虫歯治療後のメインテナンスの意義

相談者: めたぼんさん (34歳:男性)
投稿日時:2014-05-16 21:48:03
相談させて頂きます.
よろしくお願いいたします.


一通りの虫歯治療が終わった後,主治医の勧めで3ヶ月毎にメンテナンスに通っていますが.歯全体のチェック,歯石取りPMTC,という内容になっています.
保険適用です.



このサイトを読んで,

・歯石取りは,歯や歯肉に傷を付けて歯の寿命を縮めるリスクがあり,歯周病虫歯の予防にも全くならない

・PMTCに医学的効果は無い

という先生方のご意見を目にして驚きました.
今まで頑張ってメンテナンスに通っていたのは歯にとってプラスになるどころか逆にマイナスになる可能性があったということでしょうか.



最近は歯科衛生士さんのチェックで磨き残しも10%以下の数値になっており歯石もほとんど付いていないようです.
メンテナンスが保険適用されている以上,歯石取りは決まりとして行われているだけのような気がするのですが,歯への負担を考えたら,断った方がよいのでしょうか.


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2014-05-16 22:21:48
あくまでも学説、考え方の1つと受け取っていただいて構わないと思いますよ。


又、歯石取りとかのメインテナンスでもやり方次第ですから、担当してくれている医院の実力次第で、悪さするのか、全然心配のない良いものなのか、分からないんです。

何でもかんでも同じと考えて、これは絶対にいけない、何て思い込む必要はないと思います。



それよりもお書きの内容を保険でしてくれているのは、本当はそこまで保険が使えるのか、に疑義が出るかも知れないですね。
医院の好意で、何とか保険の請求にして行ってくれているのかも知れません。

何故なら、予防行為には基本的に保険は無い筈だからです。
保険はあくまでも治療行為に対して給付するものだった筈ですから。


私個人は、歯根清掃行為、歯石取りも含まれますが、綺麗にしていることは歯周病始めとする疾病予防になると思います。

PMTCも、患者さんがどうしても磨き残してしまう部位に関して、プロの方で専用器具とか使って研磨、清掃するんですから、予防効果が高いと思います。


勿論、歯牙とか歯肉を傷付けないように細心の注意は払います。
それでも、確かに長年歯根研磨し続けたら歯根が細くなって行って、と言う問題の報告とかも学んでますし、そう言う危険性が高い場合もあるとは思います。

しかし、それだけ研磨し続けないとプラークとか付着し続け、汚れていた所ですから、プロの手が入らなければその歯はもっと早い時期に歯周病とか虫歯で失われていたことでしょうね。



何事に置いても、プラスとマイナスはありますから、それを理解しながら、どう良い成果を得るのか?だと思います。

信頼置ける自分の口の状態を知っているプロの説明を一番信じるべきで、ここで自論とかの特殊な考えを展開しているのを盲信しない方が良いと思います。
あくまでその先生の経験談、信じていることにしか過ぎない、とです。

それが、学問的に本当に正しいのかどうかは、時間が経過してデータが揃って始めて証明されることです。



危惧されていることを書いてあるところを読んでみましたが、、365日PMTCすれば予防効果がある、と明記されてますよね。
と言うことは、歯根研磨したりプラーク除去し続けることは予防効果がある、と認めておられる訳です。

PMTCに効果がない、と言い切るのが言葉の使い方が正しくなくて、言葉足らずなんです。


3ヶ月とかの間を置いてPMTCしても、然程していないグループと比較して有意差が認められなかった、と言うことなんだろうと推察します。

この比較対象の然程してないグループが曲者で、元々結構ちゃんと磨ける人達を対象にして比較しているんではないでしょうか?
私も原著読んでの反論ではないので、大したこと言えないんですが、論文とかで結論付ける時には、その対象とか実験系とかに凄く注意を払わないといけないんです。

私自身も気を付けようと思いましたが、日本語の舌足らずは拙いですね。

そう言うことで起きている誤解とまでは言えないのですが、専門家の意見だから正しい筈だ、と強く受け止められてしまったんですね。


めたぼんさんのお口の状態でどうなのかは、ここでは誰にも分かりませんから、信頼置ける担当医、担当衛生士に説明受けて下さい。

失礼しました。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2014-05-17 04:07:55
こんばんは。

メインテナンスと称して一定期間毎に患者さんを呼び出して歯石除去をしている歯医者さんが多いような気がしていますが個人的にはなんら健康管理の意味はないと考えています。

20数年前ある歯医者さんが色々な学会誌などで発表して徐々に広がってきたような印象を受けていますが、そもそも健康管理は患者さん自身がその意義方法を理解して自主的に行うもので、歯医者さん主導で行うものではないと考えています。


つまりご自分の健康はご自身で管理するというのが基本だからです、歯医者さん任せなどろくなことはありません、歯医者さんが引退してしまえばどうすればいいのでしょうか。

我々歯医者歯科衛生士は健康管理の方法を伝えてそれを実行する決心をしていただくためにかかわるべきだと考えています。

一旦健康観が確立してそれに知識と技術が伴えば鬼に金棒です、歯医者さんに頼りきっている人など足元にも及びません。


また一定期間に歯石をとり続けるなど何の意味もありません、歯石が付着しないためには何が必要か理解してそれを日々実行することです、悲しいかな私のような考え方はごく一部なので理解していただくには大変な努力を強いられますが、それも世間の方向と少々違っているので仕方がないと考えています。

PMTCについては歯周病の患者さんが対象になるようですが歯磨きで歯周病を治してしまえばPMTC等全く必要はありません、またPMTCで歯周病が治るというのは単なる幻想です。

歯周病の原因はプラークだということは私が開業した30年前から判っていることです、先ず歯磨き技術の習得をして歯をきれいに磨ける技術をつけることです、そうすれば歯周病はよほどの重症でない限りきれいに治癒します。

歯周病が治ってから歯石を取れば痛みも出血もなく簡単にとることができます、土台そのようなお話自体間違っています。



>最近は歯科衛生士さんのチェックで磨き残しも10%以下の数値になっており

何を根拠に10%以下という結論になったのかはわかりかねますが、100%磨ききること自体我々歯科医にも至難の業です、何も100%磨けていなくてもそれだけで健康を害することはありません、磨こうと思えば磨ける技術があればそれでいいのです、後はおさとうのとりすぎがなければお口の中の健康は十分維持できます。

歯周病になっていなくてそこそこ歯磨きができていれば歯石などほとんど付着しません。



歯石取りは決まりとして行われているだけのような気がするのですが,

私も常々そう感じています。

個人的にはずいぶん的外れなメインテナンス??のような気がいたします、個人的にはメインテナンスという言葉には違和感を抱いています、単に患者さんが必要と感じた時歯のチェックをすればすむことです、もしうその時問題が見つかればそれに応じた対応をして問題解決をすればすむことです。



定期健診についての山田歯科の考え方 http://www.yamadashika.jp/check.html
歯周病で歯磨きを治す http://yamadashika.jugem.jp/?cid=163

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: めたぼんさん
返信日時:2014-05-17 17:40:16
松元先生,山田先生,
ご回答をありがとうございました.


山田先生
>個人的にはずいぶん的外れなメインテナンス??のような気がいたします

そうなんですか...
3ヶ月毎の歯石取りPMTCは一般的に広く行われている内容だと思っておりましたが多くの歯科医院で行われてるメインテナンスは山田先生にとって的外れということになるのでしょうか.

それとも,磨き残しが10%以下で歯周病でもない私にとっては的外れなメニューということでしょうか.


毎日のセルフケアを徹底し,歯全体のチェック,ブラッシング指導,茶渋取り,をメニューとしたメンテナンスに変えてもらおうかと検討し始めています.

自費に切り替わることはわかっていますが,歯科医院によっては受け付けてくれない可能性もあるでしょうか.



>何を根拠に10%以下という結論になったのかはわかりかねますが

歯垢を染めてチェックされたことは一度もないので,どうやって磨き残しの%を出しているのか私も疑問なのですが,目視と,あとはフロスを全ての歯に通してもらっているのでその汚れ具合などでしょうか.
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2014-05-17 23:45:45
めたぼんさんの実際の様子と、担当されている歯科医院の実際の対応が分からない状態で、こういった概念的なことを外野がああだこうだと言うもの不適切な気もしますが・・

自分なりにポイントと思うところについてだけ書きますね。



>・歯石取りは,歯や歯肉に傷を付けて歯の寿命を縮めるリスクがあり,歯周病虫歯の予防にも全くならない

保険でのメインテナンス」の場合、カルテ上はおそらく、「再初診患者の歯周病治療」になっていることが多いと思います。

この場合治療をしている、という整合性を取るためにスケーリングが必要になりますから、歯石の有無は関係ありません。

ただカルテにはスケーリングをしたことにして、実際にはパワーをゼロにして行うとか、何もしないとか、プラーク除去の目的で器具操作するとか、色々なパターンも考えられます。

が、とにかく「保険」で「メインテナンス」という前提に無理があろうかと個人的には思います。


本当に歯の寿命を縮める可能性があるかどうかについては、器具の操作次第でしょうね。
乱暴に扱えば当然悪いですが、技術差は大きいと思いますよ。




>・PMTCに医学的効果は無い

PMTCそのものに医学的予防効果は無いと言っても良いと思いますが、PMTCをしながらセルフケアのポイントについて説明を受けたり、定期的に歯科医院に予防の目的で通うという習慣自体は予防効果に繋がる可能性が非常に高いと思います。



・・ですので、施術されている医院の考え方次第では歯の健康にとって一概に悪いことをしているとは言いきれないと思います。




個人的には、きちんと予防を行いたくて保険医療機関も辞退したぐらいですから保険か自費か、というのは結構重要なポイントだと思っています。

ただメインテナンスを行っている医院自体少なく、更にそれを自費で行う医院はもっともっと少ないというのが実際の様です。


乱暴な言い方をすれば保険治療を主にしている歯科医院にとって予防はやや専門外ですから、そういったところで突然「自費でいいから○○と△△をして下さい」と言っても期待に沿う内容のものはしてもらえないと思いますよ。



まとめると、スケーリングやPMTCが歯にいいとか悪いとかの議論はあまり問題ではないと思います。

今回の文面だけで今受けておられる内容を否定するほどの要素は自分はないと思いますが、確実にきちんとしたメインテナンスを受けたいというご希望でしたら最初からメインテナンスにきちんと取り組んでいる歯科医院で受けた方が良いかと思います。
(※見極めも簡単ではないと思いますから、転院もデメリットが大きいかも知れません)


とりあえず、今かかっておられる衛生士さんなり先生に今回ここに書かれた様なことを質問して、考え方を伺ってみてはいかがでしょうか。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2014-05-18 05:36:36
>3ヶ月毎の歯石取りPMTCは一般的に広く行われている内容だと思っておりましたが

広く行われているようですが、お口の中の健康管理に問題がなければ歯肉縁下歯石は付着しません、したがってとるべき歯石はついていないような気がいたします。


>多くの歯科医院で行われてるメインテナンスは山田先生にとって的外れということになるのでしょうか.

そういうことです。


>それとも,磨き残しが10%以下で歯周病でもない私にとっては
的外れなメニューということでしょうか.

歯周病でなければ的外れな処置です、一年に一度か二年に一度くらい歯磨きのチェックをすればそれですむと思います。


>毎日のセルフケアを徹底し,歯全体のチェック,ブラッシング指導,茶渋取り,をメニューとしたメンテナンスに変えてもらおうかと検討し始めています.

それがよさそうです。


自費に切り替わることはわかっていますが,

個人的には自費にはならない様に思いますが。


>歯科医院によっては受け付けてくれない可能性もあるでしょうか

他の医院がどのような扱いをしているのか知る由もありませんが医院側としての本音をいえばあまり収入にはつながりません。


歯垢を染めてチェックされたことは一度もないので,

赤染め液をお口の中全体に塗って見せ付けられると患者さんはやる気をなくしてしまうと思います、このような方法は行動の変容にはつながらないでしょう。

行動の変容につながらない歯磨き指導ならやらないほうがいいと思います。


>目視と,あとはフロスを全ての歯に通してもらっているのでその汚れ具合などでしょうか.

目視で磨き残しの正確な状態はわかりません、またフロスを指導者がすべての歯に通す意味もわかりません、通す方法を教えてもらってご自分で通せるようになるべきだと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: めたぼんさん
返信日時:2014-05-18 20:53:04
渡辺先生,山田先生,
ご回答をありがとうございました.


渡辺先生

>ただカルテにはスケーリングをしたことにして、実際にはパワーをゼロにして行うとか、何もしないとか、プラーク除去の目的で器具操作するとか、色々なパターンも考えられます。

「パワーをゼロにして行う」,「プラーク除去の目的で器具操作する」について,普通のスケーリングとどう違うのかもう少し説明を頂くことはできますでしょうか.

知覚過敏があり毎回痛く,根元のエナメル質が少し欠けている歯もあるので,(ブラッシングに力を入れすぎない,研磨剤入り歯磨き剤を極力使用しない,TCHを意識する,などの対処はしております)少しでも歯へのリスクが減るようなスケーリングを歯科衛生士さんに注文できるのでしたら,自衛策をここで勉強しておきたいです.
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2014-05-18 21:46:41
>「パワーをゼロにして行う」,「プラーク除去の目的で器具操作する」について,普通のスケーリングとどう違うのか

超音波スケーラーの前提で書きますね。
普通超音波スケーラーだとパワーの調整が出来ますので、強くすれば破壊力がありますし、弱くすれば水が出てるだけですので、歯面を傷つけることはない訳です。

あるいはチップの種類も実に様々で、用途や目的によって色々ありますから中にはメインテナンス用で、歯面を出来るだけ傷つけない様な配慮がされている製品もありますし、チップの歯面に当てる向きでも変わって来ます。


もっと言えば超音波スケーラー用のチップも消耗品ですから、お手入れ(シャープニングなり交換なり)をしているかどうかも歯面への刺激に影響してきますよね。

外部サイトですが良かったら参照してみて下さい。

参考→錦部製作所(外部サイト)http://www.nishikibe.co.jp



因みに当院の場合、歯石がなければパワーはゼロか1でメインテナンス用のチップで、普段歯ブラシが届かない歯周ポケットの中のプラークを"こそいで"洗い流す目的で、普通の水ではなく機能水(安全性の高い消毒液みたいなもの)を使って使用することがあります。

もちろんこれもPMTCと同じでこれ単独で医学的予防効果が確認されている訳ではありませんが、臨床実感としてはなかなか悪くないですよ。



知覚過敏があり毎回痛く

ということだと状況的に、今の方法は厳しいかも知れませんね。



>少しでも歯へのリスクが減るようなスケーリングを歯科衛生士さんに注文できるのでしたら,自衛策をここで勉強しておきたいです.

んー・・どうなんでしょう。
とってもお肉が美味しくなる調理法をネットで知ったからと言って、それを調理師に注文する様なことはしないですよね普通は。

よっぽど仲良くなっていれば別ですが、そうでないなら下手なことは言わない方がいい様な気はします。

2人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: めたぼんさん
返信日時:2014-05-19 22:10:46
渡辺先生

ご回答をありがとうございました.

超音波スケーラーについて大変勉強になりました.


知覚過敏があり毎回痛く
ということだと状況的に、今の方法は厳しいかも知れませんね。

「今の方法」とは,超音波スケーラーそのものでしょうか.
超音波スケーラーを受け続けると知覚過敏はひどくなる可能性はありますか.
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2014-05-20 15:40:01
>「今の方法」とは,超音波スケーラーそのものでしょうか.

ですので「今の方法」です。
超音波スケーラーという機械を否定したつもりはありませんよ。

ただ超音波スケーラーも含めた今のメインテナンスの方法と、知覚過敏に関連があるとも決めつけられないので何とも言えませんが、あまり必要以上には使いたくない状況かなとは思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: めたぼんさん
返信日時:2014-05-20 20:39:12
渡辺先生

ご回答をありがとうございました.
何度も失礼しました.


知覚過敏の原因が何なのか,メインテナンスも一因子として影響しているのか,自分でもわからず,主治医に伺ってもはっきりした答えが返って来ないので,必要以上に歯への負担を考えすぎているかもしれません.



タイトル 虫歯治療後のメインテナンスの意義
質問者 めたぼんさん
地域 非公開
年齢 34歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 予防関連
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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