2歳児への9000ppmフッ素塗布
相談者:
てんそくさん ( : )
投稿日時:2007-05-25 13:53:00
先日 掛かりつけ医に余り含量の多いフッ素は勧めないと言われました。
しかし過日、保健所にて9000ppmの塗布をしてしまいました。
その時は特に急性の症状があったわけではないのですが 長期に渡って体内に残留してしまうのか等が心配になってきました。
保健所や都では大丈夫と当たり前の様にいいますが 本当に安全性が確立されているのか大変不安です。
子供が成長してから影響が出たりする可能性もあるのでしょうか?
又 9000ppmを1回塗布するとどの程度 体内に残留してしまいますか?
しかし過日、保健所にて9000ppmの塗布をしてしまいました。
その時は特に急性の症状があったわけではないのですが 長期に渡って体内に残留してしまうのか等が心配になってきました。
保健所や都では大丈夫と当たり前の様にいいますが 本当に安全性が確立されているのか大変不安です。
子供が成長してから影響が出たりする可能性もあるのでしょうか?
又 9000ppmを1回塗布するとどの程度 体内に残留してしまいますか?
回答1
回答2
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2007-05-26 09:48:00
タカタ先生、「僕が専門」じゃなくて、「僕の姉が専門」なんですよぉ。ま、どっちでもいいですけど(笑)。
で、姉に聞きました。
保健所で決められた通りに局所塗布されていれば「全く」問題はありません。半年に一度、年に一度程度であれば、むしろ積極的にされてください。
だそうです。
で、もう少し詳しくフッ素の毒性について書きます。
フッ素の毒性は「慢性中毒」と「急性中毒」にわけることができます。
慢性中毒は「ある濃度以上のフッ素を長期間摂取することにより発生」しますから、今回のケースには当てはまりません。
急性中毒は個人差がありますが「体重1kgあたり2mg」が中毒発現量といわれています。
一般にフッ素の歯面塗布に用いられる2%フッ化ナトリウムを例に挙げると体重15kgの小児で約3.1mlを誤飲すると急性中毒を発生します。通常の5mm綿球にはだいたい0.1〜0.15mlの溶液が染み込みますから塗布用の綿球を20〜30個丸呑みしない限りは急性中毒は発症しません。
しかも、実際には溶液の大部分は綿球中に残留しますから100個くらい飲まなければ大丈夫だと言えると思われます。
上述した「保健所で決められた通りに」と言うのは「使用量は2.0mlまで」のはずですから「かなり安全」と言えると思います。
また、ご家庭での歯磨き粉に含まれているフッ素はどうなのか?と言う事についても調べましたが「子供用歯磨き500ppm以下」の場合、体重15kgであれば40〜50g丸呑みしなければ安全ですから、ほぼ、チューブ1本を誤飲しなければ大丈夫と言う事になります。
フッ素に限らず、薬剤には必ず副作用や毒性が存在します。
しかし、フッ素は用法、用量を守れば、これほど予防になる武器は存在しません。
適切な使い方で虫歯予防をしましょう。
お子さんの歯を守れるのはお母さんしかいらっしゃいませんからね。
p.s.
誤飲が心配であれば、フッ素に比べると少し高価ですが、(牛乳アレルギーが無ければ)MIペーストを使うと言うテもあります。
ウチの子は日頃はMIペーストがメインで、時々、高濃度フッ素ですね。
で、姉に聞きました。
保健所で決められた通りに局所塗布されていれば「全く」問題はありません。半年に一度、年に一度程度であれば、むしろ積極的にされてください。
だそうです。
で、もう少し詳しくフッ素の毒性について書きます。
フッ素の毒性は「慢性中毒」と「急性中毒」にわけることができます。
慢性中毒は「ある濃度以上のフッ素を長期間摂取することにより発生」しますから、今回のケースには当てはまりません。
急性中毒は個人差がありますが「体重1kgあたり2mg」が中毒発現量といわれています。
一般にフッ素の歯面塗布に用いられる2%フッ化ナトリウムを例に挙げると体重15kgの小児で約3.1mlを誤飲すると急性中毒を発生します。通常の5mm綿球にはだいたい0.1〜0.15mlの溶液が染み込みますから塗布用の綿球を20〜30個丸呑みしない限りは急性中毒は発症しません。
しかも、実際には溶液の大部分は綿球中に残留しますから100個くらい飲まなければ大丈夫だと言えると思われます。
上述した「保健所で決められた通りに」と言うのは「使用量は2.0mlまで」のはずですから「かなり安全」と言えると思います。
また、ご家庭での歯磨き粉に含まれているフッ素はどうなのか?と言う事についても調べましたが「子供用歯磨き500ppm以下」の場合、体重15kgであれば40〜50g丸呑みしなければ安全ですから、ほぼ、チューブ1本を誤飲しなければ大丈夫と言う事になります。
フッ素に限らず、薬剤には必ず副作用や毒性が存在します。
しかし、フッ素は用法、用量を守れば、これほど予防になる武器は存在しません。
適切な使い方で虫歯予防をしましょう。
お子さんの歯を守れるのはお母さんしかいらっしゃいませんからね。
p.s.
誤飲が心配であれば、フッ素に比べると少し高価ですが、(牛乳アレルギーが無ければ)MIペーストを使うと言うテもあります。
ウチの子は日頃はMIペーストがメインで、時々、高濃度フッ素ですね。
回答3
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2007-05-28 07:50:00
タイヨウ先生の言われるように、毒性に対しては問題ないと思います。
最近のフッ化物(フッ素)に対する考え方は、高濃度のフッ化物を年に数回塗布して、歯の表面を虫歯に対して強くするよりも、低濃度のフッ化物を毎日頻繁に使って、脱灰しかけた歯の表面を再石灰化する働きのほうを重要視するようになって来ています。
また、フッ化物を使う際に個人個人の虫歯のなりやすさ(虫歯リスク)に応じて、使用方法や回数を決めていくことが大切です。
虫歯リスクが高くなければ、毎日数回のフッ化物の入った歯磨き材を使用すればよいでしょう。
虫歯リスクが高ければ、さらにフッ化物の洗口(国際的な基準ではに6歳以上)や年に数回の高濃度のフッ化物の塗布などを、組み合わせることになります。
フッ化物歯磨き材の使用基準(虫歯予防先進国のスウェーデンの場合)、
3歳未満:
500ppmの濃度のもの(日本では歯科医院でしか手に入らないようです)を、その子供の小指の爪の大きさ程度使用します。
3歳以上6歳未満:
900−1000ppmの濃度(市販されているほとんどの歯磨剤)を使用して、歯ブラシの横幅分の量を使用します。
6歳以上:
900−1000ppmの濃度を使用して、歯ブラシのたていっぱいの量を使用します。
MIペーストについては、まだ動物実験で歯の表面の歯質が強化されたいう基礎研究(Anticariogenicity of calcium phosphate complexes of tryptic casein phosphopeptides in the rat. Reynolds EC et.all)はありますが、実際に使用して虫歯が減ったという臨床研究はありません。
また、この研究は、フッ化物歯磨き材と併用することを勧めています。
最新の材料や技術を使う場合は、ゴールデンスタンダード(十分に研究され、効果も確認されていて、今まで長期にわたって最もよく使われている)に比べ、より効果的で、欠点の少ないことが証明された時点で、初めて一般に使用することが勧められます。
これらの研究と基準から考えると、MIペーストを単独で使用せずに、フッ化物歯磨き材と併用すれば、虫歯予防に少し効果的かもしれないということが出来ます。
最後に、”虫歯予防といえばフッ化物”というぐらいフッ化物は一般的ですが、フッ化物の予防効果は高々20−30%虫歯を減らすというぐらいです。
虫歯予防を成功させるには、フッ化物の使用と、歯磨き、食事コントロールの3つが大切で、さらにそこに虫歯を減らそうという意識が加わると効果が上がります。
予防に関心のある歯医者をホームドクターを持って、ご自身(本人や家族)も興味を持ち、適切なアドバイスを受けてください。
⇒参考:虫歯(むし歯)の予防法
最近のフッ化物(フッ素)に対する考え方は、高濃度のフッ化物を年に数回塗布して、歯の表面を虫歯に対して強くするよりも、低濃度のフッ化物を毎日頻繁に使って、脱灰しかけた歯の表面を再石灰化する働きのほうを重要視するようになって来ています。
また、フッ化物を使う際に個人個人の虫歯のなりやすさ(虫歯リスク)に応じて、使用方法や回数を決めていくことが大切です。
虫歯リスクが高くなければ、毎日数回のフッ化物の入った歯磨き材を使用すればよいでしょう。
虫歯リスクが高ければ、さらにフッ化物の洗口(国際的な基準ではに6歳以上)や年に数回の高濃度のフッ化物の塗布などを、組み合わせることになります。
フッ化物歯磨き材の使用基準(虫歯予防先進国のスウェーデンの場合)、
3歳未満:
500ppmの濃度のもの(日本では歯科医院でしか手に入らないようです)を、その子供の小指の爪の大きさ程度使用します。
3歳以上6歳未満:
900−1000ppmの濃度(市販されているほとんどの歯磨剤)を使用して、歯ブラシの横幅分の量を使用します。
6歳以上:
900−1000ppmの濃度を使用して、歯ブラシのたていっぱいの量を使用します。
MIペーストについては、まだ動物実験で歯の表面の歯質が強化されたいう基礎研究(Anticariogenicity of calcium phosphate complexes of tryptic casein phosphopeptides in the rat. Reynolds EC et.all)はありますが、実際に使用して虫歯が減ったという臨床研究はありません。
また、この研究は、フッ化物歯磨き材と併用することを勧めています。
最新の材料や技術を使う場合は、ゴールデンスタンダード(十分に研究され、効果も確認されていて、今まで長期にわたって最もよく使われている)に比べ、より効果的で、欠点の少ないことが証明された時点で、初めて一般に使用することが勧められます。
これらの研究と基準から考えると、MIペーストを単独で使用せずに、フッ化物歯磨き材と併用すれば、虫歯予防に少し効果的かもしれないということが出来ます。
最後に、”虫歯予防といえばフッ化物”というぐらいフッ化物は一般的ですが、フッ化物の予防効果は高々20−30%虫歯を減らすというぐらいです。
虫歯予防を成功させるには、フッ化物の使用と、歯磨き、食事コントロールの3つが大切で、さらにそこに虫歯を減らそうという意識が加わると効果が上がります。
予防に関心のある歯医者をホームドクターを持って、ご自身(本人や家族)も興味を持ち、適切なアドバイスを受けてください。
⇒参考:虫歯(むし歯)の予防法
タイトル | 2歳児への9000ppmフッ素塗布 |
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質問者 | てんそくさん |
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性別 | |
職業 | |
カテゴリ |
虫歯予防 フッ素 う蝕関連 予防関連 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。