マウスピースでおかしくなった噛み合わせ。削って治すべきか

相談者: アントンさん (37歳:男性)
投稿日時:2018-02-25 16:13:53
初めて相談します。
長文ですが、よろしくお願いします。


1年半程前、上下左右1〜4番に楔状欠損があったため、A歯科マウスピース保険で作る5000円程度のもの)を作成してもらいました。
ハードタイプ、厚さが均一、上の歯にはめるもので、特に下の歯との噛み合わせの調整などはしてくれませんでした。

使用し始めは、はめると、歯にかなりの痛みがあったのですが、しばらくしたら慣れるとのことで、実際、数週間ほどしたら痛みはなくなりました。


しかし、就寝中にマウスピースをはめて朝に取り外すと、噛み合わせがずれており、食事中は、奥歯が全く触れずに前歯だけがガツガツ当たってしまう状態になりました。
また、就寝中にマウスピースの上から噛みしめているのか、下の前歯に少し痛みがありました。

下顎の軌道が前にずれたのだと思ったのですが、担当医に相談したところ、マウスピースで歯が移動するはずがない、噛み合わせがおかしくなることはない、との回答でした。


このままでは困るので、今度は、下の歯にはめるタイプのマウスピースを作成してもらい、上下にマウスピースを付けて就寝するようにしました。

すると今度は、噛み合わせが、前歯は全く当たらずに奥歯だけが当たるように変化しました。
自分としては、下顎の軌道が後ろにずれたように思います。

ただ、前歯だけが強く当たっていたときに比べれば、噛みやすさはマシだったので、その状態で1年ほど過ごしました。

その後、子供の頃の虫歯二次カリウスが原因で、左下6番の神経がダメになり、別のB歯科(自由診療のみで、根管治療が得意とのこと)に通うようになり、根管治療は完了し、仮歯の状態です。



B歯科で、デンタルドッグなるものを受け、噛み合わせがおかしい、との結果になり、仮歯を本歯にする前に、まずは噛み合わせを治すべきだとの話になりました。

噛み合わせが不安定(あちこち変わるということらしい)なので、まずは、下の歯用のマウスピースを作成し、噛み合わせが安定したら、その状態で、歯を削って、上下の歯が合うように形作る、とのことでした。

今度のマウスピースは、自由診療のもので、5〜6回ほどマウスピースを削って微調整し、かなり丁寧に作ってもらいました。
そのため、マウスピースをしている状態では、うまくかみ合っている状態です。


ただ、マウスピースを取り外すと全く噛み合わせが合っていない状態で、このマウスピースを使うようになって、下顎が少し右にずれたようで、特に意識せずに上下の歯を合わせようとすると、左上下7番の歯のみが接触する状態になりました。

この状態で過ごしていたところ、左上7番の歯が少しだけ欠けてしまいました。


B歯科の担当医によると、このマウスピースを付けることによって、自然な、顎に負荷がかからない位置に噛み合わせがずれてきたということなので、これは良いことだ、とのことでした。

噛み合わせが安定してきたとの判断で、今度は、歯を削って篏合調整をする段階に来ています。
ただ、大きく噛み合わせがずれているため、削るとなると、かなりの本数のかなりの部分を削るため、象牙質まで達してしまい、その部分は詰め物などで保護する形になるだろう、とのことです。


現在の噛み合わせは、食事の際は、奥歯は触れることはできるのですが、噛み合っていないので、食べ物をすりつぶすことはできない状態です。ただ、ものすごく不便というほどではありません。

また、現在は、上記の仮歯と楔状欠損の治療部以外は、詰め物、被せ物はない状態です。



そこで、ご相談なのですが、今回のような場合、「歯を削って噛み合わせを調整」はするべきでしょうか。

削った場合のリスクとしては、

・今まで削ったことのない健康な歯を削って詰め物などをするため、詰め物の下で気づかないうちに虫歯になるリスクが増す。

・歯を削っての噛み合わせの調整自体が、かなり難しいものなので、今よりも噛み合わせの違和感が大きくなる可能性がある。


削らない場合のリスクとしては、

・強く当たっている歯が、破折や歯周病のリスクが増す。

・今後も、噛み合わせが合っていない状態で生活していく。

といったところでしょうか。


B歯科の担当医に、元々噛み合わせは違和感なく、保険のマウスピースを使って噛み合わせがずれたのだから、削らずに、マウスピースの形の調整で元に戻せないのか、と相談しましたが、歯の模型を作ったところ、長期間のマウスピースの使用で歯そのものが移動してしまったためか、削らないと上下の歯が合う位置が存在しない状態になっているそうです。

なお、楔状欠損については、歯チャンネルTCHについて勉強させていただき、自分なりに気を付けたためか、最近は進行していない状態です。
(前歯が触れなくなったために進行していないだけの可能性もありますが)


自分の歯の寿命をなるべく長くすることを第一に考えた場合、削る・削らない、どちらを選ぶべきでしょうか。


ご意見よろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2018-02-25 16:53:53
西山です

まずは咬み合わせが変わった原因を探る必要があると思います。
顎関節に変化が生じている可能性もありますので、MRI検査などを受けるべきではないでしょうか。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: アントンさん
返信日時:2018-02-25 17:51:32
西山先生
回答ありがとうございます。

咬み合わせが変わった原因については、マウスピースを変える度に、咬み合わせが変化していますので、それが原因と考えるのが、自然かと思っています。
(マウスピースを使用し始めるまでは、咬み合わせで困ることはありませんでした。)


MRIとなると、大学病院などになるのでしょうか。
特に、顎関節症のような症状はないのですが、MRI検査をすることで、この状況に進展は望めますでしょうか。

MRI検査で何かしらの結果が出たとして、最終的には、削って治すか、削らずにそのままにする(自然な摩耗に任せる)か、の選択をすることになるように思うのですが、どちらの方がリスクが高いでしょうか。


よろしくお願いいたします。
回答 回答2
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2018-02-25 20:40:28
こんにちは。

下顎の位置が変化しているのでしょう。
どこで咬めばよいのかわからない状態になることがマウスピース使用時におきることが稀にあると思います。

それが顎にとってよい状態なのだといわれても、元々顎関節症状で困っていたわけでなければかみ合わせが変わったことがよかったとはいいがたいかもしれませんが、一度ずれてしまうと元に戻ることが出来ない場合もあるので治療としては厄介なことになります。


歯を削りたくないということならば(削ると痛みが生じて抜髄が必要になったり健康な歯なのに樹脂でつぎはぎにする必要が生じるので)矯正治療を併用して歯並びを修正することになると思います。

ただ、自費ですからかなり高額で期間も必要ということになるので、決断できない方は多いと思います。
そうなれば削ってある程度咬むようにしてもらったほうが、後々にとってよいということになります。

顎の位置が変わると治療ゴールが変更することになるので、困難を極める場合もありなかなかこうなればややこしいという気がします。


元々、顎の位置がずれている方は矯正治療前でも多く見かけますのでMRCで撮影して問題がないくらいはわかるでしょうが、それをミクロン単位の歯科治療に反映できるか?といえばこれもまた難しいと思います。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: アントンさん
返信日時:2018-02-25 21:43:28
船橋先生
回答ありがとうございます。

やはり、かなり難しい状態のようですね。

矯正治療については、楔状欠損があり歯の強度に不安があることと、治療期間の長さを我慢できるか自信がないため、今までは考えていませんでした。
(担当医からも矯正の話はありませんでした。)

もし矯正治療を行えば、削らずに、かつ、確実に噛み合わせが治るのなら、やってみたいとも思うのですが、そのようなことはないでしょうし。


MRCというのは初めて知ったのですが、調べたところマウスピースを使用した子供向けの矯正のようです。
これが大人の私でも行うことができればベストなのですが。
(それとも「MRCで撮影」と書いてあるので、MRIのことですか?)

少し削って治るのなら、それでも良いかなと思うのですが、私のケースの場合、かなり削って象牙質までは達してしまうだろうとのことで、やはり、樹脂でつぎはぎにはなってしまうようです。

特定の歯に早期接触がある状態で、削らずにそのままにするは、やはりリスクが高いでしょうか。


このようなケースの場合、削る・削らない どちらを選ぶべきでしょうか。

よろしくお願いします。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2018-02-26 08:04:59
ご相談ありがとうございます。

>削る・削らない どちらを選ぶべきでしょうか。

検査・診断によります。


咬み合わせが変わった原因については、マウスピースを変える度に、咬み合わせが変化していますので、それが原因と考えるのが、自然かと思っています。

それが自然です。


>マウスピースで歯が移動するはずがない、噛み合わせがおかしくなることはない、との回答でした。

学問的には、その全く逆の結論が出ています。
約50年前のことで、今も同じです。


>(マウスピースを使用し始めるまでは、咬み合わせで困ることはありませんでした。)

ご自身でもそれが確認できているようです。


>もし矯正治療を行えば、削らずに、かつ、確実に噛み合わせが治るのなら、やってみたいとも思うのですが、そのようなことはないでしょうし。

正解です。

見た目を治す矯正治療だけでは、見た目ではわからない咬合の改善は、ふつう全くできません。
咬合の改善を補綴学的に行うにあたって、矯正治療の応援を必要とすることはあります。
あくまでもその場合は、矯正治療は全体のごく一部分となります。

ふつうの矯正治療だけでは、咬合検査などしないことからもそれがはっきりと分かります。
むしろ、咬合についてはとんでも無い、とても危険なことになるのは定説です。

今回、治療を受けて悪化したように、矯正治療でさらに奈落の底に落ちることは避けたいところです。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2018-02-26 08:28:05
西山です

咬み合わせが変わった原因については、マウスピースを変える度に、咬み合わせが変化していますので、それが原因と考えるのが、自然かと思っています

その原因を探索するためにMRI検査が必要なのではということです.
ただし,MRIで異常なしという結果になる可能性もあります.
その場合は,顎関節に起因しているわけではないということになります.

回答 回答5
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2018-02-26 09:54:15
すいません。
MRIの変換間違いないです。
MRCはこの場合無理ですから本格矯正かもしくは早期接触している部位のみ部分矯正という方法があると思います。

アンカースクリューとエラスティックを用いた部分矯正で早期接触をなくして行く方法や、マウスピース型矯正装置で矯正する方法もあるでしょう。

回答 回答6
  • 回答者
藤森歯科クリニック(兵庫県西宮市)の藤森です。
回答日時:2018-02-26 13:09:11
必ずしもすべてのケースにおいて、「このマウスピースを付けることによって、自然な、顎に負担のかからない位置に噛み合せがずれてきた」等とは言えないと思いますよ。

噛み合せが変化したことの原因は、一つとは限りません。
他にも要因があって、たまたまマウスピースの使用が引き金(トリガー)となった可能性なども考えられます。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: アントンさん
返信日時:2018-02-26 21:49:59
さがら先生、西山先生、船橋先生、藤森先生、ありがとうございます。


さがら先生

最初の担当医には、マウスピース原因説を否定されてしまったので、このような回答をいただいて、気持ちが楽になりました。

矯正治療だけで噛み合わせを治すというのは、現実的ではないようですね。
より悪化して、「奈落の底に落ちる」可能性もあるとなると、矯正という選択肢を選ぶのは厳しそうですね。




西山先生

確かに、大多数の人はマウスピースを使用しただけでは噛み合わせはおかしくならないわけですので、元々、私の顎関節に何か問題があり、マウスピースがキッカケで症状が出たと考えるのが自然かもしれません。

そして、MRI検査をすることで、その問題が発見できるかもしれませんね。



船橋先生

矯正で早期接触を無くしていく方法もあるのですね。
ただ、さがら先生の回答と合わせて考えると、矯正はあくまで補助的なもので、最終的には削って治すことは避けられなさそうですね。



藤森先生

現在の担当医の考えでは、自由診療のマウスピースで、顎の負担が少ない位置に持って行って、その位置に合わせて歯を削って形作る、ということのようなのですが、

>必ずしもすべてのケースにおいて、「このマウスピースを付けることによって、自然な、顎に負担のかからない位置に噛み合せがずれてきた」等とは言えない

となると、現在の担当医の考えで削ってしまうのも危険そうですね。



先生方のご意見、とても勉強になりました。

ただ、どの選択肢を取るべきかについては、決め手がないままの状態です。

現在の担当医の考えでは、削って篏合調整した方が良い、とのことなのですが、歯チャンネルの過去の回答を見ていると、削って篏合調整は避けるべき、という意見が多いようですし、どの選択肢が、歯の寿命には最適なのか、判断が難しいですね。
回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2018-02-28 08:28:30
ご返信ありがとうございます。

>どの選択肢が、歯の寿命には最適なのか、判断が難しいですね。

その通りです。
難しいのが、未知の部分が多い人間の体です。
またお一人ずつでも違いがあり、医療としてはさらに難しくなります。

それだからこそ研究があり、学会があり論文発表があります。

一つの選択肢は、現代で最善であり、かつ誰が行っても再現性がある、科学的方法を基準にすることです。
そして、お一人ずつの違いに合う方法を選択する、学会提唱のプロセスをたどることです。

そのために咬合など、たくさんの検査と診断技術が学会からは勧められています。




タイトル マウスピースでおかしくなった噛み合わせ。削って治すべきか
質問者 アントンさん
地域 非公開
年齢 37歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 歯列矯正(矯正歯科)その他
噛み合わせ(咬合)治療
噛み合わせに関するトラブル
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
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