ドックスベストセメントについて

相談者: 伊織。さん (16歳:女性)
投稿日時:2015-12-06 15:56:49
最近ドックスベストセメントというのを知りました。

説明のところには虫歯の穴は残りますが、殺菌して虫歯菌が死滅しているので永続的な殺菌が可能と記載させてありました。

そこで質問なのですが、ドックスベストセメントの治療をした場合、二次カリエスの心配はいらないのでしょうか??

相当な数の虫歯がありまして、保険治療ではないものの二次カリエスの心配がいらないのであればドックスベストセメントの治療も検討しようかなと思っております。

またドックスベストセメントのメリット、デメリットも詳しく教えていただけるとありがたいです。

回答お待ちしております。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2015-12-06 16:40:29
>ドックスベストセメントの治療をした場合、二次カリエスの心配はいらないのでしょうか??

個人的には疑わしいものと考えます。
(うまく行っていないケースを多数見ているので…)


そもそも「感染を残したまま蓋をする」という行為自体が医療の基本から大きく外れるものと考えます。

ルーペやマイクロスコープで見ながら感染歯質の除去を行い、歯髄の状態を確認しながら適切な操作を行えば、抜髄のリスクも二次カリエスのリスクも回避できるものと考えます。


>ドックスベストセメントのメリット、デメリットも詳しく教えていただけるとありがたいです。

メリットは顕微鏡など高価な設備投資をせず、セメントの購入だけで自費治療に結びつける事ができる事。
歯科医として)

デメリットは「見えていないがゆえに不確実な結果しか得られない事」でしょうか。


もちろん、うまく行っているケースも世の中にはあるのかもしれませんが、僕は実際に見た事がないので…。
(うまくいかなかったからこそ、当院を受診されるのでしょうからね)

少なくとも、僕の周りの(尊敬できる)歯科医でドックベスト治療を行っている先生は一人もおりません。


同じ保険外治療を望まれるのであれば、少しでも確実性の高い治療法を選ばれた方がよろしいかと思います。

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2015-12-06 17:10:37
>ドックスベストセメントの治療をした場合、二次カリエスの心配はいらないのでしょうか??

ドックスベストセメントを用いての治療は、患部の上にドックスベストセメントを置き、更に、何らかの修復物を装着するかと思います。

つまり、ドックスベストセメントを用いたからといって、仮に歯髄を保護することが出来たとしても、二次カリエスの予防とは別物にはなります。

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回答 回答3
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2015-12-06 18:21:42
ドックスベストセメントというものは、基本的にはかなり以前から臨床に使われていたカッパーセメント(殺菌性のある銅イオンを含んだ)を改良したものです。

歯の神経を温存することを目的に使用されます。

ドックスベストセメントを使用することを標榜している歯科医院は、削り過ぎない虫歯治療を目指しているはずです。

最初にできるだけ無麻酔軟化象牙質をとった後に、そのセメントをおいて約半年程度殺菌が終了して、第3象牙質が出来る期間待った後に、再度虫歯にアクセスして最終修復を行います。

つまりご自身が持っている自然治癒力が働きやすい環境をセメントで整えておき、ご自身の治癒力で虫歯を内側から修復してもらう期間待つわけです。
慢性化したものを一気に人為的に取り除かないというのが基本的な治療コンセプトです。


ただし、どういう材料を使おうとマイクロを使おうと虫歯治療の際は機械的に歯を削る必要がありますから、ダメージから回復できるだけの環境が整えられていなければ神経を残すことは出来ないでしょう。

ドックスベストセメントでうまくいかなかったり不満のある治療しか行ってもらえなかった人は転医するでしょうから、櫻井先生はそういう症例を数多く見られたようです。
うまくいっている人も大勢いますが、そういう人は転医はしないでしょう。

何を使用されようとうまくいかないケースもありますし、使用材料や治療法によって本当に神経が救われるケースもあります。


歯科医は歯の神経を温存することがとても大切だということを一番よく知っていますから、出来るだけ患者さんの歯が長持ちするように神経を残してあげたいと思ってさまざまな治療法を工夫しているわけです。

マイクロ下で染色しつつ取り残しがないように徹底的に一度に虫歯を除去して、他の薬剤で歯髄を温存することを目指す方法もありますし、ある程度は軟化象牙質を取り除いてほかの薬剤を用いて時間をおいて再度アプローチすることで歯髄を温存しようとする方法など、虫歯治療にもいろいろな治療法があり症例によっては大変難しいものもあります。

保険治療では治療法の違いを標榜できませんし、特別なものを使用できませんから、可能であれば自費治療でご自身が治療コンセプトに納得できる方法を選択されることが望ましいのではないかと思います。

以前も同じような質問がありましたので参考にしてみてください。

参考⇒ドックベストセメントについてどう思われますか?

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回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2015-12-06 23:16:18
>ドックスベストセメントを使用することを標榜している歯科医院は、削り過ぎない虫歯治療を目指しているはずです。

個人的には集患ツールとして利用されているケースが多いように感じますが…

ドックベストセメントを使って治っているケースももちろんあると思いますが、それはドックベストセメントを使わなくても治っているケースである可能性も高いと思います。

そもそも、水酸化カルシウムを用いたIPCというデータも十分に蓄積された治療法が保険でもあるわけですから、優位性もわからず保険適応でもないドックベストセメントを積極的に勧める必要性は無いと思っています。

(櫻井先生も書かれていますが、歯内療法の専門医でドックベストを使われている先生はほとんどいないと思いますし、本当に良さげな材料なら学会などでも様々な発表が行われるはずですが、全く話題にすらなっていないのが現状です)

まぁ、担当の先生が非常に良い先生で、その先生が使ってみたいと提案をされているのであれば受けても良いかな?とは思います。

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回答 回答5
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2015-12-07 12:13:15
使用方法次第だと思います。

その上の修復材料の封鎖性を上げるために、ラバーダムマイクロスコープは必要だと思います。

永続的な殺菌作用などは考えないで、ある一定期間後には残りの虫歯部分とともに、すべて除去してから、最終修復にかかるべきだと思います。

大学病院歯内療法科の先生で使用されている方はいらっしゃいます。

しかしながら、やはり世の流れはMTAにありますね。


5年以上の予後を考えると、今のところ、

直接覆髄間接覆髄 

だと思います。(特殊なケースは除いて)

手間はかかりますが・・。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2015-12-07 18:30:40
日本中探しても数は少ないですが、以下のような治療法をしている歯科医院はあります。
田尾先生が書かれたIPCという治療法の保険上での呼び名のようなものてすが。

http://www.hozon.or.jp/data/whatsnew/iinkai6/250.pdf

普及率でいえば2%以下の歯科医院でしか採用していないと思います。
私は通称歯髄温存療法と称しております。

回答 回答7
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2015-12-08 11:58:38
柴田先生。
ありがとうございます。

>エナメル-象牙境に沿って側壁から感染象牙質を除去する。
窩洞周囲側壁の感染象牙質は、う蝕染色液を使用して完全に除去する。


私はこれをする必要がない治療法としてドックスベストセメントはよいと思っています。

たぶん臨床でされてる先生の多くがそうだと思います。


削りすぎてしまう前に薬剤の力と自然治癒力を利用して歯髄側から象牙質を作ってもらい、再度アプローチを行えばそのほうが術中の露髄の確立を減らすことが出来るからです。

歯髄と象牙芽細胞は生きて反応してくれる組織なので回復できるように環境を整えてあげておき、しばらく待つ治療法のときに使用する薬剤として操作性がよいので悪くないと思います。
(修正しました)

回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2015-12-08 14:29:49
>>エナメル-象牙境に沿って側壁から感染象牙質を除去する。
>>窩洞周囲側壁の感染象牙質は、う蝕染色液を使用して完全に除去する。

>私はこれをする必要がない治療法としてドックスベストセメントはよいと思っています。

そうなんですか だとすると、保険適応のカルシウム製剤等とは根本的に違いますね。

カルシウム製剤は操作性が強烈に悪いので、乳歯に適応するのは難易度が相当高く、私のレベルでは予後はあまりよくないです。カッパーセメントはよく使うのですがドクベストも同様の操作性なのであればものすごく楽でいいでしょうね。

ここで回答される先生はあまり操作性のことを言及する方はいませんが、操作性は予後に大きく影響しますので、操作性がよいにこしたことはないです。


>マイクロでアプローチするとどうしても削りすぎます。
歯質を削る前にちょっとの期間待てばよいのです。

マイクロって視野がかなり狭まりますし、被写体深度が裸眼より強烈に浅くなりますので、治療自体の難易度がかなり上がってしまいますよね。

群馬大学医学部の内視鏡手術で何人もの患者が死亡しているニュースご存知のかたも多いかと思いますが、大きくはっきり見えても、視野が狭くなって遠近感がわかりにくくなる(しかも歯科の場合は鏡で反対にして見ている)デメリットはまったく無視できないことがよくわかるかと思います。

回答 回答9
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2015-12-08 15:14:05
ドックベストセメントが最善かどうかは知りませんが、その周囲の感染象牙質は徹底的に除去しないと、いずれ辺縁漏洩が起こり、櫻井先生が見られたミゼラブルなケースのようになると思いますよ。

中身に何を置くか以上に、その上の材料による辺縁封鎖性こそが重要だと思います。

3人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答10
  • 回答者
回答日時:2015-12-08 21:28:46
>その周囲の感染象牙質は徹底的に除去しないと

ドックスベストセメントエナメル質のところまで詰めちゃうんじゃないですか、たぶん。

だから、その周囲に象牙質はないのでは?

材料の強度が異なるからでしょうか、発想がカルシウム製剤などとまったく違うんだと思います。



船橋先生 違ってたら指摘お願いします。

回答 回答11
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2015-12-09 13:59:30
ドッグスベストセメントエナメル質まで詰めておいて経過観察すると外れてしまうことがあります。
外れたら歯質は汚染されますし、細菌が侵入すると思います。
それは銅イオンの殺菌効果を期待する場合も他の場合も同じでしょう。

歯髄側からの良好な反応を待つためには、完全なシーリングが必須なはずなので、上からレジンやGIセメントでシーリグしています。

感染した象牙細管に入り込んだ細菌の活動性をなくすためにも完全なシーリングがもっとも有効なはずです。


ドッグスベストセメントの症例で外れていたり2歯同時に詰められていた症例をどなたかに見せていただいた記憶がありますが、あれでは失敗してしまうでしょう。

どのような薬剤を使用しようとも虫歯治療の場合は完全封鎖。
これが基本だと考えています。

回答 回答12
  • 回答者
回答日時:2015-12-09 14:29:29
ちょっと書き方がまずかったですか・・・

カルシウム製剤等でのマージンは必ず(エナメル-象牙境よりはるか手前の)象牙質内におくのに対して、ドッグスベストセメントではエナメル質にちょっと入ったところまで詰めてしまってよいという意味で書いてます。

回答 回答13
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2015-12-09 16:39:38
質問者の質問からかなり回答がズレテしまいましたので消去しました。

回答 回答14
  • 回答者
回答日時:2015-12-09 18:40:49
話がかみ合いませんね。

象牙質まで達するカリエスであればエナメル-象牙境には確実にカリエスがあります。

1.エナメル-象牙境のカリエスを除去するのであれば無麻酔などでは到底無理ですし、カリエスの除去量は他の方法と比べて大差ないものと思われます。

2.エナメル-象牙境のカリエスを除去しないのであれば、エナメル-象牙境の部分は接着しませんので、そこを通常の充填材料で覆ってしまえばカリエスは進みますし、非常に脱落しやすい状況になってしまうと思われます。


どちらなんでしょうか?

回答 回答15
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2015-12-09 19:28:05
森川先生。
臨機応変に対処すればよいと思います。
ケースによって異なるのでなんともいえません。

>1.エナメル質は出来るだけ残したいですが、器具が届かないならばあきらめて遊離エナメル質を除去して器具が届く範囲はできるだけ軟化象牙質を除去したほうが無難だと思います。
>器具が届かないのにう食検知液で着色しているラインをどうするか?
>どこまで除去するか?
>そのときに無理をしないでドッグスベストセメントを詰めておきその上からシーリングしておくと再アプローチの際に硬化していると言う感じです。

リトライのときに硬化していなければそのとき除去すればよいだけです。その際は痛みは感じなくてすみます。

また管理下にあればこれを何度か繰り返してもよいわけです。

一度に無理に除去しないですみ術者・患者ともに負担が少なくてすみます。



>2.環境を整えて完全にシーリングしておけば象牙細管内に細菌が封入されていてもカリエスの進行は停止するという論文があります。

可能であれば、虫歯を一度に削り過ぎないことが大事ですね。
硬化象牙質が出来るのですから。待てばよいと言う考え方です。
再治療への理解が深い人だけが選択される治療法だと思いセレクトすべきだと思います。



ここでは森川先生と症例のイメージを共有できないですし、質問者の質問にどんどん関係なくなってきているのでこの辺でやめておきます。




タイトル ドックスベストセメントについて
質問者 伊織。さん
地域 非公開
年齢 16歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯治療
う蝕関連
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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