銀歯を被せて落ち込んでしまった子どもへの対応について

相談者: まいまいせんせいさん (28歳:女性)
投稿日時:2016-12-17 13:26:08
はじめまして。
私は東京都内で幼稚園教諭をしています。

受け持ちのクラスの子の中で、最近元気がないなと気にかけていた女の子とお話ししたところ、上の奥歯を治療して被せた銀歯2本をとても気にしていることがわかりました。

他の子ども達から銀歯を珍しがられて、いろいろ声をかけられるのが苦痛だったようです。

銀歯見せて〜と言ってきたという子ども達にも話を聞きましたが、悪気があったわけではなく、大人みたいでカッコ良かったから、だそうです。

「○○ちゃんはとても気にしているから、もう銀歯のことは言っちゃだめよ」

と諭し、それ以来誰にも銀歯について言われていないとのことですが、歯みがきの時間の後、鏡の前でいーをして、銀歯を気にしている姿を見ると胸が痛みます。


私が子どもだった頃は、ほとんどの子どもに虫歯があり、詰め物も銀色だったため、クラスの大多数に銀歯があったように記憶しています。

私自身も虫歯が多く、乳歯の奥歯は詰めたり被せたりした銀歯だらけでした。
中には、前歯が進行止めの薬で真っ黒になっている子もいましたが、それほど気に病んでいるようには見えませんでした。
子ども同士、得意になって虫歯や治療した歯の見せ合いっこをしていたほどです。


このサイトを拝見すると、お子さんが銀歯になることを回避したいと考えるお母様は多いですね。
私が子どもの頃は、歯医者さんでの治療後に

「銀歯さん被せてもらって良かったね、次はこっちの虫歯をやっつけようね」

と親子で会話したものでしたが、子どもの虫歯が減り、白い詰め物が登場した時代の流れなのでしょうね。



先日、上に書いた女の子から

「銀歯になるから歯医者さん行きたくないの」

と言われ、うまく言葉を返せませんでした。
痛いから、怖いから行きたくないというのであれば、虫歯退治がんばろうね!と言えるのですが。。


歯科の先生方は今、銀歯にショックを受けている子どもやお母様をどのように励まされているのでしょうか。
あまり歯科相談らしくなくて恐縮ですが、お時間がありましたらご回答いただけますと助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2016-12-17 14:39:09
銀歯になってしまったことは仕方がないので、銀歯のメリットを子どもや保護者に分かりやすく説明するのが一般的かと思います。

例えば「○○ちゃんの銀歯は見た目は他の歯と違うかもしれないけど、○○ちゃんの残った歯を守ってくれる大切なものなんだよ」などと言ってみてはいかがでしょうか?

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2016-12-17 14:58:25
>私は東京都内で幼稚園教諭をしています。

基本的なことになりますが、まいまいせんせい さんだけで対応しようとするのではなく、まずは、園長や歯科園医に相談し、園全体で取り組むことをお勧めします。


>このサイトを拝見すると、お子さんが銀歯になることを回避したいと考えるお母様は多いですね。

厳しい見方をすると、間食や飲料を含む食品の摂り方など、生活習慣の見直しや是正も図らずに、カモフラージュだけしていることが多いように思います。

私が園医をさせていただいている施設では、虫歯になる原因の殆どは、歯磨き不足よりも食生活にあることを、ことある毎に伝えています。

これをきっかけに、まいまいせんせい さんが勤務なさっている施設でも、口腔衛生に対しての機運が高まると良いですね。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2016-12-17 14:58:33
掘先生は優しいですね。


歯科の先生方は今、銀歯にショックを受けている子どもやお母様をどのように励まされているのでしょうか。

私は全く励ましていません^^;

「そういう制度だから仕方がない、抜くよりいいでしょ?」

と教えます。
(優しいこと言って次にまた虫歯を作っていてはと思います)


虫歯ができた歯、日本では当たり前のように歯を残す治療が行われていますが、インドネシアなどでは痛みが出たら「抜く」というのが一般的な方法で、歯を残すという治療法は費用が支払える裕福な人の治療法になります。



歯科に対して日本人は知識がなさ過ぎるのがそもそもの問題なんだと思います、他の先進国に対しても日本人は歯に対する意識が低いそうです。

この国では悪くなったら「銀歯」で治すのが一般的ですがそれすら知らないのが現状かと思います。

また悪くしないと歯科には来ません、予防という考え方・行動は殆ど行われていません。

知っていますか?

この銀歯(鋳造)治療というのも日本では数千円で治せますが、アメリカなど海外に行けば軽く5〜10万円してきます。 
格安で医療を受けられる日本人は「銀歯」でもかなり恵まれています。
 

治療=銀歯が嫌なら、

「歯をよく磨いて虫歯を作らないようにしようね」

とのアドバイスしかないと思います。


義務教育中に少しでも歯に対する授業があればいいのですが、それは行われません。
(大昔の歴史習うより人生には大切だと思うのですが・・・)

歯1本失うことで100万近くのロスがあるにも関わらず誰もそういったことは教えようとしません。

虫歯にならないような社会全体の取り組みはかなり成功しているとおもいますが、歯に対する意識はまだまだ低いというのが現状です。
(患者さんが幼稚園児なら親の歯に対する意識でしょうが)



もし自分の子供に現実的なことを言えば、

「銀歯になるのが嫌なら歯をしっかり磨きなさい」

もしくは

「お金持ちになって自費治療で白い歯を入れなさい」、
「政治家になって保険制度を変えなさい」

など現実的なこと言ってしまいまうと思います。
(そもそもこの先も保険医療制度が続けれるか疑問ですが・・・)


私の患者さんのお子さん(中学生)も

「こんな見える所に銀歯なんて入れたら、生きていけないよ」

と言われていました。


時代なんでしょうね^^;

4人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: まいまいせんせいさん
返信日時:2016-12-23 10:39:25
お返事が遅くなりまして、大変申し訳ございません。
先生方それぞれの観点からのご意見、アドバイスをありがとうございました。


堀先生からは子どもの心情面について、小林先生からは園のシステムについて、井野先生からは医療財政の観点からと、それぞれ異なる側面からのご意見であったかと思います。


実は、私は大学院生として幼稚園で子ども達と関わりを持っている者なのですが、投稿の便宜上、自分の肩書を幼稚園教諭とさせていただきました。
実際とは違うではないかと思われましたら、申し訳ありません。
立場上、特に園の運営や方針に関わる部分等には口を挟むことはできませんが、先生方のご意見は非常に参考になりました。

続きます。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: まいまいせんせいさん
返信日時:2016-12-23 10:46:11
堀先生

おっしゃるとおり、銀歯があることは今さら変えられませんが、からかいやいじめに進展していく気配がないか、その点だけは周りの大人が気をつけねばならないと考えています。
今のところ、特に問題はなさそうです。

以下2点、「身体的特徴をからかわれたら、嫌だと言ってよいのだということ」、「どうしても困ったら、周りの大人に助けを求めてほしいということ」を園の先生が本人に伝えてくれたそうです。


先日、

「お母さんお迎えに来てもいないって言って。歯医者さん行きたくないの」

と言われたので、行かなきゃだめよ、と答えつつ、私も子どもの頃に虫歯を治療して、たくさん銀歯を被せてもらったことを話しました。
虫歯だらけの上に、泣いたり逃げたり口を開けなかったりで、予防にも熱心だった先生の忍耐強さと愛情深さには、感謝し尽くせません。永久歯の虫歯は1本だけで済んでいます。

翌日には、

「歯医者さんで頑張ってきたんだよ」

と笑顔を見せてくれたので、今はほっとしています。
(この笑顔が見たかったのです!)
良い歯医者さんとの出会いで、歯の健康状態を改善できたように、私自身も、子ども達がすこやかに成長していける社会づくりに、少しでも役立ちたい、と気持ちを新たにする出来事でした。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: まいまいせんせいさん
返信日時:2016-12-23 11:31:57
小林先生

立場上、園の運営に関する部分には口を挟めないのですが、子どもに虫歯ができたことで、非常におろおろしてしまうお母様が多いように感じています。

以下、短い期間で抽出した事例ですが、このような失敗をもとにお母様を責めることはできない、というのが私見です。

@間食にも気をつけ、歯みがきもきちんとしてきたが、フロスを使用していなかった。
歯と歯の間に大きな虫歯がいくつもできてしまった。

A高熱を出して夜間救急に駆け込んだとき、医師からスポーツ飲料をすすめられた。
そのまま何となく習慣づいてしまい、虫歯が沢山できてしまった。

B障がいのあるきょうだいのケアに時間をとられているうちに、歯のケアがおろそかになってしまった。


虫歯に限らず、何かあったときに、お母様が後悔にさいなまれたり、他の子と比べたりせずに、失敗を前向きに受け止めて、改善につなげる仕組みが何かできないものか、考えさせられました。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: まいまいせんせいさん
返信日時:2016-12-23 11:34:38
井野先生

身バレしそうですが、実は私は大学卒業後、資本主義の最前線のような外資系の職場に5年ほど勤務しました。
今は、幼児期の教育(基本的な生活習慣を身につけること、他者との愛着や信頼を形成すること等)が、後の人生を決める大きなファクターであるという先行研究をもとに、幼児教育を限られた社会資本の投資先として捉え、研究を進めているところです。

冷徹な金勘定を飯の種にして生きてきましたから、医療財政の面では、もはや国民皆保険制そのものが、存亡の危機に立たされようとしているものと理解しています。

政治家になって銀歯はいやだ、白い歯がいいと主張したところで、有権者の支持、財源の確保ともに厳しいでしょう。
そもそも医療行政は官の力が強いですし。


目の前のすっかり気落ちした子どもに元気を取り戻させてあげたいとの思いから、こちらのサイトで相談させていただいた次第ですが、費用対効果を考えれば、先生のおっしゃるとおり、健康教育こそが最も投資効率が高いといえるでしょう。
特に、養育環境に恵まれずに、セルフケアの方法自体を身につけられない子ども達にどうアプローチしていくか?は大きな課題です。

ひとりの大人として、子ども達にすこやかに育ってほしいと願うとともに、子ども達の心身の健康こそが、将来の社会保障の支出を減らし、経済的な活力の源泉となることを政策モデルに落とし込んでいくことが、今後の課題です。



タイトル 銀歯を被せて落ち込んでしまった子どもへの対応について
質問者 まいまいせんせいさん
地域 非公開
年齢 28歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 乳歯の虫歯(むし歯)
子供(子ども)の虫歯
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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