進行性下顎頭吸収(PCR)と診断されました。今後の治療について
相談者:
Noosimanさん (22歳:女性)
投稿日時:2014-08-07 22:06:24
長く、この掲示板で相談させてもらった者です。
前回東京医科歯科大学でマニピュレーション法を勧められ、地元(兵庫)付近でマニピュレーションを行っている病院に診察を受けにいってきました。
レントゲンをとってもらうと、「PCR」という難病だと診断されました。
マニピュレーションでは治らないものです。
PCRについて研究している団体の代表者を紹介して頂き今週末東京の国立国際医療研究センターに伺うつもりです。
PCRは現在治療法が確立されていないようで、日本では特殊なマウスピースで進行を防ぐこと、そして進行が止まったことを確認して
噛み合わせを決めるそうなんですが、調べるとアメリカでは人工関節への置換術を行っていることがわかりました。
日本での治療法は「進行を防ぐため」であることを兵庫の病院で聞きました。
それなら、現状以上によくなることがあるのか、もしよくなったとしても、なくなった骨を再生することはできないので普通の人と同じように顎の動きが機能するのか不安です。
もちろん、医療研究センターで詳しく聞くつもりですがもしアメリカでの手術を受けることが可能なら日本で治療は受けずにアメリカで手術を受けたいです。
PCRについて少しでも情報があれば知りたいのですが、アメリカで手術を受ける場合、医療保険や医療費、入院期間などどれほどかかるのか気になっています。
もし知っていることがあれば教えて頂きたいです。
よろしくお願いします。
前回東京医科歯科大学でマニピュレーション法を勧められ、地元(兵庫)付近でマニピュレーションを行っている病院に診察を受けにいってきました。
レントゲンをとってもらうと、「PCR」という難病だと診断されました。
マニピュレーションでは治らないものです。
PCRについて研究している団体の代表者を紹介して頂き今週末東京の国立国際医療研究センターに伺うつもりです。
PCRは現在治療法が確立されていないようで、日本では特殊なマウスピースで進行を防ぐこと、そして進行が止まったことを確認して
噛み合わせを決めるそうなんですが、調べるとアメリカでは人工関節への置換術を行っていることがわかりました。
日本での治療法は「進行を防ぐため」であることを兵庫の病院で聞きました。
それなら、現状以上によくなることがあるのか、もしよくなったとしても、なくなった骨を再生することはできないので普通の人と同じように顎の動きが機能するのか不安です。
もちろん、医療研究センターで詳しく聞くつもりですがもしアメリカでの手術を受けることが可能なら日本で治療は受けずにアメリカで手術を受けたいです。
PCRについて少しでも情報があれば知りたいのですが、アメリカで手術を受ける場合、医療保険や医療費、入院期間などどれほどかかるのか気になっています。
もし知っていることがあれば教えて頂きたいです。
よろしくお願いします。
回答1
アンドウ歯科クリニック(世田谷区世田谷)の安藤です。
回答日時:2014-08-08 04:13:06
Noosiman さん、こんばんは。
前回のご相談で、「レントゲンで顎の付け根の丸っこい部分がありませんでした。」とおっしゃっていたので、Idiopathic Juvenile Rheumatoid Arthritisの可能性も含めて考えないといけないと回答をさせていただきました。
PCR(progressive condylar resorption)や、ICR(Idiopathic condylar resorption)は、欧米ではIdiopathic Juvenile Rheumatoid Arthritisの一つであるという考えが一般的です。
片方に起こる場合は、Pauciarticular Juvenile Rheumatoid Arthritisと判断されることがあるかと思います。
Noosimanさんが言われた通り、そのように診断されたのであれば、マニピュレーションでは治りません(マニピュレーションによって開口障害が改善される可能性は十分にあります。また、注射薬の種類によっては、痛みが緩和される可能性も十分にあると思います)。
私はアメリカで診療している間、Noosimanさんと同じ診断の患者さんを3人担当していました。
私の在籍していた南カリフォルニア大学のセンターでは、若い患者さんで下顎頭の著明な変形が認められ、Pauciarticular Juvenile Rheumatoid Arthritisが疑われた場合、基本的な治療方針は下記のようになります。
1.リウマチ・膠原病内科にて検査を行い、必要があれば治療を開始する。
これは、リウマチ性関節炎で処方するのと同様なお薬を用いて「進行を防ぐため」の治療を行います。
2.顎の骨の吸収が現在も進行しているのか、それとも落ち着いている状態なのかを把握する。
(3か月から半年くらいの感覚をあけてCT撮影を行う、または骨シンチグラフィー検査を行う。)
3.顎の痛みや機能障害のコントロールを行う。
必要に応じてマウスピース作製、消炎鎮痛剤の投与、顎に打つ注射とリハビリ等を行う。
幸い、私が担当した患者さんは皆、上記治療を行う事で症状が安定し、ある程度支障がなく日常生活を送れるようになりました。
残念ながら、無くなってしまった顎の骨を元に戻す治療法は現在どの国でも行われていないと思います。
確かに人工顎関節置換術はアメリカではある程度頻繁に行われるようになってきましたが、しかしそれでも行われた数や歴史が短く、予後が良い人と、良くならない人、症状が悪化してしまう人の3グループに分かれます。
私は、予後が良い人にあまり巡り合ったことがありませんので、人工顎関節置換術を患者さんに進める事は滅多にありません。
一般的に、人工顎関節置換術を行うのは「最後の手段」として考えておいた方が良いと思います。
ちなみに、アメリカでこの手術を受ける場合、保険はきかないと考えておいてください。
片方で最低でも500−600万円ほどかかると思います。
入院期間はわかりませんが、手術を行った後は長期のリハビリは必要になると思います。
一般的に、関節の問題は手術や薬でいきなり完治という事は無いと思います。
痛みや動かし辛さを、一番改善することができるのは日常的に行うリハビリ運動です。
ここで、医療者の役割は、リハビリの痛みや辛さを少しでも和らげること、そして本人の役割はリハビリ運動をしっかりと行う事だと思います。
症状が少しでも改善の方向に向かうと良いですね。
お大事になさってください。
前回のご相談で、「レントゲンで顎の付け根の丸っこい部分がありませんでした。」とおっしゃっていたので、Idiopathic Juvenile Rheumatoid Arthritisの可能性も含めて考えないといけないと回答をさせていただきました。
PCR(progressive condylar resorption)や、ICR(Idiopathic condylar resorption)は、欧米ではIdiopathic Juvenile Rheumatoid Arthritisの一つであるという考えが一般的です。
片方に起こる場合は、Pauciarticular Juvenile Rheumatoid Arthritisと判断されることがあるかと思います。
Noosimanさんが言われた通り、そのように診断されたのであれば、マニピュレーションでは治りません(マニピュレーションによって開口障害が改善される可能性は十分にあります。また、注射薬の種類によっては、痛みが緩和される可能性も十分にあると思います)。
私はアメリカで診療している間、Noosimanさんと同じ診断の患者さんを3人担当していました。
私の在籍していた南カリフォルニア大学のセンターでは、若い患者さんで下顎頭の著明な変形が認められ、Pauciarticular Juvenile Rheumatoid Arthritisが疑われた場合、基本的な治療方針は下記のようになります。
1.リウマチ・膠原病内科にて検査を行い、必要があれば治療を開始する。
これは、リウマチ性関節炎で処方するのと同様なお薬を用いて「進行を防ぐため」の治療を行います。
2.顎の骨の吸収が現在も進行しているのか、それとも落ち着いている状態なのかを把握する。
(3か月から半年くらいの感覚をあけてCT撮影を行う、または骨シンチグラフィー検査を行う。)
3.顎の痛みや機能障害のコントロールを行う。
必要に応じてマウスピース作製、消炎鎮痛剤の投与、顎に打つ注射とリハビリ等を行う。
幸い、私が担当した患者さんは皆、上記治療を行う事で症状が安定し、ある程度支障がなく日常生活を送れるようになりました。
残念ながら、無くなってしまった顎の骨を元に戻す治療法は現在どの国でも行われていないと思います。
確かに人工顎関節置換術はアメリカではある程度頻繁に行われるようになってきましたが、しかしそれでも行われた数や歴史が短く、予後が良い人と、良くならない人、症状が悪化してしまう人の3グループに分かれます。
私は、予後が良い人にあまり巡り合ったことがありませんので、人工顎関節置換術を患者さんに進める事は滅多にありません。
一般的に、人工顎関節置換術を行うのは「最後の手段」として考えておいた方が良いと思います。
ちなみに、アメリカでこの手術を受ける場合、保険はきかないと考えておいてください。
片方で最低でも500−600万円ほどかかると思います。
入院期間はわかりませんが、手術を行った後は長期のリハビリは必要になると思います。
一般的に、関節の問題は手術や薬でいきなり完治という事は無いと思います。
痛みや動かし辛さを、一番改善することができるのは日常的に行うリハビリ運動です。
ここで、医療者の役割は、リハビリの痛みや辛さを少しでも和らげること、そして本人の役割はリハビリ運動をしっかりと行う事だと思います。
症状が少しでも改善の方向に向かうと良いですね。
お大事になさってください。
相談者からの返信
相談者:
Noosimanさん
返信日時:2014-08-12 10:55:34
タイトル | 進行性下顎頭吸収(PCR)と診断されました。今後の治療について |
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質問者 | Noosimanさん |
地域 | 非公開 |
年齢 | 22歳 |
性別 | 女性 |
職業 | 非公開 |
カテゴリ | 口腔外科関連 |
回答者 |
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- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。