何故、歯科治療の際に「拡大レンズ」を常時使用されないのですか?

相談者: おばぶりさん (56歳:女性)
投稿日時:2016-11-22 09:38:49
現在、歯科治療中です。

HPで、「20倍拡大レンズ機器」がある医院を選択しました。
(TV番組で、取り扱っていて、この機器が有る医院が良いとのことでしたから。)
ですが、10回ほど通っていますが、まだ1度しか、その機器をしようされていません。
期待外れでガッカリです。


他のHPで、「医師は10倍レンズ、助手は3.5倍レンズを使用」という医院が有りました。
私は、こういう医院が理想です。

細かな治療をされるのだから、どの歯科医も「医師は10倍レンズ、助手は3.5倍レンズを使用」を歯科医規定された方が良いのではないでしょうか??

どうぞ、宜しくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2016-11-22 09:58:06
>10回ほど通っていますが、まだ1度しか、その機器をしようされていません。期待外れでガッカリです。

そのような話は結構耳にします。
個人的には非常に残念に感じます。

拡大装置が「ただの宣伝目的のオブジェ」となっているのは悲しいですね。


>細かな治療をされるのだから、どの歯科医も「医師は10倍レンズ、助手は3.5倍レンズを使用」を歯科医規定された方が良いのではないでしょうか??

僕も本来はそのように思います。


しかし、現行の健康保険制度では難しいでしょうね。


保険のシステムは昭和30年代、いわゆる虫歯の洪水時代に作られた制度です。

同時の国の政策は

 「一人でも多くの患者を診る
  一本でも多くの虫歯を、安価で治す」

でした。
そして、そのシステムは現在も大きくは変わっておりません。

拡大視野で精密な治療を行おうとすれば当然、時間がかかります。

つまり「多くの患者を診れなくなる」のです。
健康保険のシステムとは矛盾しますね。


また、拡大装置を使いこなすには機材の設備投資、膨大な量のトレーニング、それに伴う高額なセミナー代など、経済的な面でも歯科医院側には負担が大きいというのも事実です。

財源の限られた保険診療において「拡大装置の使用を義務付ける」ことは不可能です。

「保険で拡大装置を常時使用しいる」と言うのは、その先生のサービスか、よほどの「モノ好き」でしょうね。
(↑当サイトにも何名かいらっしゃいますが…悪い意味ではありませんよ)


おばぶり さんのように「精密治療を期待する」「拡大機器を常に使用する」ことを理想とされていらっしゃるのであれば、保険中心の歯科医院ではなく、自費専門の歯科医院を受診されることをお勧めいたします。

僕の知る限り「自費専門」で「HPに拡大装置の使用をうたっている歯科医院」で「拡大装置は時々しか使わない」と言う歯科医院は聞いたことがありませんからね。

おばぶり さんの理想に近い歯科医院に当たる確率は非常に高いと思いますよ。

3人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2016-11-22 10:18:19
おばぶり さんこんにちは

>細かな治療をされるのだから、どの歯科医も「医師は10倍レンズ、助手は3.5倍レンズを使用」を歯科医規定された方が良いのではないでしょうか??

もちろんそうです!私も顕微鏡オタクなので顕微鏡を使用しない治療ができなくなってしまっています(笑)

しかし、一般的に、保険診療で全て顕微鏡を使用すると特に使い初めから使いこなせるようになる数年は1回の診療時間はどうしても伸びてしまいます。

櫻井先生もおっしゃっていますが、高い設備投資して、医院を休みにして高い研修会も受けて専用の道具を揃えてより良い治療をしようとしてもそれに見合った報酬が受けられないというのが現在の保険制度です。


また、治療方法や道具などかなりマニアックなので常にアップデートしないと壁にぶち当たり思うように使いこなせないといった現状もあり、なかなか周囲に使いこなせている先生がいないとなかなかレベルアップできないというのも普及しない原因かと思います。

今年の保険改正で、顕微鏡を使って処置すると加算点数が加わるようになりました。
施設基準として顕微鏡が無いと点数を請求することができません。
なので残念ですが、施設基準の為に顕微鏡を購入される先生も増える可能性が十分あり言い方は悪いですがますます客寄せパンダになってしまうという事態になりかねません。

その一方で、若い先生を中心に顕微鏡を習いたいという熱心な先生も増えているのも事実です。


>他のHPで、「医師は10倍レンズ、助手は3.5倍レンズを使用」という医院が有りました。
>私は、こういう医院が理想です

櫻井先生が説明されていますが、そういった治療を受けられたいのであれば、自由診療で専門にされている先生に診ていただいた方が良いかと思います。

2人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2016-11-22 12:56:51
多分「モノ好き」な歯科医の柴田です。

「20倍拡大レンズ機器」がルーペなのかマイクロスコープなのかよくわかりませんが、レンズの大きさから考えてルーペタイプだと被写界深度が浅くなり大変使いにくいように思います。

でもこんなに安いのですね

* https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/B01IYHGJ9G/ref=mp_s_a_1_3?__mk_ja_JP=カタカナ&qid=1479786553&sr=8-3&pi=SX200_QL40&keywords=双眼ルーペ+20倍&dpPl=1&dpID=41-ov6FdumL&ref=plSrch


正直うちのマイクロスコープの最大倍率は22倍ぐらいかと記憶しています。
その倍率で治療すると本当に大変です。
ツァイスのマイクロスコープですら被写界深度が浅すぎて使いにくいのに双眼ルーペだと使えるのでしょうか?
使っていないのでよくわかりません。

「拡大機器がある」と「拡大機器を使える」は同じではありません。
また大きく見えるメリットはかなりありますが、治療となるとさらに大変です。

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回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2016-11-23 11:45:48
>細かな治療をされるのだから、どの歯科医も「医師は10倍レンズ、助手は3.5倍レンズを使用」を歯科医規定された方が良いのではないでしょうか??

根管治療の専門医でもない限り、状況によって使い分けるのが常識かと。
2、3倍でも裸眼よりかえってやりづらい処置はたくさんあります。


あと、柴田先生も書かれているように、拡大すると治療はやさしくなるどころか難易度はアップします。
つまり生半可にやるくらいなら使わないほうが治療成績はかえって良いと思われます。


ほんらい顕微鏡を常時使う歯科医師は(しかるべき施設できちんと指導を受けた)ごく少数であるべきであって、保険ウンヌンで普及しないのではなく、猫も杓子もが使うような器具ではないと個人的には考えます。

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回答 回答5
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2016-11-23 11:55:43
歯科での治療行為はいろいろあって、そのすべてに拡大鏡が必要なわけではないでしょう。
その場面は少ないはずです。

タイトルでは、”常時使用されないのでしょうか”、になっていますが、文字通りに受け取ると上記のようなことになってしまいます。


歯科だから、歯を覗いたり、触っていることが多いだろうという概念で質問されているのでしょうが、それとても常時拡大鏡で覗いている必要はありません。

私の歯科医院にはマイクロスコープはありません。
ですから、質問のようなことを、要求されたら、不可能ですし、所有しているところでも無理なことではないでしょうか。

TVの報道のすべてが正しいことを伝えているわけではありません。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: おばぶりさん
返信日時:2016-11-24 13:01:33
先生方へ

沢山のご意見を頂きまして、どうも有難うございました。
素人が一概に思っていたこととは違っていました。
とても勉強になりました。
TVの過大表現にも考えさせられます・・・

本当に、どうも有難うございました。



タイトル 何故、歯科治療の際に「拡大レンズ」を常時使用されないのですか?
質問者 おばぶりさん
地域 非公開
年齢 56歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ その他(歯科治療関連)
マイクロスコープ
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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