7番を根管治療。マイクロスコープ、拡大鏡、何も使わない時の差は?
相談者:
ナタリアさん (38歳:女性)
投稿日時:2011-10-22 14:08:06
参考:過去のご相談
※7番を根管治療。隣の親知らずをこの機会に抜くかどうか迷っています
先日、下7番の根管治療中の歯、その他の事で、セカンドオピニオンに言ってまいりました所、今度は上7番の、もう20~30年以上大昔に神経を抜いた歯の所の歯茎の所をさして、「腐っている」といわれました。
痛みではなく、鈍く、弱弱しさは感じていましたが、初耳で、主治医にも歯全体のレントゲンは撮ってもらっていましたが、聞いておりませんでした。
そして、
「下7番と違って、上7番の根の治療はちゃんと保険外であるマイクロスコープ(?)を使わないと難しい」
といわれました。
マイクロスコープを使わない治療だと、運がよければ成功・・という感じ、と言われました。
マイクロスコープなら医者の姿勢も安定して云々・・という言葉を聴いた気がします。
上7番の根の治療の場合、医師の治療中の姿勢の問題からしても、マイクロスコープの方がやりやすいのでしょうか?
マイクロスコープでも、歯の根穴の口元しか見えないという文も見かけたり、根管治療にはマイクロスコープは必須というような文も見かけたりで、マイクロスコープとルーペ、どちらが良いのか分かりません。
金額を聞いたときには驚きましたが、大事な歯ですので、保険外であっても「完治」すれば良いです・・。
逆に、保険内であっても、「完治」すれば同じく良いのですが・・。
その先生の話によると、マイクロスコープを使うと使わないではまるで違うというようなニュアンスでした。
今治療中の下7番の歯も、将来は上7番のようになるかも・・とも言われました。
根管の治療の際、保険外、保険内で治療をされているお医者様、どちらの意見も聞きたいです・・。
それと、主治医の先生は、治療中は意識していなかったのですが、ホームページの写真を見るとルーペ(拡大鏡?)のようなものをしていましたが、私の時はルーペも使っていたかよく覚えていません。
根管治療の際、ルーペ?拡大鏡?さえ使わないことはあるのでしょうか。
それでも治療はちゃんと出来る物なのでしょうか。
※7番を根管治療。隣の親知らずをこの機会に抜くかどうか迷っています
先日、下7番の根管治療中の歯、その他の事で、セカンドオピニオンに言ってまいりました所、今度は上7番の、もう20~30年以上大昔に神経を抜いた歯の所の歯茎の所をさして、「腐っている」といわれました。
痛みではなく、鈍く、弱弱しさは感じていましたが、初耳で、主治医にも歯全体のレントゲンは撮ってもらっていましたが、聞いておりませんでした。
そして、
「下7番と違って、上7番の根の治療はちゃんと保険外であるマイクロスコープ(?)を使わないと難しい」
といわれました。
マイクロスコープを使わない治療だと、運がよければ成功・・という感じ、と言われました。
マイクロスコープなら医者の姿勢も安定して云々・・という言葉を聴いた気がします。
上7番の根の治療の場合、医師の治療中の姿勢の問題からしても、マイクロスコープの方がやりやすいのでしょうか?
マイクロスコープでも、歯の根穴の口元しか見えないという文も見かけたり、根管治療にはマイクロスコープは必須というような文も見かけたりで、マイクロスコープとルーペ、どちらが良いのか分かりません。
金額を聞いたときには驚きましたが、大事な歯ですので、保険外であっても「完治」すれば良いです・・。
逆に、保険内であっても、「完治」すれば同じく良いのですが・・。
その先生の話によると、マイクロスコープを使うと使わないではまるで違うというようなニュアンスでした。
今治療中の下7番の歯も、将来は上7番のようになるかも・・とも言われました。
根管の治療の際、保険外、保険内で治療をされているお医者様、どちらの意見も聞きたいです・・。
それと、主治医の先生は、治療中は意識していなかったのですが、ホームページの写真を見るとルーペ(拡大鏡?)のようなものをしていましたが、私の時はルーペも使っていたかよく覚えていません。
根管治療の際、ルーペ?拡大鏡?さえ使わないことはあるのでしょうか。
それでも治療はちゃんと出来る物なのでしょうか。
回答1
顕微鏡歯科シバタ(名古屋市守山区大森)の柴田です。
回答日時:2011-10-22 14:25:15
ナタリアさん、こんにちは。
上の歯は、マイクロが使いやすい側になります。
>保険外であるマイクロスコープ
マイクロスコープを使ったから、保険外診療になるわけではありません。
保険外の材料などを使うと保険外診療になります。
また、それ以降全て保険外診療になるようです。
マイクロや拡大鏡が臨床の現場に採用され始めたのは、ここ十年前後のことではないかと思います。
それ以前は、肉眼のみで診療していましたが、そこそこの治療成績を上げている先生もいれば、全くそうでない先生もいたと思います。
ようは使う歯科医の腕次第だと思います。
上の歯は、マイクロが使いやすい側になります。
>保険外であるマイクロスコープ
マイクロスコープを使ったから、保険外診療になるわけではありません。
保険外の材料などを使うと保険外診療になります。
また、それ以降全て保険外診療になるようです。
マイクロや拡大鏡が臨床の現場に採用され始めたのは、ここ十年前後のことではないかと思います。
それ以前は、肉眼のみで診療していましたが、そこそこの治療成績を上げている先生もいれば、全くそうでない先生もいたと思います。
ようは使う歯科医の腕次第だと思います。
回答2
高田歯科 (神戸 三ノ宮・須磨)のタカタです。
回答日時:2011-10-22 16:12:19
文献的には、マイクロスコープを使ったほうが良いといった内容のものも見かけますが・・・私からしたら、「そりゃぁ、マイクロ使って自費でやるなら丁寧でしょうよ」と思うので、マイクロ使うから絶対的に成功率が上がるとは言い切れません。
そのあたりは、柴田先生と同じ意見です。
ただ、問題は、保険外の根管治療です。
マイクロスコープだから保険外とは成り得ません。
その辺りを突っ込みだすときりがないのですが・・・多分その先生は何の悪気もなく『マイクロ使って丁寧にしたいし、とはいえ、保険でバカ丁寧にしてたら赤字だし・・・』と 苦肉の策で自費をやっておられると思います。
そのあたりは、柴田先生と同じ意見です。
ただ、問題は、保険外の根管治療です。
マイクロスコープだから保険外とは成り得ません。
その辺りを突っ込みだすときりがないのですが・・・多分その先生は何の悪気もなく『マイクロ使って丁寧にしたいし、とはいえ、保険でバカ丁寧にしてたら赤字だし・・・』と 苦肉の策で自費をやっておられると思います。
回答3
回答4
山田歯科医院(兵庫県姫路市)の山田です。
回答日時:2011-10-22 17:24:22
ナタリアさま、こんばんわ。
問題を整理すると、マイクロスコープを使うから自費診療になるというのは、少々問題で場合によっては療養担当規則に抵触するように思います。
もし自費診療になってもいいから、マイクロスコープを使ってほしいと希望なさるのなら、おそらく問題にはならないと思います。
もうひとつマイクロスコープを使って根管治療をすれば、いい治療が出来るかというと、あながちそうだともいえません、もちろん見えないところが見えるので、症例によっては有効なことはありますが、ほとんどの症例はそれほど必要だともいえないと思います。
要するに丁寧に時間をかけて、基本に忠実に治療を行えば、ほとんどの感染根管は治すことができると個人的には考えています。
感染根管治療 http://www.yamadashika.jp/infection.html
問題を整理すると、マイクロスコープを使うから自費診療になるというのは、少々問題で場合によっては療養担当規則に抵触するように思います。
もし自費診療になってもいいから、マイクロスコープを使ってほしいと希望なさるのなら、おそらく問題にはならないと思います。
もうひとつマイクロスコープを使って根管治療をすれば、いい治療が出来るかというと、あながちそうだともいえません、もちろん見えないところが見えるので、症例によっては有効なことはありますが、ほとんどの症例はそれほど必要だともいえないと思います。
要するに丁寧に時間をかけて、基本に忠実に治療を行えば、ほとんどの感染根管は治すことができると個人的には考えています。
感染根管治療 http://www.yamadashika.jp/infection.html
回答5
東京国際歯科六本木(港区六本木)の宮下です。
回答日時:2011-10-23 06:30:23
ナタリアさん
おはようございます。
「保険外、保険内で治療をされているお医者様、どちらの意見も聞きたいです・・。」
保険診療を行っていない、専門医の意見です。
コクランレビューという、世界で最も信頼の高い情報を提供している研究というものがあります。
Del Fabbro らの2009年のコクランレビューの結論に書かれているのですが、文献的には、本当にマイクロスコープを用いた場合と、用いなかった場合を比較した研究がありませんが、拡大するような装置を用いて治療を行う事は術野を明視化することができる点で有利であるという利点があるとしています。
根管治療の成功率は一般的には、マイクロスコープを用いた場合の方が、より高いと考えられていますが、やはり、マイクロスコープを用いた場合と、用いなかった場合を比較した長期間の成功率を調べた研究があれば良いなと思います。
私たちは現在、根管治療の長期的な成功率の研究を行っているのですが、全ての症例でマイクロスコープを用いていますので、用いない場合と直接比較はしておりません。
しかしながら、全世界的に歯内療法の専門医の間では、根管治療の成功率は、一般開業医の治療<専門医の治療<マイクロスコープを用いた専門医の治療の順で、成功率は高い研究がいくつも示されていますので、用いた方が良いと考えてよいと思います。
根管治療といっても、様々な状態の根管があります。
まず、ナタリアさんの根管は感染根管で再治療が必要なケースですので、全てのタイプの根管治療の中で最も難しく、成功率が低いタイプに属します。
感染根管再治療の成功率は、1990年代までの研究では、専門医が行った場合でも60%程度と考えられていました。
もちろん、これは非常に厳しい基準での完全成功を指します。
すなわち、レントゲン的にも正常な状態になることを意味します。
私も、留学当時に多くの文献を読んだ際に非常に驚きました。
ですから、
「マイクロスコープを使わない治療だと、運がよければ成功・・という感じ」
このコメントはあながち誤りではありません。
しかし、1990年以降、なんとかその成功率を高くしようと、さまざまな努力が行われてきました。
根管の無菌化への努力(消毒薬剤、貼薬剤)、根管への再感染予防への努力(仮封鎖、コア、クラウンの適合)、根管の明視化への努力(ルーペ、マイクロスコープの使用)、このようなさまざまな努力をすることで、少しでも失敗を少なくしようとしてきたわけです。
ですから、決してマイクロスコープのみで成功率が上がるわけではないのですが、同じ術者であれば、視野を良くするという観点から、非常にメリッとがあるには違いないのです。
さて、すぐに忘れ去られてしまう大きな問題点は「術者自体の違い」と「歯自体の違い」がもともと存在するということです。
単純に、マイクロスコープを用いるのが良いかどうかではなく、例えば、治療が簡単な歯の場合は無くても違いがないかもしれませんが、難しいタイプの歯(ナタリアさんの歯)の治療にはあった方がより有利だと考えて良いと思います。
また術者が、上記述べたような努力をされているのであれば、それはプラスに働くでしょう。いずれにしても、そういう努力をされるということは、非常に多くの時間が必要になります。
ある程度時間を取って治療をしてくれる先生の方が信頼はおけるのではないでしょうか。
現在、再感染根管治療の成功率は専門医がマイクロスコープを用いた場合に、80%程度になってきています。
あくまでも、用いなかった場合との比較ではありません。
ご参考に。
おはようございます。
「保険外、保険内で治療をされているお医者様、どちらの意見も聞きたいです・・。」
保険診療を行っていない、専門医の意見です。
コクランレビューという、世界で最も信頼の高い情報を提供している研究というものがあります。
Del Fabbro らの2009年のコクランレビューの結論に書かれているのですが、文献的には、本当にマイクロスコープを用いた場合と、用いなかった場合を比較した研究がありませんが、拡大するような装置を用いて治療を行う事は術野を明視化することができる点で有利であるという利点があるとしています。
根管治療の成功率は一般的には、マイクロスコープを用いた場合の方が、より高いと考えられていますが、やはり、マイクロスコープを用いた場合と、用いなかった場合を比較した長期間の成功率を調べた研究があれば良いなと思います。
私たちは現在、根管治療の長期的な成功率の研究を行っているのですが、全ての症例でマイクロスコープを用いていますので、用いない場合と直接比較はしておりません。
しかしながら、全世界的に歯内療法の専門医の間では、根管治療の成功率は、一般開業医の治療<専門医の治療<マイクロスコープを用いた専門医の治療の順で、成功率は高い研究がいくつも示されていますので、用いた方が良いと考えてよいと思います。
根管治療といっても、様々な状態の根管があります。
まず、ナタリアさんの根管は感染根管で再治療が必要なケースですので、全てのタイプの根管治療の中で最も難しく、成功率が低いタイプに属します。
感染根管再治療の成功率は、1990年代までの研究では、専門医が行った場合でも60%程度と考えられていました。
もちろん、これは非常に厳しい基準での完全成功を指します。
すなわち、レントゲン的にも正常な状態になることを意味します。
私も、留学当時に多くの文献を読んだ際に非常に驚きました。
ですから、
「マイクロスコープを使わない治療だと、運がよければ成功・・という感じ」
このコメントはあながち誤りではありません。
しかし、1990年以降、なんとかその成功率を高くしようと、さまざまな努力が行われてきました。
根管の無菌化への努力(消毒薬剤、貼薬剤)、根管への再感染予防への努力(仮封鎖、コア、クラウンの適合)、根管の明視化への努力(ルーペ、マイクロスコープの使用)、このようなさまざまな努力をすることで、少しでも失敗を少なくしようとしてきたわけです。
ですから、決してマイクロスコープのみで成功率が上がるわけではないのですが、同じ術者であれば、視野を良くするという観点から、非常にメリッとがあるには違いないのです。
さて、すぐに忘れ去られてしまう大きな問題点は「術者自体の違い」と「歯自体の違い」がもともと存在するということです。
単純に、マイクロスコープを用いるのが良いかどうかではなく、例えば、治療が簡単な歯の場合は無くても違いがないかもしれませんが、難しいタイプの歯(ナタリアさんの歯)の治療にはあった方がより有利だと考えて良いと思います。
また術者が、上記述べたような努力をされているのであれば、それはプラスに働くでしょう。いずれにしても、そういう努力をされるということは、非常に多くの時間が必要になります。
ある程度時間を取って治療をしてくれる先生の方が信頼はおけるのではないでしょうか。
現在、再感染根管治療の成功率は専門医がマイクロスコープを用いた場合に、80%程度になってきています。
あくまでも、用いなかった場合との比較ではありません。
ご参考に。
回答6
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2011-10-23 13:39:46
もしマイクロスコープを自分で作ったり(工作の得意な人なら楽しいかも・・)、製作所にオーダーメイド(高価!!)する必要があるならともかく、大量生産されて、安価なものでも、そこそこの効果が期待出来るとしたら、使用しないのは勿体無い気がします。
ルーペと比較した場合の利点は、光軸が視軸と一致するので、管構造物の内面の奥深くまで光が入って見えやすいことがあります。
下の7番も難しいケースがあるように思いますけどね。’難しさ’が異なるとは思います。
全体の中で、ルーペやマイクロを使用しない時間帯もあると思いますよ。
ルーペと比較した場合の利点は、光軸が視軸と一致するので、管構造物の内面の奥深くまで光が入って見えやすいことがあります。
下の7番も難しいケースがあるように思いますけどね。’難しさ’が異なるとは思います。
全体の中で、ルーペやマイクロを使用しない時間帯もあると思いますよ。
タイトル | 7番を根管治療。マイクロスコープ、拡大鏡、何も使わない時の差は? |
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質問者 | ナタリアさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 38歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ |
根管治療の治療法 歯医者への不信感 マイクロスコープ |
回答者 |
|
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。