質問 |
finger555 2025/07/08(Tue) 14:26
お世話になっております。
先日ヘミセクションについて質問しましたが、治療について歯科医に聞いてみたところ、私の勘違いがありましたので再度質問させてください。
右下6番の奥側の根と7番の手前側の根にひびがある為、その部分だけを抜歯し、 6677でブリッジにするという提案でした。 6番は別の医院で昨年再根管治療をし、7番も根管治療済みです。 担当医に聞くと予後はなんともいえないような感じでした。 私なりに色々調べてみましたが、このようなブリッジの例が見当たりません。 そこで質問ですが、
@一般的なヘミセクションと比べて予後はどのように考えられますか?
A抜歯をしてインプラントも考えてみましたが、2本は経済的に難しいので、6番のみ入れるのは問題ないでしょうか。8番は詰め物はありますがきちんと生えて 上の親知らずと噛み合ってます。7番を抜けたままは良くないでしょうか。
B右上の5番と6番は25年以上前にヘミセクションしており、いつ駄目になるか分からず使えるだけ使いましょうと言われています。駄目になったらブリッジになるかもしれませんが、下の歯にインプラントを入れると上の歯に影響はありませんか?
Cセカンドオピニオンで行った医院ではCTでどちらもひびは見当たらず、6番は パーフォレーションですね、再根管治療しましょうと言われました。そこのCTは歯根が1番精密に映るCTだそうですが、先の医院でひびが映っていた以上歯根破折は間違いないと思っていいのでしょうか。2つの医院で診断が違うので混乱しております。 どちらの医院も専門医ではありませんが、根管治療を自費でも行なっている歯科医師です。
ヘミセクションも自費治療で費用もかなりかかるようです。予後を考えるとインプラントを考えた方がいいのかと一日中考えてしまい、他の事が手につかない状況です。
先生方、お忙しいとは思いますが、ご助言の程どうぞよろしくお願い致します。 |
回答1 |
Dr.ふなちゃん 2025/07/08(Tue) 18:26
|
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
|
こんにちは。歯数の力学的な問題がある為、その状態では保険適用外になるのではないかと思いますがいかがでしょうか?
6番の近心根と7番の遠心根だけでは支台が力学的に不十分になります。
保険適用にするには(保険のルールで通るように2年以上の安定が見込まれる)5番または8番もブリッジの支台に入れる必要があると思いますよ。
>@
支台歯の過重オーバーです。
>A
一般的にヘミセクションにするとそれだけでも生理学的な支台歯条件が悪くなります。
失活歯に冠治療をする際に長く機能させるためにフェルールというものを重視したりするのですが、半分に切り取った根っこの壁は片側ないも同然になりますからその後様々な問題を抱えやすい冠にしかなりません。とはいえ、せっかく歯根の半分は使えるのだからまだ使えるだけ使ってあげようというのがヘミセクション後の修復治療になりますから、そもそもの元々の条件も普通の根よりよくないです。
かといって7番を抜いたまま放置というのも8番が近心傾斜してきますし(そもそも近心傾斜している8番という場合が多々ある)問題があります。
とはいえ、治療というのは常に100点を目指せる場合ばかりではなく20点でもよいので行っておくという場合は臨床ではよくあり、特に保険診療の範疇を主に希望されたり治療費の上限が決まっていたり治療回数や時間に制約を課されますと致し方ないという場合がしばしばあると思います。
永く使えれば万々歳と割り切って今選択可能な治療の範疇を歯科医に提示してもらう必要がありますね。
>B
インプラントの上部構造をガッツリ咬ませない場合は多いと思いますから、咬合の与え方を上手く仕上げてもらうという事になるでしょう。
>C
CTは歯根だけにフォーカスするタイプのものが一番詳しく撮影可能だと思いますからセカンドオピニオンで行かれた歯科医院では(多くが自費の歯内療法専門医)歯根が一番よく映るという説明であればその機能があるCTなのかなと思います。
そうであった場合、セカンドオピニオンの方が診断能力は上という事になると思います(精密さが異なる為)パーフォレーションであれば部位がよい条件であればパーフォレーションリペアが可能という場合が多いと思います。
ヘミセクションも上手く支台築造まで行ってマージン設定と冠の適合まで突き詰めるとかなりの金額が必要になると思います。ただ、治療がうまく行くとインプラントが骨にしっかりくっつくまでの期間のウェイティング期間がなくなるという時間的なメリットがあるかもしれません。インプラントは骨がしっかり残っているうちに行ってもらえば安くて単純な治療に入ってくれると思いますから、怪しい歯をあえて残さず骨造成しなくてもインプラントできるうちにインプラント治療を受けておくという選択をされる方も多くおられると思います。
海外では再根管治療を選択すると歯内療法がとても高い割に予後も短いという事で早めに抜歯してインプラント治療を勧めるのが善という国は多いと思いますが、日本の場合、再根管治療費がそこまで高くなかったりしますからまず再根管治療をおこなっていよいよ駄目ならヘミセクションを行ってそれでもだめならインプラントという段階を踏むという選択が可能なのかもしれませんね。費用対効果をよくお考え下さって(自費の場合歯科医院で全く治療費が異なる為)選択されるのがよいと思います。
|
返信1 |
finger555 2025/07/09(Wed) 07:03
Dr.ふなちゃん 先生
ご丁寧なご回答ありがとうございます。
やはりこのヘミセクションの設計は少し無理があるようですね。
担当医によると3年後の生存率?は80%という話でしたが、残る歯根も再根管治療され薄くなっていると思われ、素人目からしても不安がありました。
なんとか残そうと思われての設計だとは思いますが、保険外の治療ですので、インプラントを超える費用を考えると躊躇しておりました。
6番にインプラントをして7番を抜けたままにすると8番が近心傾斜してくるとの事ですが、逆に寄ってくれる方がいいのでは等と素人考えで思ってしまうのですがいかがなものでしょうか?
お忙しいとは思いますが、よろしくお願い致します。
|
回答2 |
Dr.ふなちゃん 2025/07/09(Wed) 11:04
|
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
|
近心への歯体移動ではなく生じるのは傾斜です。歯根の近心移動はなく傾斜で歯冠が単に倒れ込むだけですから、近心の歯周ポケットが悪化しそこにPg菌などの悪性度の高い歯周病菌の繁殖に適した条件を作り上げていくことになり、歯をどんどん失うことにつながると考えるのが一般的だと思います。
歯は傾斜があると弱いので(斜めに刺さった杭を木槌で打つと倒れが加速するイメージ)中間歯欠損の放置は歯科では推奨されません。
6番のインプラントが骨にしっかりくっ付きますと絶対的固定源になりますからそれを使って8番を大きく削っって移動時の咬合干渉を無くしておきつつ矯正治療で近心に歯体移動を試みるということも自費では可能かもしれませんが、多くのケースで8番が既に一部骨性癒着していたりしますから矯正力を用いてもきちんと歯体移動してくれないで終わるという場合まであると思います。
この辺りはレントゲンを読んだり動揺度を見たりという診査が必要ですからより現実的な治療法についてご自身が支出可能な金額や治療にかけられる時間などを勘案されてご相談してください。単冠で可能なうちのインプラント治療が成功するとかなり長い期間不自由されないのが一般的だと思いますから費用対効果が非常に高い治療と考えられていると思います。
|
返信2 |
finger555 2025/07/09(Wed) 22:02
Dr.ふなちゃん 先生
移動ではなく傾斜なのですね。
それにしても中間歯欠損により他の歯にそのような悪影響があるとは思ってもいませんでした。
親知らずの矯正移動という方法も選択肢の一つとして考えてみたいと思います。
やはり今回はヘミセクションを提案された医院ではなく、パーフォレーションかもと言われた医院で治療をお願いすることにしました。
まだ2本共即抜歯と決まった訳ではありませんが、今後の事を考えつつ心の準備をしていこうと思います。
お忙しい中時間を割いて下さり、本当に感謝しております。
どうもありがとうございました。
|