下7番抜歯後、上7番の艇出の確率について

相談者: nnさん (43歳:男性)
投稿日時:2009-01-20 12:56:15
左下7番の根管治療後の調子が悪く、もう抜歯しかないのかと思っています。

その場合、抜後は、そのまま放置しようと思っているのですが、だいたいどの程度、上の7番は伸びてくるのでしょうか。
上と下の場合でも違いますか?


インプラントをされている先生のHPでは、伸びて歯肉にあたって困るのでインプラントを薦めているようですが。

結構そのままで過ごせている場合もありますか。
年齢も関係ありますか?

8番はありません。


よろしくお願いします。


回答 回答1
  • 回答者
歯科医師の松山です。
回答日時:2009-01-20 13:20:34
咬み合わせにより、また個人差により異なります。

下を抜いても上の7番が下の6番と噛み合ってる場合は、遠心が少し下がるくらいでほとんど挺出しません。
噛み合っていない場合は100%挺出しますが、その度合いは個人差が大きいです。


咬み合っているいないにかかわらず、咬み合わせも100%変化します。

わかっていない歯科医が多いです。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2009-01-21 19:51:42
松山先生のご意見に同意です。


個人差もありますが、長い期間をかけてちょっとずつ位置が変化しますので、全体の型を採取して、模型を作って頂き、かみ合わせの確認をして頂いてください。

御快癒を御祈念しております。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2009-01-22 02:09:49
この様な場合、基本的には「そのまま放置」を勧める派の渡辺です。
(※様々な検討事項がありますので、nnさんの場合でも必ずそうだとは言い切れません※)

参考⇒インプラント VS ブリッジ VS 短縮歯列咬合(SDA)



対合歯がない場合の、が動く率についての研究はいくつかあったと思います。
論文数は少なく、研究デザインにも多少問題がある様ですが、少なくとも「100%動く」と言いきったデータはない様に思いますよ。

参考⇒延長ブリッジのダミーについて

53人 10年以上対合歯のなかった大臼歯84本を模型上で計測した結果 

挺出 なし:18% / 2mm以内:58% / 2mm以上:24%
回転 なし:60% / 15度以下:31% / 15度以上:10%
傾斜 なし:62%(ほとんどで隣在歯あり)

・・と言う内容。
個人的には、2mm以内の歯の動きで実害が出てくることは少ないと思います。
(タンザニアの別の研究では数値は大きく異なったそうです。)


因みに、かみ合う歯が全くない場合は、下の歯よりも上の歯が延びやすい様ではありますね。
とは言えどこまでも延びる訳ではないですが・・^^;

参考⇒歯根破折と、インプラントのアレルギーについて



咬み合わせの変化が起きる場合は、数年以内ぐらいで起きることが多いということが知られていますが、



と言う研究では、
SDAを9年間フォローアップした結果、初期の咬み合わせの変化は、新しい平衡を導くための適応である。
とまとめられています。
(SDAについて数多くの研究をしてきている有名なDrの論文です)




つまり「延びるか延びないか」、「咬み合わせが変わるか変わらないか」が問題の本質ではないので、

「(顎関節の痛みなど)具体的な問題が出るか出ないか」

という問いに対して、過去の臨床研究データの分析により、客観的には「ほぼ否定されている」と捉えて良いと思いますよ。



歯の欠損に対しての為害性については100年ぐらい前から随分誇張されてきた様ですし、臨床経験的にはなんとなく分かる気もするのですが(主観的な意見)、1992年にはWHOもSDAの考え方を支持しているそうです。




露骨に意見が分かれていますが、傾向として米国の歯学教育の影響を強く受けている国の先生(日本もそうです)は、松山先生、佐藤先生の様な意見が多そうです。

世界的に見てもたぶん多数派だと思いますので、ある意味正解に近いのかも知れません。

一方で北欧の、研究データを非常に重視する様な教育の影響が強い先生の間では、私の様なSDA支持の意見も少なくないと思いますよ。



少なくとも、元々あったものがなくなれば、いいことばかりではないかも知れませんね。

抜かずに再治療する場合やインプラントをする場合、費用対効果と言う面でも考えなくてはなりませんし・・。

お大事にされて下さい。

回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2009-01-22 05:57:59
nnさまおはようございます。


左下7番の根管治療がはかばかしくなく抜歯を決意なさったわけですね、仰るように抜歯した後の対合歯は下の7番と咬合していたら咬合関係がなくなるので、一般的には挺出してくることが知られています。

その程度については私の経験では個人的な差があるようです、稀には歯肉に接触するほど挺出して、食事の時に歯肉に傷をつけてしまうこともあります。

一方挺出はしてくるものの、それほどひどくない場合もあるようです。


したがって挺出の程度については経過をフォローしていくしかありません、しかし挺出してしまった後ではリカバーするためには、挺出量より少し多めに削合したうえで形成をして冠を被せることになるでしょう。

もし他のが健全で将来補綴の必要がないのであれば、7番1本の欠損であれば大きな問題は起こらないと思います。


しかし他にも問題を抱えておられて将来抜歯になる可能性のある歯が存在するなら、インプラントを考えたほうがいいように思います。

しかしこの歯が本当に保存不可能かどうかもう一度検討なさってもいいように思います。

再根管治療は困難なのかもしれませんが、引き受けていただけるDrを探されて相談なさってみてはいかがでしょうか。


参考になさってください、お大事になさいませ。




タイトル 下7番抜歯後、上7番の艇出の確率について
質問者 nnさん
地域 非公開
年齢 43歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ 虫歯、根の病気で抜けた・抜く予定
抜歯:7番(第二大臼歯)
噛み合わせ(咬合)その他
専門的な質問その他
その他(その他)
回答者




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