質問 |
うままま 2024/06/20(Thu) 11:50
ベニアに、歯をどのくらい覆うかによって呼び方に種類があるのか質問です。
アメリカ在住で、先ほど歯医者にコンサルテーションに行きました。
矮小歯が右上2番左上2番にあり、20年前からベニアをかぶせてますが
矯正して前のベニアが合わなくなり交換予定です。
そのコンサルテーションに補綴専門医に行ったところ、「ブラックトライアングルがあるから、ここをダイレクトボンディングして形を整えたら、もっと見た目が整いますよ」と言われました。
特にそこまでは予定していなかったので、聞き流して、「ベニアの見積もりをいただけますか?」とお願いしました。
家に帰って見積もりを良くみたら、labial veneer(porcelain)の項目と、black triangleの項目になっておりました。
”labial"って、どういう意味なのかなぁと”labial veneer”を検索したら、 "歯の全面だけを覆うベニア”と出てきました。
それと、ベニアの他の種類としてpacial(部分的にのみ覆う)、full(歯の全体を覆う)というのも出てきました。
この、”labial veneer”というのは、歯の前面のみを限定して覆うというものでしょうか?歯の側面や、歯の下の部分は、全然覆わないということでしょうか?
ベニアが覆うのは歯の表面オンリーで、側面や歯の下部分やブラックトライアングルはダイレクトボンディングで形を整えるという意味の見積もりなのでしょうか?
自分でもググってみたのですが、今ひとつよくわからないので、ご教授いただけたら助かります。宜しくお願い致します。 |
回答1 |
Dr.ふなちゃん 2024/06/20(Thu) 12:21
|
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
|
こんにちは。歯科で言うlabialは、唇側という意味です。
ですから唇側にベニアが貼られる普通のタイプという意味でしょう。
パーシャルベニアは主に歯の唇側の一部に貼るベニアで離開した歯の隙間を塞ぐ際に隙間側に貼るタイプなどです。フルベニアはほぼクラウン形態です。
今回はお話の内容からブラックトライアングルは残した形で作られるのでしょう。
ベニアだけで塞ぐことも出来るでしょうが、ダイレクトボンドで歯の形を大体綺麗に整えた上に均一な厚みでベニアをポーセレンで作るタイプというお話だと思います。
ポーセレンは綺麗ですが、透過性が高く曲げ強度100Mpaと弱めです。昨今は様々なセラミック素材がありますが、大抵の場合再表層はポーセレンを盛り表面の艶感が歯と近似したように綺麗に仕上げるのが一般的でしょう。
よくわからないままですと、仕上がりに納得行かなかったりしてトラブルになる可能性がありますから、わからない事ははっきりわからないとお伝えして実際のケース写真なども使って説明をしでもらうと良いのではないでしょうか?
ブラックトライアングルはお口の中の暗さを拾いますから透過性の高いポーセレン単体では暗く沈んだ色にしか仕上がらない為下地にダイレクトボンドを追加して暗さを遮蔽しておくと綺麗な形と色に仕上がるよという説明でしょう。ポーセレン単体ではそうなります。
|
返信1 |
うままま 2024/06/22(Sat) 03:06
ふなちゃん先生、
ご回答いただき、ありがとうございます。
”labial"は唇側という意味なのですね。
またダイレクトボンディングの使い方についても詳しく教えていただきありがとうございます。腑に落ちました。
『よくわからないままですと、仕上がりに納得行かなかったりしてトラブルになる可能性がありますから、わからない事ははっきりわからないとお伝えして実際のケース写真なども使って説明をしでもらうと良いのではないでしょうか?』
- 本当にその通りですよね。何度も聞いたら迷惑に思われるのではないかとか、気にしてしまうクセがあるので、頑張って、わからないこと不安なことはきちんと聞こうと思います。
ちなみに、フルベニアは形状はほぼクラウンという事ですが、フルベニアとクラウンは用途にどんな違いがあるのですか?
それと、接着について追加で質問したいのですが、今のベニアは20年前くらいのもので両方とも2-3回ずつ外れてしまい、しかも再接着した時に曲がってしまった経緯があります。
現在の接着剤は昔のものより進化してると思うのですが、それでもやはりベニアは何度も取れてしまうリスクは仕方がないのでしょうか?それとも、かなり接着材は進化を遂げており、強力に歯面とくっついて脱落しにくいのでしょうか?
またベニアが取れて再接着したら曲がってくっつけられるのではと考えると、クラウン(もし神経を取らずにクラウンを被せられるならですが)にした方が良いのかと
悩んでいます。
臨床においての、昨今の接着剤の感覚を教えていただけると助かります。
|
回答2 |
Dr.ふなちゃん 2024/06/23(Sun) 11:07
|
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
|
〉フルベニアとクラウンは用途にどんな違いがあるのですか?
フルベニアは歯をほとんど形成しないで、クラウンは心棒状に削ります。普通のベニアでも形成量や形成の形は数種類分類があります。
矮小歯という事ですからフルベニアが可能なケースか?は直接お尋ねになると良いでしょう。
〉臨床においての、昨今の接着剤の感覚を教えていただけると助かります。
エナメル質への接着はバンドをまかないブラケット矯正が出来た時代から代わりがありません。20年以上問題なくくっついているケースレポートもすでに沢山あります。反対に歯を削って象牙質が出ると過去は接着がほとんど効かなかったのですが、時代が進化して象牙質の接着への樹脂の接着も可能になっています。まだ開発から浅い為、数十年のケースレポートはありませんから出来るだけエナメル質を残して接着する方が安心だと考えられています。
|
返信2 |
うままま 2024/06/24(Mon) 03:44
ふなちゃん先生、
ご回答いだたきありがとうございます。
フルベニアというのは、今回初めて聞きました。
矮小歯の補綴の選択肢はダイレクトボンディングかベニアかクラウンしかないと思っていたのですが、矮小歯なら、もしかしたらフルベニアというのも可能なケースということもあり得るのですね!補綴専門医に確認してみます。
エナメル質と象牙質で、接着の安定性が変わるのですか!そんな違いがあるとは全然知らなかったので、勉強になりました!
先日補綴医とコンサルティングした際に、補綴の材質と歯を削る量を質問したのですが、ベニアならEmax、クラウンならジルコニアを使用し、削る量はベニアは表面薄くのみで、クラウンは1.8mm(但し、矮小歯は小さいのでそれより少なく必要最小限)との事でした。
そこで質問なのですが、側切歯の矮小歯の歯のエナメル質の厚さというのは、
何ミリくらいあるのでしょうか?クラウン用に削っても、まだエナメル質が
残るくらいの厚みがある(神経にも影響なくできる)のでしょうか?
私は歯の神経は絶対に残したいのですが、フルベニアが適応でなく
もしクラウンを選択する場合、クラウン用に歯を心棒状に削る際に
神経を抜かずに可能かどうか、どうやって判断(診断?)するのでしょうか?
レントゲンとかでしょうか?
それとも、神経を温存できるかどうかは実際に削ってみないとわからないので、
事前には判断することは出来ず、削ってみたら神経が露出しちゃったから
神経抜かないといけませんね、とかになるのでしょうか?
何度も質問させていただいて恐縮ですが、歯の神経をどうにか温存したい
ので、ご教示頂けますよう、よろしくお願いいたします。
|
回答3 |
Dr.ふなちゃん 2024/06/24(Mon) 13:42
|
船橋歯科医院(岡山市北区)の船橋です。
|
〉神経を温存できるかどうかは実際に削ってみないとわからないので、
事前には判断することは出来ず、削ってみたら神経が露出しちゃったから
神経抜かないといけませんね、とかになるのでしょうか?
矮小歯といっても歯の形も大きさも歯茎との関係もバリエーションが豊富ですから、実際に診察した歯科医に貴方の歯一本一本の条件下で説明を受けなければいけないですね。
エナメル質の厚みに関しても個々で違いますし、歯髄が入っている腔の形も事なりますが、ある程度の標準値がありますから、それを頭に入れていて形成すると思います。レントゲン写真は基準となるスケールを一緒に写す事はしないですし、角度により歪みがあるのが普通ですから(レントゲンの影絵だと思うとわかりやすいでしょうか?)正解ではないですが、ある程度の事はわかるでしょう。
ただ、削ってみたら歯髄症状が出て抜髄になるというケースは
なくならないと思います。
|
返信3 |
うままま 2024/06/25(Tue) 06:40
ふなちゃん先生、
ご回答いただき、ありがとうございます。
確かに矮小歯は正常形態ではない小さく薄い歯ですし、担当医が個々の歯を
診察してみないとなのですね。以前、日本人の歯のエナメル質は欧米の方に
比べると厚みが薄いとも聞いたことがあります。
『ただ、削ってみたら歯髄症状が出て抜髄になるというケースはなくならない
と思います。』
クラウンは、やはり神経を抜く事になるリスクはやはりあるのですね...
詳しく丁寧に何度も質問にお答えいただいて、ありがとうございました。
本当に助かりました!
|