海外で受けた歯科治療と海外療養費給付制度について
相談者:
ぱこぱこデスパレートさん (56歳:女性)
投稿日時:2011-08-11 14:18:05
回答1
誠安・瑞石牙医診所(台湾)の王です。
回答日時:2011-08-11 19:38:53
こんにちは。
海外で従事しているものです。
患者さんの中で海外療養費給付制度をご利用する方が多いので、私が知っている範囲内で出来るだけお答え致しますね。
海外療養費が給付されるのは、日本国内で保険診療として認められている医療行為(診察、薬剤または治療材料の支給、処置、手術など)のみです。
即ち、日本の保険診療の範囲内で療養費が給付されますので、歯科においては、ご存じだとは思いますが、保険が適用されない以下のようなものは対象となりません。
健康保険適用外の材料及び医療器具を使用した治療
歯列矯正
インプラント
審美治療
マイクロスコープ
予防処置
など
確かに、今回海外で受けられた根管治療は保険適応なのですが、治療時にマイクロスコープや日本の保険診療では給付されない薬剤を使用された場合は、この部分の費用は給付されませんのでご注意下さい。
ついでなので、支給額の算出方法を少し書いておきます。
海外療養費は提出書類の審査を経たあと、給付金額が算定されるのですが、これは海外で支払った治療費をもとに算出されるのではなく、日本国内で保険治療を受けた場合に給付される金額を基準とした標準額によって算出されています。
ですので、例えば、海外で歯科治療を受け、10万円掛かったとします。
しかし、これと同じような治療を日本で受けた場合の平均的な金額(保険診療給付額を基準とした)が2万円だった場合、この金額が標準額となります。
そのため、差額である8万円は自己負担になります。
さらに、実際に支払った医療費(10万円、実費額/支給決定日の外国為替レートで円に換算)が、標準額(2万円)よりも大きい場合は、標準額(2万円)から被保険者の一部負担金相当額(一般被保険者の場合は3割ですので6000円)を控除した額→ 1万4000円が支給額となります。
したがって、自己負担額は、先の負担額8万円と合わせて、合計86000円となります。
これは払い戻されません。
逆に、実費額が標準額(2万円)よりも小さい場合は、実費額(実際に払ったのが、例えば1万円)から被保険者の一部負担金(一般被保険者の場合は3割ですので3000円)を控除した額7000円→ が支給額となります。
今回の実費額を日本円に換算された場合、どのぐらいになりますでしょうか?
もう一度強調致しますが、今回の治療で給付されるのは、#36を日本国内で保険治療を受けた場合に給付される金額から3割の負担額を控除した部分のみです。
それから、申請時に書類の不備などを理由に払い戻しが受けられないケースも出ていますので、ご注意下さいね。
申請に必要となる書類は全て記入してもらいましょう。
(医院によっては、別途費用が掛かることもありますが、その場合の費用は申請者の負担となります)
記入してもらう書類は、
・治療費支給申請書
・診療内容明細書(Attending Physician's Statement)、
・医療機関などが発行する診療内容の証明書、
・領収明細書(Itemized receipt)、
・支払済みの医療費の内訳が分かる領収書
(月がまたがる場合は、1ヵ月分ごとに証明を受けて下さい)
長期に渡った治療の場合は、カルテをコピーしていただくのもいいでしょう。
帰国後の書類提出先ですが、
健康保険の場合 →社会保険事務所、または加入している健康保険組合国民健康保険の場合 →住民票がある市区町村役所の担当者に上記の書類を添付して払い戻しを請求します。
規定に沿った内容であれば、後日払い戻し手続きが行われるはずです。
書類が日本語以外で記入されている場合は、日本語の翻訳文が必要となりますので、この点もご注意下さいね。
私は全て日本語で記入して差し上げていますので、翻訳費用が省き、そのまま提出できますが、英文の場合でも必ず翻訳が必要となります。
翻訳費用は申請者の負担になります。(一式3000円〜ほど)
参考になさって下さいね。
海外で従事しているものです。
患者さんの中で海外療養費給付制度をご利用する方が多いので、私が知っている範囲内で出来るだけお答え致しますね。
海外療養費が給付されるのは、日本国内で保険診療として認められている医療行為(診察、薬剤または治療材料の支給、処置、手術など)のみです。
即ち、日本の保険診療の範囲内で療養費が給付されますので、歯科においては、ご存じだとは思いますが、保険が適用されない以下のようなものは対象となりません。
健康保険適用外の材料及び医療器具を使用した治療
歯列矯正
インプラント
審美治療
マイクロスコープ
予防処置
など
確かに、今回海外で受けられた根管治療は保険適応なのですが、治療時にマイクロスコープや日本の保険診療では給付されない薬剤を使用された場合は、この部分の費用は給付されませんのでご注意下さい。
ついでなので、支給額の算出方法を少し書いておきます。
海外療養費は提出書類の審査を経たあと、給付金額が算定されるのですが、これは海外で支払った治療費をもとに算出されるのではなく、日本国内で保険治療を受けた場合に給付される金額を基準とした標準額によって算出されています。
ですので、例えば、海外で歯科治療を受け、10万円掛かったとします。
しかし、これと同じような治療を日本で受けた場合の平均的な金額(保険診療給付額を基準とした)が2万円だった場合、この金額が標準額となります。
そのため、差額である8万円は自己負担になります。
さらに、実際に支払った医療費(10万円、実費額/支給決定日の外国為替レートで円に換算)が、標準額(2万円)よりも大きい場合は、標準額(2万円)から被保険者の一部負担金相当額(一般被保険者の場合は3割ですので6000円)を控除した額→ 1万4000円が支給額となります。
したがって、自己負担額は、先の負担額8万円と合わせて、合計86000円となります。
これは払い戻されません。
逆に、実費額が標準額(2万円)よりも小さい場合は、実費額(実際に払ったのが、例えば1万円)から被保険者の一部負担金(一般被保険者の場合は3割ですので3000円)を控除した額7000円→ が支給額となります。
今回の実費額を日本円に換算された場合、どのぐらいになりますでしょうか?
もう一度強調致しますが、今回の治療で給付されるのは、#36を日本国内で保険治療を受けた場合に給付される金額から3割の負担額を控除した部分のみです。
それから、申請時に書類の不備などを理由に払い戻しが受けられないケースも出ていますので、ご注意下さいね。
申請に必要となる書類は全て記入してもらいましょう。
(医院によっては、別途費用が掛かることもありますが、その場合の費用は申請者の負担となります)
記入してもらう書類は、
・治療費支給申請書
・診療内容明細書(Attending Physician's Statement)、
・医療機関などが発行する診療内容の証明書、
・領収明細書(Itemized receipt)、
・支払済みの医療費の内訳が分かる領収書
(月がまたがる場合は、1ヵ月分ごとに証明を受けて下さい)
長期に渡った治療の場合は、カルテをコピーしていただくのもいいでしょう。
帰国後の書類提出先ですが、
健康保険の場合 →社会保険事務所、または加入している健康保険組合国民健康保険の場合 →住民票がある市区町村役所の担当者に上記の書類を添付して払い戻しを請求します。
規定に沿った内容であれば、後日払い戻し手続きが行われるはずです。
書類が日本語以外で記入されている場合は、日本語の翻訳文が必要となりますので、この点もご注意下さいね。
私は全て日本語で記入して差し上げていますので、翻訳費用が省き、そのまま提出できますが、英文の場合でも必ず翻訳が必要となります。
翻訳費用は申請者の負担になります。(一式3000円〜ほど)
参考になさって下さいね。
相談者からの返信
相談者:
ぱこぱこデスパレートさん
返信日時:2011-08-12 12:33:04
王様
ご丁寧に説明くださいまして有難うございました。
根管治療も保険適用となる場合となら無い場合があることを当該HPで知ったので(以下参照)、当方のケースが治療費用としてどちらになるのかを伺った次第です。
----------
【保険治療の場合】 約1500〜3000円 (3割負担)
・レントゲン写真の費用、薬剤の費用、根っこに詰める材料の費用等が含まれています。
・治療費は、歯の根っこの数や治療方法によって上下します。
・これは1本あたりの費用なので、通院回数が増えたからといって費用が高くなるということは ありません。(ただし、通院1回につき再診料約130円+貼薬料約50円はかかります)
・インレー(詰め物)やクラウン(差し歯)の費用は別途かかります。
【保険外治療の場合】 約1〜10万円 (1根管)
------------
ご指摘のマイクロスコープは使用しておりませんが、保険診療では給付されない薬剤を使用したかどうか、領収書には記載していないので判別できません。
治療費は検査、診察、Xrayの費用を除いてPHP21,000で換算すると約4万円以上ですが、日本での同等の治療標準額は幾らとなるのでしょうか。
ご丁寧に説明くださいまして有難うございました。
根管治療も保険適用となる場合となら無い場合があることを当該HPで知ったので(以下参照)、当方のケースが治療費用としてどちらになるのかを伺った次第です。
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【保険治療の場合】 約1500〜3000円 (3割負担)
・レントゲン写真の費用、薬剤の費用、根っこに詰める材料の費用等が含まれています。
・治療費は、歯の根っこの数や治療方法によって上下します。
・これは1本あたりの費用なので、通院回数が増えたからといって費用が高くなるということは ありません。(ただし、通院1回につき再診料約130円+貼薬料約50円はかかります)
・インレー(詰め物)やクラウン(差し歯)の費用は別途かかります。
【保険外治療の場合】 約1〜10万円 (1根管)
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ご指摘のマイクロスコープは使用しておりませんが、保険診療では給付されない薬剤を使用したかどうか、領収書には記載していないので判別できません。
治療費は検査、診察、Xrayの費用を除いてPHP21,000で換算すると約4万円以上ですが、日本での同等の治療標準額は幾らとなるのでしょうか。
回答2
誠安・瑞石牙医診所(台湾)の王です。
回答日時:2011-08-13 01:58:12
>治療費は検査、診察、Xrayの費用を除いてPHP21,000で換算すると約4万円以上ですが、日本での同等の治療標準額は幾らとなるのでしょうか。
今回治療なされた#36の根管治療費に関してですが、日本の保険治療で処置した場合の保険点数が約700点ぐらいですので、そこから3割の一部負担額を差し引いた保険負担分(7割):約4900円ほどが支払い戻される計算になるかと思います。
根管治療自体は保険適応となっていますが、今回のように海外でお支払いになった実費と、日本の標準額との差が大きく異なっている場合がほとんどです。
世界広しと言えども、日本の保険診療で行う根管治療の支給額は世界に類を見ない低さです。
ここ台湾よりも更に低いのです。
それから、
前回の回答でも少し触れましたが、書類が日本語以外で記入されている場合は日本語の翻訳文も必要となりますので、別途翻訳費用が掛かります。
それらの諸経費を差し引きますと、実際に手元に戻られる金額は、スズメの涙程しかないとお考えになられた方が宜しいかと思いますよ・・・・・・・・
参考になさって下さい。
今回治療なされた#36の根管治療費に関してですが、日本の保険治療で処置した場合の保険点数が約700点ぐらいですので、そこから3割の一部負担額を差し引いた保険負担分(7割):約4900円ほどが支払い戻される計算になるかと思います。
根管治療自体は保険適応となっていますが、今回のように海外でお支払いになった実費と、日本の標準額との差が大きく異なっている場合がほとんどです。
世界広しと言えども、日本の保険診療で行う根管治療の支給額は世界に類を見ない低さです。
ここ台湾よりも更に低いのです。
それから、
前回の回答でも少し触れましたが、書類が日本語以外で記入されている場合は日本語の翻訳文も必要となりますので、別途翻訳費用が掛かります。
それらの諸経費を差し引きますと、実際に手元に戻られる金額は、スズメの涙程しかないとお考えになられた方が宜しいかと思いますよ・・・・・・・・
参考になさって下さい。
相談者からの返信
相談者:
ぱこぱこデスパレートさん
返信日時:2011-08-18 12:06:45
タイトル | 海外で受けた歯科治療と海外療養費給付制度について |
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質問者 | ぱこぱこデスパレートさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 56歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
虫歯の治療費・費用 海外その他 治療費・費用 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。