質問 |
sr.11 2024/07/10(Wed) 21:11
こんばんは。メタルコアにセラミック、ジルコニアの被せをしたところ透けにより失活歯のような色合いになってしまいました。自分の歯と左右差がかなり目立ちます。
何十年も前のメタルコアですので、太く、取り除くのはリスクがある、出来るとすればブリッジ治療になるかもとのこと。また、もう一つの提案として今あるメタルコアを薄く削り、そちらにレジンを覆うことで金属の透けがマシになるのではとの話もありました。
実際このような治療は行われるのでしょうか?既存のメタルコアを削ることで金属の溶け出し量がひどくなりメタルタトゥーのリスクが上がらないかなども心配です。(保険内治療の前装冠の時はメタルタトゥがかなり目立っており、今回やり直すことにしました。)
またメタルコアにはメタルボンドの方が良いというネット記事も目に入り、何が正解なのだろうかと悩ましくしております。
メタルコアを削りレジンで覆うような処置は審美的、機能的にも有効でしょうか?
もし上記があり得ない治療なら、メタルコアをファイバーコアにするしか方法はありませんか?
教えてください。 |
回答1 |
Dr.ふなちゃん 2024/07/11(Thu) 09:39
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船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
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こんにちは。
メタルは光を透過しない為、光を透過する天然歯とは異なります。
ジルコニアは光の透過率が高いものから低いものまで多種類ありますから、上手く選択して上手く技工してもらい上手くセメントを選んでつけて貰えばメタルコアでもさほど気にならない程度に仕上がる場合もあります。
ただ、その際もメタル部は出来るだけ小さな方が有利ですから、再形成を行ってやり直しが必要という事でしょう。
歯科医院では技工士が在駐していればその技工士の腕に限界が左右されるでしょうし、外注していれば外注先の技工士の腕に限界が左右されます。外注先を複数使い分けしている事が多いのですが、それも非常に限られてしまいます。(上手く作る技工士の外注費は目が飛び出るぐらい高いので、治療費もそれに応じてかなり高くならざるを得ない)
ですから、歯科医と技工士で連携を取り合って形成量や材料の選択、色の選択を行ってもらうのが一般的です。
おかかりの歯科医院でやり直ししてくれるようですから、何が良いのかお任せすることになるのでしょう。
〉実際このような治療は行われるのでしょうか?
金属部が厚く長さが長いとグレー色が透過しやすくなりますから、メタルコア上部を小さく細く削るのでしょう。そこにメタルプライマーを塗ればレジンはくっつきます。削る際のメタルはバキュームで排出しますから治療時に溶け出すご心配は不用ですね。審美的には有利になるでしょうが、機能的には関係ないでしょう。(メタルプライマーだけでは化学的反応でくっつけますから経年劣化して外れやすいのかもしれませんが、即抜歯されるよりずーっと長く持ちますね。
〉メタルコアにはメタルボンドの方が良いというネット記事も目に入り、何が正解なのだろうかと悩ましくしております。
記事ではなく、おかかりの歯科医にお尋ねされた方が良いですね。技工士の腕と歯科医の腕の連携が必要なので、他所の歯科医院の話を持って来てもわからないですよね。
作製依頼した技工士だけではどれくらいの事が出来てくるかわからない為(高額で作製依頼を引き受ける上手い技工士ならば技工だけで上手く色消しと色出しできるケースだとしても)、ある程度歯科医側で色味の条件を工夫して上げておきたいと考えられたのでしょう。メタル色をマスキングするオペーキーな色のレジンで下地にハレーション効果を出しておくというマスキング法などもありますから、おかかりの歯科医がやり直ししてくれると言ってくれているのであればある程度お任せすることになりますよね。
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返信1 |
sr.11 2024/07/11(Thu) 19:42
船橋先生、ご回答ありがとうございます。
メタルコアを削りレジンで成形することが有効だとわかり安心しました。
ブリッジにするしかないと言われ、リスク覚悟でコアを取ってみるか?というところまで行き、最後の最後に提案された方法でしたのであまりメジャーではなく応急処置みたいなもので話されたのかな?だとしたら耐久性や、機能面は大丈夫なのかと疑問だったのですが、やり直しを言うのもすごく申し訳なかったのでそれ以外をあまり質問できずにいました。
長年のコンプレックスだった前歯をやっと自費で綺麗にできると期待感でいっぱいだったのに結局また黒ずんで見える歯に悩むことになりそうで...精神的に参っていますが、やり直しを対応してくれたかかりつけ医にも感謝したいです。
船橋先生、お忙しい中教えていただきありがとうございました。
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回答2 |
井野泰伸 2024/07/12(Fri) 08:20
過去にも同じような質問沢山ありますが、まず自費治療でもいくらの価格だったんでしょうか!?
周りの歯の色調に色を合わせるとなると、写真を撮ったり、技工士が実際見に来たりと結構手間がかかる分、治療費も高価格帯になりやすいです。
ある程度技術料を支払わないと今回の様になります。
私が過去に書いた1つの目安は1本14万以上です。
高ければ高いほど技術料が大きくなるので、患者さんの歯の色・形には合わせてくれると思います。
後、患者さんが勘違いしているのはどこの歯科医院でも自費セラミックにすれば色合わせをしてくれるということです。
いつも色合わせをしていない歯科医院で自費のセラミッククラウンを頼んでも色合わせは出来ません。(たまたま合うことはありますが)
この辺りは術前時にある程度患者さんが下調べをして、他の歯の色にセラミックの色合わせをしてくれる歯科医院で施術を受けないとこういうケースも出てきてしまいます。
(歯科医院選びはホント難しいと思いますよ)
今回のケースも技術力と経験のある技工士であればメタルコアでも下の色を遮蔽してある程度合わせるのは可能です。
個人的にもメタルコアを触ると今後トラブルが出やすいような場合は、メタルコアはそのまま利用しますが、だいたい色合わせは可能です。
http://eedental.jp/ee_diary/2012/10/post-622.html
(ジルコニアフレームの上にセラミックを焼いています)
基本的にメタルコアに接着剤を使ってレジンで処置を行うより、技工士の腕でカバーしてもらった方が、将来的にトラブルは出にくいです。
(メタルコアにレジンをきちんとくっ付けるにはこれまた技術と知識が必要です。)
一度担当の先生に希望(メタルコアの色を出さずに周りの歯の色に合わせたい)を話、似たようなケースを治療したことがあるか?を聞いてみてください。
やり直すにも自分の歯は削りますし、歯茎の下まで入っているセラミックであれば、特にやり直しは慎重に行わないとまた歯が長くなるなどトラブルは出やすくなります。
過去にも同じ質問沢山出てくるので、「セラミッククラウン 色合わせ メタルコア」などで検索してみてください。
おだいじに
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返信2 |
sr.11 2024/07/14(Sun) 15:36
井野先生、コメントありがとうございます。
重複質問になっておるとは気が付かず申し訳ありません。そんな中でもご丁寧に回答いただきありがとうございます。メタルコアをレジンで覆うというようなものが見つけられず、検索ワードもなかなか思いつきませんでした。色合わせと入れれば色々出ることも教えていただきありがとうございます!過去質問、拝見しましたがジルコニアのやり直し自体がリスクもあり、大変そうでますます悩ましく恐れています。
前回は色見本を歯にあてながらA1かB1でしょうとのことで、相談しながらA1でということになりました。ナチュラル仕様に仕上げてもらいますねとも言われました。白い土台の方がいいけれど、太めなのでつつかずいくという方針には納得していましたが、完成したジルコニアの歯全体が灰色のような色をしてしまっており、見本で見せてもらったような仕上がりではありませんでした。
先生のホームページも拝見しました。先生のような敏腕の先生に診て貰えばよかったと後悔してます。
私のようなメタルコアの患者の場合、ジルコニアにセラミックの焼き付けが適切なのでしょうか?噛み合わせが深く上の前歯裏に下前歯が当たりがちで、今回下のエナメルを少し削ったのですが、まだ少し当たるように思います。ジルコニアにセラミックの焼き付けは割れやすいでしょうか?
(かかりつけ医にはこの取り扱いが無さそうです...選択肢がジルコニアかメタルボンドでした。もし最有力ならばこれを行なって欲しいと言ってみようと思っています。)
このままだとかかりつけ医の提案の通り、メタルコアを削りレジンで覆うことを受け入れるしかなさそうなのですが、この方法をやったことがあるのか、かかりつけ医にも聞いてみます。初めてだと言われてしまっても他の方法を提案される訳でもなければ、受け入れるしかないですよね...
また、メタルコアへはオペーク色のセメントを使うというものを見つけたのですが、こちらは妥当でしょうか?メタルコアを覆わずとしても有益なら嬉しい情報です。(もしそうならかかりつけ医に聞いてみたいです。)
次回は外注先の技工士さんに立ち会って欲しい旨、伝えました。
ジルコニアを削り外すところからになるので時間がかかると聞いています。うまくいけばいいなと願うばかりです。
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返信3 |
sr.11 2024/07/14(Sun) 19:47
調べていて気になったことを教えてください。
メタルコアを小さく削る時の振動は、メタルコアを抜く時のものとは全く別物でしょうか?
コアの取り除き方を調べていると振動させて取るか削り取るとあったのですが、削って成形する時に、コアが緩んでしまうようなことはありますか?
むしろ取れるなら取れてしまったほうがいい気がしますが、中途半端に取れやすくなった状態で本歯のセットになったら怖いなと思っています。
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回答3 |
Dr.ふなちゃん 2024/07/15(Mon) 17:16
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船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
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〉初めてだと言われてしまっても他の方法を提案される訳でもなければ、受け入れるしかないですよね...
そうですね。受け入れるか?しないか?の二択になるか、最初の提案のブリッジからの選択になるように想像します。多分、お支払いになった費用内で可能な範囲での提案になるのではないか?と思います。
ジルコニアボンドになりますと、モノタイプとは別ものになりますからそれ相応の技工代を支払う必要が生じますから背術やセメント代、再印象材料代など細々とした費用と、治療にかかる人件費は歯科医院が持ってくれたとしても、高い技工代を歯科医院が持つほどの費用をお支払いになったのか?と疑問があります。
色を合わせて作るジルコニアボンドは技工操作がより煩雑で、技工士の腕も必要になる為、高めの技工代金になるはずです。
〉メタルコアを小さく削る時の振動は、メタルコアを抜く時のものとは全く別物でしょうか?
はい。別物です。
震度で取る場合もセメントを崩壊させる為の振動幅が必要になりますから、ある程度削り取り、崩壊レベルの震度を可能にして震度させないと全く外れません。
支台歯形成に加わる震度程度ではビクともしないので、深いメタルコアの除去は非常に厄介なのです。コアだけ削り取れたら良いのですが、コアより歯根の方が柔らかいと軸ブレして薄い歯根にバーが簡単にブレますからパーフォレーションしたり後の歯根破折の原因になります。とにかくリスキーなのでほとんどの歯科医は深すぎるメタルコアの除去を嫌がります。
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返信4 |
sr.11 2024/07/15(Mon) 20:10
船橋先生、お返事ありがとうございます。
お忙しい中アドバイスがいただけること本当に感謝しています。
次回技工士さんにお会いできそうなので、ジルコニアボンドができるなら差額請求で構わないからやって欲しいと言ってみようかと思います。またそれが無理ならば色合いをしっかり見てもらい、メタルコアが透けないような対策をお聞きしようとも思っています。先生が教えてくださったオペーキーな色でのマスキングについても聞いてみます!
メタルコアを削る振動、外す時の振動レベルが全く別物なことも安心しました。より良い結果を望んでの治療で歯の寿命を縮めることになることがとても不安です。
小学生の頃の事故による治療でしたので、古い治療になりますし太いメタルコアが入っていると聞いています。一度は先生も取れそうかもと言うことでしたが、やはりメタルコアをレジンで覆う方向でいこうとの提案でしたので、外すのに勝算がないのかなとも思っています。
私としては他の歯はほとんど治療がなく(小さな虫歯をレジン補填くらいです。)ブリッジ時の健康な歯を削るリスクはあまりとりたくありません。なので、なるべくメタルコアをつつかず、自然な色調になればいいなと望んでいます。今回の自費治療に備えてホワイトニングもしたので(他院)良い結果に繋がってほしいです。
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回答4 |
井野泰伸 2024/07/16(Tue) 09:20
>メタルコアを小さく削る時の振動は、メタルコアを抜く時のものとは全く別物でしょうか?
コアを取ろうとすると超音波を使います。
>コアの取り除き方を調べていると振動させて取るか削り取るとあったのですが、削って成形する時に、コアが緩んでしまうようなことはありますか?
これはまずないので心配しなくていいと思います。
>前回は色見本を歯にあてながらA1かB1でしょうとのことで、相談しながらA1でということになりました。
フルジルコニアクラウン(ジルコニアだけ)なんですよね!?
このやり方だと大体しか合わせれません。
私はこの分野専門ではありませんが、多少やっているので私見として書きますが、
基本的に、同一色のブロックから削りだすので、前歯の色調再現性は乏しいです。(技術のある技工士であればステイニングでごまかしは効きますが、写真がないとこれもできません)
メーカーによってはグラデーションブロックなどはありますが、色が合う人、合わない人がいます。
後、歯はA1、B1などの単色ではなく部分部分で色々な色が混じっています。(最低でも3色以上は使いますし、色彩機を使えば5〜6色出ることもあります)
患者さんによっては「黄色」「青色」「白色」も交じっており、歯の透明感も人によって違い、宝石のオパールのような色調の人もいます。
ですから、単色のフルジルコニアクラウンでは大体しか合わせれません。
後、今回のグレーに見えるですが、これは技工士サイドにどの程度削った歯(土台の色調)の情報が渡っているか!?
メタルコアは基本的に「黒い色」です、下地が黒色の色調と分かっていれば下地を遮断する色から逆算して作ります。
土台の色が天然歯やレジン系の土台であれば、下地は「白い色」になりますから、色の抜け感だけ気にして作ります。
ですから、今の土台の色が情報として技工士に伝わっていないと今回のようなことは起ります。
私がお願いしている技工士は必ず土台の写真を何枚も送るように指示してきますが、これは歯の色を合わせるには最低限必要な情報です。
なので、見た目を気にするならある程度知識、技術のある歯科医院を選ばないと行き当たりばったりの処置で、何度も歯を触ることになります。
また技工士もそういったリアルなものを毎日作っていないと再現性は低いです。
その為に技工士学校を出た後、セラミックだけを勉強する学校もあるぐらいです。
個人的にはもう一度トライしてもらい満足が得られなければ、仮付けしてもらい高い勉強代だと思って他の先生に診てもらった方がいいと思います。
フルジルコニアクラウン取るのも結構大変ですから、何度もくっ付けない方がいいと思います。
次は綺麗に入るといいですね、おだいじに
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返信5 |
sr.11 2024/07/17(Wed) 15:37
井野先生、ありがとうございます。
つけていただいていたのはフルジルコニアです。フルジルコニアについては同一色ブロックからの削り出しなんですね。色調再現が難しい旨も理解しました。とても勉強になります。
処置前の前装冠の状態では黄ばみやブラックマージンが酷かったのですが、また前装冠かCADCAM冠(これは取れやすいと目にしたために選択肢からすぐ外しました)でいいかなと漠然と思っていたのを、何年か後に変色に悩みやり直すのはデメリットしかないのかなと自費治療に踏み切りました。
なので、完全なる色調までは望んでいなかったものの、実際にやってみると失活歯のような色合いが受け入れられず...もっとちゃんと勉強し、歯科選びをすべきでした。悔やまれます。
昨日、メタルコアをプライマーとレジンにより象牙質のような色合いに支台形成していただきました。技工士さんにも立ち会ってもらい、メタルコアの部分も、色合わせについても見てもらいました。下の歯が当たる件についても形についても相談できたので、立ち会ってもらい良かったです。アドバイスありがとうございます。
また、ジルコニアボンドについてはお願いしようとしましたが、先生がそこまで金額をかけなくても今回の処置で改善させるはずだと否定的でした。型取りをし、再来週には完成するとのことで、あとは祈るしかありません。(納得できない場合の仮付けのアドバイスも大変参考になりました。不安なままつけてしまいまた削ることのないようにしたいと思います。)
いろいろとご意見、アドバイスくださり本当にありがとうございます。
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