CTによる全歯列の撮影。これは妥当な措置なのでしょうか?

相談者: fumizuki7さん (50歳:女性)
投稿日時:2016-03-11 10:22:02
特定の奥歯1本の骨の状況を見るためにCT撮影をしました。

治療を受けているA歯科医院から紹介を受けて、CTのあるB歯科医院で撮影しました。
撮影の際には、撮影の依頼内容がきちんと伝わっていることも確認できました。

ところが後日、A医院にCT画像の診断結果を聞きに行くと、そうした依頼をしたわけではないが、奥歯1本だけではなく、上下全歯列の撮影がされていたとのこと。
B医院は最新の機械はそういうものという趣旨のことを言っていたようです。

撮ってしまったものは取り消せないので、それ以上A医院に質問はしなかったのですが、やはり疑問が残ったため、以下の質問をさせていただきたいと思います。
CTの機種によって違ってくるとは思いますが、一般的にどうなのか教えていただければ幸いです。


歯科治療の被曝については、こちらでの過去の相談等からも、過度に心配しなくてもいいことは理解しています。
ただ、現在、歯にかなり問題があって、ここ1年ぐらいでレントゲンのほかにCTも複数回撮っていることもあり、不必要な被曝は避けたいと思っています。

1)全歯列の撮影は限定部分の撮影より、被曝量がかなり増えることは確かのように思えますが、どうなんでしょうか。

2)全歯列の撮影のみで、限定部分を撮影できないCTはあるのでしょうか。
1本の歯の状況を見るために、全歯列を撮影することは理に適っているとは思えないのですが。

3)位置確認のため予備撮影をしてから本撮影と言われ、

「これは被曝量はx2になるのか」

とその場で質問したところ、予備撮影は本撮影とは違うのでそうはならない、大丈夫との答えでしたが、本当にそうなのでしょうか。


以上、よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2016-03-11 14:45:28
>不必要な被曝は避けたいと思っています。

ご尤もな考えかと思います。

ただ、必要な情報を得る為の撮影は、是非していただいてください。


>ここ1年ぐらいでレントゲンのほかにCTも複数回撮っている

今回の2院の行き違いはともかく、数回程度であれば、気にする程のことは無いように、私は思います。

http://www.tokyo-da.org/images/pdf/1108.pdf

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: fumizuki7さん
返信日時:2016-03-11 15:45:47
小林先生、ご回答ありがとうございます。

1本の歯の撮影を依頼されたにもかかわらず、全歯列を撮ったのは「最新の機械はそういうもの」だからという説明だったようなのですが、「そういうもの」なのでしょうか。

もし次回CTが必要なときも、必ず全歯列を撮影されてしまうのだとしたら、限定部位だけを撮影してくれる別の医院を紹介してほしいとA医院にお願いした方がいいのかと思い、相談させていただきました。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2016-03-11 17:33:33
>全歯列を撮ったのは「最新の機械はそういうもの」だからという説明だったようなのですが、「そういうもの」なのでしょうか。

「そういうもの」ではありません。


個人的には部分撮影であろうと、全顎撮影であろうと人体に及ぼす影響はほとんどないと考えています。
(後述)

しかしながら「ALARAの原則」により「(1)正当化,つまり放射線被曝を伴う行為はそれによって総体でプラスの利益を生むものでなければ採用してはならない」とされています。

つまり、放射線被曝を受けるfumizuki7 さんにとって「有益な被曝」でなければなりません。

僕はCT撮影を行った場合、撮影されたすべての部位に対して診査診断を行い、患者さんに状態を伝えるようにしています(そのようにトレーニングされました)。

当院で部分撮影しか行わないのは「全顎撮影を行った場合、すべての歯の診断を伝えるのがメンドクサイ」からです(笑)。


>もし次回CTが必要なときも、必ず全歯列を撮影されてしまうのだとしたら、限定部位だけを撮影してくれる別の医院を紹介してほしいとA医院にお願いした方がいいのか

歯科用CTの場合、全顎撮影での実行線量は(機種にもよりますが)最大で8000マイクロシーベルトと言われています。

部分撮影の場合、その半分とか1/6になりますので、1000〜4000マイクロシーベルトになります。


さて、放射線をどれくらい浴びると人体に影響が出るかご存知でしょうか?

過去のデータから100mSvと言われています。

単位をマイクロに直すと100,000マイクロシーベルトという事になります。

十万マイクロシーベルトの放射線を浴びないと人体には何も影響がないのです。

個人的には「十万分の1000」と「十万分の8000」に大きな違いはないと感じますがいかがでしょうか?


つまり、今回の問題は被曝量そのものではなく、fumizuki7さんにとって「有益な被曝であったかどうか?」と言う事になると思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: fumizuki7さん
返信日時:2016-03-11 23:37:05
櫻井先生、

わかりやすいご説明ありがとうございます。

CTの機械そのものに対する理解がないので、そもそも全顎のみしか撮影できない機種があるのかという疑問もあったので。

おっしゃっていることよくわかりました。

全顎撮影してもそのデータを使わないのであれば、被ばくは無駄ということになりますし、治療のために有効に使われるのであれば、被ばく量は問題にするほどのことはないということだと理解しました。

それを踏まえたうえで、次回、必要であれば、主治医に希望を伝えたいと思います。



タイトル CTによる全歯列の撮影。これは妥当な措置なのでしょうか?
質問者 fumizuki7さん
地域 非公開
年齢 50歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯医者への不信感
CT
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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