銀インレー交換、セラミッククラウンと自費のレジンではどちらが良いか?

相談者: keiji1810さん (45歳:男性)
投稿日時:2014-09-28 21:36:53
こんにちは。

先日、左下奥歯虫歯になったので銀歯を外し、ダイレクトボンディング自費レジン?)という方法で治療してもらいました。

それ以外にも、14本の歯に銀の詰め物があります。

どの銀歯もそれなりに劣化してるそうで、2次カリエスの原因になるとの事。


この歯科ではダイレクトボンディングに力を入れてるようで、この機会に銀インレーを全部外し、ダイレクトボンディング治療する事を勧められました。

先生にセラミックはどうかと聞いたところ、

「セラミックを装着するには歯を大きく削らなければならず、あなたの場合、半分ほどがオンレーになるでしょう。
歯は削れば削るほど強度が弱くなるので、出来るだけ歯を残す為に最小限しか削らず、接着性も良いダイレクトボンディングがお勧めです。」

と言われました。


自分でインターネットで色々調べると、最近は“セレック”等、比
較的安価で高性能なセラミック治療等もあり、ダイレクトボンディングよりセラミックの方が現在の主流のように思いました。

ダイレクトボンディングの方が優れてるならそちらが主流になるのでは・・・?という疑問もあります。


長期的に、耐久性や2次カリエス、変色の問題等考えた時、予後はどちらがより良いと考えられるでしょうか?

どちらも全部自費で相当な金額になる為、とても迷っています。


結局どちらが本当に良いのかわからず、専門の先生方のご意見をお聞きしたく、投稿いたしました。

どうぞよろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2014-09-28 22:17:59
結論から言いますと材料の差よりも、担当医の腕の差のほうが遥かに大きいというのが答えです。


セレックの場合は大部分を機械が行うため、腕の差が比較的出にくいという特徴はあります。
(セレックにも適合を良くするためのコツがありますので、全く腕が関係しないというわけではありません)



一流の歯科医師技工士さんが作ったセラミック審美性や適合性がセレックよりも圧倒的に勝りますが、担当医の腕次第ではセレック以下になる場合もあります。

それを事前に見分けるのはなかなか難しいのですが、

1.過去の症例写真を見せてくれること
2.普段からルーペなど拡大視野で作業を行っていること
3.相場より安すぎないこと

この3点は個人的な最低条件です。


また、仮歯の段階でしっかりと形のすり合わせをすることも大切です。
審美に力を入れている先生の多くはこの段階で形を合わせてその仮歯を参考に最終的なセラミックを制作します。


それと、もし保険外前提で治療をお考えになられているのであれば、保険を取り扱っていない自費専門の医院で治療を受けられたほうが質の高い治療を受けられる確率は高くなるかと思います。



ダイレクトボンディングの方が優れてるならそちらが主流になるのでは・・・?という疑問もあります

ダイレクトボンディングでレベルの高い治療を行おうと思うと非常に高い技術が要求されますので、できる歯科医院が少ないというのが現状です。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2014-09-28 22:32:26
ちなみに、ダイレクトボンディングセラミックセレックも含む)の最大の違いは「歯を削らない」ということです。


ダイレクトボンディングのほうがセラミックよりも技術的に難しく、高い審美性や持ちを維持することも大変なのですが、歯を削らずにいればもしトラブルが起きた時でもやり直しができますし、どうしても問題が解決されないようであればあとからセラミックにすることもできます。

そのぶん、歯科医院を選ぶ手間が必要だったり、場合によっては治療期間が長くなったり、治療費が高くなってしまったりというデメリットもあります。


そのあたりのデメリットを承知の上で、可能な限り良い治療を受けたいと思われるのであれば、ダイレクトボンディングで対応可能なケースの場合は最初にダイレクトボンディングを選択するというのは良い方法だと思います。

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回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2014-09-28 22:47:35
>どの銀歯もそれなりに劣化してるそうで、2次カリエスの原因になるとの事。

>この機会に銀インレーを全部外し、ダイレクトボンディング治療する事を勧められました。

治療をしたのが何年前かはわかりませんが、もし10年以上ノントラブルで経過しているようであれば今後もトラブルが起きる可能性は通常高くはないと考えられます。

半年に一度程度の健診を行っていればもしトラブルが起きても早期に対応できるので問題ありませんし、そう考えると銀インレーを外すということのリスクのほうが大きいので現状がどうなのかにもよりますが、僕ならやり直しを勧めることはあまりないかもしれません。

ただ、このあたりは担当医の考え方によっても変わってくるところだと思います。


特に急ぎで治療をしないといけないというわけでは無いと思いますので、一度別の歯科医院で意見を聞かれてみてからやり直しをするかどうかを決めるというのも良いのではないかと思います。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: keiji1810さん
返信日時:2014-09-29 00:54:41
田尾先生

丁寧なご回答、どうもありがとうございます。


>最大の違いは「歯を削らない」ということです。

そういう意味では田尾先生の言うように、出来れば最初にダイレクトボンディングのほうが良さそうですね。


>もし10年以上ノントラブルで経過しているようであれば今後もトラブルが起きる可能性は通常高くはないと考えられます。

そうなんですか?時間が経過すればするほど、金属疲労でトラブルが起きる可能性が高くなると思っていたので、少しビックリ!です。



>銀インレーを外すということのリスクのほうが大きいので現状がどうなのかにもよりますが、僕ならやり直しを勧めることはあまりないかもしれません。

担当医に「虫歯になってる銀歯だけやり直したい」と伝えたら「それははずしてみないと分からない」と言われ、「それって一か八かって事?」と思ってしまいました。

やはり銀歯ははずしてみないと中が虫歯かどうかは分からないものなのでしょうか?



>ただ、このあたりは担当医の考え方によっても変わってくるところだと思います。

担当医から「銀インレーははずすと8〜9割は虫歯になってるから」と言って全部の銀歯のやり直しを勧められました・・・やはり担当医によっても全然変わるのですね。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2014-09-29 04:20:46
>やはり銀歯ははずしてみないと中が虫歯かどうかは分からないものなのでしょうか?

ある程度進行すれば症状やレントゲンでわかる場合もありますが、初期〜中等度の場合は外してみないとわからないことが多いです。



>担当医から「銀インレーははずすと8〜9割は虫歯になってるから」と言って全部の銀歯のやり直しを勧められました

実際に銀インレーの生存率を調べた研究がいくつかありますが、その結果は大体10年ノントラブルの割合が約50〜70%。

つまり30〜50%は10年以内に再治療が必要になっているのですが、8〜9割は虫歯になっているということはありません。

銀は酸化すると黒くなり、歯も黒くなりますので、それを虫歯だと誤診している可能性はあります。



もしやり替えを考えるのであればまず1〜2本外してみて、もし中が虫歯になっていれば同時期に同じ先生が治療をした他の歯も虫歯になっている可能性が高いと判断することができます。

逆に虫歯になっておらず、黒変だけの場合は、全てやり直す必要性は低いと判断すると思います。



>時間が経過すればするほど、金属疲労でトラブルが起きる可能性が高くなると思っていたので、少しビックリ!

金属自体の耐久性は非常に高いので、問題が起きる場合は元々適合が良くなかったり、虫歯を取り残していたりするケースがほとんどです。
(患者さんのプラークコントロールはできているという前提で)


金属のインレーでトラブルが起きる場合の平均年数は、

二次的な虫歯 5.8年
脱落 4.1年
歯髄炎 5.3年

ということですので、10年以上トラブルが起きずに経過している場合は今後トラブルが起きる可能性は低いと考えられます。

※上記は「トラブルが起きた人」の平均であり、 ノントラブルのまま過ごしている人は年数に含まれていません


ただし、10年以上ノントラブルで経過してきていた場合でも絶対に大丈夫だというわけではなく、再治療が必要になる場合も当然あります。


しかし、歯の再治療ができる回数はせいぜい3〜4回程度で、しかも治療のたびに条件が悪くなっていくのが通常ですので、可能な限り再治療は必要最低限にしておく。

どうしても治療が必要な場合はできるだけ質の高い治療を行って次回再治療までの期間を長くするというのが一生歯を残すためには大切な考え方です。


いつ、どのタイミングで治療をするのかを正確に判断するためには
定期的に健診を行う必要がありますので、信頼できるかかりつけの先生を見つけて定期健診を行うというのが現実的に患者さんに実行可能な最善の方法かと思います。

3人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: keiji1810さん
返信日時:2014-09-30 03:21:13
田尾先生

>ある程度進行すれば症状やレントゲンでわかる場合もありますが、初期〜中等度の場合は外してみないとわからないことが多いです。

やはりそうなんですね。

>金属のインレーでトラブルが起きる場合の平均年数は、
二次的な虫歯 5.8年
>脱落 4.1年
歯髄炎 5.3年
>ということですので、
>10年以上トラブルが起きずに経過している場合は今後トラブルが起きる可能性は低いと考えられます。

なるほど。
そうなのですね。



>しかし、歯の再治療ができる回数はせいぜい3〜4回程度で、しかも治療のたびに条件が悪くなっていくのが通常ですので、可能な限り再治療は必要最低限にしておく、どうしても治療が必要な場合はできるだけ質の高い治療を行って次回再治療までの期間を長くするというのが一生歯を残すためには大切な考え方です。

そうですか。
白い歯にしたいからと言って、やみくもに銀歯を全部治療するのも考えものですね。



>いつ、どのタイミングで治療をするのかを正確に判断するためには定期的に健診を行う必要がありますので、信頼できるかかりつけの先生を見つけて定期健診を行うというのが現実的に患者さんに実行可能な最善の方法かと思います。

これからはそのようにしていこうと思います。
貴重なご意見、どうもありがとうございました。



タイトル 銀インレー交換、セラミッククラウンと自費のレジンではどちらが良いか?
質問者 keiji1810さん
地域 非公開
年齢 45歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ レジン(白いプラスチック)
保険のインレー(銀・金属)
オールセラミック(陶器の被せ物)
詰め物の下の虫歯(二次カリエス)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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