非機能歯の自家歯牙移植について

相談者: k_kazamiさん (33歳:男性)
投稿日時:2012-02-13 22:50:31
参考:過去のご相談
ベースセメントを残してのレジン充填



こんばんは。
表題の件についての質問なのですが、

自家歯牙移植の際には、ドナー歯の歯根膜組織付着量が重要だと思うのですが、対合欠損の非機能歯を移植する場合、移植後の生着率がそれによって大きく影響されるようなことはありますか?

特に上下ともに萌出して途中までは噛み合っていたが、対合を抜歯したため急に咬合圧がかからなくなり放置していた上顎最後臼歯などは、廃用萎縮が起きて歯根膜が薄くなったりはしないのでしょうか?


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2012-02-13 23:02:32
おっしゃる通り、機能してなかった分歯根膜腔が薄くなっているかもしれません。

ドナーとなる前処置として、ジグリングをかけておけば上顎歯は、さらに簡単にドナー歯として活用できやすくなります。

生着率は歯根膜の付着面積量が一番大事だと思っていますが、僕の臨床的感想は他の要素(レピシエントサイト・部位・咬合状況・清掃状況・宿主の免疫力など)が多く、一概には言えな感じがします。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2012-02-13 23:03:15
自家歯牙移植の移植後の生着率は、歯根膜組織付着量が重要ですが、その他のファクター(=移植先の骨・歯肉の状態・移植手技・感染対策・固定。咬合力……)も多々、絡みます。

ひとつの目安となりますが、それだけで、大きく左右されるとは、はっきりいいにくいと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: k_kazamiさん
返信日時:2012-02-17 15:02:10
園木先生、川崎先生
はじめまして、ご回答ありがとうございます。

園木先生がおっしゃる様に、放置→萎縮している歯根膜は面積が十分でなかったり、一部が剥離しやすくなったりするのかと思った次第です。
もちろん抜歯テクニックや、母床の状態その他の要素も大事ですよね。

ジグリングについては保険外で行う場合でしょうか?
今回は保険適用での移植を想定していました。

元々私自身は移植なんて考えもしなかったのですが、数年前まで頻繁に通っていた通院先の先生が偶然それを得意にされていて、上顎8は置いといてもいいかな〜と言われていたので (当時は対合歯有)、今は下顎8が無い状態なので歯根膜に期待できないならEXT、そうでなければ粘れるところまで置いておくか考えてました。
現状、挺出の可能性以外の懸念はありません。

それと、移植歯の寿命について5〜10年くらいとこちらのサイトでもありましたが、これ (だいぶ経ってから問題が起きてくる原因) は何故でしょうか?

生着したのならば、他の歯と同列には考えられないのでしょうか。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2012-02-17 15:20:52
k_kazamiさん非常にお詳しいですね。
何か歯科関係のお仕事をされていたのですか?

機能歯とか廃用萎縮とか、ジグリングをかけると保険外になるのでは?とか、専門家みたいだな〜と思いましたので…
保険抜歯と移植を同日に行うのが原則なので、おっしゃる通りジグリングをかける場合は保険外になると思います)

それと、わざわざ非機能歯という書き方をされているということは、もしかして親知らず以外を移植されようと考えられていますか?(対合歯がない7番とか)

保険適用となるのは、親知らずを移植歯として使う場合のみですので、もし親知らず以外の歯を移植する場合は、抜歯と移植が同日だとしても保険外になります。



>移植歯の寿命について5〜10年くらいとこちらのサイトでもありましたが、これ (だいぶ経ってから問題が起きてくる原因) は何故でしょうか?

移植した歯の歯根が吸収して、数年後に歯冠部のみポロッと取れることがあります。

ただこの場合、移植窩に骨ができていますので、その後ブリッジにするにしてもインプラントするにしても有利です。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: k_kazamiさん
返信日時:2012-02-17 23:43:14
田尾先生、こんばんは。

保険外での移植の話かと思われたかもしれないので、一応上顎8と書いておきました。
同日移植の話です。

それ自体は別にこだわっていませんが、一応保険治療でのお話です。
非機能歯と書いたのは、単に下顎8EXT済みで噛んでないからで深い意味はありません。


>移植した歯の歯根が吸収して、数年後に歯冠部のみポロッと取れることがあります。

吸収すると言うのはわかるのですが (そこまでは通院先の先生にも教えてもらいました)、その吸収が何故数年も経ってから問題になるのか分からないのです。

移植した時から原因がありそれが緩慢に進んでいるから (どこかしらの炎症アンキローシスなど) なのか、ある時何かがトリガーとなり吸収がはじまるのか。
そこが知りたいポイントです。

吸収がはじまるとしたら、恒常性を保てなくなった何らかの理由があると思うのですが。

おそらく田尾先生のお話は、最終的に骨リモデリングに歯根ごと組み込まれてしまうような状態を想像していますが…違いますでしょうか?

何故移植した歯の場合、そんな風になってしまうことがあるのでしょうか。


それと私は歯科関係者ではありません。

治療に通っている最中に、歯科関係の本は何冊か読んできたので、少し歯科関係の内容が分かる程度です。

またこちらのサイトでも、多くの知識を得させていただきました。
以前も利用させて頂いたことがありますが、多くの回答を頂いております。
ありがとうございます。
回答 回答4
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2012-02-21 11:11:49
移植後の根菅治療さえしっかりやってもらえば、大多数は吸収を起こさないと思いますよ。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: k_kazamiさん
返信日時:2012-02-24 10:39:15
藤森先生、返信ありがとうございます。

後々の起炎源を残すのはマズいでしょうから、根管治療も重要ですよね。
歯牙移植を教えてくれた先生は、根管治療自体のレベルも高いためその点は問題ないと思います。

それでとにかく生着段階まで乗り越えられれば、その「後」は数十年以上他の歯と同様に機能していてもおかしくないのでは?と思うのです。
藤森先生のご意見はこちらのお考えでしょうか?

しかし五年位とか明らかに寿命の短さを感じさせる内容も、ネットで見かけます。
その詳細は書いてないのでわかりませんでしたが、何か移植歯牙であるがゆえの弱点があるように感じたので、 [返信2] のような質問をさせて頂いております。
回答 回答5
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2012-02-24 11:22:24
移植後の根菅治療は、通常のケースとは少し異なるはずです。
一般的には、すぐに根菅充填はしないと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: k_kazamiさん
返信日時:2012-02-25 09:59:38
藤森先生、こんにちは。
少し内容を修正されましたでしょうか?

通常と異なるというのは、目的が歯根吸収を避けるための根管治療で、充填を行わないのは根管内に何か薬を置いておく、とかでしょうか (全くの想像です)。

私の大雑把な認識は、根管由来のモノも含め何らかのファクターにより、歯根膜が回復不能な程ダメージを受けるのが問題なのかと思っております。

それで田尾先生のお話ですが、置換性吸収のように思えたのですが、それなら移植後比較的早期に始まるように私は思ったのですが、実際に何年も経ってから吸収が問題になっているケースもあるようですし、これがどう言うことなのかわからないのですが。


他の先生方も何かご意見がありましたらお願いします。
回答 回答6
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2012-02-25 11:16:57
>移植後比較的早期に始まる

その通りだと思います。
大人の場合だと吸収のスピードが非常に遅いので、何年も経ってから問題になるのでしょうね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: k_kazamiさん
返信日時:2012-02-29 09:49:15
移植歯牙/歯根膜の経年的変化を追跡した情報を見つけられず、経過がイメージ出来なかったのですが、単純に吸収にそれだけ長時間を要することもあるのであれば、歯冠ポロリも理解できます。

となると、最初の数週〜数ヶ月が予後に影響を与えると考えられるのでしょうか。

他先生の回答1・2も踏まえると、術者の経験値が重要になりそうな気がします。

でももし長〜く機能してくれたなら、自分の歯そのものですし寿命を迎えても骨レベルが良い感じなら次の一手も打ちやすいですし、得意な先生なら悪くない選択肢だと思いました。

弱点は二箇所同時に外科的侵襲が加わるので、ドナー・レジピエントサイトの関係が左右逆でしかも下顎だったりすると、その後の食事が絶対大変だろうことです^^;

再度返信いただきありがとうございました。
回答 回答7
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2012-02-29 10:10:30
その通りだと思います。
特に最初の数週間が勝負なはずです。

マニュアル通りに行えば、たとえ経験が少なくても、ほとんどのケースで良好な結果が得られるはずです。

しかしながら、感染源が残る可能性があるケース等で同時抜歯・移植(保険適応)を行うのは、あまりお勧め出来ません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: k_kazamiさん
返信日時:2012-03-01 16:19:42
藤森先生こんにちは。

経験値と言うのは、移植だけのことではなく全体的な意味での話です。

やはり基本的なことがキッチリこなせる先生じゃないと、駄目なんではないでしょうか?
移植って最初の診断に始まり、抜歯歯周組織の状態の考慮・処置、根管治療補綴、基本的な全てのステップが重要ですよね。

もちろん藤森先生のマニュアル通り…のくだりはそれが前提だと思うのですが、(私自身過去の体験も含め) 意外とそんな当たり前っぽくて重要なところが???な先生も、残念ながらいるようなので…。

(別に移植に限らず) 例えば根管治療不備による問題など、結構頻繁に見かけますし…そう言う点でやはり術者は選ぶんじゃないかな〜と。

逆に普段から基本的なことをキッチリ確実にこなしている先生なら、仰るように良好な結果が望めるかもしれません。

それは私もそう思いますよ。


コメントありがとうございました。



タイトル 非機能歯の自家歯牙移植について
質問者 k_kazamiさん
地域 非公開
年齢 33歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 親知らずの移植
専門的な質問その他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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