奥歯の再治療をしていますが、この治療で大丈夫なんでしょうか?
相談者:
悩む人さん ( : )
投稿日時:2006-12-26 12:46:50
回答1
回答日時:2006-12-26 12:46:50
さて、HNからしても相当にお悩みのご様子。。
内容を拝読すると、実は私たちから見ても、最初から最後まで「???」です。
でもそれは治療の質が云々ではきっとありませんので、ご心配なく。
そこで回答の要点を、「神経を抜いた奥歯の再治療」が「出来るだけ長持ち」する為の話として代えさせて頂きます。
以下長文になりますので、結論を先に言いますと、
「もともとの歯の状態が既にちょっと厳しそうなので、何をしても完璧にはなりません・・」といったところです。
「神経を抜いた奥歯」の再治療の時、予後を考える上で注意しなくてはならないのは主に、「歯の中の再感染」と「(歯根)破折」の2点だと考えられます。
(※もちろん、他の歯同様に、虫歯&歯周病の予防は必須ですよ。)
●「歯の中の再感染」は残念ながら完全には防げません。悩む人さんの場合は、神経のあった場所(歯の中)がお口の中でも最も複雑な形をしている奥歯であり、しかも一度神経を抜いて消毒もしているのにそこがまた感染しているとのこと。
これでは条件が非常に厳しいですので、今回の治療(=歯の中の消毒)がうまく行くかは、残念ながら五分五分といったところです。
治療の目的が、「細菌の除去」なのですから、虫歯(=感染歯質)を残した状態では行わないはずです。
この治療の成功率を少しでも高めるためには、ラバーダムを使用してもらうことを検討して下さい。
以前の質問での田尾先生の回答にもある様に(⇒根管治療中、ラバーダムを行っていなかったのですが・・・)現実としては色々問題がありますが、田尾先生の見解に個人的には全く同感です。(因みに、ラバーダムを使用して、専門医が”再”治療を行っても、成功率は60〜80%程度と言われています。)
●「(歯根)破折」についても、意外と多いですから注意が必要です。
今回は奥歯ですから、硬いものをかんだ時などは特に力もかかります。(食いしばりや歯軋りがある、エラがはってる、残ってる歯が少ない、場合などは、特に注意した方がいいと思います。)
まず簡単な見方をご紹介します。仮歯を外した状態(土台が入る前の状態)で、残っている健康な歯質が「高さが2mm以上、ぐるっと1周」ある様でしたら土台には何を使っても破折の心配はほぼありません。ですがその条件をクリア出来ない場合は、注意が必要になります。
対処法としては「しなる土台を使う」か、あるいはちょっと大変なのですが、「歯を長くする」の、2つの方法が考えられると思います。
「しなる土台を使う」は、(支台築造)を参照して下さい。この中で、レジンコアかファイバーコア、あるいはゴールドの一部(※硬いものを使う医院もありますし、接着剤に何を使うかによっては、多少疑問が残ります。
チタンの土台というのも聞いたことがありませんが、もしもあるのならゴールドと同様に考えて良いと思います。”純”チタン(柔らかいです)なら”しなる”ので、理論的には歯を割らずに、一緒に曲がってくれるはずです。(※このことについては、「良さそうだ」という段階で、はっきりした結論ではありません。)
「歯を長くする」方法は、ちょっと荒業になるのですが、回りの歯ぐきや骨を削って、歯の根っこを掘りおこすことで”表に見える歯の部分”が”長く”はなります。
これに小矯正(MTM,エクストリュージョン)というワザを合わせて歯自体を本当に引っ張りあげると更に理想的です。
ですが、これは結構大変だと思いますし、小矯正が絡むと保険もきかなくなります。
それでも興味がもしおありでしたらまた質問して下さい。そのときにはまた詳しくご説明いたします。
質問の答えになっていたでしょうか。
内容を拝読すると、実は私たちから見ても、最初から最後まで「???」です。
でもそれは治療の質が云々ではきっとありませんので、ご心配なく。
そこで回答の要点を、「神経を抜いた奥歯の再治療」が「出来るだけ長持ち」する為の話として代えさせて頂きます。
以下長文になりますので、結論を先に言いますと、
「もともとの歯の状態が既にちょっと厳しそうなので、何をしても完璧にはなりません・・」といったところです。
「神経を抜いた奥歯」の再治療の時、予後を考える上で注意しなくてはならないのは主に、「歯の中の再感染」と「(歯根)破折」の2点だと考えられます。
(※もちろん、他の歯同様に、虫歯&歯周病の予防は必須ですよ。)
●「歯の中の再感染」は残念ながら完全には防げません。悩む人さんの場合は、神経のあった場所(歯の中)がお口の中でも最も複雑な形をしている奥歯であり、しかも一度神経を抜いて消毒もしているのにそこがまた感染しているとのこと。
これでは条件が非常に厳しいですので、今回の治療(=歯の中の消毒)がうまく行くかは、残念ながら五分五分といったところです。
治療の目的が、「細菌の除去」なのですから、虫歯(=感染歯質)を残した状態では行わないはずです。
この治療の成功率を少しでも高めるためには、ラバーダムを使用してもらうことを検討して下さい。
以前の質問での田尾先生の回答にもある様に(⇒根管治療中、ラバーダムを行っていなかったのですが・・・)現実としては色々問題がありますが、田尾先生の見解に個人的には全く同感です。(因みに、ラバーダムを使用して、専門医が”再”治療を行っても、成功率は60〜80%程度と言われています。)
●「(歯根)破折」についても、意外と多いですから注意が必要です。
今回は奥歯ですから、硬いものをかんだ時などは特に力もかかります。(食いしばりや歯軋りがある、エラがはってる、残ってる歯が少ない、場合などは、特に注意した方がいいと思います。)
まず簡単な見方をご紹介します。仮歯を外した状態(土台が入る前の状態)で、残っている健康な歯質が「高さが2mm以上、ぐるっと1周」ある様でしたら土台には何を使っても破折の心配はほぼありません。ですがその条件をクリア出来ない場合は、注意が必要になります。
対処法としては「しなる土台を使う」か、あるいはちょっと大変なのですが、「歯を長くする」の、2つの方法が考えられると思います。
「しなる土台を使う」は、(支台築造)を参照して下さい。この中で、レジンコアかファイバーコア、あるいはゴールドの一部(※硬いものを使う医院もありますし、接着剤に何を使うかによっては、多少疑問が残ります。
チタンの土台というのも聞いたことがありませんが、もしもあるのならゴールドと同様に考えて良いと思います。”純”チタン(柔らかいです)なら”しなる”ので、理論的には歯を割らずに、一緒に曲がってくれるはずです。(※このことについては、「良さそうだ」という段階で、はっきりした結論ではありません。)
「歯を長くする」方法は、ちょっと荒業になるのですが、回りの歯ぐきや骨を削って、歯の根っこを掘りおこすことで”表に見える歯の部分”が”長く”はなります。
これに小矯正(MTM,エクストリュージョン)というワザを合わせて歯自体を本当に引っ張りあげると更に理想的です。
ですが、これは結構大変だと思いますし、小矯正が絡むと保険もきかなくなります。
それでも興味がもしおありでしたらまた質問して下さい。そのときにはまた詳しくご説明いたします。
質問の答えになっていたでしょうか。
回答2
歯医者/歯科情報の歯チャンネル運営者の田尾です。
回答日時:2006-12-26 12:46:50
渡辺先生が非常に詳しく回答をされているのでもう書くことはほとんどないのですが、チタンの土台(チタンコア)については、アメリカでは結構使用されているようです。
⇒参考:Dentatus USA
チタンコアのメリットはゴールドコアとほとんど同じと考えて良いと思いますが、問題点があるとすれば日本でチタンコアを扱っている歯科医院は非常に少ないため、再治療が必要になった時に他の歯科医院では対応が難しいかもしれないということでしょうか?
あと、「歯を長くする」治療法のことを「クラウンレングスニング」(歯冠長延長術)、「歯を引っ張り上げる」治療法のことを「エクストルージョン」と言いますが、これらの治療法は比較的高度な治療法になってきますので、全ての歯科医院が行なっているわけではありません。
仮歯を外した状態(土台が入る前の状態)で、残っている健康な歯質が「高さが2mm以上、ぐるっと1周」あればこれらの治療が必要ありませんが、もしも歯の高さが足りない場合は上記の治療を行い、歯が割れてしまうリスクを低くすることが必要だと思います。(これ以外にも接着力の強い接着剤を使ったり、コアに「ピン」というのもを付けるなどの方法もありますが、一番確実なのは上記の治療を行うことです)
細菌感染であれば再治療で何とかなる(歯を抜かずに長持ちさせる)こともありますが、歯が割れてしまうとほとんどの場合抜歯になってしまいますので。
⇒参考:Dentatus USA
チタンコアのメリットはゴールドコアとほとんど同じと考えて良いと思いますが、問題点があるとすれば日本でチタンコアを扱っている歯科医院は非常に少ないため、再治療が必要になった時に他の歯科医院では対応が難しいかもしれないということでしょうか?
あと、「歯を長くする」治療法のことを「クラウンレングスニング」(歯冠長延長術)、「歯を引っ張り上げる」治療法のことを「エクストルージョン」と言いますが、これらの治療法は比較的高度な治療法になってきますので、全ての歯科医院が行なっているわけではありません。
仮歯を外した状態(土台が入る前の状態)で、残っている健康な歯質が「高さが2mm以上、ぐるっと1周」あればこれらの治療が必要ありませんが、もしも歯の高さが足りない場合は上記の治療を行い、歯が割れてしまうリスクを低くすることが必要だと思います。(これ以外にも接着力の強い接着剤を使ったり、コアに「ピン」というのもを付けるなどの方法もありますが、一番確実なのは上記の治療を行うことです)
細菌感染であれば再治療で何とかなる(歯を抜かずに長持ちさせる)こともありますが、歯が割れてしまうとほとんどの場合抜歯になってしまいますので。
タイトル | 奥歯の再治療をしていますが、この治療で大丈夫なんでしょうか? |
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質問者 | 悩む人さん |
地域 | |
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性別 | |
職業 | |
カテゴリ |
根管治療の治療法 根管治療その他 支台築造その他 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。