金修復、タッカーテクニック(Tucker Technique)について

相談者: kayo58さん (31歳:男性)
投稿日時:2013-06-16 02:21:17
お忙しいところ閲覧ありがとうございます。

ウェブサイトを閲覧していて、金修復(Tucker Techniqueと呼ばれる手法)を用いると、9割以上の確率で40年以上もの間、異常がないとの情報を見つけました。

参考URL:
http://lib.bioinfo.pl/pmid:15597641
http://www.arvtsc.org/

金修復において、40年以上異常が認められないというのは、特殊なことではないのでしょうか。

それとも、こちらの手法が特別なものなのでしょうか。

私自身、すでに修復済みの歯が多いため、長期にわたって再治療の必要のない治療に関心があります。

何か、知見を頂けますとありがたいです。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2013-06-16 08:55:56
アブストラクトを斜め読みしただけなので正しい解釈ではないかも知れませんが、「ゴールド修復すると40年近く持つ」と言う内容ですよね。

まあ、妥当と言うか、特に驚く事もないと思いますよ。
(思ったより成績が良いな…とは思いましたが)


歯科医が「自分自身が治療される場合、何を選ぶか?」と聞かれれば、多くの歯科医が「ゴールド」と答えると思います。

もちろん、治療する歯科医、技工士の「腕が良い」と言う前提である事は言うまでもありませんが…。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kayo58さん
返信日時:2013-06-16 14:13:43
櫻井先生、

Marine Forestです。
お忙しい中、コメントありがとうございます。
精密な金修復を行えば、40年というのはそれほど特別なことではないのですね。
私のような、修復済みの歯が多いものにとってはありがたい情報です。


※追加情報ですが、こちらの手法(タッカーテクニック)を用いると、歯質との修復物との隙間を312nmまで、狭められると記載があります。
(ペーパー内の情報ではなく、歯科医のHP、ブログからの情報です。
ペーパー内にも記載はあるのかもしれませんが、中身を閲覧できる環境にはないです。)

こちらのサイトで、「修復物と歯質との間には、どんなに小さくても10um程度の隙間が存在する」、「セメントを介在させるためにある程度の隙間が必要」等の記載を見た記憶があるため、タッカーテクニックというのが特殊な手法なのかと思い質問いたしました。

もちろん歯質と修復物との間の空隙が一律に312nmというのは、あり得ないでしょうから、最大値もしくは最小値(最大値であるべきだとは思います)なのだと思います。


追加で、何かコメント等頂けますと、ありがたいです。
厚かましくて申し訳ありません。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2013-06-16 17:00:42
タッカーテクニックというのは初めて聞きました。

検索してみるとまぁ要するに、丁寧に金修復を行う方法だということのようですね。

持ちという面で考えれば金は非常に優れた素材ですので、優れた素材を用いて丁寧に治療を行えば、当然長持ちすると思います。

タッカーテクニックという方法を用いていない先生でも、同じように丁寧に金修復をされている先生は大勢いらっしゃると思います。

見た目がちょっとネックですが、それが気にならないのであれば金修復は良い選択肢だと思います。
(僕も奥歯ゴールドクラウンです)

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2013-06-16 17:11:59
>こちらの手法(タッカーテクニック)を用いると、歯質との修復物との隙間を312nmまで、狭められると記載があります。

この手法を用いれば・・・というより、丁寧に金修復を行えば金には展延性がありますので、それくらいにはなるのではないかと思います。

繰り返しになりますが、タッカーテクニックという方法を用いていない先生でも、同じように丁寧に金修復をされている先生は大勢いらっしゃると思います。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2013-06-16 17:33:10
>金修復において、40年以上異常が認められないというのは、特殊なことではないのでしょうか。

提示されている論文 ( http://lib.bioinfo.pl/pmid:15597641 ) は、一人の開業医の患者さんのみを調査したものですので、これを金修復の平均寿命と考えるのは適切ではないと思います。


金修復の持ちに関する論文を検索してみると、こちらの論文では ( http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10803119)、金修復の10年生存率は、76.1%〜88.3%となっています。

これは学生と研修医が行った金修復を対象に調査したものですので、レベルの高い金修復を行えば結果はもっと良くなることが予想されますが、大体10年生存率80〜90%というところが妥当なところではないでしょうか?

実際には金修復自体には問題が無くても、根の病気の再発や二次カリエスなどで再治療・抜歯が必要になることもありますので。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kayo58さん
返信日時:2013-06-16 20:52:26
田尾先生、

Marine Forestです。
お忙しい中、何度もコメントありがとうございます。

>提示されている論文 ( http://lib.bioinfo.pl/pmid:15597641 ) は、一人の開業医の患者さんのみを調査したものですので、これを金修復の平均寿命と考えるのは適切ではないと思います。

これは、その通りと思います。abst中の"properly fabricated cast gold inlays, onlays, partial veneer crowns, and full veneer crowns"のproperly fabricatedが、ペーパー内で具体的に記述されているかが問題になりそうと思います。

考えられるのは、とるべき手順・形成のルール等でしょうか。
技量というのは、定量化しがたいものがあると思いますので。

自分としては、一定の技量を身に付けた方が、定められた手順・手法・ルール等に従って処置を行うことをタッカーテクニックと呼んでいるのだろうと考えていました。

論文のご提示ありがとうございます。

通常行われている金修復は、より耐用年数が少ないということですね。
しかし、無作為に金修復を抽出して、統計結果を集計しても、その結果に意味があるのかは疑問に思ってしまいます。

統計結果を論ずるのであれば、前提となる条件はできる限り揃えておく、もしくは結果を左右する要因毎に分類して結果を提示しなければ意味のある情報は抽出できないように思います。

もちろん中身を読めば、そういった情報の記載もあるのかもしれませんが。

根の病気の再発はちょっと修復とは異なるのかもしれませんが、少なくとも適合不良による二次カリエスは、金修復自体の問題なのではないでしょうか。

どちらにしても、少なくとも論文の中身が見れないと情報が少なすぎますよね。

改めて、お忙しい中コメントありがとうございました。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2013-06-17 08:58:46
金修復一般に関してではなく、アメリカで行われている「直接金修復」に関しては、私は論文を参考にするのはいささか躊躇します。

一般的にゴールドの修復は、とても耐久性のある「よい」方法であると、私も思います。

ただその中でも直接金修復は、もっとも「手技依存度」の高い技術の一つで、世界的にあまり行われなくなってきた方法です。

正統な教育を受け、経験を積んだ歯科医師が、その適応症を間違えなければとても素晴らしい、おそらく今の歯科の修復材料では最高のものではないでしょうか(外観は除く)。

日本で正しく行う歯科医師は私の知っている範囲で2名。
うちお一人は引退されております。
他にもいらっしゃるかもしれません。

直接金修復を希望されるのであれば、その技術に長けた歯科医師に巡り合うことがとても大切な気がします。

間接法に関しては直接金修復ほどではなく、それなりの歯科医師が行うのであれば、そこそこの成績は叩き出せるのではないでしょうか。

以上、御参考までに。

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回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2013-06-17 09:28:50
ゴールドはいいんですよ。
確かに。

でも、ゴールドインレーで治した人の二次的な虫歯の再治療を日ごろやっているので感じることは、『腕次第』です。

うちには歯医者さんが多くこられますが、その口の中にはゴールドだらけ。
でも、そのゴールドの大半が二次的な虫歯だらけ。

結局は、テクニック次第と治療後の管理次第かと。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kayo58さん
返信日時:2013-06-18 00:49:52
Marine Forestです。

大野先生、タカタ先生、
ご意見、コメントありがとうございます。


大野先生、コメントありがとうございます。

「直接金修復」とは、金充填のことをおっしゃられているのですよね。
私が提示した手法は、間接法によるものと思います。
(inlay, onlay, crownは、間接法で作成するものとの認識です。)
金充填の工程を考えれば、直感的にも素晴らしい手法であると理解できます。

ただ、

>日本で正しく行う歯科医師は私の知っている範囲で2名。
>うちお一人は引退されております。

この状況では、残念ながら私にはお手上げ状態です。



タカタ先生、コメント、ありがとうございます。
参考になります。

取り残しのないう触除去、それに加えて技量のある方に適切な修復処置を行っていただくこと。
ということですね。(後は、継続的に適切な管理ですね。
適切というのは具体性を非常に欠きますが。)

今回の質問で、1つの客観的判断の材料をつかめればよいなと考えておりました。
なかなか、難しいものですね。

手元にある、とある資料には、インレー修復が施された1000歯ほど(以上)(装着後の平均年数約20年)を調査し、やり直しが行われたものは10歯ほど、やり直しの時期は平均約20年後、2次カリエス、脱落等の原因でのやり直しはなしとあります。


お話をお伺いしていると、こちらは相当の成績ということになりそうですね。

お忙しい中、ご回答頂き、ありがとうございます。
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2013-06-18 09:07:06
Marine Forestさん、おはようございます。


>手元にある、とある資料には、インレー修復が施された1000歯ほど(以上)(装着後の平均年数約20年)を調査し、やり直しが行われたものは10歯ほど、やり直しの時期は平均約20年後、2次カリエス、脱落等の原因でのやり直しはなしとあります。
>お話をお伺いしていると、こちらは相当の成績ということになりそうですね。


この研究は後ろ向き研究ですよね。
後ろ向き研究は、実際より良い成績が出ます。
かなり割り引いて考えられた方が良いと思います。


>取り残しのないう触除去、それに加えて技量のある方に適切な修復処置を行っていただくこと。

おそらく、歯科医の治療技術よりも、もっと大きな要因は、適切な予防プログラムが実行されているかの方が、格段に大きいと思います。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: kayo58さん
返信日時:2013-06-24 02:53:51
小牧先生、コメントありがとうございます。
また、返信遅くなり申し訳ありません。
Marine Forestです。

>この研究は後ろ向き研究ですよね。
>後ろ向き研究は、実際より良い成績が出ます。
>かなり割り引いて考えられた方が良いと思います。

この理由は、現時点で調査ができているサンプルは、成功しているサンプルに偏ると言うのが原因になるのでしょうか?(現時点でも、同じ歯科医院に来院している患者さんに限られるため、失敗に帰したものは他医院に転院している可能性が高い等の理由から。)

どちらにしても、2次カリエス等が0というのは、ある程度信頼が置けるのでは、思ってしまいます。
0か1かでは大きく違いますから。



他、修復物と耐用年数に関して、こんなサイトを見つけました。
(新たな質問とした方がよさそうですが、Tucker study clubに
関連するようなので、ひとまずこちらに記載します。)
http://www.dentaleconomics.com/articles/print/volume-100/issue-11/for-your_practice/ask-dr-christensen.html


Dr. Christensenという歯科医が回答しているFAQの様です。

cast gold alloy restorationsの欄には、以下の様にあります。

It is no mystery to experienced dentists that well-placed cast gold restorations serve nearly indefinitely (Fig. 3).
That has been my experience after placing thousands of them.
A video I made years ago on cast gold restorations motivated me to recall many patients for whom I had placed gold restorations from 20 to 40-plus years previously.
Almost none of the patients had experienced a restoration failure!
Some readers will disagree with my longevity estimates of cast gold alloy restorations, but I have had only a few of these restorations fail in my career!
I suggest that well-placed cast gold alloy restorations, such as taught in the Tucker Study Clubs throughout the world, should serve at least 25 years, and many will serve more than 40 years.

何か、質問ではなくなってきてしまっているので、こちらに関しては、新たに質問の形で、別の質問として記載させていただきたく思います。

1つ目に関してだけ、もしお気づきになられましたらお答えいただけると幸いです。



タイトル 金修復、タッカーテクニック(Tucker Technique)について
質問者 kayo58さん
地域 非公開
年齢 31歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 補綴関連
専門的な質問その他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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