エナメル上皮腫摘出手術後の三叉神経痛のような症状について

相談者: ナオ403さん (37歳:男性)
投稿日時:2018-05-30 20:56:26
お世話になります。
ナオ403と申します。

件名に至る経過をご説明します。

2年半前に左下6番からオトガイ神経まで届く単房性腫瘍を確認。
5番にはナイフカット、7番にはぎりぎり届いていないサイズでした。
同年、某大学病院にて手術を行うことなりました。

5番は神経生き、6番は以前に抜髄済み、7番も神経生きで全ての歯がグラつきなくしっかりしていたので残す方針となりました。
膿でも良性腫瘍でも摘出するという手術方針は変わりないとのことでしたので、手術前の病理検査を行わず、摘出手術を行い、傷口は開放創ではなく、閉創されました。

手術結果は、目に見える腫瘍は除去でき、神経にも癒着しておらず、きれいに取れたとのことで、腫瘍を見せてもらいましたが、膜のようなものの中に腫瘍が入っているようでした。

病理検査の結果は、角化嚢胞性歯原性腫瘍、エナメル上皮腫双方の特徴があるが、エナメル上皮腫の可能性が高いであろうといった感じでエナメル上皮腫の何々型といった具体的な確定はされませんでした。

手術から2周間後、左下唇にピリッとした痛みが複数回あり、医師に相談しましたが、神経に傷があったのか、治る過程においてそのような痛みがあることもあるとのことで様子見となりました。

ですが、その後も痛みは断続的に発生、痛みの頻度、範囲は大きくなり増大傾向です。
左下唇、顎、頬、顎関節あたりまでピリッとしたり、ぼや〜した感じだったり、ズキッとした痛みだったりします。
その痛みに伴い、首肩がすごく痛みます。

半年に一度のレントゲン撮影、その半年後はCT撮影を繰り返していますが、画像診断上では異常は無く、この5月のCTにおいても露出していた神経周辺にも骨が再生されて順調とのことでした。

半年前には、同大学病院のペインクリニック科を紹介してもらい受診、神経痛に効くリリカとサインバルタを服用しましたが、目立った効果を確認出来ず、ペインクリニック科の医師には、手術直後からの痛みではないし、痛みが軽減及び安定していないので傷ではなく、再発の可能性が高いと診断され、口腔外科の画像診断を継続して下さいとのことでした。

主治医からは画像診断において異常が認められない現状では、手術のしようがなく、画像診断をこれまで通り継続するしかないと説明されています。

手術後にネットで色々調べたところ、顎骨保存療法でも摘出するだけではなく、反復処置法や骨の一層切除といった方法があり、再発率を下げる為に初期治療の大切さを痛感しており、せめて6番の抜歯及び開放創で患部を目視出来る状況をつくっておれば、最低でも神経痛の原因の切り分けくらい出来たのではと悔やまれてなりません。


長々と取り留めの無い内容からご回答頂くのは難しいでしょうが、今後の治療として、主治医の方針通り定期的な画像診断を継続するしか無いのでしょうか。

痛みがどんどん強くなってきているので、いずれ日常生活に支障をきたすのではと不安です。
現在においても痛みがあるので、常に病気のことを考えてしまい精神的に疲れます。

又、神経周辺に骨が出来ている=腫瘍が無いということになるのでしょうか。
それとも反復処置法において再生した骨を除去し、その中に取りこぼしが無いか病理検査にかけて確認するというの見かけましたので、腫瘍があっても骨が再生されるといったこともあるのでしょうか。

又、セカンドオピニオンについて主治医に相談したところ、して頂いて問題ないですとのことでしたので、行ける範囲では大阪京都辺りになるのですが、どこかオススメの病院はありますか。
候補としては京大、阪大、大阪医科歯科大学を考えております。

長々と申し訳ないのですが、ご回答よろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2018-05-31 00:19:47
ナオ403さん、こんにちは。

術後の症状でお悩みのことと思います。
ご心中お察しします。

ご質問の内容を拝見する限りの、個人的感想としてコメントします。
以下のコメントは、診断に類するものではない点をご了承頂ければと思います。

まず、

>手術から2周間後、左下唇にピリッとした痛みが複数回あり、医師に相談しましたが、神経に傷があったのか、治る過程においてそのような痛みがあることもあるとのことで様子見となりました。

>その後も痛みは断続的に発生、痛みの頻度、範囲は大きくなり増大傾向です。

>左下唇、顎、頬、顎関節あたりまでピリッとしたり、ぼや〜した感じだったり、ズキッとした痛みだったりします。

>その痛みに伴い、首肩がすごく痛みます。

上記の内容を拝見する限り、タイトルに書かれている「三叉神経痛」とは異なるように思います。

また、腫瘍の再発、取り残しに伴う症状とも異なるのではないか、との個人的感想を抱きます。

ご質問の内容を拝見する限りの個人的感想の域を出ませんが、神経障害性疼痛などが考えられるのではないかと思います。

>手術後にネットで色々調べたところ、顎骨保存療法でも摘出するだけではなく、反復処置法や骨の一層切除といった方法があり、再発率を下げる為に初期治療の大切さを痛感しており、せめて6番の抜歯及び開放創で患部を目視出来る状況をつくっておれば、最低でも神経痛の原因の切り分けくらい出来たのではと悔やまれてなりません。

インターネットなどで色々と調べると、様々な治療法が出てきて、果たして自分が受けた治療は適切だったのかと、ご不安にもなると思います。

しかし、ナオ403さんが書かれている経緯を拝見する限り、適切な手術方針であったのではないかと思います。

少なくとも、反復処置法などは、ナオ403さんのような経緯で適応となることは、まずないと思います(そもそも反復処置法を行う医療機関も限定されます)。

加えて、冒頭記したように、私自身の個人的感想としては、今回のナオ403さんの症状は、腫瘍(病変)の残存ないし再発に起因するものではないと考えます。

前提として、エナメル上皮腫にしても、歯原性角化嚢胞(旧:角化嚢胞性歯原性腫瘍)にしても、これら良性病変がナオ403さんのような神経症状を起こすことは一般的ではありません。

レントゲン、CT撮影の結果などからも、病変は完全に取り除かれているのではないでしょうか。

>又、セカンドオピニオンについて主治医に相談したところ、して頂いて問題ないですとのことでしたので、行ける範囲では大阪京都辺りになるのですが、どこかオススメの病院はありますか。
>候補としては京大、阪大、大阪医科歯科大学を考えております。

関西圏の歯科大学医療機関(大学病院)という見地からは、
大阪大学歯学部
大阪歯科大学
といったあたりが候補になると思います。

ご参考になれば幸いです。
お大事にどうぞ。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ナオ403さん
返信日時:2018-06-04 18:48:21
中本先生
ご返信ありがとうございます。

質問数が多くて申し訳ないのですが、いくつか質問させて下さい。

三叉神経痛と神経障害性疼痛の違いは何なのでしょうか。
神経障害性疼痛という大枠の中の一部として、三叉神経痛が含まれていると認識していたのですが違うのでしょうか。

・腫瘍の再発、取り残しの症状とは異なるとのことですが、どのように違うのでしょうか。

・ペインクリニック科の医師曰く、傷であれば痛みが2年以内に軽減、安定との回答、痛みの増大は再発の可能性有りとのことでした。

中本先生は腫瘍の可能性は低く、神経障害性疼痛ではないかとのことで、ペインクリニック科医師の回答と相反するものとなります。
神経傷害性疼痛というのは、腫瘍が取り付いているわけでもないのに増大していくものなのでしょうか。

・【エナメル上皮腫の診断。再発リスクを抱えても知覚麻痺は避けたい
にて、湯浅先生がエナメル上皮腫の場合、開放創にして骨の一層削除が望ましいと書かれていますが、私の場合は、今回の摘出のみの閉創でも適切とのことですが、その判断はどのような基準なのでしょうか。

・調べたところ、慢性的な神経痛は早期治療が望ましいとありましたが、ペインクリニック科は再発の可能性があるので、ブロック注射等の神経治療は効果があるか疑問なので、画像診断を継続して下さいとのことでした。

しかしながら、もし中本先生の個人的感想の通りであれば、出来るだけ早くに神経治療を開始した方が成果もでやすいということになります。
患者が希望すれば治療は行ってくれるものなのでしょうか。

又、神経治療で大学病院等においても鍼治療があるとのことですが、鍼治療は効果を望めるものなのでしょうか。

よろしくお願いします。
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2018-06-09 09:38:00
ナオ403さんこんにちは。

神経障害性疼痛は、簡単に述べると神経を損傷を与えて(障害を負わせ)その後痛みがでる。

神経痛は、簡単に言うと何となくその神経支配の部分に違和感や痛みがある。

神経を手術で触った結果(直接的ではなくても圧迫したなど)痛みが出てしまったことが今回は考えられるので、神経障害性疼痛と考えられます。

感覚はあるので、内服薬以外に星状神経節ブロックが1番されることが多く、回復も見込まれています。
今担当のペインクリニックでは否定的ですが、一般的に治療法だと私は思います。

その他レーザーやハリ治療といった治療法も施行されることが多いです。
歯科大学では麻酔科などが担当することが多いと思います。

今のペインクリニックでは困難であれば、セカンドオピニオンをされてはどうでしょうか?

または別物で違う病気が何かあるのかもしれないですので、経過をしっかり見て判断してもらう必要があると思います。

お大事に。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
回答 回答3
  • 回答者
長崎大学大学院包括的腫瘍学講座の中本です。
回答日時:2018-06-09 17:19:56
ナオ403さん、あらためまして。

------------------------------------------------

おそらく、ナオ403さんは、ご自身の体に現在出現している症状が、腫瘍の再発ではないのか、そして、自分の腫瘍の治療は本当に適切だったのか、もっと別の治療法があったのではないか、というお気持ちが強いのではないかと思います。

しかし、回答1でも記したように、そもそもエナメル上皮腫や歯原性角化嚢胞(旧病名:角化嚢胞性歯原性腫瘍)では、

>痛みは断続的に発生、痛みの頻度、範囲は大きくなり増大傾向です。

>左下唇、顎、頬、顎関節あたりまでピリッとしたり、ぼや〜した感じだったり、ズキッとした痛みだったりします。

>その痛みに伴い、首肩がすごく痛みます。

といった症状は一般的ではありません。
これは、仮に再発であったとしても同様です。

------------------------------------------------

加えて、

>手術結果は、目に見える腫瘍は除去でき、神経にも癒着しておらず、きれいに取れたとのこと

>半年に一度のレントゲン撮影、その半年後はCT撮影を繰り返していますが、画像診断上では異常は無く、この5月のCTにおいても露出していた神経周辺にも骨が再生されて順調とのことでした。

という状況であれば、口腔外科を専門とする歯科医師の多くは、主治医の先生の、

>主治医からは画像診断において異常が認められない現状では、手術のしようがなく画像診断をこれまで通り継続するしかないと説明されています。

と同様の見解を持ち、ナオ403さんの症状は、腫瘍の再発とは異なる他の要因を考えるのではないかと、個人的には思います。

------------------------------------------------

なお、

>中本先生は腫瘍の可能性は低く、神経障害性疼痛ではないかとのことで、ペインクリニック科医師の回答と相反するものとなります。

とありますが、回答1冒頭に記しているように、私のコメントは診断に類するものではありません。

これに対して、ペインクリック科の先生のご意見は、診断に基づくものです。

したがって、両者はそもそも比較の対象とはなりません。

だからこそ、実際の受診によるセカンドオピニオンを検討される必要があると考えます。

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また、

>私の場合は、今回の摘出のみの閉創でも適切とのことですが、その判断はどのような基準なのでしょうか。

とのご質問について、確かにエナメル上皮腫をはじめとする顎骨内病変の治療方針は複数存在することは事実です。

ですが、その基準や適応をこの場で述べるのは、あまりにも専門的かつ広範な内容となり、更には、インターネット医療相談の文面のみによるナオ403さんの状況からは限られた情報しか分からないため、不可能です。

ただ、これも回答1に記しているように、

>摘出手術を行い、傷口は開放創ではなく、閉創されました。

というのは、ご質問の文面を拝見する限りの状況から考えると、妥当なものではないかと、個人的には考えます。

もう少し、率直な個人的感想として加えると、前述の通り、私自身はナオ403さんの「下唇、顎、頬、顎関節、首肩に現在出現している症状」は腫瘍の再発とは異なるのでは、という感想を持ちますので、そもそも2年前の手術方針を論じることは、現在の問題解決には直結しないのではないか、とも考えます。

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最後に、神経障害性疼痛について。

>三叉神経痛と神経障害性疼痛の違いは何なのでしょうか。

>神経障害性疼痛という大枠の中の一部として、三叉神経痛が含まれていると認識していたのですが違うのでしょうか。

私の説明不足でした。

確かに、より広義には神経障害性疼痛というグループの中に三叉神経痛も含まれます。

しかし、私が回答1で記した神経障害性疼痛は、三叉神経痛とは異なるタイプのものを想定しています。

回答2で加藤先生がご回答されておられる、

>神経障害性疼痛は簡単に述べると神経を損傷を与えて(障害を負わせ)その後痛みがでる。

>神経を手術で触った結果(直接的ではなくても圧迫したなど)痛みが出てしまったことが今回は考えられるので神経障害性疼痛と考えられます。

といったものになります。

手術等で障害された神経組織の影響で生じるもので、これを「外傷性神経障害」「複合性局所疼痛症候群」「カウザルギー」など複数の表現がなされるのですが、このあたりは専門家の間でも用語の使用に統一がみられないため、神経障害性疼痛と一括して表現しております。

回答1にも記したように、ご質問の内容に書かれている症状からは、三叉神経痛とは異なるのではないかと思います。

以上、ご参考になれば幸いです。

ナオ403さんの症状が改善され、解決の方向に進むことを願っております。
お大事になされてください。

1人の専門家がこの回答を支持しています  
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ナオ403さん
返信日時:2018-06-11 20:44:30
加藤先生
中本先生

両先生の仰られるとおり、セカンドオピニオンを受けてみようと思います。

再発の可能性が高く、いずれ神経を切除しなければならないのかもしれないと最悪の可能性ばかり考えていましたので、幾分気持ちが楽になりました。

お二人ともご丁寧な返信をありがとうございました。



タイトル エナメル上皮腫摘出手術後の三叉神経痛のような症状について
質問者 ナオ403さん
地域 非公開
年齢 37歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 口腔外科関連
回答者




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