質問 |
田尾 耕太郎 2010/07/03(Sat) 10:13
「アマルガムは水銀を含んでいるので有害である」
「口の中にアマルガムがある場合は除去して、他の材料に詰め替えたほうが良い」
このように主張される先生もいらっしゃいますが、アマルガムの除去は本当に必要なのでしょうか?
アマルガムには、
・アメリカでは100年以上に渡り使われてきているという圧倒的な実績
・材料代が安い
・硬すぎない
・即日詰めることが可能
・銀の抗菌作用が期待できる
・二次カリエスになっても痛みが出にくい
上記のようなメリットもあります。
また、詰め替えには、
・自分の歯も多少削ることになる
・詰め替え後の状況が現在より良くなるとは限らない
というリスクも存在しますので、メリットとリスクを天秤にかけて本当にアマルガムを除去する必要性があるのか?
このスレッドをアマルガムについての【総まとめ】にしたいと思っておりますので、アマルガムの毒性についてなども含めて、ぜひ先生方のご意見を頂ければと思います。
よろしくお願いいたします。
※今回の焦点は「すでに適合の良いアマルガムが入っている場合に除去して詰め替える必要があるのか?」ということですので、「最初からレジンにすればいいじゃん」というのは無しでお願いします。
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回答1 |
山田 豊和 2010/07/03(Sat) 10:22
こんにちわ。
個人的には適切な窩洞形態が付与されていて適切に充填されたアマルガム修復は臼歯部において問題のない修復材料だと考えています。
経験上アマルガムを除去した時置いておけばよかったという経験をした事があります。
何より優れているのはセメントが介在していないところだと思います。
目の敵にしている歯科医もいますがこれもどうかと思います。
>・銀の抗菌作用が期待できる
こじつけの様に思います。
>二次カリエスになっても痛みが出にくい
これについては判りません。
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回答2 |
井野泰伸 2010/07/03(Sat) 10:49
アマルガムの治療道具すら院内にない井野です。
どちらかと言うと外す派ですが
http://www.youtube.com/watch?v=J9J7JVT7RMk
外す理由は審美的な改善がほとんどで虫歯のないような物に関しては積極的にやり替えはしませんね。
>「すでに適合の良いアマルガムが入っている場合に除去して詰め替える必要があるのか?」
ですからこの答えはそのままでいいと言うのが私の考えです。
ただ、私が診るアマルガム辺縁が欠けているものが多いのでその場合は患者さんと相談してレジンに置き換えています。
学校で習ったのには、アマルガムも非常に技術差の大きな治療法で、術者の腕次第で予後が変わるとも習いました。
と自分の口に中にもの凄く小さなアマルガムが20年以上入っている井野でした。
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回答3 |
上田 裕康 2010/07/03(Sat) 10:59
人体に有害なのは有機水銀で、アマルガムは無機水銀です。
わたくしの場合アマルガムをやり直す理由は審美的な理由からです。
お子さんで、暴れて、処置を、ワンショット、短時間で決めたい場合はアマルガムを用いています。
銀の抗菌作用は期待できると思います。
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回答4 |
細見 2010/07/03(Sat) 11:25
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細見歯科医院の細見です。
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私もアマルガム否定派ですが(卒業してから24年1回もやった事ありません)
実際Agイオンによる抗菌作用はあるような気がします。
>経験上アマルガムを除去した時置いておけばよかったという経験をした事があります。
外しても下は綺麗な状態とか多いです。
材料的には術者の技術差がレジン以上に出るんではないでしょうか。
この間頂いた論文ほどではありませんが、非常に綺麗に充填されたアマルガムもたまに見かけます。
辺縁が破折したアマルガムは除去してレジンを詰めますが、私もほとんどは審美的な理由からです。
私にも右下5番にODのアマルガムが入ってます、学生時代に実習で入れたものだから四半世紀前のものです。
なんの問題も無く機能してます。
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回答5 |
吉岡秀樹 2010/07/03(Sat) 12:19
アマルガム充填は、理工学の実習以来やったことない吉岡です。
>「すでに適合の良いアマルガムが入っている場合に除去して詰め替える必要があるのか?」
審美性の改善要求がなければ、そのままですね。
アマルガムって電気化学的な観点からは、悪くない材料なんだろうな、と思います。
でも、使わない(・・・というか使えない(^^;))材料なので、積極的な支持はしません。
充填修復物ですから、レジン充填と似て術者による差が出やすい治療法でしょうし。
「キレイなアマルガムが入っているなら、そのまま」
「わざわざ、やろうとは思わない」
「審美的改善要求があれば外す」
・・・というスタンスですね。
あ、あとはガルバニー電流の兼ね合いもありましたね。
キレイに入っていても、疑わしい症状があれば外すでしょうね。
繰り返しますが、何にも問題ないのであれば、そのままです。
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回答6 |
昌山 孝 2010/07/03(Sat) 13:21
私もアマルガムをあえてはずす事に関しては否定的です。
むしろ、パラジウムのアレルギーの方がリスクあります(当院
では、パッチテストかなりの頻度で皮膚科に依頼して行っています
が、パラジウム陽性が多い様に感じます。銀でアレルギーの方少
ないです。)
しかし、患者さんから審美的な要望があれば除去して上げる必要は
あると思います。
除去しても、以外に2次カリエス銀の抗菌作用のためか?無い場合
が殆どです。もしかしたら、健全な歯質を削りすぎ、エナメル質が
十分残り、軟象が完全に除去できているからかもしれませんが?
ちなみに、自分の歯の治療で、2級のアマルガムをしてもらったこ
とがあります。
ガルバニー電流が出て、痛みと苦痛(唾液を飲み込んでも痛い)で、
夜も眠れず、はずしてもらいました。
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回答7 |
越久村 真一 2010/07/03(Sat) 13:26
むろん除去すべきです。
多くの不定愁訴改善例を持ってます。
体内で、もっとも敏感な体内である口腔内に入れる物質の生体親和性に当然留意するべきです。
むろん、人によりその親和性には、違いがありますが 多くの人には、まだレジンの親和性のほうがましです。
有機や無機など関係なく、水銀化合物であるアマルガムをピアスや胸にぶら下げるペンダントにしたくないのでは?
歯に入れるというのは、ある意味 内臓移植です。
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回答8 |
中山 大蔵 2010/07/03(Sat) 14:27
アマルガムの一番のメリットは、
全ての歯科医材料の中で唯一、わずかに膨張する材料であることだ。
と聞いたことがあります。
ですから、
アマルガムで、
歯牙の着色は別として、
本当にカリエスになっているケースって、ほとんど見たことが無いような気がします。。
でも
僕は使わない(使えない)ですし、
審美的な要望があれば外しますが、
無理に外すことはないです。
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回答9 |
杉原 成良 2010/07/05(Mon) 18:56
アマルガム賛成派とういうより推進派の杉原です(ちなみに「黒」系とは何の関係もありません)。
保険治療で臼歯部1級はレジン、2級はアマルガム充填です。(私の技術では)アマルガムができない程大きなカリエスはクラウンにします。フィットの悪いパラインレーは除去してアマルガムに替えます。
アマルガムのメリット
?直接充填なので残存歯質汚染の機会が減る
?セメントラインが無い
?硬化膨張する
?外開き・平行性確保の必要が無いため歯質削除量が少ない
?自然に磨耗する。磨耗してマージンギャップができても研磨すれば回復可能
?歯質と接着しないのでオーバーマージンになりにくい(特に隣接面歯肉側マージン)
?抗菌作用?(生体為害性が抗菌的に働いているとの説もあり)
?安い(負担金は1歯あたり1,000円以下)
デメリット
?審美性が圧倒的に悪い
?環境問題
?カービング時間が短いため、適切な咬合接触を作るのが困難な場合がある
?予後は術者の錬度に左右されやすい(悲しいことに名人級の先生はほとんど引退されているようです、技術の継承は困難です。)
?ガルバニー電流による痛みが出やすい
?充填後24時間以降に研磨するので2度来院になってしまう
?アレルギーなど生体為害性(諸説あり、問題無いとの報告も多数)
?不採算
とメリット・デメリットとも同数挙げてみました。
保険診療で臼歯部隣接面カリエス処置をするなら
・パラインレー
・レジン
・アマルガム
の選択肢がありますが
パラインレーVsアマルガム
2級のパラインレーでフロスが裂けない程度のフィットを有するものは少なく、そのようなパラインレーを除去すると高確率で2次カリエスを認める。
通常のアルジネート+寒天の連合印象でアマルガムよりフィットの良いパラインレーを作製するのは、私には無理。
パラインレーがアマルガムより優れているのは生体為害性ですが、アマルガムの生体為害性とパラインレーの2次カリエスの危険性を比べると後者が大きいと思います
よってアマルガムを選択します。
レジンVsアマルガム
小臼歯の小さなカリエスならレジンを選択する場合もあります。
レジンは歯質と接着するので隣接面歯肉側のマージンの調整に手間がかかります。また、隣接面のように接着面が小さい部分では重合収縮・内部応力の影響が長期に作用するのかマージンギャップが出やすい気がします。
ある程度以上の大きさだとアマルガムを選択します。
>「すでに適合の良いアマルガムが入っている場合に除去して詰め替える必要があるのか?」
必要はありませんが、適合の良いアマルガム充填(パラインレーも)があまり無いので・・・
長文すみません。アマルガムになると熱くなってしまいます。
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回答10 |
渡辺 徹也 2010/07/05(Mon) 19:53
むろん除去しなくていいでしょう。 と、考えます。
本気で為害性を理由に除去をするのなら、削りカスを高速で撒き散らしていい筈もありませんので、ラバーダムまでした上で削ることになるかと思うのですが、ラバーダムを持ってない医院の方が多いですよね、実際。
現状として、今現在日本人の口腔内に入っているアマルガムは古いものがほとんどですから、「長持ちしているものしか目にする機会がない」ということも考慮しなくてはなりませんが、それでも長持ちしやすい良い材料、というイメージは私もありますね。
ですが、私自身は道具もないですし、頑張って腕を磨いたところで今後安定的に材料が入手できるとも思えません。
日本においては将来性のある材料ではないと思っています。
ということで、個人的には超高精度のレジン充填を理想として頑張ってます。
因みに、私の奥歯にも年代モノのアマルガムはありますよ。
杉原先生の「まとめ」は素晴らしいですね。
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回答11 |
タカタ 2010/07/05(Mon) 20:04
An in vitro quantitative antibacterial analysis of amalgam and composite resins.
J Dent. 2007 Mar;35(3):201-6. Epub 2006 Sep 25.
本当か、ウソかは知りませんが、 antibacterialに関する文献は多いですね。
ただ、歯科材料って、
審美性
生態適合性
環境に対する安全性
コスト
なども関係してくるので、そういう意味では淘汰されるのは仕方ないのかもしれません
私自身はアマルガムは嫌いではありませんし、アマルガムもコンポジットも臨床で用いています。
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回答12 |
田部 修 2010/07/05(Mon) 21:20
課題とされている問題なく機能している状態で有るのなら、あえて外す必要はないでしょう。
最近は使う事は少なくなりましたが、光重合レジンの照射器が入りにくい様な場所にアマルガムを使う事があります。レジンと違い充填時は圧をかけることができますし、また、アマルガム自体が膨張するので空洞ができにくく、気密性が保たれると考えます。次回十分に研磨をすればかなり使えますよ。
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回答13 |
森川 2010/07/05(Mon) 22:57
アマルガム充填の是非ではなくて、アマルガム除去の是非ですよね?
単純に水銀の毒性と言う点からすると、魚からの摂取のほうが圧倒的に多いと思われますので、除去する意味はないと考えられます。(ヨーロッパで禁止している国も、歯科医院から排出される水銀による環境汚染という観点から禁止していますので、「すぐさま除去しましょう」なんて話にはなっていないはずです)
越久村先生だけが積極的除去推進派ですね。
ただ、特に問題が生じていないにもかかわらず除去するということに対して、ちょっと根拠が乏しいように感じます。
水銀のことを気にするのなら、アマルガムを除去することよりも、魚を食べないことのほうが断然効果がありますよ。
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回答14 |
吉岡秀樹 2010/07/05(Mon) 23:41
除去の是非論のついでで、コストの話。
ムシ歯でもなく、不適合でもなく・・・
だったら「C病名」がつかないので、保険で除去ってできないですよね?
ならば、レジン充填するにしても保険適用できないのではないでしょうか。
アレルギー病名(!?)とか、不定愁訴病名(!?)で「アマルガムの除去」や「レジンなどの充填」ってできるんですか?
(病名と、それに対する適応処置があるのかどうか・・・)
審美性改善のためは、当然のように「保険適用外」ですよね。
保険に詳しい先生、お願いします m(_ _)m
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回答15 |
田中 泰彦 2010/07/06(Tue) 13:55
ぼくはアマルガムは通常の診療で使用します。
長所短所ありますが、他の先生方のご意見の通りだと思い、その中でアマルガムの方が向いていると思えば使っています。
除去に関しては、問題が生じていなければわざわざ除去を患者様に促す事はあえてしません。
例えば多少充填の状態や研磨の状態が良いとまでは成されていなくとも、カリエスになっておらず咬合にも影響を及ぼさないのであればそのままです。
逆に審美的な問題やアレルギーの問題で除去が必要な場合は当然健保適用ではない旨伝えて自由診療の範囲での処置としています。
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回答16 |
小牧令二 2010/07/06(Tue) 20:40
歯科材料として使用するかと、除去するかを分けて描きます。
1)歯科材料として使用するか
ヨーロッパにおいて使用されなくなってきている理由は、歯科医学的な観点からではなく、環境保護団体からの要望からだといわれています。
治療に使ったアマルガムのくずが下水から自然界に流れ環境を破壊するということのようです。
私自身は医学的には非常に有用な材料だと思っていますが、ここ十数年のレジンの進歩派目覚しいものがあり、”最近”ではアマルガムと同程度の材料となってきていますので、アマルガムの使用に関しては、社会の流れを受け入れ、かなり適応症例を選んで、あまり使わないようにしています。
現在使用している機械が開業以来24年間になり、もうそろそろ壊れるのではないかと思って、もし壊れれば修理や新たに機械を買うことなく、使用をやめるつもりです。
2)除去について
歯科医学的な問題のある場合と、ない場合に分けて考えます。
?2次う蝕や審美性、金属アレルギーなどしか医学的に問題のあるケース
レジンやインレーなど他の材料で修復されている場合と考え方は同じで、問題があれば除去して治療しなおします。
?問題の無いケース
除去することのリスクのほうが高いので、除去しません。
> 体内で、もっとも敏感な体内である口腔内に入れる物質の生体親和性に当然留意するべきです。
体内といっても外肺葉(上皮)の外で、多くの異物が体内に入る入り口で、最も異物に対する抵抗力の高いところだと思います。
> むろん、人によりその親和性には、違いがありますが 多くの人には、まだレジンの親和性のほうがましです。
生態親和性から言えば、アマルガムもレジンもどちらも親和性はありません。
どちらのほうが優れているという比較に歯なら無いと思います。
> 有機や無機など関係なく、水銀化合物であるアマルガムをピアスや胸にぶら下げるペンダントにしたくないのでは?
有機か無機、あるいは金属水銀化はまったく違う物質です。
ダイヤモンドと炭は同じものじゃないですよね。
二酸化炭素と一酸化炭素の毒性はまったく違います。
ペンダントの例えは、一般の方は”そうかな”と思ってしまうかもしれませんが、まったく非科学的。
骨の中に埋め込むチタンをペンダントにしないからといって否定しますか。
ジルコニアでペンダントを作らないから歯科治療でも使うべきでないといえますか。
> 歯に入れるというのは、ある意味 内臓移植です。
アマルガム充填は、生態ではありませんので、内臓移植とはまったく意味合いが違います。
言うならば、人工臓器でしょう。
ただし、心臓ペースメーカーや人口内耳のようなInplant(医学用語として)とは違い、義手や義足のようなものに近いでしょう。
充填は、外肺葉に接するだけでなく、一部中胚葉にも入り込んでいますので、その中間形かもしれませんが。
その他の問題点として
体内への取り込みや金属アレルギーを考慮して除去するなら、渡邊先生の言われるように、ラバーダムは必須でしょう。
環境保護を考えるなら、除去したものをすべて回収する方法を考えなければいけません。
森川先生の言われるように、体内への”有機”水銀の蓄積が心配なら、口腔内の”金属”水銀を除去するよりも、まずは”有機”水銀が蓄積している大型魚類を食べるのをやめるべきでしょう。
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回答17 |
櫻井 善明 2010/07/07(Wed) 09:12
参加表明しないと怒られそうな気が…。
色々と書いていたら小牧先生にまとめていただいたので。
僕としては諸先生方と同じで
1 自分ではやらないが、決して悪い方法では無いと思う
2 積極的には除去しないが、審美的理由など問題があれば外す。
です。
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回答18 |
タカタ 2010/07/07(Wed) 09:16
えっと、レジンの生体親和性に関して・・・細胞に対する親和性は相当高いです。
ここは、生体材料学分野できちんと証明されていますので、レジンの生体親和性がアマルガムと比較対象にならないとの記述は問題です。
歯牙への修復に関して言うと、エナメルは外胚葉ですが、象牙質は中胚葉ですし、山下教授曰く
「象牙質は歯随である。」
ですから、やはり、体内と直結している以上、そこを考慮することは間違いではありません
ただ、無機水銀を有機水銀にかえるバクテリアの発見以降 淘汰される流れができているのが現状ですね。
歯科医院からの環境への影響って、それほど大きくないですから、そこを指摘するのは揚げ足を取られているように感じます。
年間 何グラムよ・・・
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回答19 |
杉原 成良 2010/07/07(Wed) 13:47
タカタ先生
>ただ、無機水銀を有機水銀にかえるバクテリアの発見以降 淘汰される流れができているのが現状ですね。
このバクテリアって深海の堆積物中にしかいないと聞いたのですが、口腔内や一般環境中にも発見されたのですか?
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回答20 |
タカタ 2010/07/07(Wed) 16:26
私も、深海って聞きました。 ですからこそ、腹立つんです。
私はアマルガム推進派でもないですし、否定派でもないです、
ケースによってアマルガムにする事もあるし、レジンにする事もあります。
その中立の立場で考えると、ほんの数グラムのアマルガムを それも深海の微生物が有機水銀に変えるからということを論点にして環境破壊や体への影響を主張する輩はやりすぎなような気がします。
早い話が・・・
●うまく充填できない連中がアマルガムの臨床成績を低下させ
●石油加工のプラントを持っている大手の企業が1970年代以降に歯科産業に入るために
アマルガムが悪者にされてしまったような気がします。
百歩譲ってアマルガムが銀だから否定するのはよしとしても、じゃぁなんで、金箔充填が消え去るの??
私の父は金箔充填してますが、古い症例では35年たってもノントラブルです。
なのに、レジンに置き換わりつつある昨今・・・これも、歯科医師の技術力の低下と新たな産業に置き換わりつつある事が理由なのかなと考えるとつじつまが合います。
ただ・・・時代の変遷ってこういうものだと思います。
古き良きものが必ずしも残るものとは限りません。
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回答21 |
杉原 成良 2010/07/07(Wed) 18:28
>私の父は金箔充填してますが、古い症例では35年たってもノントラブルです。
そういえば私の父もやってました。
私の学生時代には実習も無くなっていて、その話をすると「金箔充填は手間がかかるし、患者さんは打撃が苦痛だが、最高の修復物なのに何故教えないんだ」って怒ってました。
金箔充填って手もありますね。父が生きてる間に教わっておこうかな。でも材料費が凄いことになりそうですね。
>古き良きものが必ずしも残るものとは限りません。
最後まで抵抗します。
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回答22 |
櫻井 善明 2010/07/07(Wed) 18:34
僕の口腔内にも金箔充填あります。
東京歯科大学は僕の卒業する事はまだ実地ケースでしたね。
たぶん、荒木先生の代も実地ケースだったでしょ?
僕の金箔充填は姉とその仲間たちによるケースです(-_-;)。
オートマチックマレットでガツンガツンされました。
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回答23 |
細見 2010/07/07(Wed) 18:39
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細見歯科医院の細見です。
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>杉原 成良
先生は金箔充填の実習無かったんですか、私は有りました。
という事は大阪歯科大学では私達の学年が最後と言う事になりますね。
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回答24 |
杉原 成良 2010/07/07(Wed) 18:54
模型実習で起始点をつける形成だけやりましたが、充填は見学だけでした。
臨床実習ではまったくありませんでした。
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回答25 |
田尾 耕太郎 2010/07/07(Wed) 22:44
ここ十年だけでも、大学で習う内容ってかなり変わってるんですね。
僕の頃は大学で金箔充填はおろか、アマルガム実習もほとんどありませんでした。(一応、アマルガムキャリアーでちょこっとだけアマルガムを触りましたが、それくらいです)
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回答26 |
王 麗路(Dr.Riru) 2010/07/08(Thu) 04:12
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誠安・瑞石牙医診所(台湾)の王です。
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遅らばせながら、海外で従事している一歯科医として患者さんに少しだけコメントさせていただきたいと思います。
アマルガムに関するメリットとデメリットは、杉原先生と小牧先生がこと細かく、本当に素晴らしくまとめていらっしゃいますので、そちらを参考にしていただければ知識としてはもう十分だと思います。
日本のネットで検索すると、アマルガムは"有害で除去すべきだ!"と強調して記載されているものが実に多く、今の日本では取り扱う歯科医院すらないように見えます。
厚労省から使用禁止令が出されているというわけではないと思いますが、風潮として日本国内では使用しなくなってきているようですね。
アマルガムはヨーロッパの数カ国を除いて、アメリカをはじめとする多くの国々で初期虫歯の有効な充填材料として今でも日常的に使用されております。
歯科充填材として使用するものは、杉原先生がおまとめになったように、生体適合性や化学的安全性、機械的性質、操作性、審美性、経済性などなどと云った条件を満たさなければなりません。
ただ、現時点で100パーセント安全で、且つ全ての物性的ニーズに応じえるような充填材は存在せず、各充填材ごとに、それぞれ一長一短があるというのが現状です。
確かにレジンなどは従来のものより操作性や物性的に優れているものが出回ってきておりますが、それでも症例や部位によってはアマルガムに頼らなければならない、頼った方が望ましい場合があるように思われます。
例えばボランティア診療で行っている養護施設で、コミュニケーション能力が低下されている知的障害者の方で、(全身麻酔や笑気鎮静処置を施すほど数的に虫歯がひどく多くない場合)、恐怖で抵抗して暴れますので短時間で素早く処置を完了しなければならないような時は、アマルガムの方がより適していると思います。
よほど極端に粗雑に詰められていなければ、二次カリエスに成り難いという視点からも、個人的に、歯科治療が困難な中度以上の知的障害者の方は、特に奥歯エリアには、アマルガムをファースト・チョイスで使用しています。
安全性についてですが、
アマルガムには水銀が含まれているため、安全性に関しては賛否両論と云ったところのようですが、世界歯科医師連盟(World Dental Federation)の2007年における見解や、米国歯科医師会(American Dental Association)及び米国医師会雑誌(JAMA)が2006年に発表した見解ではアマルガムは安全な材料であると結論づけています。
アマルガムに含まれる水銀量は総重量の3パーセントほどですが、化合物として不活化されていて特に心配はないと云っています。
公的な機関以上にアマルガムがゼロリスクで100パーセント安全かどうかについて判断できる立場上にありませんが、先人たちの努力の末に確立した選択すべき優れた材料の一つとして個人的にはアマルガムの存在は認めております。
私の奥歯にも三十年もののアマルガムが二つ入っております。
幼い頃、日本で詰めた物です。
黒くなっておりますが、きちんと精密に詰められてあるおかげで(歯科医になった今の私が見ても充填の上手い先生だなと思います)、二次カリエスにもならず、長い間使い続けています。
健康上、特に問題ありませんでした。
今も、こうして元気にコメントを書いておりますし。
もう一つ申し上げたい点は・・・・
日本と違い、世界の多くの国では未だに健康保険といったような医療福祉制度がないため、保険治療の質を問う以前の、医療・治療が受けられるかどうかと云う過酷な現実問題に直面している人々が数多くいるという事を理解していただきたいのです。
そういった国の富裕層にいらっしゃる方は、日本の方のように色々な選択肢もあろうかと思いますが、貧困層にいる方はそうではない。
可能なかぎり全ての人が平等に、安価に、平均的な歯科補修治療が受けられる、そういった視点から見ますとコストが低いアマルガムは存在し続けなければと思います。
確かに環境汚染問題は世界規模でクローズアップされて来ていますので、傾向としてはやはり徐々に使用国が少なくなっていくであろうとは思っています。
台湾ではアマルガムが普通に使われておりますが、去年、現地の環境庁から歯科医師会宛に、環境保護視点からアマルガムの使用を再検討するように、と云った旨の通達が届いておりました。
アマルガム充填を止めて、全てをレジン充填に切り替えている先生も少数派ですが、いらっしゃいます。
医師の受けてきた教育や個々の考え方、置かれている国の医療保険制度、環境保護に対する配慮の度合いによって使用頻度が違ってくると言えます。
これから海外で長期滞在されるご予定のある方は、渡航先の歯科事情を事前に把握なさってから、治療に臨まれた方が良いでしょう。
どうしても、アマルガムはちょっと・・・・と云うのであれば、事前に担当医にその旨お伝えした方が良いかと思います。
日本を除いた他のアジア諸国では、奥歯の充填材にアマルガムを使用することが圧倒的に多いという事を念頭に置いていただきたいと思います。
その上で、ご自分のニーズに合った、納得のいく充填材を担当医と相談しながら決められたら良いと思います。
既存のアマルガムは除去すべきか?の問いについてですが、
アマルガムを使用し続けている私が言うのも変ですが・・・・
審美的ニーズや金属アレルギー、ガルバニー電流による不快、不適合充填、又はそれによる二次う蝕、僅かなリスクも回避したいと云う事以外はその必要性はないかと。
ただ、渡辺先生がおっしゃっられているように、その場合、除去に際しての飛沫を嚥下しないように、厳密にラバーダムなどにて隔離した状況下で除去するのが望ましいかと思います。(全ての金属除去に言える事ですが。)
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荒木謙太郎 2010/07/08(Thu) 08:42
>東京歯科大学は僕の卒業する事はまだ実地ケースでしたね。
>たぶん、荒木先生の代も実地ケースだったでしょ?
でしたね。
オートマチックマレット、持ってますカラ・・・(笑)
確か金箔もどこかにあったような無かったような・・・。
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