口が閉じにくいため歯列矯正予定、非抜歯で対応できますか?

相談者: 人中長子さん (35歳:女性)
投稿日時:2018-06-13 16:45:13
歯列矯正を検討中ですが、治療方法について悩んでいます。

出っ歯ではありませんがなんとなく口が閉じにくく、一般歯科上顎前突気味だと言われたこともあり、以前より矯正を検討していました。
このたび数件の矯正歯科を受診したところ下記のように診断されました。

・上顎に比べて下顎の歯列(1番〜3番)が乱れている
・全体的に歯が内側に倒れている
・上の前歯がやや下方向に出て伸びておりガミースマイル気味
・5番〜7番のかみ合わせは正常、正中も合っているが、3番がかみ合っていない
・上の歯の角度自体はほぼ垂直で正常であり、抜歯と非抜歯の間くらいの症状
過蓋咬合ではないが噛む力は強い
・抜歯をすると歯が上顎が下がりすぎになる可能性がある
・顎の関節が後方に回転?している可能性がある


上記をふまえて治療方法の提案をいただき、非抜歯でアンカースクリューを用いて全ての歯を奥へ歯体移動させ、上の歯を圧下させてガミースマイルの改善を図るという治療を検討中です。


@この治療方法は適切でしょうか。

A全ての歯を移動させるということで、現在問題のない奥歯のかみ合わせについても矯正治療後は変わってしまうと思います。
現時点よりも悪くなってしまう可能性はあるでしょうか。

B以前より食いしばりがひどく歯ぐき全体に骨隆起が出来ています。
年齢的な問題に加え、骨隆起ができるくらい食いしばりのひどい人は歯が動きにくいと聞きました。
全ての歯を歯体移動させ、圧下も行うという治療はかなり厳しい治療になりますでしょうか。

C歯根吸収リスクはやむを得ないとの説明がありましたが、今回のケースではよりリスクが高いでしょうか。


周囲にあまり同じ治療方法で矯正を行った方がおられず、同様の治療についてあまり資料がないため悩んでいます。
どうぞ宜しくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2018-06-13 17:42:19
こんにちは。

矯正治療で何を改善させたいのでしょうか?
お書きになられている内容から出っ歯を改善させたいのか?
なんとなく口が閉じにくいのを改善させたいのか?
いずれかあるいは両方だと思いますが、専門医で診断を受けたところ様々な要因があったことが判明したようですね。


まず、スマイルラインから考える方法というのが審美的には望ましいと考えられますが、リップラインと歯の位置の関係はどうでしょう?
またセファロでの正常値との比較はどうだったでしょう?

大臼歯の関係は完全なT級関係なのでしょうか?


@
治療計画を立てる場合は様々な診断から検討すると思いますので、治療計画を立てた歯科医の治療法については診断した歯科医でなければ何も言えません。


A
現時点より何が悪くなるとお考えでしょうか?

出っ歯で口が閉じにくいのを非抜歯で改善するためには臼歯の後方移動かまたは拡大ということになるでしょうが、拡大しようにも骨がないところに向けて拡大は出来ませんから、35歳女性であれば臼歯の後方移動を行っていくことになると思います。
その場合一旦はかみ合わせが悪くなりますが、最終的に再度咬むませるということが行われるでしょう。
治療期間は長く1年以上かかると思います。


B
骨隆起が出来るくらい咬む力が強いのか?咬合のバランスが悪いために骨隆起が出来たのか?見極める必要があるでしょう。
食いしばりが強くて歯が動きにくい場合は一時的に咬めなくする方法もあります。
アンカースクリューを併用すればブラケット矯正でも圧下は可能だと思います。


C
圧下をすると歯根は吸収すると思いますし、矯正治療に歯根吸収はつき物です。
歯の根の形態は動きやすい形態になっているわけではないので、動かすためにはどこかが吸収されて丸くなる必要があることが多いでしょう。

病的な吸収が起こるかどうかとはまた別の次元ですが、歯根吸収は必ず起こると思いますが、問題ない範囲で行ってもらうとよいと思います。


結局、矯正治療を行いたいと考える多くの人の目的は見た目の改善だろうと思います。
歯を大きく傷めることなくよい見た目になるためには矯正治療は有効な治療法だと思います。

セラミック矯正のように歯をガンガン削られる治療を選択されないで、きちんと矯正治療を頑張ろうと思われたことはよかったと思います。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2018-06-13 17:50:18
抜歯非抜歯の選択ですね。

>@この治療方法は適切でしょうか。

あまり現実的ではないと思います。

>A全ての歯を移動させるということで、現在問題のない奥歯かみ合わせについても矯正治療後は変わってしまうと思います。
>現時点よりも悪くなってしまう可能性はあるでしょうか。

遠心移動ができたら咬合は上がると思いますが、悪くなりそうに思います。

>B以前より食いしばりがひどく歯ぐき全体に骨隆起が出来ています。
>年齢的な問題に加え、骨隆起ができるくらい食いしばりのひどい人は歯が動きにくいと聞きました。

食いしばりで骨隆起がおきるのでしょうか。

>全ての歯を歯体移動させ、圧下も行うという治療はかなり厳しい治療になりますでしょうか。

私なら抜歯を選ぶと思います。

>C歯根吸収リスクはやむを得ないとの説明がありましたが、今回のケースではよりリスクが高いでしょうか。

無理やり動かせば歯根吸収はかなり起きると思います。

下顎切歯叢生があるようなので非抜歯では無理かと。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 人中長子さん
返信日時:2018-06-14 14:42:30
船橋先生
ご回答ありがとうございます。


矯正の目的は仰る通り見た目の改善です。
具体的には前歯が出ているというより下方向に長くなっていること、下前歯の歯列がガタガタであることをなんとかしたいと思いました。

大臼歯は1級関係と聞いております。
スマイルラインについては受診した医院では特にお話がなかったのですが、口を閉じた状態で口角を上げてほほ笑むと唇が閉じきらず口角に隙間ができ、上の2番と3番が少し唇の隙間からのぞくような状態になります。


また、自分で気になっているのは、普通にほほ笑もうとすると上の前歯の先端のラインが5mmほど下唇に隠れてしまい、下唇が出てしまうことです。

そのため、無意識に上の前歯の先端ラインまで下唇を下げて笑う癖がついてしまっており、笑顔になるとより顔の間延び感が強調されてしまいます。
通常頬の上側に力を入れて口元を引き上げるように笑顔を作るべきところ、同時に少し下側にも力を入れて引き下げるような動きを作らなければいけない状態です。


通常のブラケット矯正で口元を下げる動きをさせた場合、上前歯に関してはより下方向に伸びやすくなる力がかかるということで、圧下が必要になるとのことでした。

また、上臼歯を圧下させることで下顎を反時計まわりに回転させる効果が見込めるため、中顔面の間延び感についても改善できるとのことでした。

理論的には納得のいく説明なのですが、なにぶん非抜歯で歯体移動+圧下を行うという治療自体が最近のもののようで、同様の治療について資料がなく困っています。



治療期間中のQOLがあまりに低下するような過酷な治療なのか、その割に効果が見込めない可能性があるかどうかについて、同様の治療を推奨されていない先生方のご意見を聞きたいと思い @の質問をさせていただきました。


Aについては、審美目的で行った治療により現在問題のない奥歯噛み合わせが悪化したり、健康上問題になることが起こる可能性についてお伺いしたいと思いました。


以上を踏まえて何かご意見がいただけるようであればどうぞ宜しくお願い致します。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 人中長子さん
返信日時:2018-06-14 14:49:33
山田先生
ご回答ありがとうございます。

インプラントアンカーでの治療については、従来の方法と比べると現実的でないというご意見のお医者様もいらっしゃるようで私も若干不安に思っているところがあります。

全ての歯を遠心移動させ、なおかつ圧下させることで非抜歯での歯の整列と顎関節の反時計まわりの回転を同時に見込めるとのお話でしたが、やはり過酷な治療になりますでしょうか。


現在全ての歯の神経が残っており、親知らずはもともと生えないためあえて健康な歯を抜いてしまうことに抵抗があり非抜歯の治療を選択したいと思いました。

抜歯を選択されるメリットとしてはどのようなものがありますでしょうか。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2018-06-14 17:34:57
人中長子さん、こんにちは

治療方法や使用機材の問題ではなく、診断の問題の様に思います。
遠心に移動するだけの骨の量があるかどうかです。

セファロ分析でわかると思いますので、担当の先生が遠心への移動が可能と判断されたのならば、恐らく大丈夫ではないでしょうか。


ただ心配なのは、親不知も生えないくらいアゴが小さいのに、動かす余裕が本当にあるのかと言うことです。
親知らずを抜いたということなら、抜いた余裕が少しは残りますのでよいのですが。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2018-06-15 00:04:35
骨隆起があるなどのことを考慮すれば、咬合力の強いいわゆるローアングル系ということなのだろうと思います。
また、口が閉じにくいということと抜歯を勧められなかったということから考えれば、上下顎前突ということになるのだろうと思います。


上下顎前突であるということから、本来は上下の抜歯をして口元を下げるという方針が選択されそうですが、ローアングルで咬合力が強いということから、抜歯を極力避けるという考え方になっているように思えます。

ただ、それでは口が閉じにくいということの改善にならないということから、アンカースクリューを用いて歯列全体を遠心移動するという方針が立てられているのだろうと思います。


アンカースクリューを用いる治療で今より悪くなるかどうかについては分かりません。

ただ、何人かの先生がご覧になって抜歯治療という話にならなかったところから考えても、抜歯治療をした時の治療時間の長さと治療後の安定性に対して、これを忌避する気持ちがあったということは確かなのでしょう。


歯が動きにくいということは、インプラントアンカーを用いたとしても、動きにくいことに変わりはありません。

どの程度の治療期間が見込まれていて、結果がどの程度であるのかという予想をお聞きになったうえで、よく考えていただく必要があるということになるものと思われます。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2018-06-15 13:59:10
>全ての歯を遠心移動させ、なおかつ圧下させることで

不可能だと思います、少なくとも私ならそういう治療計画は立てません。

>健康な歯を抜いてしまうことに抵抗があり非抜歯の治療を選択したいと思いました。

お気持ちはよくわかります。

>抜歯を選択されるメリットとしてはどのようなものがありますでしょうか。

スペースの確保が容易だという事と臼歯の近心移動をするということでしょうか。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 人中長子さん
返信日時:2018-06-21 00:10:54
小牧先生
ご返信ありがとうございます。

顎の大きさはそれほど小さくなく、倒れている歯を起こすことでスペースを作れるとのお話でした。



今村先生
ご返信ありがとうございます。

私も治療期間については心配していました。
結果の説明がいまいちよくわからなかったので、再度相談してみようと考えております。



山田先生
再びのご返信ありがとうございます。

不可能だというご意見もある治療計画なのですね。
抜歯のメリットに惑わされがちで心が揺れますが、昔から実績のある抜歯治療も視野に入れつつ検討しようと思います。



タイトル 口が閉じにくいため歯列矯正予定、非抜歯で対応できますか?
質問者 人中長子さん
地域 非公開
年齢 35歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 歯列矯正の治療法
上顎前突(出っ歯)
下顎前突(受け口)
回答者




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