質問 |
らとな 2024/01/16(Tue) 23:25
ご回答くださる歯医者さま、ありがとうございます。
イギリス在住の8歳の娘ですが、去年、歯の治療を行い、詰め物をしたところ、上の奥歯にフロスが通らなくなりました。
イギリス歯科医(治療してくださった歯科医)の検診で、その事を質問したら、乳歯だから気にしなくてよいと言われ、日本に一時帰国した際に、日本の歯医者さんにも訊いてみたところ、乳歯だし、治療によっては歯がそのようになってしまうこともあるから、問題はないと思う、と言われました。
私としては、これから顎の成長に伴い、歯も一緒に動いていくと思うので、歯は離れていたほうが良いと思いますし、歯並びにも影響するのではと思うのですが、歯並びには影響しないと言われました。
気のせいか、詰め物をしている側の八重歯が、反対側の八重歯よりも前に出てきているような気がしますし、詰め物をしていない下の歯は綺麗に並んでいるところを見ると、やはり歯が動けるようにしたほうが良いのではと思ってしまいます。
サードオピニオンを訊きに、3件目の歯科医院に行ってみようかとも思うのですが、専門家の先生の話をここでも伺ってみたいと思い、質問させて頂きました。
一度詰め物をした歯を、フロスが通るようにする治療は、難しいものなのでしょうか。また、その必要はおありだとお考えでしょうか。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。 |
回答1 |
井野泰伸 2024/01/17(Wed) 09:25
こんにちは、
「フロスが通らない=両隣の歯にくっ付いている」とはなりませんよ。
だいたいはオーバー充填であり、歯と歯は分かれているのでお子さんの顎骨の成長に悪影響がでるようなことはまずないと思います。
心配であればやり治すのも1法ですが、
乳歯は神経が近くて簡単に露髄⇒歯髄壊死⇒膿が出る⇒後続永久歯に悪影響が出る。
という流れで今度は次の問題に悩まれるかもしれません。
歯の治療は患者さんが思っている以上に難しいもので、子供の治療は大人より格段に難しいです。
また子供は唾液の量も大きいですし、ずっと同じ態勢を取れないので短時間で詰める際に段差というのは発生しやすいものです。
実際見ていませんが、私も経過観察で問題が起こったら再介入しましょうというかもしれません。
また乳歯は水分量が多いので詰め物が外れやすいので、外れた際になるべく段差がないように治してもらった方がいいような気もします。
後、歯科治療は全てのもので少なからずリスクがあります。
デメリットの方が大きく出れば今より悪くなってしまい、更に更に治療が必要となり抜歯に近づきます。
今回の場合メリットに対するリスクが大きい治療であることは知っておかれてください。
おだいじに
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回答2 |
Dr.ふなちゃん 2024/01/17(Wed) 10:44
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船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
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こんにちは。
井野先生と同じようにフロスが通らないイコール歯が動かないではないので、どちらの問題だろう?と思いました。
フロスが上手く通らないように1本を詰めてあるのでしょうから、歯は動くと思いますよ。
乳歯の奥歯の後続永久歯は乳歯より小さな永久歯が生えますから、虫歯になって抜歯になったら保隙装置を入れて奥歯が動かないようにして永久歯の交換を待つ場合もあるくらいです。
動かない事で歯並びに問題があるのか?は、小児歯科や矯正歯科でパノラマ撮影してもらい説明を受ける事ができるでしょう。
フロスが難しい為に健康な隣の乳歯の隣接面の虫歯リスクが心配だという場合は、形態修正も可能でしょう。メタルストリップやメタルのヤスリを入れて形よく修正することができるかもしれません。ただ、そこまでは要らないと考えられてやり直し不用などの説明を歯科医がしたのかもしれません。
どうでしたか?
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返信1 |
らとな 2024/01/18(Thu) 09:58
【井野 泰伸 先生】
とても分かりやすいアドバイスを頂きまして、本当にありがとうございます。
非常に納得致しました!メリットとデメリットのバランスについて、とても勉強になりました。
そして、とても安心しました。私はてっきり「詰め物が歯と歯の間に入っていて、接着剤のように二本の歯をくっつけている」のだと思っていました。
やり直しにこだわることのリスクも、とてもよく理解できました。
顎が成長しても、歯がくっついていたら、ちゃんと動かないのではという心配も払拭されました。
ちなみに、私自身が歯のクリーニングを受ける時、紙やすりのようなものを歯の間に通されることがあるのですが、あれでは娘の歯の隙間を開けることは難しいのでしょうか。
やはり、柔らかい乳歯にやると、リスクのほうが高いのでしょうか。
お答え頂けましたら、とても嬉しいです。
本当に、ありがとうございます。
【Dr.ふなちゃん 先生】
専門的な知識を分かりやすく教えて下さいまして、本当にありがとうございます。
私はてっきり「フロスが通らない=歯の隣接面が詰め物で接着されてる」と勘違いしておりました。
なので、歯医者さんには、「フロスが通らないが大丈夫か」といった簡単な質問しかしておらず、返ってきたお返事も、「大丈夫。乳歯だし気にしなくていい」と言われただけでした。
二件目の歯医者さん(日本)では、一番自分が心配していた「フロスが通らない状態(くっついていると勘違いしていました)では、顎の成長に合わせた歯の動きができないのではないか」を質問したら、「そういう治療になることはある。乳歯だし、歯並びに影響しないから大丈夫」と言われました。
ちなみに、メタルストリップやヤスリというのは、健康な歯が削がれるリスクもありますか?
フロスが通るにこしたことはないと思うのですが、ヤスリをすることでのデメリットがあれば、その点も学ばせて頂ければ、とても嬉しいです。
本当に、ありがとうございます。
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回答3 |
Dr.ふなちゃん 2024/01/18(Thu) 13:52
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船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
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永久歯と乳歯は形が違いますから乳臼歯はどちらかといえばコンタクトがペタンと幅広いです。隣接面に樹脂を詰める時も歯冠長が短いですからペタンと平坦な形に詰められるのが普通でしょう。
フロスが全く入らないのか?歯科衛生士が行えば上手く入るのか?まず歯科衛生士にお手本を見せてもらうと良いかもしれませんね。歯科衛生士がやっても入らないならば歯科衛生士から詰め直しを歯科医に依頼してくれるかもしれません。
両方の隣接面が虫歯で左右レジン同士が接触しているならば、歯茎の炎症が起きなければあまり問題にならないという場合もあるでしょう。もう歯は削り取られてレジンは酸で歯のようには溶けないからです。
隣り合う片側の歯だけが虫歯でそこだけレジンならば、隣り合う健康な歯の虫歯リスクはフロスができない事で高まる可能性が生じるでしょう。
色々なパターンがありますからまずは積極的に歯科衛生士に相談してみてください。
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返信2 |
らとな 2024/01/18(Thu) 21:16
Dr ふなちゃん 先生
ご丁寧にお返事を頂きまして、ありがとうございます。
色々なケースがあるのですね。
とても勉強になりました!
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