歯の銀行について 「親知らずは残すべきだった?」

相談者: ひろさん (25歳: )
投稿日時:2007-05-07 03:13:00
親知らずを4本中3本抜いた時、たまたま、ES細胞関連の雑誌で、親知らずを使って何とか〜と言う記事を見かけ、将来、何らかの良い方法があるのではと思い、とりあえず、温存することにしました。

そして、

最近になって、歯の銀行(広島大学発の治療法 http://www.teethbank.jp/)の記事を見つけました。

本当であれば、もっと残しておいた方が良かったのかと後悔しています。

親知らずや歯列矯正の抜歯の歯を、高い成功率で自家歯牙移植に使うことができるようですが、以前、抜歯をしてもらった歯医者でも紹介されたことがありませんでした。

20万円程度かかるようですが、再生医療で歯と、歯の神経まで作る事を考えると、技術的にも容易で、かなり安くできそうですが、実際のところは、いかがなものなのでしょうか?

有用性について教えていただけないでしょうか。
宜しくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-05-07 09:33:00
どうなんでしょうね?

まあ、国立系の病院がやろうとしていることですからそれなりなんでしょうね。

ただ「いかがなものか?」
という質問に関しては、しばらくは静観するしかないでしょうね。

HP内でも「1年後の生存率は89%」と書いてあります。

「海外ではインプラントの普及率が高いから、冷凍保存は普及していない」とも書いてあります。

僕からすれば「そりゃそうでしょ」と。
だって「インプラントは10年の生存率が90%以上」なのですから。

さらに最近は「20年の成功率」が学会などでも問われてきていますし、30年の成功症例報告が出はじめています。

「歯牙の冷凍保存」と「インプラント」、どちらが実績と成功率に軍配が上がるかと言えば、圧倒的な差でインプラントだと思いますよ。

まあ、これから10年、20年経って「どちらが良いか?」と言う結論が出せるような気がします。

もちろん「可能性」と言う意味では期待して見ていきたいと思いますね。

ただ、今日現在、僕の目の前に座っている患者さんに「冷凍保存+歯牙移植」は勧めませんね。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2007-05-07 16:06:00
面白いですね。

成功率がそれなりだろう、ということと、金額的に許容出来るのなら、試してもいいと思いますよ。

ご自分の歯を冷凍保存してまた使うだけのことですから、冷凍技術の問題だけで、医学的にも倫理的にも全く無理はないと思います。

ES細胞を使う方が、よっぽど問題山積ですよね。

ただ、残すのが親知らずだったら、冷凍庫に入れておくよりも一生懸命歯磨きしながら口の中で残しておく方がまだ良さそうな気もしますが・・

それと、基本的には時間差自家歯牙移植法な訳ですから、神経は抜くことになると思います。

ということなら、歯牙移植の成功率の他にも根管治療の成功率も考慮した方がいいでしょうね。

その辺も踏まえて、興味がおありでしたら、直接問い合わせてみてはいかがでしょう。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2007-05-07 17:45:00
でも、不思議なんですよね。

上のHPには

◆「歯の銀行」のスローガンは?

歯の移植」(自分の歯を自分に移植)は、健康保険が使える日常一般的な治療です。この治療普及のため良質な冷凍保存歯を提供していきます。 」

って書いてあるんですけど、保険請求の青本には「抜歯と同時に移植した場合に限り算定できる」とされているんですよね。

と、言う事はこれを保険で請求すると違法って事ですよね。

広島の技官は解釈が違うのかな?

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ひろさん
返信日時:2007-05-07 18:39:00
タイヨウ先生、渡辺先生、お返事いただきありがとうございます。

歯の神経(歯髄?)も移植できて、通常の歯と同様に戻るものとばかり思っていたのですが、違うのでしょうか?

歯の神経まで復活すれば非常に魅力的なのですが・・・

『「歯の銀行(Teeth Bank)」を支える要素技術の1つは「歯根膜の再生」。歯根膜は歯根歯茎と間でクッションの役割を果たす組織で、歯を通した刺激を脳へ伝え、神経や血管の再生機能を持つ。つまり、「歯の移植後に歯根膜が再生すれば、“噛み応え”が約7割は戻ってくる」(広島大学の河田講師)。』

引用:http://innovation.nikkeibp.co.jp/etb/20060201-01.html

確かに、引用をよく読めば、歯根膜の再生としか書いておらず、歯髄までは書いてありません・・・


『歯根が完成している歯の移植後1カ月目には、歯髄処置が必要な場合もある。』

引用:http://www.nikkeibp.co.jp/archives/418/418822.html

他の文章では、歯髄処置が必要な場合もある。とあり、歯髄処理が必要ない場合は、歯髄まで復活できた?のではないかと思っています。


ちなみに、インプラントについてですが、90歳や、それ以上の高齢となった時、元から、人間の中に存在しない物質を使っているため、予期できない影響も出るのではないかと、非常に恐ろしく感じています。

ある時代に最高の方法でも、長期的(寿命)に見ると、不便でも人間に元からあるものの方が、良かったということを良く聞きます。

そう考えると、(神経のある)自分の歯の場合、体と同じように年を取り、溶ける可能性もありますが、体の骨と同じ速度で溶けてくれれば、長期で見た場合、体に優しいのではないかと思っています。

こう思いますのも、現在、祖母が90歳超えなのですが、今まで一緒に生活していても歯についての不満は殆ど聞きません。一方、母は若い時、何本か歯を抜いているため、差歯などで歯についての不満を非常に良く聞きます。

そのため、人工物と自分の歯にはとても大きな差があるのではないかと、あくまで、経験的にですが思っています。


ES、iPSなど全世界で巨費を投じても、未だに出来にないほど大切な、生体組織を捨てたのかと思うと、非常に悔しく思っています。

また、数年前からあるようですが、これがあまり、周知されていないことにも憤りを感じています。

内容に問題が無ければ、ぜひ、歯チャンネルなどを通じて、周知できればと思っています。(広大の回し者ではありません^^;)

親知らずなど抜歯をする時に、少しでも教えていただければ、選択肢が広がるのではないかと思っています。

ちなみに、私がラバーダムミラノールを知ったのもこのサイトで、とても勉強になっています!!

混合医療についての件だと思いますが、残念ながら、私には全く分かりませんが、この情報は、広島大学の公式サイトにも紹介がありますので、治療そのものはある程度は確かだと思っています。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2007-05-07 21:36:00
本当によく研究されてますね。
しかも視点がスルドイ。感服いたします。

その後実際に「歯の銀行」を利用している医院のお話を伺ってみたのですが、そこの医院では抜髄は移植する直前にお口の外で行うそうです。
(※医学的に、歯髄が生き残る可能性はないと思います。)

ちょっとしたコツや技術も必要ですし、どこの医院でもその様にするかはわかりませんが、その方法だったらラバーダムよりもずっと安心。歯髄の予後についてはほとんど心配ないでしょうね。

私はひろさんと同感で、大変興味深く感じますので、田尾先生にも是非解説ページを作ってもらいたいものですね。

上手く行っても一般的に普及するには相当時間がかかるとは思います。

それと、先の回答でも書きましたが、親知らずを何でもかんでも冷凍すれば良いというものでもありません。

タイヨウ先生のおっしゃる通り、大金をかけてわざわざ保険の適用から外してしまう可能性もありますので、その辺りは実際に診察を受けて担当の先生とよく相談して判断して下さいね。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2007-05-08 04:02:00
辺先生のオファーですから、喜んで「歯の銀行」のページを作らせて頂きます(^^)

歯根膜が再生する可能性があるというのはインプラントには無いメリットですし、確かに面白そうですね。

でも、ちょっと待って下さいね。
GW中リフレッシュしすぎて、仕事の溜まり方がハンパじゃないことに・・・。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: ひろさん
返信日時:2007-05-08 04:30:00
渡辺先生

ご返信いただきありがとうございます。

また、実際に治療された先生の話し、とても、参考になります!!
確かに、普及するのはかなり難しいかもしれません。

私の周りでは、歯の健康に興味の無い人が多く、自分の歯や副作用について、真剣に考える人が少ないですし・・・

おじいちゃんや、おばあちゃんなど、高齢の人と歯について議論する機会があれば、歯は大切だと強く感じれる事が多いのですが、最近、こういう機会が減っているのも原因のひとつかもしれません。

私自身は、もっと将来、歯髄も残せる段階まで残しておきたいのですが、少し虫歯になっているらしく、しかも、親知らずが伸びた?っぽく、下の歯に時々当たります。(左奥に親知らず。左下に二次カリエス

そのため、先の質問の、二次カリエスになったのかもと疑っています。
また、歯並びが悪く、歯列矯正の可能性もあります。

そのため、抜歯の可能性も否定しきれないので、まずは、情報として知っておきたいと思います。

どのような形で保存を選択するか、また、費用などは、その時、真剣に考えたいと思います。


ただ、これだけ情報が溢れる時代に、

『知らなかった。』

というだけで、選択肢が限られ、これほどの残念な思いをするのは耐え難いですから、田尾先生、是非、歯を大切に思う人のために、ページ作成頑張ってください。

親知らずは抜くものという常識から、保存できる可能性もあるという選択肢が加わわればと思います。

ただ、紹介して置きならが非常に無責任ですが、長期的なデータがあるわけではありませんので、あくまで可能性としてある程度かもしれません。



タイトル 歯の銀行について 「親知らずは残すべきだった?」
質問者 ひろさん
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年齢 25歳
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カテゴリ 親知らずその他
専門的な質問その他
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  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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