[写真あり] フッ素洗口剤(ミラノール)の1日の回数について

相談者: 歯はさん (36歳:男性)
投稿日時:2013-08-25 01:01:42
こんばんわ

いつもこのサイトのお世話になっております。
フッ化洗口の1日回数を教えてください。

虫歯予防のために、夜寝る前に1日1回ミラノール(1.8g)×10cc洗口をしております。

添付文書には1日1回と記載されていますし、ネットで調べるとでも夜寝る前にとのことですが、当サイトでもフッ化入歯磨き剤にて1日2~3回するのが良いという意見を良く目にします。

フッ化物が良いとのことならば、ミラノール洗口も夜寝る前に1日1回ではなく、1日何回でも、最低でも歯磨き後にはする方が良いのではないかと思います。

実際どうなのでしょうか?

幼児なら斑点歯などの危険性もあるようですが、大人ならば特に危険性はないように思います。

それとも歯茎に悪いや飲んだ場合に危険など、何か問題点があるのでしょうか?

よろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2013-08-27 09:05:31
僕の記憶が正しければ、フッ化物応用の用法用量の基準は小児(16歳まで)の急性中毒に対してであり、成人に対しての疫学的調査から得られた基準では無かったと思います。


個人的にはフッ化物配合の歯磨剤で毎食後磨いているとすれば、就寝前のフッ化物洗口で十分と言えると思いますし、それ以上やっても変わりないとすれば、「(金銭的に)無駄」であるように思います。


もっと言えば、20歳を過ぎて平滑面う蝕や裂溝う蝕が急激に発生する事は考えにくく、むしろクラックカリエスの発生を防ぐ事の方が重要な気がしておりますし、成人以降はう蝕予防よりも歯周病予防に徐々に考えをシフトした方が最終的には残存歯数が保たれるような気がしています。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2013-08-27 10:57:14
簡単に一言で何回、ということはないのですが、フッ化物の応用も治療の1部分と理解して頂くとイメージしやすいのではないかと思います。

つまり、放っておくとむし歯になりやすいタイプなのかそうでないかの評価(リスク評価)が先に必要で、その評価の結果を元にフッ化物応用の推奨回数を決めていく感じになります。

フッ化物の応用方法にも歯はさんがお書きの様にいくつか考えられますから、その方の取り入れやすい方法とタイミングで実施していくのが理想だと思います。



それで通常、成人がむし歯予防の目的で使用する程度のフッ化物については副作用についての確かな報告はありません。
しかしながらどの様な物質でも極端な量を摂取すれば毒になる可能性がありますから、必要以上に過剰摂取する必要もないと思います。
(水でも酸素でも、取りすぎれば中毒量・致死量が存在する様にフッ化物も同じです)



フッ化物を利用するしないに関わらず、歯磨きは1日1回よりも2回以上の方がむし歯の数が少ないことは分かっています。
(2回と3回、あるいはそれ以上の差は私が知る限りでは明確でない様です。)

口臭歯周病のことなども考えれば歯磨きは誰でも毎日2回以上行うべきということは言えますし、その時にフッ化物含有の歯磨剤を使用するのは一般的に推奨するべきと考えられます。

ですからこれがリスクの低い方の最低フッ化物利用回数と言っていいと思います。



逆にむし歯リスクの高い方のフッ化物応用推奨回数について、明確なエビデンス(科学的根拠)というのはおそらくありませんが、フッ化物の利用について"超"積極的なスウェーデンの某教授の数年前の講義でさえも、「1日4回程度」とお話されていた様に記憶しています。

歯はさんはご存知だと思いますが、フッ化物含有の歯磨剤の使い方としてもフッ素を敢えて口の中に残す使い方(イエテボリテクニック)を行った場合は「1回」にカウントすれば良いと思いますが、歯磨き後にコップの水をたっぷり使ってブクブクうがいをしていれば0.5回分ぐらいかも知れません。

ブクブクうがいでもリスクの低い方ならをれを1日2回行っていればおそらく十分でしょうが、むし歯リスクが高いならイエテボリテクニックを応用した歯磨きを例えば3回と、+1回寝る前にフッ化物洗口液による洗口をするのは現実的に可能だと思います。

あるいは歯磨剤が苦手だったり、イエテボリテクニックが苦手という方もみえますからそういう方は代わりに歯磨きの後に洗口でも良いでしょうね。



さらにもっと言えばスーパー上手な歯磨きテクニックや、糖質の摂取量や回数を徹底的にコントロールしていくことでもフッ化物の利用回数は増やしたり減らしたりを検討していくことが可能です。



ややこしい書き方になりましたが、まとめると

・必要以上に使うこともない
・"超"推進派でも1日4回程度を推奨
・その人にとって、どの程度が最低必要かを判断するには@リスク評価を行い、A他の手段(プラークや糖質のコントロール)と合わせて、総合的に判断。

と言った感じです。




あと櫻井先生の回答について少し。

「クラックカリエス」と言うのは、現在学術用語にはなっていないと思います。

おそらくTCHブラキシズムによって歯にクラックが発生し、そこにプラークが停滞することで引き起こされるカリエス、というのを想定されているのだと思いますが、本当にそういったことが起きるのかどうかはまだ学術的証明がされていない様に思います。
存在するとしても、作用メカニズムから考えればフッ化物の利用は有効で、むしろ重要と考えられます。

もう一つ、歯周病予防への考え方のシフトですが、歯周病になってしまった場合次には必ずむし歯(根面カリエス)のリスクが高まります。
また健康状態や生活リズムの変化などでも、リスクの高低は生涯に渡って変化します。

当院でもむし歯リスクがほぼない方だと、歯周病リスクの高低に関わらずフッ化物の利用やむし歯予防を特には説明しないことがごく稀にはありますが、基本的にはむし歯予防は誰でも、生涯に渡って行なっていくべきだと思います。

2人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2013-08-27 11:17:26
確かにそうですね。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2013-08-27 12:20:24
渡辺先生>

フッ化物を利用するしないに関わらず、歯磨きは1日1回よりも2回以上の方がむし歯の数が少ないことは分かっています。

初耳なんですが、根拠をご教示願います。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2013-08-27 15:46:10
森川先生>

研究はいくつもある様ですよ。
以下自分でまとめたスライドの画像を貼り付けます。

※画像中のグラフは両方共

【Dental Caries The Disease and its Clinical Management】
http://www.amazon.co.jp/Dental-Caries-Disease-Clinical-Management/dp/1405138890/ref=sr_1_cc_1?s=aps&ie=UTF8&qid=1377585813&sr=1-1-catcorr&keywords=Dental+Caries+The+Disease+and+its+Clinical+Management

からの引用になります。

画像1画像1 画像2画像2

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2013-08-27 19:38:06
フッ化物を利用するしないに関わらず、歯磨きは1日1回よりも2回以上の方がむし歯の数が少ないことは分かっています。」

ではなくて

「フッ化物を利用するしないの影響は不明な状況で、歯磨きは1日1回の人よりも2回以上の人の方がむし歯の数が少なかったという報告はあります。」

ですよね。


つまり

歯みがき1日1回の人が歯みがきの回数を2回に増やすだけで、むし歯の数が少なくなるかどうかは不明」

ということになりますかね。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2013-08-27 23:33:59
あー、そういうことですね。

確かにフッ化物を利用してない論文というの自体がなかなかないと思います。
回数とか濃度、種類等は色々ある様ですが、フッ化物なしというのが今は倫理的に難しいと思います。

古い研究ならあるかも知れないと思い今少し検索してみましたが・・うまく見つけられず、本題とも違うので諦めます。

ということで、


>「(フッ化物を利用せずに)歯みがき1日1回の人が歯みがきの回数を2回に増やすだけで、むし歯の数が少なくなるかどうかは不明」

で、良いと思います。

ご指摘ありがとうございます。




タイトル [写真あり] フッ素洗口剤(ミラノール)の1日の回数について
質問者 歯はさん
地域 東京23区
年齢 36歳
性別 男性
職業 その他
カテゴリ 虫歯予防
フッ素
歯磨きに関する疑問
予防関連
その他(写真あり)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
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