型取りした補綴物はCR充填より噛み合わせはシビアにできますか?

相談者: haPさん (48歳:女性)
投稿日時:2019-02-16 03:13:16
右上4を治療中です。
もうすぐ抜髄しますが、今は大きめに削ってCR充填されています。

2回投稿してきましたが噛み合わせは、全然合っていません。
左4上下が当たって痛んでくるし、左上2の裏に左下2がぶつかっています。

3回やり直してもらいましたが、全然ダメ。
辛いので、うちで綿を小さく丸めて噛んでみたのですが、右上4の内側前方に適度な高さをもたせると、これらの不良が一挙に解決しました。
どれだけ高さが合っていないのか(>_<)と思いました。
咬合紙レベルじゃない高さの話です。


抜髄して、根幹治療が済んだ後は型取りをした補綴物になると思います。
型取りした補綴物だと今回のCRほどひどい噛み合わせにならずに済むものでしょうか。

CR充填は初めてですが、こんなに高さが合っていないのに、わからないものなのかと怖くなりました。


ちなみに抜髄や根幹治療をやってもらって、補綴は補綴専門科で担当してくれるそうです・・。

よろしくお願いします。



追伸:
自分にはtchの癖があることも指摘されました。
根幹治療中は一時的に今よりもっと高さがなくなると思いますが、上下歯をぶつけないようにして対応するように言われています。

確かにそうすると、恐らく今の噛み合わせ不良の辛さはそれで軽減するとは思いますが・・。
[過去のご相談]


回答 回答1
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2019-02-16 07:29:29
奥歯に欠損があったり、低い冠を装着されていたりすると、下顎は偏位してしまいます。
大きな偏位は奥歯の方で、下顎が上方に持ち上がってしまうということです。

咬みあわせが大元で狂ってしまっているということです。
そのつもりで、前回コメントしたつもりです。


歯がない部分に義歯を常時、装着していたとしても、偏位は戻らないというよりは、戻すつもりで、咬合挙上をしなければならないのですが、いろいろの意味で難しいです。
現在すでに偏位しているはずです。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2019-02-16 08:19:37
ご相談ありがとうございます。
一般的に説明します。


型取りした補綴物だと今回のCRほどひどい噛み合わせにならずに済むものでしょうか


ふつうはその通りです。



咬合紙レベルじゃない高さの話です。


適切な検査方法が他にもたくさんあり、あきらかに咬合紙では検査できないということです。




>右上4の内側前方に適度な高さをもたせると、これらの不良が一挙に解決しました。


そういう感想はお話になるべきです。
実際は検査で確認できるからです。




>どれだけ高さが合っていないのか(>_<)と思いました。
>3回やり直してもらいましたが、全然ダメ


咬合紙の検査で調整は不適切と日本補綴歯科学会の判断は出ているからです。




>左4上下が当たって痛んでくるし、左上2の裏に左下2がぶつかっています。


危険ですからそれらの歯を失わない予防治療として、補綴治療が必要です。




CR充填は初めてですが、こんなに高さが合っていないのに、わからないものなのかと怖くなりました


検査しないと 「高さが合っていない」 ことは見た目や咬合紙ではわからないからです。
その解決のために、日本補綴歯科学会ではたくさんの検査を説明しています。




根幹治療中は一時的に今よりもっと高さがなくなると思いますが、


それはさらに問題です。
したがって、根管治療中は高さを維持できる方法が補綴治療では行われます。




>上下歯をぶつけないようにして対応するように言われています。


それでは食事の時に困るのではないでしょうか。




>CR充填は・・・、こんなに高さが合っていないのに、わからないものなのか


基本的なことですが、充填とは虫歯の穴を埋めるだけの保存という治療方法です。

「高さ」を合わせることは、噛み合わせ(咬合)を治療する補綴という治療方法であり、この二つは全く違う治療です。

保存治療では咬合の治療はできませんから、そのような結果になることは当然のことです。



>今は大きめに削ってCR充填されています。


いずれ本格的な治療をする前の応急処置なのでしょうか。
それならばとうぜん、まだ咬合は考えられていない段階の治療です。



>噛み合わせは、全然合っていません。


咬合の治療を受けるまでは別だから、それは当然です。
咬合は1本の歯を見るだけでは、けっして解決しません。
とても大変ですが、見落としのないように全体の総合的な検査を受けましょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: haPさん
返信日時:2019-02-16 11:30:31
松山 哲朗先生

引き続きご回答ありがとうございます。


下顎の偏位の話は、前回もうかがっていたので、そういう話も担当医にも話してみました。
また、オーバー根の右上6を仮歯でもいいから被せたほうがいいのではないかという話もしてみました。

しかし、実際は反応は薄かったです・・。


ただ、私は先生のお話を伺って、自分の場合臥位での咬合調整はダメだと思いました。
左に2本歯の欠損があったり、右上6が冠がないせいか、臥位では下顎が後方にものすごく下がり、座位(咀嚼の姿勢)のときとは大きくずれが生じていると実感するからです。

臥位では左4上下はカチカチ噛んでも高すぎて感じないし、左2上下は左右スリ合わせ運動でもぶつからないです。


この話も担当医にしましたが、全盛りしてCR充填のやり直しをすることなく、前方だけ調整しました。
でも、盛った位置は、私が綿で調整できたところから完全に外れていたのだろうと予測します。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: haPさん
返信日時:2019-02-16 11:42:53
さがら 先生

回答を頂き有難うございます。


なんというか、ホッとしました。
保存と補綴の考え方の違いを明確に説明して頂いて、この状況がすっきり理解出来た感じがあります。
有難うございます。


>いずれ本格的な治療をする前の応急処置なのでしょうか。

→右上4の知覚過敏がひどいことから、抜髄に進むことは決定しましたが、もし、落ち着いていく方向であれば、恐らくいったん様子見で今のまま治療終了だったと思います。
怖いです。


>とても大変ですが、見落としのないように全体の総合的な検査を受けましょう。

→補綴専門科の担当医にも相談しようと思います。



有難うございました。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: haPさん
返信日時:2019-02-16 11:49:22
松山 哲朗先生

補足します。
肝心なところがぬけてしまったので・・。


最後にCR調整するときには「座位」でお願いしたのです。
ただ、そのときに全盛り調整はせず、前方だけの部分調整でした。
しかも、私が盛ってほしい部分には盛られていなかったのではないかと予測します。
回答 回答3
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2019-02-16 12:32:23
「大元で狂ってしまっているということです」

としましたが、そのようなことであると仮定すると、例えば木造の家が
土台から問題があって傾いているとしましょう。
柱も傾いているとしたらドアー、とか障子を調整しようとしても、うまくいかないということです。
ごまかしならできるかもしれません。


私のコメント「いろいろの意味で難しいです。」についてですが。

担当医のことで、(しかし、実際は反応は薄かったです・・。)というような事が含まれています。

かみしめる癖がある人は、咬みあわせを確かめたり探ったりする傾向が強く、それ自体が症状を悪化させることがありますので、気を付けてください。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2019-02-16 13:54:38
追加の説明です。


>→右上4の知覚過敏がひどいことから、抜髄に進むことは決定しました


抜髄は歯の役割や寿命を大きく失います。

痛みの原因について、咬合もふくむ総合的な検査をして、できれば歯髄の保存を目指したいところです。

特に虫歯などがなくても痛い場合は、咬合が原因のことも少なくないと、1987年の論文で証明されているからです。

原因が違えば治療も全く変わります。


なお歯髄の「髄」という言葉は、脊髄・骨髄・延髄などとても重要な臓器にだけ使われます。
歯髄はとても大事で、命にも関わると1923年に書かれています。



>もし、落ち着いていく方向であれば、


原因と対策と、検査結果の術前・術後の比較がよければ、それは良い兆しと安心でき、継続的に検査だけですむかもしれません。



>怖いです。


正体や先の見えないことが怖い一番の原因です。

歯の病気はとても限られていて、治しかたもほぼ確立されています。
身体の病気のように超複雑だったり、超難解だったり、でもありません。

ですから正体を突き止めればなんにも怖くありません。
闇夜におびえていたカラカサのお化けも、光をあてて見えてしまえばなんてことはないように。

原因を検査で見えるようにすることで安心感が生まれます。
これを、見える化、とか、可視化、といいます。
光を当てるように、効果的でだれでも同じ方向になるはずの科学的な方法です。


また不安を取り、安心を手に入れるお手伝いを、メディカル・コンフォートといい、歯科医院の大事な仕事です。



ちなみに、なぜ咬合が大事かといえば、これはゴールではありません。
痛みを止めるとか、歯を作って入れるとか、と一緒でたんなる通過点です。

ほんとうのゴールは、なんでもちゃんと咀嚼して、健康を取り戻すことだからです。

咀嚼により、認知症・がん・骨粗鬆症・誤嚥性肺炎による介護を予防して、人生百年時代に健康長寿を手に入れ、家族そろって楽しく暮らすためと、日本補綴歯科学会では言っています。


よく相談しましょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: haPさん
返信日時:2019-02-16 14:13:40
松山 哲朗先生

下顎偏位や咬合挙上については自分なりにも色々調べました。
その問題は私も抱えているに違いないと思います。

ただ、順番としてはとりあえず、抜髄根幹治療をしてもらい、補綴科で「型取りされた補綴物」を装着し、座位で咬合調整してもらおうと思います。

そして、右上6を仮歯でもいいので、とりあえずつけてもらうと思います。


そうやっても尚更、咀嚼の時に咬合違和感や痛みを感じたり、顎に痛くなりはじめたり、口も開けられず、咀嚼もままならなく、肩首コリも異常に強くなったりするなら、咬合挙上も視野に入れた噛み合わせ治療へと移行すると思います。

近所で咬合挙上を提唱している、歯科クリニックも見つけています。


ただ咬合挙上も大きく噛み合わせを変更する治療だと思いますので、慎重には考えます。
万一不適切な下顎の位置に設定されてしまったら、なにがなんだかわからなくなる危険性も含んでいると思います。
なかにはそういう人もいらっしゃるようですので。


かみしめ癖は、真剣に治そうと思っています。
舌の筋肉が弱って、低位になっているのを感じます。


有難うございました。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: haPさん
返信日時:2019-02-16 15:31:06
さがら 先生

ご心配を頂き有難うございます。


おそらく、右上4は抜髄しかないと思います。
抜髄を避けたくて、粘った経緯が既にあるからです。
3年ほど前に、虫歯の進行を抑える?再生する?ような薬を入れてもらって、最近でもその治療をしました。

そして金属詰めで終了の予定でした。
しかし、仮詰めの段階でひどい知覚過敏咬合痛も出たのです。


それで金属詰めをやめてCRで様子見となったのです。

今でも、熱いものはじわ〜と痛みますし、冷たいものは飛び上がります。
充填当初よりはマシですが、状況はよいとは言えません。



>原因を検査で見えるようにすることで安心感が生まれます。
>これを、見える化、とか、可視化、といいます。
>光を当てるように、効果的でだれでも同じ方向になるはずの科学的
>な方法です。

→その通りだと思います。


>歯の病気はとても限られていて、治しかたもほぼ確立されています。

→そうなんですね。
とても安心します。
原因を見つけやすいとも言えるのですね。

抜髄はしたくなかったのですが、多分厳しそうです。
何度も回答を下さって、知らないがために陥っていた不安を取り去って頂き、本当にありがとうございました。
相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: haPさん
返信日時:2019-02-16 18:16:47
さがら先生へ


全体の総合的な検査 を受けましょう、とのことですが具体的にどういった検査のことを指しておられるのか、気になりました。

よろしければ教えて頂けませんでしょうかm(__)m。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2019-02-18 08:34:39
ご返信ありがとうございます。


>具体的にどういった検査

身体でも心配な病気の場合は必ず検査をしますよね。
いつも同じ、血圧、血液、尿、糖尿など。

いきなり、とりあえずお腹を切ってみましょうか〜?! なんてしてもらいたくありませんよね。


歯科でも同じで、理論があります。

とりあえず〜、とか、いきなり削って、ダメだから、神経を取り、それでもダメだから抜歯して、じゃ〜今度は別の歯をまた削って、抜髄して、抜歯して、とどんどん悪化拡大する治療のくりかえしって乱暴ではないでしょうか。

お腹を切るにしろ、歯を削るにしろ、検査で治療の科学的な「根拠」を説明してもらえると安心できますね。

それでは基本的なことを説明しましょう。



まず第一の検査の目的が、なぜこうなったのか? という現状を視覚化して疑問を晴らすための病態診断です。

初めから思いつきで一つに決めてかかる、あたかも当たって砕けろ、方式のヤマ勘ではなく、白紙の状態で全体を見落としのないように、総合的な検査をします。

これには医学的な診断プロセスが既にあり、体系的な流れに沿って順々に進めればいいだけで簡単です。
原因が特定できれば、正確な診断ができ、それに従えば治療計画は自ずと明らかになり、順を踏めば治療開始前に治りそうだな?! という予測が立てられるからです。




段取りとしては、ごく簡単な4つの基礎・基本的検査をします。

それにより問題と思われる全てを、患者さんと一緒に見落としのないようにリストアップすることが目的です。

これにより原因の仮説が立てられます。
これを医学部ではサットンの法則を使うように教わります。



そして次に、追加の精密検査をします。

その目的は、仮説だけで治療を始めるのはまだ危険ですから、仮説から真の原因を一つに絞り込みます。
これをオッカムの剃刀の法則と言います。
それでダメな場合は、ヒッカムの格言の法則を使います。


第二には、どうせ治療するなら成功させたいために、具体的なデータを集めます。


さらに第三の目的として、治療後の評価のために、比較する治療前の基準を作っておく考えです。

これは、治療終了後に術前と同じ検査をくりかえして、終了直後に本当に治ったね! とお互いに確認すること、その後もメインテナンスとして定期的に同じ検査をくりかえして、再発していないことを確認して、大丈夫! と安心するためです。



ちなみにもう一度説明しますが、痛みが出る原因は虫歯以外にもあります。
ご相談のお話からでは、もしかしたら痛みの原因を虫歯だと思い込んでいて、虫歯だけの検査や処置しかしていないようにも読めました。

当然ながら、原因を間違えれば治療方法も結果も見込違いになってしまいます。
虫歯以外であれば、もしかすると抜髄を避けられることありえるからです。
よく相談しましょう。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: haPさん
返信日時:2019-02-18 15:38:52
さがら先生

お返事を頂き有難うございますm(__)m。


実は、患歯の右上4のほかに、右上6(過剰なオーバー根)にて冠無しの土台のままが気になっていました。
自分としては先に右上6に冠かぶせたい気持ちが出てきて、セカンドオピニオンに行ってきました。

そのときに、患歯の右上4の打診痛を確認してくれました。
何度叩かれても全然痛くない。
知覚過敏が酷いことを伝えると、知覚過敏止め薬を5〜6回塗りしてくれました。
それで私の知覚過敏は一時的にですが消えました。

まだ抜髄の必要はないのではないか、と伝えれました。
痛いと言えば、抜髄の話は出るだろうが、今の段階で抜髄はみ合わせてもいいのではないか、という見立てでした。


目からうろこ。
もう、神経はやられているものだと思っていました。
抜髄はやめようと思います。
なんというか、危ないところでした。

とりあえず、今のCRのままだと噛み合わせがひどい状態だから、担当医と相談してきちんと補綴専門科で補綴してもらおうと思います。


ちなみに右上6オーバー根は抜歯に値するほどのものだと言われました。
冠をしたら多分痛みが出るでしょうとのこと。
泣きたいです。
なぜこんな失敗が起きたのかと恨みます。

右上6を使いモノにしたいなら、隣の歯とつないで力を分散させると使えるかもしれないとか。
それは隣の歯がまた悪くなりそうなのでやるつもりは今はないですが・・。これは余談でした。


何度も丁寧なご回答を頂き、有難うございました。



タイトル 型取りした補綴物はCR充填より噛み合わせはシビアにできますか?
質問者 haPさん
地域 非公開
年齢 48歳
性別 女性
職業 非公開
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