外科矯正か通常の歯列矯正か・・歯科医によって治療法が違う

相談者: カナヤさん (28歳:女性)
投稿日時:2011-10-29 14:43:37
私は小学生のころ矯正をしていたのですが、ある程度歯並びが改善された時途中で通院するのを辞めてしまいました。

矯正するにあたりだいぶ歯を抜きましたし、子供ながら歯並びもだいぶ良くなったしいいだろうと思ったので。。

しかし大人になり、歯並びがよくなったと言ってもまだ気になる部分があったので、また同じ先生のところへ通院し、取り外し式の器具をまたつけ出しました。

先生にもうこれ以上することは無いと言われたのですが、私的にはまだ歯並びが完全に綺麗と思えず(ただ普通の人が見たら歯並びだけで見ると綺麗な方だと思います)、それを伝えると、矯正を途中で辞めてしまうとそうなるって言われて(多分顎の位置が下がるというようなことだったと思います)治すなら手術しないとダメと言われました。

その時は手術なんて無理だと思ったのですが、最近顔の輪郭の左右非対称や、顎がとても下っていることがとても気になりだし、またエラの部分か奥歯のあたりですが、痛みというほどではないですが、腫れているような重さがあるような気がします。

色々と調べていたのですが、自分の歯の見た目が過蓋咬合と同じ状態と分かりました。
恥かしながら奥歯を咬んでいーっとすると上の前歯が下の前歯にかぶさり、下の前歯が見えなくなるのが正常だと思っていました。。
通常は下の前歯に上の前歯が1mmほどかぶさるぐらいなんですよね。

何件か矯正歯科に相談に行きました。

もちろん詳しい検査はしていませんが、数名の先生は手術して治す方法もあるということと、もし手術しないのであれば上の歯を抜いて上の歯を引っこめるという感じで治療するとのことでした。

ただある先生(矯正で有名な顎にお詳しい先生)はつらい思いして手術する必要はない、矯正治療で治ると仰って頂きました。

その方法は私の顎が下がってるのでマウスピースを使って正常な顎の位置を決め、決まった位置に基づいて矯正治療をするという形でした。

しかしある先生はその治療法を否定気味に話されてました。

心象的にはそのマウスピースをすすめて下さった先生が、見た目よりも、何よりも健康が第一という考え方で、すごく優しい先生ですし、とても矯正で有名な方のようですので先生が治療して下さればとも思うのですが。。

でもやはりもう一度矯正をと考えたのが顔の輪郭や、顎の位置が下がりすぎという審美面の改善が強いので、仕上がりは噛み合わせや歯並びはもちろん、審美的にも一番良くなる方法で治療をしたいと思っています。

先生によって治療法が違うのは仕方ないと思うのですが、この場合どのように医院を決めれば宜しいでしょうか?

手術をする仕上がりと、手術無し(マウスピースを使って顎の位置を決める)の仕上がりではやはり違ってきますか?

手術をすると後戻りしにくくなるということと、矯正期間が少しだけ短くなるようですので、審美面でもきれいに、期間も短くということでしたら手術をした方がいいのかなとも思うのですが、いかがでしょうか?

長文すみません。
宜しくお延がい致します。


回答 回答1
  • 回答者
伊藤矯正歯科クリニック(名古屋市中区)の伊藤です。



※2013年9月14日までは伊藤和明先生、それ以降は伊藤雅大先生がご回答されています。
回答日時:2011-10-29 19:04:14
通常は過蓋咬合咬み合わせが深い)単独の場合には、顎矯正手術はあまり考えないことが多いと思います。

ただ下顎後退が著しいように、骨格的な問題が強い場合で審美的な改善を望まれる場合には、顎矯正手術併用も選択肢としてはあると思います。

「矯正で有名な顎に詳しい先生」の意見も、記載されたことだけでの判断では、私には納得できません。
マウスピースによって、正常な顎の位置を決めるという表現が極めてあいまいです。
下顎の大きさが小さかったら、正常な顎の位置はどこに来るのでしょう。
歯科医にとって都合のいい位置が、患者さんにとっていい位置とは限りません。

少なくとも矯正単独、手術併用それぞれの治療ゴールをみせて頂いて判断されるといいと思います。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2011-10-30 12:27:48
上顎前突出っ歯)と過蓋咬合でお悩みなんですね。

一般的に、「上顎前突と過蓋咬合(Short face)を伴っている場合」には、よほどの重症ケース以外は外科手術を行わないことが多いと思います。(ただし、下顎骨のサイズが非常に小さい場合などは、外科手術を行うこともあります)

大きな理由としては、下顎骨を外科的に前方移動させた場合には、前方移動させた下顎骨が下顎骨周囲の軟組織(筋肉・皮膚等)を緊張させるため、その反作用で、下顎骨が後方に大きく後戻りするリスクがあるためです。(逆に、下顎骨が大きい場合に後方移動させた場合には、緊張は弱いため、前方移動ほどの後戻りは発生しない場合が多いです)

また、下顎骨の後戻りが発生した場合には、インプラントアンカーによる、上顎歯列遠心移動が、非常に有効なのですが、外科矯正治療を保険で行った場合には、インプラントアンカーによる矯正歯牙移動は原則認められていない(混合診療にあたります)ということも「治療方針の選択」に大きな影響を与えています。

また、マウスピースで顎位を決めてから矯正治療を開始するという流派の先生もいますし、そのような方針の矯正専門医院に非常勤として勤務したこともありますが、一般的な評価としては、賛否両論で、広く普及している治療法ではありません。(マイナーな治療方法ですが、その手法で素晴らしい治療をされている先生もたくさんいます。)

それぞれの矯正歯科で、じっくりお話しを聞いて、「治療のゴール」や「治療方針」、「治療期間」等の具体的な説明に一番納得できた先生に治療依頼されてはいかがでしょうか?

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2011-10-30 15:56:07
>エラの部分か奥歯のあたりですが、痛みというほどではないですが、腫れているような重さがあるような気がします

軽い筋肉のこりの疑いもある様ですので、治療方針に影響するかもしれませんのでこのことも相談時には忘れないで、伝えることが大切です。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: カナヤさん
返信日時:2011-10-31 18:55:19
伊藤先生
ご返信ありがとうございます。

またそれぞれの矯正治療の先生に、お話を伺うようにしたいと思います。

矯正治療をした後のゴールの状態などは、詳しい検査をしないと分からないとのことで、それは精密検査を行わないといけないということですよね?

精密検査で5万円程かかりますので、なかなか踏み切れず。。
病院選びはとても重要なので、ある程度の出費は必要だと思うのですが(><)



堀内先生
ご返信ありがとうございます。
とても丁寧に説明して下さりありがとうございます。

私の顎ですが、自分では小さめだと思うのですが一般の方から見るとそこまで小さく感じないぐらいのものだと思います。
その場合は手術の選択肢はないのが普通でしょうか?
もしくは顎がそこまで小さくなくても、手術して治すこともありますか?

重ねての質問申し訳ないのですが、手術が必要、もしくは保険適応で外科手術可能というのは、矯正の先生の判断になるのでしょうか?

例えばマウスピースを使って治療を行う先生の場合、できるだけ手術をせずに治したいという考えなので、他の先生が手術が必要だと判断されるケースでも、外科手術併用の治療法を選択肢にいれないような気がするのですが、外科手術が必要との判断基準は先生の治療法にあるのか、患者の歯、顎の状態にあるのかどちらになるのでしょうか?

症例Aの方を2人の先生が診た時に、一人の先生は外科手術が必要、もう一人の先生は手術は不必要というように診断が分かれたりしますか?

手術が必要、必要でないということでだいぶ気の持ち方も違うので、ひつこく聞いてしまい申し訳ございません。

一度カウンセリングに行ってるので、お忙しいところなかなかもう同じ医院にカウンセリングへ行きづらく、、
私の状態を見ていない先生方に聞くのはご迷惑だと思うのですが、先生方のご意見を聞かせて頂ければと思います。



児玉先生
ご返信ありがとうございます。

必ず治療をする時には伝えたいと思います!

ありがとうございます。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2011-10-31 22:48:50
私の顎ですが、自分では小さめだと思うのですが一般の方から見るとそこまで小さく感じないぐらいのものだと思います。
その場合は手術の選択肢はないのが普通でしょうか?

→ 保険適用には「顎変形症」の診断が前提となりますが、診断条件は担当医によって異なります。



もしくは顎がそこまで小さくなくても手術して治すこともありますか?

→ 現在の保険制度では、担当医が「顎変形症」と診断して、患者さんも手術に同意すれば、外科矯正が適用となります。
診断では、「大きい・小さい」というような評価だけではなく、「左右的なずれ」や、「形態的な特徴」等の3次元評価が外科治療の有益性に大きな影響を与えます。



手術が必要、もしくは保険適応で外科手術可能というのは、矯正の先生の判断になるのでしょうか?

→ 矯正医と外科執刀医が「顎変形症」と診断した場合に、外科矯正が適用可能となります。
もし、外科矯正を検討する場合には、矯正医から外科執刀医へ紹介していただいて、執刀医側からの事前説明も受けてから、最終的な判断をしてください。



例えばマウスピースを使って治療を行う先生の場合、できるだけ手術をせずに治したいという考えなので、他の先生が手術が必要だと判断されるケースでも、外科手術併用の治療法を選択肢にいれないような気がするのですが、外科手術が必要との判断基準は先生の治療法にあるのか、患者の歯、顎の状態にあるのかどちらになるのでしょうか?

→ どちらとも影響します。常識的に外科矯正が必要な状態ではない場合には、多くの先生は、外科矯正を治療選択肢として呈示しないでしょう。
しかし、外科的治療と非外科的治療のどちらにもメリット・デメリットがあるようなボーダーラインケースの場合には、医院によって呈示される治療選択肢は以下の3パターンとなると思います。

@外科的治療のみ 
A非外科的治療のみ 
B両方の治療選択肢

これは、ドクターによって、習得している治療手法(得意な治療法)、経験、目指す治療ゴールが異なるため仕方のないことでしょう。

例えば、他疾患でも、多様な治療方法が普及している場合には、受診する施設ごとにお勧めする治療方法が異なることは充分にありえます。(例;近視の場合:眼鏡、コンタクト、レーシック等の治療選択肢がありますが、受診する眼科医院によって、どのような治療方法を呈示するか、もっともお勧めする治療方法が異なることは充分ありえます。)

また、「顎変形症」では、矯正治療に対して、保険適用が認可されている施設は限られていますので、その影響もあるでしょう。

さらにいえば、近接する地域に、外科矯正手術を専門分野とする執刀医がいない場合には、外科矯正という治療選択肢が呈示される可能性は低くなることも考えられます。



症例Aの方を2人の先生が診た時に一人の先生は外科手術が必要、もう一人の先生は手術は不必要というように診断が分かれたりしますか?

→ 上記のとおり、充分ありえます。



実際拝見していないので、はっきりしたことはいえませんが、個人的には、「上顎前突」、「過蓋咬合」の場合には、外科矯正は下顎骨の後戻りというリスクがあるので、回避した方が無難と思います。
理由は以前の回答で示したとおりです。


ただし、将来的にインプラントアンカーの使用が可能となった場合(保険適用となった場合には)、治療失敗のリスクが激減しますので、前提となる条件が変わります。

また、重度の小下顎症の場合には、生涯を見すえた健康管理の観点から、小下顎症が閉塞性睡眠時無呼吸症発症に悪影響を与えることが過去のデータからはっきり証明されていますので、外科矯正のメリットが非常に大きいと判断される場合もあります。

理想的には、そのような観点からも診断・説明してくれる矯正医を選ばれると良いと思います。
睡眠時無呼吸症の検査は睡眠センターで保険適用となっています。
睡眠センターと連携している矯正医は数多く存在します。
重度の小下顎症と診断した場合には、矯正診断データに睡眠検査を加えることは合理的な対応です。


満足できる治療結果が得られるといいですね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: カナヤさん
返信日時:2011-11-05 12:20:48
堀内先生

大変丁寧なお返事ありがとうございます。
またお礼のご連絡が大変遅くなり申し訳ございません!
まだまだ分からないことが出てきて、質問をまとめれずにいました。。

過蓋咬合前歯が出てるか、小下顎症かは精密検査をしないと分からないですよね。

気になることがあるのですが、私と同じような小下顎症で手術を受ける方のブログ等を拝見していると、手術をすると後戻りの可能性も低く、噛み合わせ等、根本的な治療ができるとのことなのですが、マウスピースをすすめて下さった先生は手術をしても顎関節より前方の骨を切るから噛み合わせなど根本的には改善しないと仰ってました。

もちろん精密検査をしてみないと分からないと思うのですが、小下顎症の場合、手術によって根本的に治療でき、顎が下がってる、前歯が出てるという場合には外科治療では、根本的に改善しないということなのでしょうか?。。

また、例えば違う先生が私の歯を診て、外科治療が必要、外科治療は不必要と診断された場合、やはりそれぞれの治療法の結果、仕上がりにかなり違いが出てくるでしょうか?

勝手なイメージですが、手術した方が治療期間的にも審美面でも良くなるような気がするのですが、そうとは限らないのでしょうか?
もちろん一番大事なのは機能面の改善ですが。。

私は歯並び自体は悪くなく(昔矯正をしていたので)、上の歯の正中がずれていて、下の顎は下っていて少し左右で長さも違うようなのですが、一目では手術が必要な状態とは思われないものだと思います。
そのような場合でも、精密検査の結果により手術が必要と判断される場合もあるのでしょうか?

また別の医院にもカウンセリングへ伺ってみます。

本当にいつもご丁寧にご返信くださりまして、ありがとうございます。

小下顎症による睡眠障害など、初耳でとてもためになりました。
次、カウンセリングへ行く際は、その部分に関しても質問してみようと思います。

お忙しいところ申し訳ございません。
お時間がある時にご返信頂ければ有り難いです。

宜しくお願い致します。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2011-11-05 14:07:32
気になることがあるのですが、私と同じような小下顎症で手術を受ける方のブログ等を拝見していると、手術をすると後戻りの可能性も低く、噛み合わせ等、根本的な治療ができるとのことなのですが、マウスピースをすすめて下さった先生は手術をしても顎関節より前方の骨を切るから噛み合わせなど根本的には改善しないと
仰ってました。

→ 繰り返しになりますが、一般的に、小下顎症の場合の下顎を前方に移動させる手術は、後戻りのリスクは大きいです。
顎を後方に移動させる場合と異なり、前方に移動させる場合には、下顎骨前方の軟組織を緊張させるからです。 

かみ合わせの根本的改善」という表現は、どのような意味なのかを説明を受けた先生に再度質問されてください。


一般的に、上顎前突出っ歯)の治療では、

非手術:上顎前歯を後方傾斜、下顎前歯を前方傾斜(Compensation)
矯正:上顎前歯を前方傾斜、下顎前歯を後方傾斜(Decompensation)+顎骨の外科的移動

が発生します。


そのような意味合いでの説明だったのかもしれません。
しかし、極度の骨格的な特徴がなければ、通常の矯正治療で良好なかみ合わせを付与することが可能だと思います。



もちろん精密検査をしてみないと分からないと思うのですが、小下顎症の場合、手術によって根本的に治療でき、顎が下がってる、前歯が出てるという場合には外科治療では、根本的に改善しないということなのでしょうか?。。

→ すいません。
質問の意味が読み取れませんでした。
小下顎症の場合は、一般的に下顎の位置が後方にあると思います。

前歯が出ているという表現が「上顎前歯の突出感」という意味であれば、通常矯正で、上顎小臼歯抜歯行うこともあり、また上顎小臼歯抜歯を外科矯正と組み合わせることもあります。



外科治療が必要、外科治療は不必要と診断された場合、やはりそれぞれの治療法の結果、仕上がりにかなり違いが出てくるでしょうか?

→外科矯正は顎骨の位置を動かすのですから、治療ゴールは通常矯正と異なるのでなければ、意味がないです。(外科矯正が優れているという意味ではありません。それぞれ利点・欠点があります)



勝手なイメージですが、手術した方が治療期間的にも審美面でも良くなるような気がするのですが、そうとは限らないのでしょうか?
もちろん一番大事なのは機能面の改善ですが。。

→ 手術には外科的なリスクもありますし、後戻りのリスクもあります。外科矯正を薦める担当医の説明を聞いて、リスク以上のメリットを感じる場合に選択されれば良いと思います。



私は歯並び自体は悪くなく(昔矯正をしていたので)、上の歯の正中がずれていて、下の顎は下っていて少し左右で長さも違うようなのですが、一目では手術が必要な状態とは思われないものだと思います。
そのような場合でも精密検査の結果により手術が必要と判断される場合もあるのでしょうか?

→ 初診相談で受診された先生が、顎矯正の可能性を示唆されていたということですから、外科矯正を治療選択肢として検討しても問題ない状態だと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: カナヤさん
返信日時:2011-11-09 17:49:15
堀内先生

ご丁寧なお返事どうもありがとうございます!!
大変ためになりました!!

次のカウンセリングは答えて下さった全てのことをふまえて、質問しようと思います。

どうもありがとうございました!



タイトル 外科矯正か通常の歯列矯正か・・歯科医によって治療法が違う
質問者 カナヤさん
地域 非公開
年齢 28歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯列矯正の治療法
外科矯正
上顎前突(出っ歯)
過蓋咬合(かみ合わせが深い)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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