幼児(6歳)の歯科治療とシーラント

相談者: 主婦Aさん (36歳: )
投稿日時:2007-03-27 14:05:00
たびたびお世話になっております。今度は、幼児(もうすぐ6才)の虫歯治療についてお尋ねします。

右下6才臼歯へのシーラントと、その手前の乳歯の、溝の着色が気になり、近所の歯科医院へ行きました。

衛生士ディアグノデントですべて検査を行ったのですが、溝の着色は残念なことにう蝕でした。それと噛み合っている上の乳歯も、少しあやしいかも、とのことでした。

医師は横から覗きに来ただけで、とにかく6才臼歯へのシーラントを最優先に、という希望はその時に医師に直接伝えることが出来ましたが、あとはほとんど衛生士による対応で、溝の着色が気になっていた歯は治療を行い、上のあやしいかも?という歯は、本格的な虫歯にならないようにシーラントをしようと言われました。

医師にきちんと診断してもらえないまま、衛生士に治療方針を伝えられて終わってしまい、もやもやした気持ちが残っています。

そもそもこの医院は、知人から「衛生士にレジン充填された」と聞いているため、そこも少し引っかかっているのです。

大人用の診療ユニットで、身体全体を上のほうに移動しているので、お尻が固定されていません。グラグラした状態でしか座れていないので、これで削られたり衛生士がレジン充填?と思うと、不安が募ります。

ちなみにこの医院は、いちおうホームページでは削らない方針、予防中心を謳っています。

医師の専門は不明ですが、親不知を子ども(歯胚?)のうちから、抜歯することを熱心に勧めてきたり、色々ほかに治療箇所のある知人に矯正を勧めてきたりと、矯正好き?という雰囲気を感じています。


で、質問をまとめてみます。

1.虫歯になりそうな歯にシーラント?

衛生士に、ディアグノデントでややあやしかった歯にシーラントを、と勧められましたが、こういう微妙な状態の歯の溝をシーラントで封じてしまっていいものなのですか?

それが予防になるものなのでしょうか?


2.乳歯へのレジン充填

そもそも乳歯は水分も多いと言いますし、幼児なのできちんと口を開けていられるのか?

しかも診療ユニットにしっかり座れない(大人用なので)という不安定な状態で、確実な接着ができるのか、はなはだ疑問なのです。

大人以上に、子どもへのレジン充填は難しいのではないかと想像しますが、実際にはいかがでしょうか。

この歯はまだ脱落まで年数がありそうですし、それまでに接着不良でさらに削って再治療というパターンも避けたいです。


私は大学病院に通っているので、そこの小児歯科に連れて行った方がまだいいのだろうか?と悩んでいます(連れて行くのが大変ですが(;_;)。

研修医が当たる可能性もありますが、ほとんどの工程を衛生士がやるよりは、若く経験が浅くても小児専門の医師にきちんとやってもらえるほうがマシでしょうか…。

大学病院の小児歯科であれば、小児用のユニットなどもあるのでしょうか??

お忙しい先生方に申し訳ありませんが、アドバイスをよろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-03-27 17:47:00
ディアグノデントを使っているということは、少なくとも予防に力を入れている可能性は高そうですね。

ほとんど衛生士さんによる対応だということですが、予防に関しては完全に衛生士に任せているという歯科医院も少なくありません。

これが悪いことなのかどうかというと、衛生士さんがちゃんと勉強をしていれば、全く悪いことではありません。

歯医者さんでも、予防にほとんど興味がないような人もたまにいますし・・・。

ですので、治療の質に関しては歯医者だから、衛生士だからというのではなく、勉強をしているかどうかがポイントになりますので、一概に良いとも悪いとも言えないんですよね・・・。

一応、当サイトの虫歯予防の説明をじっくり読んで頂ければ、全く勉強をしていない歯医者さんや衛生士さんよりは詳しくなると思いますので、一度目を通されてみてください。

基本的なことを簡単にしか書いていませんから、そんなに難しくはないと思います。

⇒参考:虫歯の予防法

これを知った上で衛生士さんと話をすれば、その衛生士さんのレベルもある程度は分かるかと・・・。

「良い歯科治療を受ける」ためには、「患者さん自身も勉強する」ことが必要です!


あと、ご質問にあるシーラントレジン充填についてはケースバイケースですので、実際に拝見しないことには何とも言えないのですが、シーラントはともかく、レジン充填は本当は歯医者さんがやったほうが良いような気はするんですけどね・・・。

その辺については大事なお子さんの歯のことですから、担当の先生や衛生士さんともしっかりと話し合われてみてはいかがでしょうか?

こちらも参考にどうぞ。

⇒参考:衛生士によるレジン充填!?

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2007-03-27 19:25:00
小児用のユニットと言うのは聞いた事がないので、おそらく、無いのではないでしょうか?

小児歯科にある小児用のユニットのようなものと言えば「レストレイナー」でしょうか。

これは暴れる子供を押さえつけるために、患児ごとユニットを包み込んでしまう「網」ですね(通称「おさかなサン」と呼ばれていますが‥)。

しかし、最近はこのような抑制具をつけて治療する事は推奨されていませんから、あまり良くないのでしょう。

僕は小児はどちらかと言うと苦手なので、泣いたらやめちゃうんで‥。

予防に関しては田尾先生のおっしゃられているように、勉強しているかどうかに差があります。

むしろ、今は衛生士さんの方が勉強していますから、一概に「衛生士にやられた!」と思われるのは間違いですね。

むしろ、タービンを使えない衛生士さんの方が「歯を守る」と言う意識は高いですから、「あやしい歯はすぐ削る」と言う歯科医よりも安全な場合もありますよ。

ここからは僕個人の考えですが、果たして小児にシーラントはアリか?と言う事。

シーラントはエッチング(酸処理)をします。

防湿がきちんと出来ていれば問題は無いと思いますが、そうでないとしたらシーラントは簡単に脱離してしまいますよね。

ですから、ウチではいわゆるシーラントは行っていません。

裂溝をハーモソニックなど先の細い超音波器具で洗浄し、酸エッチングを行わず、光重合型のグラスアイオノマーセメントを流し込みます。

グラスアイオノマーセメントの方がシーラント剤に比べ、フッ素徐放性が高い事、リチャージが起こりやすい事、酸処理しないので、歯面を傷めずに接着が可能である事、また、磨耗には弱いので、咬合面にオーバーフィリングしたとしても咬耗で磨り減ってくれるので、咬合に関係無い裂溝にだけ一層残るので、咬合に影響を与えにくい事‥。

いかがでしょうか?
これなら安心して衛生士さんにも任せられると思うのですが。

もちろん、ラバーダムを使える場合(高校生以上)はシーラントでも良いとは思うのですが、小学生では厳しいかなぁ‥と。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2007-03-28 01:15:00
主婦Aさんって、同業の方ではないですよね?
物凄く詳しくてびっくりさせられます。。


1)について

シーラントは賛否両論あります。

私は学生実習の時ぐらいにやったきりで、今も小児はほとんど見ませんから偉そうなことは言えませんが。。。

一応予防で有名な国の先生のお話では、使うとしたら、まだ生えてる途中で、虫歯のない歯に使うのが有効なのだそうです。

生えきって、かみ合わせが出来れば自浄作用といって、勝手に汚れが落ちやすくなるからという事でしょうね。

あと虫歯かどうかあやしい、と言われると迷うところです。
虫歯なら閉じ込めれば当然厄介ですからね・・。

定期的に通ってチェックが出来るのなら、不安な思いまでしてシーラントをするよりも、虫歯になったら早めに少しだけ削って充填した方が、自分としては安心だと思います。


2)について

ご指摘の通り、子供への充填は非常に難しいです。タイヨウ先生の様に命がけで接着操作をする先生にとっては、最強の難敵だと思います。

ただ永久歯と違うのは、なんとか形を保って、数年後に永久歯とバトンタッチ出来ればオッケーという面があるので(ないですか?)、少々接着が悪くても定期的に通って、問題が出始めたら早い段階でリカバーできれば、とりあえず問題ないかと思いますよ。

抑えつけてトラウマ作るぐらいなら、ちょっと甘い接着でも逃げてしまいます。


小児を一生懸命勉強されてる先生は、矯正もやられることは多いですね。
知識や技術的に、かなり共通するものがありますので。

小児用のユニットというのは僕も初耳だったのですが、ネットで調べるとなんだかありそうですね。(画像にまではたどりつけませんでしたが)

ただベビーチェアみたいなものではないはずですから、それを使ったからと言って身体が落ち着くということはないと思います。

今は衛生士さんの社会的認識が凄く低い感じがありますけど、勉強している衛生士さんは本当に素晴らしい仕事をされますよ。

少なくとも、研修医には死んでも自分の歯は触らせられません・・・。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 主婦Aさん
返信日時:2007-03-28 10:16:00
先生方、たびたびの質問にいつもありがとうございます。m(_ _)m

一介の主婦の私ですが、自分の治療で悩み抜いたことがあり、それを機に歯科関係のサイトを読みまくるようになり、ちょっとした歯の治療にも神経質になってしまっています(だからこのサイトも穴が開くほど読ませていただいています)。

こんな些細な質問にも丁寧なお答えをいただき、心からお礼申し上げます。

衛生士さんにはちょっと私も偏見を持ちすぎていたのかもしれません。

過去の私の経験で、根充後のX線を見て「OKです」という"診断"を衛生士にされたことがありました。

衛生士に診断されたことに不安を感じ、直後に大学病院に行って(研修医ではない医師に)診断してもらったら「3本目の根管が…」と言われ、OKじゃなかった!ということがありました。

それで、衛生士さんに対して疑って見てしまうようになったのかもしれません。
あの時は本当にショックで……(涙)。

タイヨウ先生が書いておられるグラスアイオノマーセメント、興味深く読ませて頂きました。

他のサイトで、シーラント咬合に影響するという話を読んでいたため、そのことはどうなんですか?と、子どもを連れて行っている医者でこの前聞きましたが、「別に大丈夫ですよ!」の一言で終わってしまいました。

これから私が保存修復でお世話になる予定の大学病院の医師が、これを研究対象の一つとしているようです(研究者情報で調べたところ)。

シーラントより良さそうなので、ちょっと聞いてみようかと思いました。でも、一般の開業医に行って「グラスアイオノマーセメントで」とお願いしたら、きっと変な顔をされそうですね…。

でももう少し、歯チャンネルの先生方の見解も踏まえて、よく話をしてみようかと思います。

多忙な開業医なので、時間的制約でほんと聞きづらいです…(涙)。
私はいつも、根掘り葉掘り聞く気満点で行くのですが!

子どもへのレジンはやっぱり難しいんですね。こちらのサイトに出会うまで、レジン充填がそんなに技術的に難しいとは知らなかったので心配しています。

接着が不十分になる可能性が高いと覚悟して、やっぱりこまめにチェックを受けるしかないですね。

色々ありがとうございます。しっかり頭で問題点を整理して、納得の治療を受けられるように頑張ります。



タイトル 幼児(6歳)の歯科治療とシーラント
質問者 主婦Aさん
地域  
年齢 36歳
性別  
職業  
カテゴリ 虫歯治療
虫歯予防
シーラント
小児歯科治療
子供(子ども)の虫歯
子供の虫歯予防
回答者




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