フッ化物の就寝前使用に期待できること(再石灰化?繁殖抑止?)

相談者: 口腔ケア迷走中さん (38歳:男性)
投稿日時:2016-04-17 17:39:06
はじめて投稿させていただきます。
よろしくお願いいたします。

昨年(2015年)にフッ化物洗口液「バトラーエフコート」のOTC医薬品やライオンの「クリニカアドバンテージ デンタルジェル」など、就寝前の使用を主眼にいれたフッ化物配合製品が発売されています。
これらの製品は、就寝前にフッ化物を使用することでう蝕予防に寄与するとうたっています。


そこで、質問させてください。

【質問内容】
フッ化物を使用することで期待されることとして主に以下の2点があるとの認識です。
(1)唾液中のミネラルを取り込み再石灰化を促進する
(2)口腔中のう蝕の原因となる細菌の繁殖を抑止する

一方で、就寝中には唾液の量が減ると言われています。

とすると、就寝前に使用するフッ化物については、就寝中は唾液の量が減るので(1)の効果はあまり期待できず、主として(2)の効果により、う蝕予防に寄与しようとしているのでしょうか?

就寝前のフッ化物使用とう蝕予防の間のメカニズムが整理できず気になっています。

以上、ご回答いただければ幸いです。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2016-04-18 09:32:17
フルオロアパタイトの形成については調べられましたでしょうか?

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2016-04-18 09:50:09
口腔ケア迷走中 さん、こんにちは

実はフッ化物虫歯予防効果のメカニズムについてはよくわかっていない部分が多くあります。

おそらく、一つのメカニズムではなく幾つかのメカニズムが複合的に作用すると考えられています。

その中で影響の大きな順にあげると、

1)再石灰化の促進
2)フルオロアパタイトの形成
3)細菌の抑制

さらにもっと細かく分けることもできるのですが、大まかに言うと上記のようになります。

これは就寝前であっても、昼間であっても同じことです。


>一方で、就寝中には唾液の量が減ると言われています。

就寝時は唾液の量が減るので、フッ化物で再石灰化をより促進させる必要があります。

2人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 口腔ケア迷走中さん
返信日時:2016-04-18 19:22:01
櫻井様、小牧様

ご返信ありがとうございました。
大変わかりやすく整理がつきました。
ありがとうございます。



櫻井様>フルオロアパタイトの形成については調べられましたでしょうか?

⇒フルオロアパタイトの形成については、ご教示いただいてはじめて意識しました。

私がこれまで読んだ説明では、再石灰化の文脈の中で記載されていることが多く、フルオロアパタイトの形成が、一連の再石灰化の現象の一部と誤認していました。

改めて、その説明を読むと、確かに再石灰化とフルオロアパタイトの形成は別々の現象として区別されていました。



小牧様>実はフッ化物虫歯予防効果のメカニズムについてはよくわかっていない部分が多くあります。
おそらく、一つのメカニズムではなく幾つかのメカニズムが複合的に作用すると考えられています。

⇒そうなんですね。
疫学的にフッ化物の使用は有意な効果が認められているものの、メカニズムの解明については、研究途上という状況なのですね。

ためになりました。

小牧様>就寝時は唾液の量が減るので、フッ化物で再石灰化をより促進させる必要があります。

⇒なるほど、減少した唾液で効率よく、就寝時の脱灰に対抗するために、フッ化物の利用が日中よりも重要になってくるわけですね。


お二方、ありがとうございました。



タイトル フッ化物の就寝前使用に期待できること(再石灰化?繁殖抑止?)
質問者 口腔ケア迷走中さん
地域 非公開
年齢 38歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯予防
フッ素
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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