タイトル |
被災地の皆様へ 【歯科医師からのメッセージ】 |
相談者 |
渡辺 徹也 |
年齢 |
35 歳 |
性別 |
男性 |
地域 |
紹介ページへ |
職業 |
歯科医師・歯学博士 |
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質問 - 渡辺 徹也 2011/03/19(Sat) 03:15 |
├回答1 - 吉岡秀樹 2011/03/19(Sat) 10:20 |
└回答2 - 吉岡秀樹 2011/03/19(Sat) 15:05 |
質問 |
渡辺 徹也 2011/03/19(Sat) 03:15
●避難生活中の口腔衛生について
今はまだそれどころではなく、優先順位が下がるのは当然のことと思います。
お口のことは少し落ち着いてからで大丈夫ですよ。
ただしお口は身体の入り口ですから、不衛生な状態が続けば肺炎などの重篤な病気につながる危険性があります(特に体力の低下したご高齢の方)
一日も早く元の生活に戻れることを切に願っていますが、食事や生活習慣が元通りになるまで、長期にかかる可能性もあるかも知れません。
阪神淡路大震災では、震災前にはむし歯がひとつもなかった子供が、歯科医院に戻ってきた頃にはむし歯だらけになっていたとの話もあり、少しの知識とひと工夫で、大半は防げるのではないかとも思えます。
例えば歯周病と糖尿病は相互に悪影響があることは良く知られていますし、歯周病の方の循環器疾患も明らかに多いです。
少し落ち着いてからで十分ですが、元気に元の生活に戻るために、正しい知識を知っておいて下さい。
●最低限度の口腔衛生について
加工食品を一切食べない様な生活でしたら、例え歯磨きをしなくても、むし歯や歯周病にはほとんどなりません。
ですので食事さえも本当に厳しい様な時であれば、お口のことは案外大丈夫です。その点は安心して下さい。
●心配な食習慣について
日持ちするからと言うことでビスケット等の食べ物がいずれ増えてくるかと思いますが、それからが心配です。
砂糖は確かに栄養価は高いので、甘いものを食べたいと思えば食べて頂きたいのですが、食べっぱなしだとそれなりに問題が蓄積していきます。
甘い食べ物はむし歯の原因になるだけでなく、お口の中の細菌数を相当に増やしますから、前述した様な全身疾患にも間接的には繋がるということを知っておいて下さい。
●歯磨き以外のお手入れ方法
どれもそれだけで十分という意味ではないですが、組み合わせることで一定の効果が期待できます。
・ダラダラつまみ食いしない
・咬む回数を増やして、時間を長くする
・甘いものと甘くないものがあれば、甘いものを先に食べてから、続けて甘くないものを食べたり、甘くない飲み物で最後に口をゆすぐ
・食後の爪楊枝、またはそれに類するものがあれば積極的に使う
・歯磨剤が手に入れば、寝る直前にそれを少し口に含む(むし歯対策)
・甘いものを食べてそのまま寝るのは極力避ける。食後30分以上は起きていて、出来ればよく会話をしてよく唾液を出す
・手に入るなら、ガムは20分以上咬み続けることで少しの歯磨き的効果が期待できます。ただし歯や顎が丈夫でない方は避けて下さい。シュガーフリーが望ましいですが、シュガーレス、シュガー入りの場合は咬む時間を延ばして下さい。長すぎる分には悪くありません。
●緊急時の歯磨き方法
・ガーゼやタオルがあれば、それで歯面をこすって下さい。間食でむし歯が急増するとすれば、奥歯のつけ根のあたりが特に危険です。
・もしも硬い糸があれば、それを糸楊枝として使って下さい。普通のむし歯や歯周病に関しては、歯と歯の隙間の汚れが原因です。
・歯磨き後の水でのうがいは、出来なければしなくても大丈夫です。もしも歯磨剤が使える場合、うがいはむしろ控えめにして下さい。
・家族間などでの歯ブラシの使い回しの是非はケースバイケースですが、愛情のある仲ならOKだと、個人的には思います。
●口を使った健康管理
口を積極的に使うことは、脳の活性、自己免疫力のアップに繋がることが示唆されています。
・黙っているのはよくありません。よく喋り、よく泣き、よく笑うことは、全身にとって必ず良い変化が起こります。元気のない方がいれば、とにかく声をかけてあげて下さい。
・食事を意識してよく咬むことで、脳への刺激、消化の助けが出来ます。
・「あいうべ」と、大きい口で大げさな表情で1日30回以上、言ってみて下さい。(声に出さなくても可) 一緒につめもみ(※薬指以外の指)をしてみてもいいと思います。
一日も早い復興と皆様のご無事を、心より願っています・・。 |
回答1 |
吉岡秀樹 2011/03/19(Sat) 10:20
暫間義歯製作法が今月の日本歯科医師会雑誌に掲載されてます(P22〜)
かいつまんで書いておきます。
・予め前歯部6歯(3〜3)、臼歯部(5〜7)の人工歯を
即時重合レジンで作っておく(臼歯は0度臼歯)
・アルジネート印象を行い、速硬性石膏で作業模型を製作
・作業模型に分離剤を塗布し、トレーレジンで床縁短めの義歯床を製作
・準備していた人工歯を用い、口腔内で即時重合レジンで固定
・義歯床と人工歯の間の隙間は、口腔外で緩いレジンを流し込んで埋める
・粘膜面はティシュコンディショナーのような軟性材料を用いる
・部分床義歯の鉤は単純鉤で、人工歯排列前に床にレジンで固定
「診査・印象 10分、模型製作 10分、床製作 15分、人工歯排列 20分、
研磨面形態製作 20分、粘膜面調整 15分」で、合計90分とのことです。
注意点としてトレーレジンを義歯床として使うのは「目的外使用」。
あくまでも緊急事態に対応するためのものということです。
・・・って、被災地の皆様へというより、被災地で診察される先生へみたいな内容になってしまいましたね。
こういう手があるということで「入れ歯がなくなって大変だ」という方も諦めないで下さい。
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回答2 |
吉岡秀樹 2011/03/19(Sat) 15:05
義歯が割れたり金具が壊れてしまって使用できなくなった場合、
「使えないだろう」と、捨ててしまわないようにしてください。
先ほど書いたように一から作ることもできますが、
部品があれば、わずかな時間で修理できる可能性があります。
また瞬間接着剤などを使って義歯の人工歯(仮歯も)を
くっつけようとしないで、そのまま保管しておいてください。
間違った位置でくっつけてしまうと、使い物にならなくなったり
修理がかえって大変になってしまうことがあります。
場合によっては接着剤が粘膜に付いたりといった、問題を起こすこともあります。
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