきます。

せっかくの治療物も、かけた時間も、手間も、お金も、もちろん歯も体の健康も、心の健全性も、人も…、最悪何もかも全てを。
横たわって自由にならない体の重みを感じ、自由に話すこともできず、過去を思いめぐらし、ただ楽になれる救いをひたすら待つことになります。

それも予防できれば価値は高く、その優先順位をいつどこに置くかはご自由です。


今、心置きなく検討して気持ちを整理されるといいでしょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: smileさん
返信日時:2011-08-04 16:05:55
さがら先生

見ず知らずの一個人の質問にご丁寧に回答して下さり、真に感謝の限りです。
本当に有難うございました。
心よりお礼申し上げます。



海外での歯科治療は言葉の問題だけでなく、考え方の違いなどからくる疑問もあり、こちらのサイトにどれ程,助けられていることか・・・。
大変、有難く思っております。



今回の質問にお答え下さったタイヨウ先生、さがら先生、そしていつもご回答下さる先生方、このサイトを運営して下さっている田尾耕太郎先生、皆さまに重ねて心からお礼申し上げます。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2011-08-04 16:33:18
あ、回答しようと思ったら解決になっていた…。


ご相談内容に関してはさがら先生が回答してくださいました。
(パーフェクトな回答です)





一つだけ

>>先生なら、どのような処置をお考えでしょうか?
>これはタイヨウ先生の回答をお待ちください。


いろいろな事を考えます。

7番部に1本だけインプラントを入れて大きめの上部構造で対処できるならする。
6番部の骨が細いなら「GBR」「スプリットクレスト」などの骨造成の処置を行い、6,7番部に2本のインプラントを埋入する…などなど。


実際に拝見しないと何とも言えませんが「健康な5番を抜歯して」とは考えないです。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2011-08-04 23:46:32
解決になっていますが、私見を一つだけ書かせていただきます。



寝たきりや病気の場合、インプラントだけに問題があるかのような勘違いをなさっているようですが、実際に問題を起こすのはインプラントよりも残っている天然歯の方です。

歯磨きが出来なくなることで歯根面の虫歯とか歯周炎が置き、患者さんが激痛で苦しまれるのは必ず残っている歯でした。


インプラントは、歯周炎を起こしても揺れないので患者さん自身が大変に痛がって苦しむと言う危険性は天然歯よりも低いのです。

そのような事態に至って、メインテナンスが出来なくなるとインプラントより歯の方が大問題になるかねません。



インプラントが問題になるのは、回りの歯がなくなってインプラントだけが立っている状態になって、咬みあっている歯茎等を傷付けることです。

インプラントをすると言うことは、周囲の歯を含めて口腔全体を健口に保つ決意をする、と言うことを意味している、と思います。



そう言う気持ちになれるのでしたら、インプラントは大変に良い治療方法ですので、受けることをお勧めできます。

他の歯を守る為にも。

お大事に。




タイトル 右下6・7番抜歯。インプラントを予定しているが将来が心配 (アメリカ)
質問者 smileさん
地域 非公開
年齢 56歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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