歯科治療で拡大鏡を使用しない理由は?

相談者: りすさん (30歳:女性)
投稿日時:2008-01-23 10:19:40
こんにちは、たびたび質問させていただいています、りすです。

現在、虫歯と言われた右下7番の治療にあたって、歯科医院探しをしているところです。

こちらでいろいろ勉強させていただいて、私の歯科医院選びの基準としては、

1.治療に拡大鏡を使用してくれる。
2.担当衛生士制である。
3.ラバーダム根管治療の際に使用してくれる。

に設定してみました。

ちなみに、1と2はマストで、3は根治のときに探せばいいかな?とも考えています(あまりに少数らしいので・・・)。

ところが、15軒ほど電話してみたのですが、
1.拡大鏡を使用している、ところがわずか2軒でした。

そこで質問なのですが、


1)なぜ拡大鏡を使用しない歯科がほとんどなのでしょうか?こちらのサイトでは拡大鏡は標準装備に思えるのですが。


2)拡大鏡を使用しなくても、インレークラウンなどの補綴治療はうまくやってもらえるものなのでしょうか?


当然自費での治療を考えていますので、しっかりやっていただきたいと思っています。

ちなみに、現時点で2軒の歯科医院で診て頂いたところ、治療方針がかなり違っていて、そちらに関しても別項で質問させていただきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2008-01-23 11:39:23
>1)なぜ拡大鏡を使用しない歯科がほとんどなのでしょうか?こちらのサイトでは拡大鏡は標準装備に思えるのですが。

拡大鏡を使うと、必然的に治療時間が長くなります。
(細かいところまで見えて、その分丁寧になるので)

多くの歯科医院保険治療がメインなのですが、保険では数をこなさないと経営が成り立ちません。

ですから、本当は拡大鏡を使って治療をしたほうが良くても、経営的な問題で使えない、あるいは、治療にそこまではこだわっていないということだと思います。

このサイトの回答者の先生の拡大鏡・マイクロスコープ保有率は異常ですので、あまり参考にはされないで下さいね^^;


>2)拡大鏡を使用しなくても、インレークラウンなどの補綴治療はうまくやってもらえるものなのでしょうか?

個人的には絶対にあったほうが良いと思いますが、無くても上手にされる先生はいらっしゃると思います。

ただ、そういった先生を客観的に見分けることは不可能ですので、患者さんが客観的に判断できる指標として、

・拡大鏡
・担当衛生士
ラバーダム

などを挙げています。

でも、歯医者さんの間でも有名どころの先生は、ほとんどの先生が拡大鏡やマイクロスコープは使っていますよ。

回答 回答2
  • 回答者
歯科医師の光武です。
回答日時:2008-01-23 11:50:42
今日は、トシデンタルクリニックの光武といいます。

リスさんご自身でマストの基準をお持ちであるということには
日本の患者もレベルが上がったなとよろこんでいます。

ちなみに私のマストは+タービン(歯をけずる器具)その先に取り付けるバーといわれる歯をけずる針に見えるものが診療台に差し入れられたままではなく、患者ごとに交換しているところ、これは衛生観念と感染予防の為、必ず行うべきクリニックの義務だとおもいます。

あとは、私的ではありますが予約性で1日に5〜10名が真剣勝負するにはいっぱいいっぱいです。(うちのクリニックでは)

では質問にありました1.拡大鏡についてです。

拡大鏡と一口にいっても、マイクロスコープから3倍、5倍のメガネタイプものがあります。

当然より大きくはっきりと対象物を視ることは精度の向上につながります。

またDVDなどに録画することもできます。
メリットとしてはこの様なことが言えるでしょう。


ではなぜ使用しないか?

使いこなすのにものすごいトレーニングが必要です。

それと器械(マイクロスコープなら\3000000ぐらいからの設備費用です。

メガネタイプでも\200000〜じゃなかったかな、とにかく高い設備費用です。

現在の日本では歯医者は便利屋と思われている方のほうが多勢で費用が安く早く終了してくれる先生に人気が集中している傾向は、ありますよ。

私は今年43歳を迎えます。マイクロを使用して4年目です。
このサイトの管理者もマイクロで形成しました

しかしこの仕事をすることにより私の視力は猛烈なスピードで老眼が進行しています(眼科医より忠告されています)。

私見としてこのような問題はあるということでご理解ください。

  理論なき行為は暴力、行為なき理論は空虚 カントより


次の質問 拡大鏡がなくても治療は十分な完成度を求めることは、出来ると思います。

天然歯に勝る材料はまだありませんがかなり工学の進歩で進歩しています。

ただ現代歯科とは言っても1950年ぐらいにはアメリカやスカンジナビアで基本は確立し多くのものがコンセンサス(世界的に権威信頼性の高い学会の合意)を得ているのですよ。

しっかりとした診療の基本を学ばれ実行されている歯科医であれば大丈夫ですよ。

3番目の話が私的には一番興味があります。是非教えてくださいね。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2008-01-23 11:58:48
あ、回答がかぶりましたね^^;

ラバーダムについてはたぶんこのサイトが日本で一番あーだこーだ言っていると思いますので、超長いですが、こちらも読んでみてください。

また感想・ご意見等、お聞かせ頂けると嬉しいです。

(下の「http://〜」をコピーして、ブラウザのアドレス欄に入力して下さい。現在、掲示板のリンクを有効化する作業中ですので…)



⇒参考:ラバーダム大激論(ラバーダムは根管治療の成功率に影響を与える?)
⇒参考:ラバーダムは理想論!?



ちなみに過去の相談は、ページ左側の「Google検索」にキーワードを入れると、関連する歯科相談が検索されます。

⇒参考:検索の上手な使い方

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2008-01-23 12:54:09
1)
理由として、面倒くさい・なれるのに時間がかかる・”俺の目は見えている!”と錯覚している などが考えられます。

私は、保険治療であろうが自費治療であろうが全ての患者で拡大鏡は必須です。


2)
うちの父が昔治療をした患者さんが ずーっといらっしゃっています。

30年前に装着したクラウンインレーを外すことがありますが、内部はノントラブルです。

拡大鏡を使わずとも丁寧にやれば不可能ではありません(手指の感覚で補綴物のフィットを診ます)が、熟達したテクニックを要しますので 一部の”超器用Dr”を除いて、拡大鏡は必須ですね。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2008-01-23 14:59:32
こんにちは。

もう5〜6年ですが、拡大鏡のヘビーユーザーをしています。

強拡大で、機動性の悪いマイクロスコープと比べれば非常に楽ですよ。

肉眼から拡大鏡への慣れも、若い先生なら意外と早く、高齢の先生で数ヶ月ぐらいかかるという話です。

最初はよく「酔った様な感じ」になると言いますね。

マイクロだとそれがもっともっと大変ですね。
本当に慣れるのには年単位でかかる気がします。

拡大鏡(※眼鏡に小さい双眼鏡みたいなのがついてるタイプ)は値段も今は安いものもあって、3万円ぐらいからありますよ。

私はこの視野がもう普通ですから、多分肉眼で処置をする時の方が時間がかかります・・。

少し前から歯学部の実習でも、2倍程度のものを学生が買わされたりしているところもありますし、使う先生は確実に増えてはきてると思いますよ。

普及しないのは難しい、高いというイメージが強いのと、肉眼で十分に見えているという思いこみ(慣れ?)、加えて格好悪い(←私はこれで結構躊躇しました 笑)と言うのがあると思います。

最近はテレビドラマの医龍のおかげで、ちょっとイメージアップしてないですか??^^

それとせっかく購入しても、ホコリをかぶってしまっていることもかなり多い様です。

必要に感じるかどうかは、人それぞれの様ですね。



ヘビーユーザーとなってしまった自分の主観では、肉眼で治療や診断をするのは、自動車で薄暗い道をライトもつけずに運転する感覚で、「慣れていればそれはそれで出来そうだけど・・」という感じです。

それも道で半分以上の車がライトをつけ出す時間帯のイメージです。

拡大鏡で、自動車のライトがついてとりあえず安心。

マイクロが、デンタルレントゲン撮影などと併せて、カーナビの様な位置づけでしょうか。

ついでに歯科用CTまであると、ネットで事前に周辺の情報収集・・みたいな。



もちろん、「見える」だけで良い治療は出来ませんが、患者さんが客観的に分かる指標としては、結構「使える」と思いますよ。



以前にもご紹介しましたが、私の使用しているメーカーの拡大鏡なら、ユーザー医院の一部をWEBサイトで公開しています。

よろしければ参考にされて下さい。

参考→「全国の拡大鏡を使った精密治療を行う歯科医院検索」
http://q-dent.jp/search/

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2008-01-23 20:39:49
ハワイのAAEで買った拡大鏡がホコリをかぶっている井野です。

私は拡大鏡よりマイクロの方が使いやすいですし、
井野専用のチェアーの天井にはマイクロが吊るしてあるので、
機動性が悪いとも感じたことはないです。


確かにマイクロ・拡大鏡があった方が見えるのは事実です。
ただマイクロ、拡大鏡=治療が上手にはなりません。

ラバーダムやマイクロスコープのない歯科医院での根管治療



疑問をお持ちでしょうが、まず現状の患者さんのニーズが薄すぎる、高い精度の治療は望むが治療費は払わない・・・と言う所が大きいと思います。

街中の一般的な食堂が、注文があるかないか分からない高級食材を買い込むようなことはしませんよね!? それと同じです。

他の先生のおっしゃるようにマイクロ&拡大鏡はトレーニングを積まないと使いこなせませんから、電話であると返事をもらってもホコリがかぶってしまうぐらい使っていなければ無いに等しいです。

(あっ、私か・・・^^;)

当然意識の高い先生はマイクロなど購入されますが、
あっても採算ベースに乗らなければ必然的に使わなくなります。


りすさんのように治療費を払ってもいいからよい治療を受けたいという人が増えてくれればいいのですが・・・^^;



アメリカなどの審美の世界は拡大鏡が必須になっています。

来月私が参加するのレジンセミナー(日本)も拡大鏡を持参が条件になっています。
(最近全く使っていないので酔いそう・・・)

渡辺先生がおっしゃるように、安い物も色々でてきましたからこれから安い物から多少は普及すると思いますが、使わない先生は使わないで終ると思います。




>この仕事をすることにより私の視力は猛烈なスピードで老眼が進行しています(眼科医より忠告されています)。

ですよねぇ、今日も非常に長いコアの除去で1時間近く超音波で削って(取れました^^)、その後歯内療法して終ったら、治療後ピントフリーズに・・・

一日平均2〜3時間はマイクロとにらめっこしていれば当然目は悪くなりますよね・・・(T T)

 

>テレビドラマの医龍

医龍って拡大鏡で毛細血管も縫合していませんでした!?
「・・・・・ない!!」^^;

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: りすさん
返信日時:2008-01-24 00:41:56
先生方、早速のご返信、ありがとうございました!

本当にいつも丁寧にご回答いただき、感激しきりです。

拡大鏡を使用しない医院が多いことに対して、先生方のご意見で一致するのは、(タカタ先生のご指摘とかぶりますが)

1.面倒くさい、時間がかかる->数をこなさなくてはいけない保険診療では採算が合いにくい

2.使用に際し、熟練が必要

3.裸眼(+経験)に自信がある

(4.先生ご自身の健康に悪い)

が主なところかと思いました。

ちなみに、「場合によっては使用します」と回答した歯科医院は2軒ありました。1.の点から、自費に対して、あるいは複雑な治療に対してのみ使っているのかもしれませんが、井野先生のおっしゃる2.の点を考えると、常に使用している先生のほうが使用に対しての信頼がおける気がしました。

また、渡辺先生の例えはいつも非常に的確でわかりやすいです!

「自動車で薄暗い道をライトもつけずに運転する感覚」

なるほど!
「できる先生(超器用Dr by タカタ先生)にはできる」
というのはこういうことですね!

リンクありがとうございました。探してみます!

光武先生、詳細な解説と、ご意見、ありがとうございました。
私の基準に新たな項目が加わりました。

また、4.については光武先生と井野先生のご指摘ではじめて気づきました。
こちらの先生方は本当に身を削って治療にあたられているのですね。
その情熱と真摯な姿勢に感動しました。

返す返すも、こちらの先生方の医院に通えればよいのにと、本当にくやしいです。

これからも納得のいく治療のために、こちらで勉強しつつ、頑張りたいと思います。

田尾先生、いつもありがとうございます。
歯科医院検索システム、本当に楽しみにしています。

何も出来ませんが、心から応援しています!!!



タイトル 歯科治療で拡大鏡を使用しない理由は?
質問者 りすさん
地域 非公開
年齢 30歳
性別 女性
職業 非公開
カテゴリ 材料・機材関連
その他(その他)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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