右下顎の筋痛と噛み合わせの不調に悩まされています

相談者: ECHANMIさん (47歳:男性)
投稿日時:2017-01-08 17:34:54
よくこのサイトを参考にさせていただいている者です。
このような、有意義な場を設けていただき有難うございます。


私はかれこれ数年来、右下顎の筋痛と噛み合わせの不調に悩まされています。

最初のきっかけは某歯科にて右下7番に仮歯を被せられてから下顎の筋の過緊張による痛みが始まったのですが、その後の歯科治療でも上下左右、複数の歯を咬合調節なり仮歯を被せるなりしており咬み合わせも上手くいかないままで今日に至っています。


しかしながら、ここ1、2年は自分自身で下顎を右後ろに引こうとする癖があることに気づきこれを控えること、またTCHしないようにすることなどでかなり痛みを和らげることができるようになっておりました。

きちっと噛み合わせることはできず左右不均等ではありますが、一カ月ずっと痛まないような時もあり、かなり自分で痛みをコントロールできるようになっていました。


そのようなおり、これまでお世話になっていた先生が体調の都合でし診療日を減らされ通うことができなくなってしまったためやむを得ず他院(咬合、顎関節症を治療項目に標榜しています。)で診ていただくこととしました。

この先生から受けた治療ですが、左右の下顎の顆頭が関節窩に嵌っている位置が最も筋肉がリラックスできる位置であるとのことで、デンタルチェアーに寝て、私が自発的に噛むのでなく、先生が私の顎をもって咬ませて削合する(ドーソン法?)という方法でした。


この年末、この治療を受けたそのあとに激しく首から背中が筋張ったように痛み出し、特に後頸部の右の筋が棒でも入っているかのような感じになってしまいました。

またこれまで、かなり楽になっていた右下顎の痛みもコントロール出来なくなってしまい、ほぼ常時、痛みなり違和感なりを感じています。
かなりの長い時間、先生は多くの箇所を削合していたようです。


こんなに長時間、複数個所を一度に削ることがリスクがあると思いますし、また先生が私に噛ませた位置が本当に適切だったのか正直、疑問に思っています。

今になって思えば思い切って、この治療は止めてくださいと言えば良かったかと後悔もしていますが、治療法に云々口出しも出来ないですし、患者とすれば先生を信頼するしかないということも察して頂きたいです。


これまでの治療でも私の下顎の位置は仰向けか、立位かまた姿勢によってかなり違いがあって、そもそもデンタルチェアーに寝た状態で治療するとさらにこじれてるのではと思うことも度々ありました。

今回も何気なく普通に上下合わせると右奥が強めにあたり、左がわずかに接触するか、あるいはあたっていないような状況で何か捻じれが進んでいるように思えて心配です。

せっかく調子も上向いているように思えていたのがこのようなことで逆戻りどころか首、肩の調子まで不調を来し困惑している次第です。



このままこの先生にお任せしていいいものでしょうか。
もしかしてこの先生の治療法はいわゆるナソロジーというものなのでしょうか。
とにかく顆頭安定位にこだわっておられる印象です。

咬合、顎関節症については先生ごとに考え方も違いがあるようで、このような状況に陥ると患者としてもいつまで翻弄されるのか・・・と感じざるを得ません。


出来ればこの先生を信頼し続け、多少の紆余曲折は仕方ないにしても治療を貫徹していただけたらとは思っているのです。

随分と長文になってしまい申し訳ありません。
咬合、顎関節症に詳しい先生方に御解答、御教示いただけましたら幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2017-01-08 19:32:41
なるほど。
なかなか大変な状態のようですね。


頭を上に上げて咬む位置と下に向けて咬む位置では下顎についている筋肉の伸び具合が変わりますから、よく当たる位置は変化します。

動きがあるものに関しては遊びも必要でしょう。
天然で作られる咬合というものはそういうものをすべて満たして骨も周囲の組織もそこに適応して作られます。
それを成長時に人は獲得します。

ドーソンテクニックは下顎を人為的に(歯科医の手を添えて誘導して)噛ませるということを行うので、ご自身の姿勢によって異なる咬合位とは異なる位置に誘導してしまう可能性が高くなると思います。


私が大学にいた大昔にお書きになっているナソロジーという学問が盛んでしたが、今は下火という印象をもっています。
私が50代ですからナソロジストは同年代かまたはそれ以上の先生が多いのではないかと思いますが、多くの先生がその考えからはすでに卒業しているのではないかと個人的には思っています。

その考えでは上手く機能しなかった臨床経験があるので多くの先生が採用しなくなっているようなイメージがあります。

ただ、現在でもそれをされているということは成功された臨床経験を多くお持ちなのでしょうから、信じて治療をお願いされることに関しては否定するものではありません。

歯根膜感覚をリセットし骨ノリモデリングを進めることが出来る矯正治療でもそのテクニックは利用されていますし、利用の仕方では悪いテクニックではないので否定される方法ではありませんし、咬合調整だけでなんとか咬合再構成を行おうとする際に指標にして悪いというものでもないように思います。




ところで治療に際して、顎関節のCT撮影やレントゲン撮影はされていますか?

顎関節に形態変化が起きていれば捻れをそのテクニックで治すことは無理ではないかと思います。
咬合調整を行うという非可逆的な治療を行っているのですからその際どういう診断をされたのかは興味があります。


歯冠は硬組織ですからミクロン単位の調和が必要になり更に動きとの調和は欠かせません。
また食事の際の咀嚼率を考えれば溝の深みがあることが有効だったりします。

咬合調整で口腔内でそれを再構成することは非常に困難な治療になる恐れがあると考えられるように思いますが、妥協点を見出すことは可能なのかもしれません。
可能だという臨床経験がおありでそういう治療をされている先生なのだと思います。

私はしないですがそういう治療もある。ということですね。


人は様々な姿勢をとりますからTCH修正は基本だと思っておくだけでも歯を長持ちさせる手助けにはなるように思います。

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回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2017-01-08 21:46:01
西山です

最終的にはECHANMさんが選択することですので,私の意見として書かせていただきます.


ドーソンテクニックは,顎関節における下顎頭関節窩との位置関係を基準にした,下顎の位置を決定する考え方です.

総義歯咬み合わせが崩壊しているようなケースに対して,咬み合わせを作る位置を決めるための方法の1つとして用いられていると認識しています.


ただ,「あなたの咬み合わせはこの位置です」といわれてしまうと,その位置で常に咬み合わせていないといけないような気分になってしまう患者さんが結構います.

書かれているように,咬み合わせていない方が症状が軽減したわけですので,本来は咬み続ける必要はありません.


私個人の考えとしては,筋症状が消失あるいは気にならない程度に軽減したときに楽に閉じてくる位置で咬み合わせを再考するのが良いと思います.
先に位置に固執してしまうと,TCHのように咬み続ける行動が誘発されてしまう可能性があると考えます.

ちなみに,生涯にわたって関節の骨形態は変化するので,ドーソン法によって誘導される位置も異なってくると推察されます.

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回答 回答3
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2017-01-09 11:23:12
診療行為が必ずしもプラスに働くとは限らないと思いますよ。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ECHANMIさん
返信日時:2017-01-09 15:16:17
早々と3人もの先生方より御解答頂き有難うございます。


やはり今私が受けている治療は、今では多くの先生方が用いないものなのですね。

かつてナソロジー的な考え方のもとでアメリカでは顎関節症が増えたとネットで見たことがあります。
(というか歯チャンネルに載ってました。)

素人の浅はかな考えかもしれないですが、人間の顎はロボットじゃないんだから、そんな単純に顆頭安定位で合わせれば良いというような事でもないと思うんですが、どうなんでしょう。


ふなちゃん先生よりお尋ね頂いた件ですが、通常のパノラマ顎関節のMRを撮影しており、大きな変形や関節円板の転位もないとのことでした。
そうは言っても歴史も長いですし少しの変形ぐらいはあるかもとは思いますが・・

もうこの状態に陥って随分になります。
何人かの先生にお世話になり、どなたも尽力なさってくれた事とは思いますが如何せん結果がでません。

補綴や削合で何とかするという考えは改めたほうが良いのでしょうか。


矯正したからと言って、顎関節症は治るとは限らない。との事を聞きますが、逆に顎関節症に対する矯正治療を掲げているところも見かけはします。
さすがに47歳ですが矯正も考えてみようかとも思ってしまいます。


私の筋痛の原因は下顎をどうも右後方に引くように緊張てしまう傾向にあることだと自分ではほぼ確信していますが、これは微妙な歯の当たり方や角度が原因だと感じております。

奥歯で噛もうとするときも左は前上方に向かって力がかかっているのに対し、右は後上方に力がかかるように噛んでしまう。
つまり捻じれた噛み方をしているということです。

そしてこの状況は補綴のわずかなちがいによっって良くなったり悪くなったりします。
でも未だ補綴で治してもらえません。



再度の質問で申し訳ないのですが、このまま補綴でもって努力を続けるのか、矯正などでの加療の余地があるのか、他の選択肢があるのか細かい条件も分からぬままではありますが、今後の指針となるようなアドバイスを頂きたいです。

何卒、よろしくお願いいたします。
回答 回答4
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2017-01-09 21:56:25
咬合調整の名医も世の中には存在するようですから何とも言えません。
咬合を見てもらう場合は身体の一部で筋膜や組織は繋がっているということを反映した調整法であることが望ましいと個人的には思っています。

また矯正治療で治ったというケースも聞きますからそれで不調が治るならばその方法も一法だと思います。


捻れた噛み方をしているのは何故でしょう?
それが歯並びに反映されていませんか?
反映されて永久歯列が出来上がるのが一般的だと思います。

修正には最低でも肩甲骨の可動性を上げることや首の可動性が上がることを個人的には重視しますが、足の可動性や腕の可動性を指標にされる先生もおられます。

また、皮膚からアプローチしている先生等々色々な先生もおられ、万人が理解でき再現出来る決定的な治療法がないのは全身繋がっていてバラエティーに富んでいるのが生体だからでしょうし、治療に様々な制約(生体的、金銭的、時間的等々)もあるためでしょう。

再現性の高いとされる顎位を指標とする治療法でも様々な制約を上手く調整出来れば上手く行くケースもあるかもしれません。


咬合は難しいというのが全ての臨床家が経験する所だと思います。
良い結果に早くなられると良いですね。

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回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2017-01-10 12:05:57
以下はあくまでも僕個人の考えですので、参考程度にお読みください。

もしかみ合わせが原因だとすれば、マウスピースをはめて上下のかみ合わせを一時的にリセットすれば症状が軽減されるはずです。

マウスピースは歯を削ったりする必要もありませんので、診断目的で数週間から1ヶ月ほど使ってみるという方法もありかと思います。

もしそれで症状が改善すればかみ合わせの治療についても考える余地があると思いますし、改善が見られないようであればかみ合わせ以外の原因を疑う必要があるかと思います。


いずれにしても重要なことは、「後戻りができる方法から試していく」ということですので、歯を削ったり矯正をしたりするのは最後に考えるべきです。


また、矯正に関しては、矯正を行うことで顎関節症が軽減したり予防できたりするという根拠は全くありませんので、ECHANMIさんのような症状の場合の優先順位は非常に低いというのが一般的です。

そもそも、顎関節症の治療ではかみ合わせ治療の優先順位自体が高くはありませんので、かみ合わせ治療を謳っている歯科医院ではなく顎関節症に力を入れている歯科医院の方が向いているように思います。


ナソロジーについては決して批判されるような理論ではありませんが、厳密に守ろうとするとオーバートリートメントになりがちだというのが個人的には問題だと感じています。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ECHANMIさん
返信日時:2017-01-10 23:48:02
お二人の先生方、どうも御回答ありがとうございます。


ふなちゃん先生、やはりいずれにせよ難しいということだと思いますが、咬合調整補綴で治すのは現実には迷宮入りしてしまってなかなか埒が開かないということを示唆されているように思えました。
だからこそ先生はそのような治療はしないという事でしょうか。

確かに私の治療経験でも、そのように思えます。
完璧に咬合調整の出来る先生は存在しないと思えますし、そもそもほぼ不可能と思ったほうがよいように感じています。




田尾先生、、「後戻りができる方法から試していく」ということですので、歯を削ったり矯正をしたりするのは最後に考えるべきです。との事ですが・・・残念ながら私は既に複数の歯をこれまで削合または仮歯を被せる治療を受けており、それでかつ咬合も上手くいっていません。

私が頼んでしてもらったわけでなく今までの先生方に従ってきてこの状況に至っています。


マウスピースも数度、行ってきましたが特に効果を感じたことはありません。
従って、もう少し何とかなる方法はないものか、という状況なのです。

ただ大きな救いは下顎が右後ろにずれやすい傾向さえ何とかすることが出来れば、痛みはほぼ無くすことが出来ているということなのです。

だから私としては右後ろに下顎を引いていない筋がリラックスした位置でしっくり噛むことが出来るようになればいいのではないかと思っているのです。


ところが、これだけの事をなかなか実現してもらうことが出来ず(私の考えが治療してくださる先生から見て稚拙なのかも知れませんが・・)、自分の思いと違う方向へ治療が進んで、結果、悪化したりでどうしたものかとなってしまうのです。

今の先生にも、一生懸命伝えているつもりではあるのですが、当然ですが先生の考えで治療が進み(とにかく、顆頭安定位を目指しているようです。)それで結果が良いのならいいですが悪い結果になっているのでこのままお任せしていてよいのだろうかと心配しているわけです。


もちろん侵襲の少ない方法を希望していますがことごとく裏目の結果であり、どうしたものかという事なのです。
本当はすごく上手に補綴してもらえれば良くなるような感じもするのですが、それをしてくれる先生には巡り合えるものではないとも思っています。

こうなって来ると、矯正という事も考えの中に入ってくるのかなとなってしまうのですが如何でしょう。
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2017-01-11 08:45:54
ご相談ありがとうございます。

>右下顎の筋痛と噛み合わせの不調に悩まされています。

顎関節症の治療というよりも、歯の噛み合わせの治療が必要かもしれません。
その理由は、お書きになったきっかけからの推測です。


>最初のきっかけは某歯科にて右下7番に仮歯を被せられてから下顎の筋の過緊張による痛みが始まったのですが、その後の歯科治療でも上下左右、複数の歯を咬合調節なり仮歯を被せるなりしており咬み合わせも上手くいかないままで今日に至っています。

顎関節のお話は全然ありません。


>ドーソン法
>もしかしてこの先生の治療法はいわゆるナソロジーというものなのでしょうか。

そのように思えます。
その方法は、ナソロジーの基本理論から考えられた治療方法だからです。


>とにかく顆頭安定位にこだわっておられる印象です。

ナソロジーの考えは、中心位であり、顆頭安定位とはまた違います。
ナソロジー理論自体は1970年ごろすでに崩壊しています。
現在に至ってもその根本理論を証明される研究は一つも出ていません。


マウスピースも数度、行ってきましたが特に効果を感じたことはありません。

まず効果はありません。
それどころか新たな問題を起こすと、1972年東京医科歯科大学の論文発表があり、それ以来覆される研究は出ておりません。

あんな分厚いものを入れて無事であるはずがないからです。
まあ、祈祷師のお祈りに似て治るの待つのでしょう。
しかし、デメリットは決して小さくなく、また元に戻せないこともありえます。


>咬合、顎関節症については先生ごとに考え方も違いがあるようで、

これは永遠のテーマと言われて患者さんを巻き込んで彷徨っておりましたが、すでに解決しております。
咬合と顎関節は切り離して別に考えるべきと明確になったからです。

御察しの通り、筋肉の働きで噛む位置が変わり、異常を起こしたり楽になったりします。
噛むことは、神経と筋肉そして歯の形や位置や大きさで決まり、顎関節は全く関係ないからです。

日本補綴歯科学会では、顎関節症とは言わず顎機能障害とよんでいます。
もちろん噛み合わせに異常が出た場合は、いわゆる顎関節症と呼ばれる症状の一部を呈することもあります。


>これまでの治療でも私の下顎の位置は仰向けか、立位かまた姿勢によってかなり違いがあって、

当然です。
寝たままの姿勢では検査をすることすらできません。
ましてや調整などは危険です。
また口の中を目で見て、あるいは色のついた紙をカチカチして削る調整は危険を増すだけです。


>顎関節症は治るとは限らない。

いいえ、治ると言われています。
その方法は、なにもしないと自然に治ることが多いと言われています。
もちろん検査は必要です。


矯正という事も考えの中に入ってくるのかなとなってしまうのですが如何でしょう

矯正治療はほぼ見た目を変える治療です。
美容整形に似ています。

また見た目以外に歯の位置も大きく変えてしまいます。
見た目で変える丼勘定では咬合の回復はほぼ見込めません。
かえって悪化する危険があります。

そもそもはじめにはの位置で問題がなかったと仮定すれば、歯の位置を動かすことは治療の根拠がなく、全く新たな問題を抱え込むことになりえます。


お話の中で気になることがあります。
歯の噛み合わせの検査をしたかどうか全くお話が出てこないことが不思議です。
検査もしないで歯を削る方法は危険です。

また仮歯を入れた後に噛み合わせがどう変化したのか、検査結果がどうだったのかのお話も出てきませんでした。


まず補綴学的な検査をきちんとお受けになることをお勧めいたします。
人工的な歯科治療は侵襲性が大きく、メリットが上回るときだけ介入スべきであり、その判断と治療後の評価は客観的な検査でしか検証できないと言われているからです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ECHANMIさん
返信日時:2017-01-12 02:48:05
さがら先生、非常に詳しく丁寧な御回答を有難うございます。


まず「顎関節症」という言葉ですが、私は関節そのものの不具合のみならず、周囲の咀嚼筋などの障害なども含めて「顎関節症」と広義の意味で考えておりました。

先生に今教えていただいた言葉ですと「顎機能障害」としたほうが良いということでよろしいのでしょうか。
あるいは「TMD」と呼ぶのが分かりやすいのでしょうか。

おっしゃるように顎関節に問題はないと思いますし、私は下顎を引く際に動く下顎やさらには側頸の筋群に、咬合を原因として筋緊張が引き起こされている状況とおもっています。



最初治療していたころはマウスピースを使うよう指導され私も先生の御意見同様、何か違っている気がしましたし、奥の臼歯咬合面を上手く設計して頂いて筋緊張しなくていいように補綴してほしいと思っていました。

しかしながら、そう訴えると多くの先生は、まずマウスピースを使ってみるようにと指導され、だめならその次に仮歯や削合、レジンでのボンディングを使い咬合調節などをされるわけです。

残念ながら天然歯も多少削られてしまっています。
またチェアーに寝て調節して合わせるのが常ですが、立ち上がって家に帰る道すがら姿勢によって噛み合わせが変わったことを感じつつ疑問を感じることもよくありました。


咬合調節は危険とのことですが、残念ながら私はすでにその危険な目にあってしまった後です。
そして危険と言う意見は私も同感です。

しかし、きちんと噛めない状況を治すのに矯正を除いて素人の私に思い当たる方法はないですし、一度チェアーに座れば患者は担当医の指示に従わざるを得ない状況になります。


さがら先生はさらに矯正にも否定的な見解でいらっしゃいます。
本当は他に安全で確実な方法があればそうしたいですが、それを提示してくださった担当医に出会えたことはありません。

世間にはそのような治療しか見当たらないわけです。
さがら先生ならどのような治療が適切と思われるでしょうか。
私はそこを教えていただきたいです。



結局以下の2点がポイントと思っているのですが

1.筋緊張を誘うような咬合でないこと。
 
2.しっくり噛めること。
 
1についてはしっくり噛めなくても仮歯の状況によっては一カ月ほど全く筋緊張なく楽に過ごせていた時もありますし、それも一度や二度ではありません。

逆に言えばTCHに気を付けてもリラックスを心がけても筋緊張を誘発するような合わない仮歯になってしまうことがある。
しかし咬合調節している担当医もそのことには気づけない、というのが私の経験から感じることです。

実際の生活の中でどこがどんなふうに早期接触して、どう筋緊張してしまうかは患者自身にしか分からないだろうから咬合調節は難しいと思います。


2については、この状況を患って以来、一度も実現したことがありませんし、そもそも左右の奥歯でしっかり噛み締めるなどという事は数年来できていません。

しかし私としては両方の奥歯で噛み締めるというこの、基本的で本能的な当たり前のことが自然にできるようになるだけでの多くの問題が解決するとおもうのです。
というか、左右対称に奥歯で噛むことが出来なかったら、不快感もあるでしょうし筋緊張してしまってもむしろ当たり前だと思うのですが・・・

しかし、この基本的なことをなかなか実現していただけず今日に至ります。
これを担当の先生に強調して訴えるべきかもしれないですね。



補綴学的な検査という事ですが、フェイスボウを使って顎の運動の検査をしたことは過去にありましたが、現在診て頂いている歯科では検査と言えば顎模型を付けて咬合器に乗せていたこととレントゲンぐらいかと思います。

あと痛みが出る前の状態の顎模型(何年も前のものですが)を当時の歯科から取り寄せてお渡ししています。
さがら先生もおっしゃっていますが、今の状態と比較して何か方法を検討してもらえないのかなぁとは思うのですが・・。
普通に素人の考えでもこれって大事なことなんではと私も思うんですが。
 

以上のような事なのですが、咬合調整でもなく矯正でもなく、殆どの世の先生方が上述したような治療法である中、具体的にどのような検査を受け、どのように治療すればよいかを御教示頂きたいです。

またしても長文になってしまい申し訳ないです。
しかし、さがら先生の文章を読ませていただき、かなり自分の中の考えが整理出来たように思われ、ハッとさせられるところもあり、とても有難く拝読させていただきました。
本当に有難うございます。
長々と顎で苦労の絶えない厄介な私ですが、よろしくご指導ください。
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2017-01-12 08:36:29
ご返信ありがとうございます。

>「顎機能障害」としたほうが良いということでよろしいのでしょうか。
>あるいは「TMD」…

同じ意味です。


咬合を原因として筋緊張が引き起こされている状況とおもっています。

ありえます。
検査の必要性を前回説明しましたが、筋の検査もいくつかあります。


>奥の臼歯咬合面を上手く設計して頂いて筋緊張しなくていいように補綴してほしいと思っていました。

可能です。
咬合面の設計診断のためにもいくつか検査があります。


>残念ながら天然歯も多少削られてしまっています。

場合によっては、天然歯の研削が必要になることはあります。

穴があるから削る、穴がないから削らない、という虫歯の治療ではないからです。
今の問題を解決するために必要ならば、穴がない歯も大きく削って被せなければならない事もあるからです。

もちろん、検査結果を供覧した上、相談してから決定となります。



>一度チェアーに座れば患者は担当医の指示に従わざるを得ない状況になります。

いいえ、そんなことはありません。
インフォームド・コンセントは患者さんの権利であるとアメリカでも言われております。
基本的人権とも言えます。


>世間にはそのような治療しか見当たらないわけです。

確かに見つけることはとても困難でしょうが可能です。


>さがら先生ならどのような治療が適切と思われるでしょうか。

お話だけでは推測にしかなりませんので診察を受けることをお勧めします。


>1.筋緊張を誘うような咬合でないこと。

その通りです。
副交感神経優位で行えると理想的です。

 
>2.しっくり噛めること。

もし医療としての歯科治療を選択したい場合、噛めることを目標にすることは極めて基本的かつ正当なことです。
何故ならば、医療の目的が平安で楽しい生活を取り戻すことであれば、口の事など忘れるほどに咀嚼機能が自然に営まられるような、咀嚼機能回復が重要な課題となるからです。

咀嚼機能検査もいくつかあります。


>どこがどんなふうに早期接触して、どう筋緊張してしまうかは患者自身にしか分からないだろうから咬合調節は難しいと思います。

いいえ、ご自身にも決して分かりません。

歯科医院で検査するしかありません。
もちろん、紙を噛んでとか、カチカチしてとかでは不可能です。

早期接触検査、咬頭干渉検査もあります。


>基本的で本能的な当たり前のことが自然にできるようになるだけでの多くの問題が解決するとおもうのです。

その通りです。

身体の持つ自然な力の素晴らしさを今更ながらご実感されたことと思います。
特に口腔機能に関する仕組みは身体の中でも最大に配慮がされた、自然の偉大な力によって極めて複雑な設計がされた非常に高度な部分です。

その大事な理由はたった一つ、とても明解です。
口腔機能が自然に働かなければ、(イキイキと)生きていけないからです。

歯科医療では自然に学び、再現は不可能ですが及ばずながらもできる限り近づけることで、治癒に向かえると考えております。



>左右対称に奥歯で噛むことが出来なかったら、不快感もあるでしょうし筋緊張してしまってもむしろ当たり前だと思うのですが・・

その通りです。

左右のバランスはとても大事です。
それを崩すことで健康が損なわれ健康寿命を縮めます。


>補綴学的な検査という事ですが、フェイスボウ、顎模型、咬合器レントゲンぐらいかと思います。

いいえ、何十種類もあります。


>今の状態と比較して何か方法を検討してもらえないのかなぁとは思うのですが・・。普通に素人の考えでもこれって大事なことなんではと私も思うんですが。
 
その通りです。

歯科だけが例外ではありません。
科学的な歯科医療であれば、基本的な科学的概論に従い、科学的な手続きが必要だからです。

検査とは現状を把握するためと、治療した成果を評価するためと二つあり、治療前の検査結果は治療後の評価の基準ともなり得るからです。
最も確実な評価は、規格化された検査を治療前と重ね合わせて比較することによってしか得られないからです。
なんでも良いわけではなく、科学的なプロセスであれば誰が実施しても再現性があるはずだからです。


>具体的にどのような検査を受け、どのように治療すればよいかを御教示頂きたいです。

前にも書きました通り、きちんと診察を受け、継続的な検査で評価していただくことが良いと思います。

医療とは、ネット相談では解決しません。
診察→検査→診断→インフォームド・コンセント→治療→検査、という流れになります。


>かなり自分の中の考えが整理出来たように思われ、

それは何よりです。

歯科医療とは必ずしも削ることではありません。
よかった、と思って頂けるカウンセリングも医療であるからです。
お気持ちを測る検査もあります。

歯は口腔機能につながり、口腔機能は身体と切り離せず、健全な精神は健全な身体に宿る、これを目標に行える歯科医療が理想と考えております。

お分かりにならないことは、いつでも、なんでもご相談ください。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ECHANMIさん
返信日時:2017-01-13 00:28:39
御回答有難うございます。

本当にいろいろと参考になりました。
只、いざ現実となるとなかなか難しいです。
今までも苦労がありましたが、教えていただいたことを糧に引き続き頑張りたいと思います。

またいろいろ私も疑問が出てくると思いますし、また質問させて頂きたいなと思います。
このようなサイトがあること、本当に有難く思います。 

先生方、どうも有難うございました。



タイトル 右下顎の筋痛と噛み合わせの不調に悩まされています
質問者 ECHANMIさん
地域 非公開
年齢 47歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 噛み合わせに関するトラブル
顎関節症
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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