シーラントについて意見を聞きたい

相談者: Chch55さん (45歳:男性)
投稿日時:2012-11-22 10:01:58
虫歯になりにくくするために、奥歯等にシーラントをする方法があるようですが、利点と欠点、またシーラントを行うことについてのご意見を頂ければと思います。

当然虫歯の予防効果はあるのでしょうが、逆に何らかのデメリット(結局人工的な物質を入れているので)もあるのではと推測します。

上記の観点でご意見頂けると幸いです。


回答 回答1
  • 回答者
細見歯科医院の細見です。
回答日時:2012-11-22 10:08:12
個人的にはシーラントは好みではないので行いませんが。

利点として

臼歯の深い溝を埋める事によって虫歯予防を期待する、また材料にフッ素徐放性の材料を使う事によってこれも虫歯予防を期待する。


欠点として

ほとんどの物はレジン系の材料です、エッチングが必要です、エッチングは酸によってエナメル質を一部と溶かす事です。
またシーラントは人工物ですから欠けたり脱離したりする事が有ります、欠けたりすればその部分はかえってプラークが溜まりやすくなります。

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回答 回答2
  • 回答者
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
回答日時:2012-11-22 10:41:52
シーラントは、歯ブラシの毛先がまったく届かない奥歯の深い溝を人工的にふさいでしまうことで、虫歯になりやすい部位をなくしてしまう虫歯予防法です。

参考⇒シーラント

生えたばかりの歯は石灰化が不完全ですから、汚れが停滞して唾液の緩衝能が劣る部位は脱灰しやすく虫歯になりやすいことを臨床上よく経験します。

食事内容や摂食法がよくて唾液の性状もよく、細菌の菌叢もよければワザワザ人工的なもので溝を封鎖する必要はないとは思いますが、実際にはそういう条件が整った子供さんばかりではありません。
歯科医師がお口の中を診断して必要と判断すれば、おススメすることがあるかと思います。

保険適用されている数少ない虫歯予防法ですから、上手に利用されてはいかがでしょうか?

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回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2012-11-22 11:41:55
レジン系の材料で行うこともありますが、グラスアイオノマーという材料を使うこともあります。
研究によると結果には差がありません。
私は後者が好みです。

歯科医師によって考え方が異なるので、実際にやる場合はその点に関してもご説明をうけるとよろしいかとおもいます。

お大事にどうぞ。

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回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2012-11-22 12:00:41
僕も細見先生と同意見で、シーラントはほとんどやりません。

利点欠点も細見先生が書かれている通りです。
むしろ、欠点に関してはもっと危機感を持っています。


歯科大学でも衛生士専門学校でも「とても有効な予防法」として教育されるのですが、「しっかり防湿出来る事」が前提となります。


衛生士学校では学生さん同士でシーラントの実習を行うのですが、学生さんの年齢は20歳前後です。
永久歯は完全に出ていますし、泣いたり暴れたりしません。

しかし、本来シーラントの対象となるのは「生えたての永久歯」です(年齢的には6才くらいから)。

唾液も多く、じっとしてもらうのも大変だと思います。

処置中に唾液の混入があればシーラントははがれやすくなります。
酸処理をして詰めた詰め物がはがれやすいと言うのは決して好ましい状態ではないと思います。

当然、定期的なチェックが必要なわけですが、仮にチェックの前日にシーラントが剥がれたとすればリスクは低いと思いますが、シーラントした直後に剥がれていたとすれば不安です。

なので、シーラントをするのであれば「ラバーダム防湿」が必須であると考えます。

小児歯科専門医であればお子さんの扱いにも慣れていらっしゃると思いますし、小児にラバーダムをかけるのも得意だと思いますので、構わないのですが、そうではない一般歯科医がラバーダム無しでシーラントを行うと言うのはお勧めできません。


大野先生が提案されていらっしゃるように酸処理を必要としないグラスアイオノマーセメントであれば上記のような危険性は少ないと思いますので、僕もシーラントをする場合にはグラスアイオノマーセメントを使用します。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2012-11-22 13:14:48
Chch55さん、今日は


シーラントのよる2次虫歯の可能性は、エッチングするかどうかではないと思います。

部分的にとれてしまった場合、その段差から起こる危険性の方が高いのではないでしょうか。

その点では、レジン系よりグラスアイオノマー系の方が、とれにくく、二次虫歯になりにくいのではないかと思います。
でもどちらもそんなに大差ないと思いますが。


むしろ適応症かどうかをきちっと判断される必要があるでしょう。

まず第1に、定期検診かメインテナンスを受けていること。
これがないと、二次虫歯になった時に発見が遅れて、神経を取るというより重篤な状態に陥ってしまいます。

第2に、虫歯リスク(虫歯のなりやすさ)が高いということ。
お口全体のリスクと、その溝の部分の局所のリスクの両方から判断します。

リスクが低ければ行うことによる二次虫歯のリスクの方が高くなってしまうかもしれません。


もしお子さんのことではなく、ご自身の歯のことでお考えでしたら、年齢的に考え、今まで虫歯にならなかったということから、いくら溝が深くても、リスクはかなり低いと考えられますので、適応症にはならないと思います。


また、仮に行うなら、術式を守る必要がありますが、術式がきちっと守られていない歯科医院をお多く見かけます。
術式をきちっと守っていたら、保険治療では赤字になりかねないからです。

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相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Chch55さん
返信日時:2012-11-23 03:55:14
諸先生方、コメント及びアドバイスありがとうございました。
やはり利点のみならず、マイナス面も考えなければならないと言うことがよく分かりました。

担当医にも確認して最善と思われる判断をしたいと思います。


 
回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2012-11-23 05:17:05
Chch55さまおはようございます。

シーラントのデメリットについてお知りになりたいようですね。

個人的には幼若永久歯には、アイオノマー系のシーラントを多用しています、しかしむし歯予防にはシーラントだけでは片手落ちです。

そのお子さんのリスクに応じて、今なにが一番必要なのかを十分考慮して行う予防方法の補助手段という位置づけです。

大人の場合はシーラントは基本的に行いません、これはシーラントにより咬合高径の変化を嫌うからです。

先ずむし歯になるほどお菓子を食べ過ぎないというのが、一番の注意事項です、次いで歯磨き技術の習得です。

また6歳臼歯にはしばしば盲孔という生まれつきの穴があります、これは前もって塞いでおかなければなりません。

このようにむし歯予防を考えるには、その方に応じたそれなりの方法が必要です、シーラントはその中のひとつの手段です。

例えば歯の溝が浅くてお菓子の食べすぎもなく歯磨きが上手な子どもさんには必要ありません、その逆ならシーラントは必要だしフロスも必須です、使わなければむし歯になる危険性は高いと考えるべきです、参考になさってください。

むし歯のできないおさとうの量 http://www.yamadashika.jp/prevent05.html
むし歯を作らない子育て http://www.yamadashika.jp/prevent.html#01
シーラント http://www.yamadashika.jp/prevent02.html#a03
盲孔 http://www.yamadashika.jp/prevent02.html#a04
永久歯むし歯ゼロ http://yamadashika.jugem.jp/?eid=1418

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: Chch55さん
返信日時:2012-11-23 05:43:57
山田先生、ありがとうございます。

やはり色々な状況に応じて適切な対応を行うことが、とても重要だと言うことがよく分かりました。

そうしないと、効果があまり期待できなかったり、場合によってはマイナスにもなり得ると言うことですね。

頂いたアドバイスは参考にさせて頂きます。



タイトル シーラントについて意見を聞きたい
質問者 Chch55さん
地域 非公開
年齢 45歳
性別 男性
職業 非公開
カテゴリ シーラント
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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