デンタルリンスや、乳酸菌入り(LS21)タブレットの効果は?
相談者:
N.Oさん (43歳: )
投稿日時:2007-01-11 03:56:07
歯周病菌を殺菌するデンタルリンスなどが出ていますが、どれだけ効果が期待できるものでしょうか?
初期虫歯(歯科医院で治療しなくて良いと言われた)があるので、通常はフッ素ジェルを使って歯磨きをしています。歯周病もあるので、寝る前や起床直後の歯磨きでフッ素ジェルとデンタルリンスを使い分ける方法など、お奨めがあればお教えください。
また、口の中には善玉菌もあると聞きますが、デンタルリンスを使うと悪玉菌と同時に善玉菌も殺菌されてしまうようにも思えますが、大丈夫なのでしょうか?
乳酸菌入り(LS21)のタブレットや歯磨き粉もあるようですが、効果のほどはいかがなのでしょうか?
デンタルリンスで殺菌後に乳酸菌タブレットをなめると、より高い効果が期待できますか?
すいません、あれもこれもになってしまいました。どうぞよろしくお願いいたします。
初期虫歯(歯科医院で治療しなくて良いと言われた)があるので、通常はフッ素ジェルを使って歯磨きをしています。歯周病もあるので、寝る前や起床直後の歯磨きでフッ素ジェルとデンタルリンスを使い分ける方法など、お奨めがあればお教えください。
また、口の中には善玉菌もあると聞きますが、デンタルリンスを使うと悪玉菌と同時に善玉菌も殺菌されてしまうようにも思えますが、大丈夫なのでしょうか?
乳酸菌入り(LS21)のタブレットや歯磨き粉もあるようですが、効果のほどはいかがなのでしょうか?
デンタルリンスで殺菌後に乳酸菌タブレットをなめると、より高い効果が期待できますか?
すいません、あれもこれもになってしまいました。どうぞよろしくお願いいたします。
回答1
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2007-01-11 03:56:07
デンタルリンスに関する確たるエビデンスは無いので「確実に効果がありますよ」とは言えないのですが、それを言っちゃうと元も子もないので、僕の個人的な考えで答えますね。
フッ素ジェルに関しては虫歯予防には効果はあります。
ですから、是非続けてください。
年齢的に考えると虫歯よりも歯周病の予防に力を入れる時期です。ですから、虫歯予防+歯周病予防に効果のある歯磨剤がお勧めです。
ウチでは実際に「ConCoolジェルコートF(ウェルテック)」を患者さんに使っていただき、効果を実感しています。
とある重度歯周病の患者さんに勧め使ってもらいました。その患者さんは事故で2週間ほど入院してしまい「入院中、暇だったからず〜っとこれで磨いていた」んだそうです。すると、歯茎の状態がまるで別人のようになり、抜歯予定だった歯の動揺も止まってしまい、現在は経過観察中です。これには僕も担当の衛生士もびっくりでした。
また、このウェルテック社のパンフレットを見るとこれにクロロヘキシジンの洗口剤を併用するとさらに効果的であると書かれています。歯ブラシの届きにくい歯周ポケット内部には洗口剤も効果があるのでしょう。特に夜間、就寝時は唾液の分泌が減り、唾液による自浄作用が低下しますから、有効だと思います。
で、乳酸菌LS21に関してですが、これは以前僕の同級生で微生物学者に聞いた話なのですが、残念ながら臨床的な効果は期待できないとの事でした。
乳酸菌による体質改善の根本は「菌交代」と言って悪玉菌と善玉菌が戦って、善玉菌の数を相対的に増やそうと言う考えが元になっています。
しかし、体内(腸など)に比べ、口腔内は菌交代が非常に起こりにくい環境だそうです。ですから「あまり期待できない」と言う結論になるそうです。
フッ素ジェルに関しては虫歯予防には効果はあります。
ですから、是非続けてください。
年齢的に考えると虫歯よりも歯周病の予防に力を入れる時期です。ですから、虫歯予防+歯周病予防に効果のある歯磨剤がお勧めです。
ウチでは実際に「ConCoolジェルコートF(ウェルテック)」を患者さんに使っていただき、効果を実感しています。
とある重度歯周病の患者さんに勧め使ってもらいました。その患者さんは事故で2週間ほど入院してしまい「入院中、暇だったからず〜っとこれで磨いていた」んだそうです。すると、歯茎の状態がまるで別人のようになり、抜歯予定だった歯の動揺も止まってしまい、現在は経過観察中です。これには僕も担当の衛生士もびっくりでした。
また、このウェルテック社のパンフレットを見るとこれにクロロヘキシジンの洗口剤を併用するとさらに効果的であると書かれています。歯ブラシの届きにくい歯周ポケット内部には洗口剤も効果があるのでしょう。特に夜間、就寝時は唾液の分泌が減り、唾液による自浄作用が低下しますから、有効だと思います。
で、乳酸菌LS21に関してですが、これは以前僕の同級生で微生物学者に聞いた話なのですが、残念ながら臨床的な効果は期待できないとの事でした。
乳酸菌による体質改善の根本は「菌交代」と言って悪玉菌と善玉菌が戦って、善玉菌の数を相対的に増やそうと言う考えが元になっています。
しかし、体内(腸など)に比べ、口腔内は菌交代が非常に起こりにくい環境だそうです。ですから「あまり期待できない」と言う結論になるそうです。
回答2
回答日時:2007-01-11 03:56:07
結論としてはタイヨウ先生と同じです。(タイヨウ先生もはじめまして)ですので、今回はまたマニアックに、あれもこれもに超詳細に書きますので、解決してたらもういいです。またうっかり長くなってしまって。。
歯周病と初期虫歯に対して良い薬や使い分けはないか、とのご質問だと思います。(初期虫歯に関しては「虫歯予防に対するフッ素の効果的な使用法とは?」にマニアックすぎる解説がありますので参照してみて下さい。)
随分とお口の健康に関心をお持ちの様ですのでお気づきなのだと思いますが、NOさんの様に「なおかつ歯周病予防も!」というよくばりさんにはポイントがあります。
“フッ素の効果は洗口によって激減してしまう”という点です。
ですから、理屈で考えれば、「フッ素も入っていてなおかつ歯周病菌にも効く薬で洗口(または歯磨き)する」か、「フッ素を使いつつ歯周病菌に効く薬を内服する」の、このどちらかの組み合わせが現実的だと思います。
説明が短く済みそうな「内服」作戦の方からご説明します。
欧米では数種類、歯周病に対して効果があると認められている抗生剤があります。ですが、日本で歯周治療目的においては認可されていません。
患者さんと同意の上で使用する先生も一部いらっしゃいますが、正攻法でどうにもならない難治性の歯周病の治療に限り、最後の手段として使用するのが普通だと思います。
使用する量も非常に多いですから、“善玉菌”“悪玉菌”のバランスが身体中でどうなるのか、リスクは高いと思います。
日本では抗真菌薬が有効だと主張して使われるグループもあるのですが、臨床データが乏しく、学会は認めていません。(過去にこの方法を掲載した新聞社と学会がもめたこともあります。)
どちらも、可能性はありますが、日常的に試す様な方法とは言えませんから、まずは考えない方が賢明です。NOさんのおっしゃる通り、内服するという使い方は身体中に影響が出る可能性を否定できませんので。
では本丸の「洗口(または歯磨き)」作戦の可能性をご説明します。
日本では、デンタルリンスの中にフッ素も配合してあるという製品はありません(海外では一般的なのですが、日本ではなぜか厚生労働省が禁止しています。)ので、NOさんは初期虫歯があることが判っているのですから、フッ素の効果的な利用を前提とし、ねり歯磨きを中心に考えた方がいいと思いますよ。
豆知識ですが、フッ素の中でも一般的な、「モノフルオロリン酸ナトリウム(MFPと略してある場合もあります)」よりも「フッ化ナトリウム(NaF)」を配合してあるものの方が、気持ちとしては5倍ぐらい、フッ素の効果が期待出来ます。(水に溶ける割合が異なるため。ですが臨床試験ではほとんど差は確認されていません)
で、それとプラス、歯周病に効く成分があるのかどうかが問題です。
“歯周病に効く”と言ううたい文句には少し気をつけなければなりません。
NOさんの言われる通りに、“歯周病菌に効く”ならいいのですが、“歯周病の症状に効く”ではちょっと問題です。
後者は、例え歯周病菌には作用しなくても、出血を抑えたり(=歯ぐきがひきしまる)、臭いがなくなればいいのですから、私が開発者なら、ボクサーが試合中に使う様な止血剤と、ハッカか何かを入れて“歯医者さんが考えた、歯周病によく効くねり歯磨き”を作るかも知れません。塩や漢方薬が入っていたりするのは、多分この止血作用なのではないでしょうか。(もちろん歯周病自体の解決にはなりません。)
そして残念ながら市販されている商品にも、こういった言葉の使い分けをきちんとはされていませんので、成分を見て自分で判断することになります。
では、ねり歯磨きや洗口液に混ぜられて、“歯周病菌に効く”成分があるのかどうかですが、最も有名なのはクロルヘキシジン(CHX)です。
クロルヘキシジンについては古くから多くの研究がなされ、歯周病菌の抑制効果(“殺菌”とは言えません)が世界的に認められています。これについてはまた後で詳しく。
他にも塩化セチルピリジニウム(CPC)やエッセンシャルオイルなどが古くから研究数が多いですが、これらは口に長く停滞できないためか、その効果はぱっとしない様です。
比較的最近は、トリクロサンという成分も多く研究されています。研究論文や海外製品では0.3%ぐらいの濃度のものが多く、歯周病の改善に確かに効果がある様です。
ただ日本では厚生労働省の推奨が0.02%。それに対して各社がもう少し濃度を挙げて、安全性についてのデータを出して許可を得る。という形なのだそうで、各社濃度は公表しません。
ですから、本当に有効濃度含まれているのかどうかは判断できません。
どちらにしても、トリクロサンはもともと洗濯洗剤に含まれているような殺菌成分で、環境問題の点から日本ではすたれてきつつある様です。
他にもいろいろと各社が研究した上で有効成分として配合しているのですが、本当にいいのかどうかは、まだ判断がつかないといったところでしょうか。
さて、前置きが長くなりましたが4番バッター(かも知れない)クロルヘキシジンについてお話します。
クロルヘキシジンは歯周病菌の抑制、その後の症状の改善について“有効”です。
研究論文の数も非常に多いのでこれは間違いなさそうです。
ところが、薬を使う場合は何でもそうなのですが、有効濃度・作用時間・副作用について常に考慮する必要があります。
有効濃度についての世界標準は0.1〜0.2%以上です。
日本では1985年から、この濃度は口の中の粘膜への使用を禁止しています。理由としては、過去に重篤なアレルギーショックなどが日本で報告された(なぜか日本だけなのですが??)からと言われています。(それも1件や2件ではなく、30件以上あるのだそうです。)
作用時間についても、結構長い時間口に含む必要があるようです。
臨床研究では、決まりはない様ですが、毎日1分間を2セットずつとか、それぐらい作用させていたと思います。
あと副作用。もちろん日本で市販されている様な低濃度では先ほどのアレルギーなどの心配はありませんが、味覚障害、歯石の形成、歯や舌やほっぺたの粘膜の着色は毎日使うなら一応注意した方がいいかも知れません。
以前に、ウエルテックさん(クロルヘキシジン配合製品で一番有名な会社です)の方に「着色しますよね?」と聞いたら、「ですからこちらも週に1度ぐらい使うのです」と、シリーズの着色除去用の商品を差し出されました。
着色については気にならないという話も聞きますが、クロルヘキシジンは歯面や粘膜に長時間(12時間ぐらいと言われます)停滞することでその効果を発揮します。
が、そのクロルヘキシジンには色素などが沈着しやすいですから、逆に着色するぐらいの方が本当に効いてる感じはします。
また肝心の、歯周病菌のたまり場である歯周ポケットの深い部分には、浸透しないことが確認されていますし、使い続けないと、せっかく抑制した歯周病菌も、数日で元に戻ってしまいます。虫歯の抑制効果なども一応言われています。
ということで、日本では一般的に有効といわれる濃度はどれも残念ながら使用できません。
トリクロサンは環境問題から人気がかげり始め、一番期待されていたクロルヘキシジンは、欧米でも副作用などの理由から、日常的に使用するのではなく、歯ぐきやインプラントの手術の後などに限り、0.1-0.2%のものを短期間限定で使用してもらうそうです。
実は一昔前でしたら、日本の歯磨き粉にも低濃度とはいえクロルヘキシジンが多く配合されていたらしいのですが、現在は効果もあまり期待できず(ウエルテックさんは効果があると言います)、イメージも悪化(アレルギーのこと)したため他のもの(CPCなど)に変えているということです。
結論として、歯周病菌に効く。とはっきりデータがある成分を配合しているものは、日本にはやっぱりありません。
それではタイヨウ先生のおっしゃる通り、元も子もありませんから、希望が持てるものとしては、クロルヘキシジン(CHX)(ConCoolジェルコートFは0.05%CHXと、950ppmフッ化ナトリウム配合)始め、トリクロサン(PCクリニカ、システマ、GUM、ミクロクリーンなどに配合)、塩化セチルピリジニウム(CPC)(たくさんあります)、エッセンシャルオイル(リステリン)などが考えられます。
フッ素と同時に使用することを考えれば上記の様なものが配合されているねり歯磨きを選ばれると良さそうですよ。
成分を見て色々楽しみながら、選んでみて下さい。
歯周病と初期虫歯に対して良い薬や使い分けはないか、とのご質問だと思います。(初期虫歯に関しては「虫歯予防に対するフッ素の効果的な使用法とは?」にマニアックすぎる解説がありますので参照してみて下さい。)
随分とお口の健康に関心をお持ちの様ですのでお気づきなのだと思いますが、NOさんの様に「なおかつ歯周病予防も!」というよくばりさんにはポイントがあります。
“フッ素の効果は洗口によって激減してしまう”という点です。
ですから、理屈で考えれば、「フッ素も入っていてなおかつ歯周病菌にも効く薬で洗口(または歯磨き)する」か、「フッ素を使いつつ歯周病菌に効く薬を内服する」の、このどちらかの組み合わせが現実的だと思います。
説明が短く済みそうな「内服」作戦の方からご説明します。
欧米では数種類、歯周病に対して効果があると認められている抗生剤があります。ですが、日本で歯周治療目的においては認可されていません。
患者さんと同意の上で使用する先生も一部いらっしゃいますが、正攻法でどうにもならない難治性の歯周病の治療に限り、最後の手段として使用するのが普通だと思います。
使用する量も非常に多いですから、“善玉菌”“悪玉菌”のバランスが身体中でどうなるのか、リスクは高いと思います。
日本では抗真菌薬が有効だと主張して使われるグループもあるのですが、臨床データが乏しく、学会は認めていません。(過去にこの方法を掲載した新聞社と学会がもめたこともあります。)
どちらも、可能性はありますが、日常的に試す様な方法とは言えませんから、まずは考えない方が賢明です。NOさんのおっしゃる通り、内服するという使い方は身体中に影響が出る可能性を否定できませんので。
では本丸の「洗口(または歯磨き)」作戦の可能性をご説明します。
日本では、デンタルリンスの中にフッ素も配合してあるという製品はありません(海外では一般的なのですが、日本ではなぜか厚生労働省が禁止しています。)ので、NOさんは初期虫歯があることが判っているのですから、フッ素の効果的な利用を前提とし、ねり歯磨きを中心に考えた方がいいと思いますよ。
豆知識ですが、フッ素の中でも一般的な、「モノフルオロリン酸ナトリウム(MFPと略してある場合もあります)」よりも「フッ化ナトリウム(NaF)」を配合してあるものの方が、気持ちとしては5倍ぐらい、フッ素の効果が期待出来ます。(水に溶ける割合が異なるため。ですが臨床試験ではほとんど差は確認されていません)
で、それとプラス、歯周病に効く成分があるのかどうかが問題です。
“歯周病に効く”と言ううたい文句には少し気をつけなければなりません。
NOさんの言われる通りに、“歯周病菌に効く”ならいいのですが、“歯周病の症状に効く”ではちょっと問題です。
後者は、例え歯周病菌には作用しなくても、出血を抑えたり(=歯ぐきがひきしまる)、臭いがなくなればいいのですから、私が開発者なら、ボクサーが試合中に使う様な止血剤と、ハッカか何かを入れて“歯医者さんが考えた、歯周病によく効くねり歯磨き”を作るかも知れません。塩や漢方薬が入っていたりするのは、多分この止血作用なのではないでしょうか。(もちろん歯周病自体の解決にはなりません。)
そして残念ながら市販されている商品にも、こういった言葉の使い分けをきちんとはされていませんので、成分を見て自分で判断することになります。
では、ねり歯磨きや洗口液に混ぜられて、“歯周病菌に効く”成分があるのかどうかですが、最も有名なのはクロルヘキシジン(CHX)です。
クロルヘキシジンについては古くから多くの研究がなされ、歯周病菌の抑制効果(“殺菌”とは言えません)が世界的に認められています。これについてはまた後で詳しく。
他にも塩化セチルピリジニウム(CPC)やエッセンシャルオイルなどが古くから研究数が多いですが、これらは口に長く停滞できないためか、その効果はぱっとしない様です。
比較的最近は、トリクロサンという成分も多く研究されています。研究論文や海外製品では0.3%ぐらいの濃度のものが多く、歯周病の改善に確かに効果がある様です。
ただ日本では厚生労働省の推奨が0.02%。それに対して各社がもう少し濃度を挙げて、安全性についてのデータを出して許可を得る。という形なのだそうで、各社濃度は公表しません。
ですから、本当に有効濃度含まれているのかどうかは判断できません。
どちらにしても、トリクロサンはもともと洗濯洗剤に含まれているような殺菌成分で、環境問題の点から日本ではすたれてきつつある様です。
他にもいろいろと各社が研究した上で有効成分として配合しているのですが、本当にいいのかどうかは、まだ判断がつかないといったところでしょうか。
さて、前置きが長くなりましたが4番バッター(かも知れない)クロルヘキシジンについてお話します。
クロルヘキシジンは歯周病菌の抑制、その後の症状の改善について“有効”です。
研究論文の数も非常に多いのでこれは間違いなさそうです。
ところが、薬を使う場合は何でもそうなのですが、有効濃度・作用時間・副作用について常に考慮する必要があります。
有効濃度についての世界標準は0.1〜0.2%以上です。
日本では1985年から、この濃度は口の中の粘膜への使用を禁止しています。理由としては、過去に重篤なアレルギーショックなどが日本で報告された(なぜか日本だけなのですが??)からと言われています。(それも1件や2件ではなく、30件以上あるのだそうです。)
作用時間についても、結構長い時間口に含む必要があるようです。
臨床研究では、決まりはない様ですが、毎日1分間を2セットずつとか、それぐらい作用させていたと思います。
あと副作用。もちろん日本で市販されている様な低濃度では先ほどのアレルギーなどの心配はありませんが、味覚障害、歯石の形成、歯や舌やほっぺたの粘膜の着色は毎日使うなら一応注意した方がいいかも知れません。
以前に、ウエルテックさん(クロルヘキシジン配合製品で一番有名な会社です)の方に「着色しますよね?」と聞いたら、「ですからこちらも週に1度ぐらい使うのです」と、シリーズの着色除去用の商品を差し出されました。
着色については気にならないという話も聞きますが、クロルヘキシジンは歯面や粘膜に長時間(12時間ぐらいと言われます)停滞することでその効果を発揮します。
が、そのクロルヘキシジンには色素などが沈着しやすいですから、逆に着色するぐらいの方が本当に効いてる感じはします。
また肝心の、歯周病菌のたまり場である歯周ポケットの深い部分には、浸透しないことが確認されていますし、使い続けないと、せっかく抑制した歯周病菌も、数日で元に戻ってしまいます。虫歯の抑制効果なども一応言われています。
ということで、日本では一般的に有効といわれる濃度はどれも残念ながら使用できません。
トリクロサンは環境問題から人気がかげり始め、一番期待されていたクロルヘキシジンは、欧米でも副作用などの理由から、日常的に使用するのではなく、歯ぐきやインプラントの手術の後などに限り、0.1-0.2%のものを短期間限定で使用してもらうそうです。
実は一昔前でしたら、日本の歯磨き粉にも低濃度とはいえクロルヘキシジンが多く配合されていたらしいのですが、現在は効果もあまり期待できず(ウエルテックさんは効果があると言います)、イメージも悪化(アレルギーのこと)したため他のもの(CPCなど)に変えているということです。
結論として、歯周病菌に効く。とはっきりデータがある成分を配合しているものは、日本にはやっぱりありません。
それではタイヨウ先生のおっしゃる通り、元も子もありませんから、希望が持てるものとしては、クロルヘキシジン(CHX)(ConCoolジェルコートFは0.05%CHXと、950ppmフッ化ナトリウム配合)始め、トリクロサン(PCクリニカ、システマ、GUM、ミクロクリーンなどに配合)、塩化セチルピリジニウム(CPC)(たくさんあります)、エッセンシャルオイル(リステリン)などが考えられます。
フッ素と同時に使用することを考えれば上記の様なものが配合されているねり歯磨きを選ばれると良さそうですよ。
成分を見て色々楽しみながら、選んでみて下さい。
回答3
歯医者/歯科情報の歯チャンネル運営者の田尾です。
回答日時:2007-01-11 03:56:07
タイヨウ先生と渡辺先生がもの凄く詳しく説明されていますので、私は最後にちょっとだけ補足を・・・。
渡辺先生が「4番バッター」と称されているクロルヘキシジンは、アメリカのADA(アメリカ歯科医師会)とFDA(日本の厚生労働省に相当するところ)の双方が、「歯周病の予防に効果あり!」と認めている唯一の薬剤です。
日本で有名なクロルヘキシジンが配合されている洗口剤と言えば、「ConCoolジェルコートF」ですが、一応研究上では「0.1%以上の濃度がないと歯周病菌を殺菌できない!」と考えられていますので、日本で発売されているコンクール(クロルヘキシジン濃度0.05%)が本当に歯周病に効くのかといえば、エビデンス的には「効かない」でしょう。(ちなみに、海外では主に0.12〜0.2%のものが使用されています)
ただ、日本の歯周病治療に力を入れている先生の中には、コンクールの薄める量を調節して海外と同程度の濃いクロルヘキシジン濃度で使用している先生もいらっしゃいますから、この場合には効果があると思います。
しかし、一つだけ注意しないといけないのは、「洗口剤はあくまでも補助的なもの」だということです。
つまり、歯周病の治療で一番重要なのはスケーリング、ルートプレーニングやブラッシングなどによって、機械的に歯周病菌を除去するということです。
⇒参考:スケーリング(歯石取り)
⇒参考:ルートプレーニング
そもそも、歯の表面に細菌がついた状態では「バイオフィルム」という細菌の作るバリアーのようなもので、洗口剤の効果そのものが低下してしまいます!
タイヨウ先生のところでは、抜歯予定だった重度の歯周病の患者さんがコンクールで歯磨きをして現在経過観察中とのことですが、これはコンクールの作用に加え、担当の衛生士さんがスケーリング、ルートプレーニングをしっかりとされており、なおかつ患者さん自身のブラッシングテクニックもハイレベルだったことが理由ではないかと思います。
それにしても、この説明は一般の人にはちょっとマニアック過ぎますかね・・・。
ここの解説と、以前の「虫歯予防に対するフッ素の効果的な使用法とは?」の解説を読めば、虫歯・歯周病予防についてちょっとした歯医者さんより詳しくなってしまうかもしれません・・・。
渡辺先生が「4番バッター」と称されているクロルヘキシジンは、アメリカのADA(アメリカ歯科医師会)とFDA(日本の厚生労働省に相当するところ)の双方が、「歯周病の予防に効果あり!」と認めている唯一の薬剤です。
日本で有名なクロルヘキシジンが配合されている洗口剤と言えば、「ConCoolジェルコートF」ですが、一応研究上では「0.1%以上の濃度がないと歯周病菌を殺菌できない!」と考えられていますので、日本で発売されているコンクール(クロルヘキシジン濃度0.05%)が本当に歯周病に効くのかといえば、エビデンス的には「効かない」でしょう。(ちなみに、海外では主に0.12〜0.2%のものが使用されています)
ただ、日本の歯周病治療に力を入れている先生の中には、コンクールの薄める量を調節して海外と同程度の濃いクロルヘキシジン濃度で使用している先生もいらっしゃいますから、この場合には効果があると思います。
しかし、一つだけ注意しないといけないのは、「洗口剤はあくまでも補助的なもの」だということです。
つまり、歯周病の治療で一番重要なのはスケーリング、ルートプレーニングやブラッシングなどによって、機械的に歯周病菌を除去するということです。
⇒参考:スケーリング(歯石取り)
⇒参考:ルートプレーニング
そもそも、歯の表面に細菌がついた状態では「バイオフィルム」という細菌の作るバリアーのようなもので、洗口剤の効果そのものが低下してしまいます!
タイヨウ先生のところでは、抜歯予定だった重度の歯周病の患者さんがコンクールで歯磨きをして現在経過観察中とのことですが、これはコンクールの作用に加え、担当の衛生士さんがスケーリング、ルートプレーニングをしっかりとされており、なおかつ患者さん自身のブラッシングテクニックもハイレベルだったことが理由ではないかと思います。
それにしても、この説明は一般の人にはちょっとマニアック過ぎますかね・・・。
ここの解説と、以前の「虫歯予防に対するフッ素の効果的な使用法とは?」の解説を読めば、虫歯・歯周病予防についてちょっとした歯医者さんより詳しくなってしまうかもしれません・・・。
相談者からの返信
相談者:
N.Oさん
返信日時:2007-01-11 03:56:07
タイトル | デンタルリンスや、乳酸菌入り(LS21)タブレットの効果は? |
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質問者 | N.Oさん |
地域 | |
年齢 | 43歳 |
性別 | |
職業 | |
カテゴリ |
歯周病(歯槽膿漏)治療 歯周病関連 予防関連 歯科治療用の薬 薬剤その他 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。