歯肉から排膿がおこるってことは?
相談者:
みーちゃんさん (22歳: )
投稿日時:2007-05-11 21:50:00
以前も質問させていただきました、みーです。
今回も初歩的ながら、わからないので教えてください。
ポケットは深いですが、歯肉の状態がよくプラークコントロールがよい人で排膿がある方がいらっしゃいます。
なぜだかがわかりません。
患者さんに聞かれてもうまく説明ができません。
排膿とは、炎症が激しくなってることですよね。
過剰な咬合があるかもしれないということもわかったんですけど・・・。
喫煙者ではないようです。
忙しいとは思いますが、教えてください。
今回も初歩的ながら、わからないので教えてください。
ポケットは深いですが、歯肉の状態がよくプラークコントロールがよい人で排膿がある方がいらっしゃいます。
なぜだかがわかりません。
患者さんに聞かれてもうまく説明ができません。
排膿とは、炎症が激しくなってることですよね。
過剰な咬合があるかもしれないということもわかったんですけど・・・。
喫煙者ではないようです。
忙しいとは思いますが、教えてください。
回答1
回答日時:2007-05-11 23:21:00
あ、スーパー衛生士(予定)のみーちゃんですね。
日本の為に頑張って下さいよ。
外から見える歯肉の状態は、ブラッシングだけ徹底すれば良くなります。奥の方は別ですよ。
SRP前に、5mm以上のポケットがあれば90%ぐらいの確率で細菌の取り残しがあるそうです。
歯石があれば生きてる細菌の住みかになりますから、それが周りの歯ぐきに向かってバンバン毒素を放り投げて、炎症反応→排膿という流れです。
咬合と歯周病は関係ありません。
いや、院長先生がそうおっしゃるなら合わせておいて下さい。
でもそんなこと言うの日本だけですからね・・。
原因は細菌感染。
喫煙はリスクファクター(増悪因子)です。
またどうぞ。
日本の為に頑張って下さいよ。
外から見える歯肉の状態は、ブラッシングだけ徹底すれば良くなります。奥の方は別ですよ。
SRP前に、5mm以上のポケットがあれば90%ぐらいの確率で細菌の取り残しがあるそうです。
歯石があれば生きてる細菌の住みかになりますから、それが周りの歯ぐきに向かってバンバン毒素を放り投げて、炎症反応→排膿という流れです。
咬合と歯周病は関係ありません。
いや、院長先生がそうおっしゃるなら合わせておいて下さい。
でもそんなこと言うの日本だけですからね・・。
原因は細菌感染。
喫煙はリスクファクター(増悪因子)です。
またどうぞ。
回答2
歯医者/歯科情報の歯チャンネル運営者の田尾です。
回答日時:2007-05-12 04:26:00
渡辺先生かっこいいなぁ・・・
僕も早く「またどうぞ」とか言えるようになりたいです(*´ェ`*)
SRPは基本中の基本なんですけど、この上手い・下手によって歯周病治療が成功する・しないが決まっちゃいます。
フラップオペも歯茎を切ることが目的ではなく、歯石を目視で徹底的に除去することが目的ですから、上手い衛生士さんがSRPをすれば外科処置をせずに済んでしまうということも多々ありますし、これって患者さんにとってはすごく大きなメリットですよね?(4mm以上のポケットだとなかなか難しいようですが、9mmのポケットでもBOPを0にしてしまうようなスーパー衛生士さんもいるそうですよ・・・)
頑張って下さいね。
またどうぞ。
僕も早く「またどうぞ」とか言えるようになりたいです(*´ェ`*)
SRPは基本中の基本なんですけど、この上手い・下手によって歯周病治療が成功する・しないが決まっちゃいます。
フラップオペも歯茎を切ることが目的ではなく、歯石を目視で徹底的に除去することが目的ですから、上手い衛生士さんがSRPをすれば外科処置をせずに済んでしまうということも多々ありますし、これって患者さんにとってはすごく大きなメリットですよね?(4mm以上のポケットだとなかなか難しいようですが、9mmのポケットでもBOPを0にしてしまうようなスーパー衛生士さんもいるそうですよ・・・)
頑張って下さいね。
またどうぞ。
回答3
ネクスト・デンタル(荒川区西日暮里)の櫻井です。
回答日時:2007-05-12 09:21:00
かっこいいなぁ。
ま、歯周病の専門医であるワタナベ先生の意見は正しいと思いますよ。
で、ウチでやっている方法を一つ。
歯周病菌は「嫌気性菌」ですから、スケーリングでもSRPでもやったあとはミニゥムシリンジにクロロヘキシジン(コンクールFを適当に薄めたものなど)を入れ、バシャバシャ洗う。
空気に触れさせる意味でジャボジャボ洗う。
ひたすらジョボジョボ洗う。
です。
もちろん、歯石の取り残しがあってはダメですが、ひたすら洗浄することでEPPが5mm以上あってもBOPは0になります。
もっと欲を言えばスプラゾンP-MAXに酸性水を外部注水で行えば完璧です。
びっくりするくらい排膿は止まります。
ウチの「奇跡の人」の技です。
頑張ってくださいね。
またどうぞ。
ま、歯周病の専門医であるワタナベ先生の意見は正しいと思いますよ。
で、ウチでやっている方法を一つ。
歯周病菌は「嫌気性菌」ですから、スケーリングでもSRPでもやったあとはミニゥムシリンジにクロロヘキシジン(コンクールFを適当に薄めたものなど)を入れ、バシャバシャ洗う。
空気に触れさせる意味でジャボジャボ洗う。
ひたすらジョボジョボ洗う。
です。
もちろん、歯石の取り残しがあってはダメですが、ひたすら洗浄することでEPPが5mm以上あってもBOPは0になります。
もっと欲を言えばスプラゾンP-MAXに酸性水を外部注水で行えば完璧です。
びっくりするくらい排膿は止まります。
ウチの「奇跡の人」の技です。
頑張ってくださいね。
またどうぞ。
相談者からの返信
相談者:
みーちゃんさん
返信日時:2007-05-12 14:50:00
回答4
回答日時:2007-05-12 19:34:00
もう・・みんなが茶化すから、ノートを調べて内容を少し正確に訂正しちゃいました(笑)
(参考⇒Healing of the dento-epithelial junction following subgingival plaque control. II: As observed on extracted teeth.
Waerhaug J. J Periodontol. 1978 Mar;49(3):119-34.【※No abstract available】 他にも似た様な内容のがいくつかあって、数値はバラバラです⇒臨床的には関係ないですが)
咬合と歯周病の関係は、僕も大学の歯周病科にいた時にそう教わりました・・。
咬合が原因になるのでは?と専門家の間で言われてたのは実は20世紀の前半ですね。(死体解剖の結果などから)
で1950年前後には否定されたみたいです。
でその後「細菌感染+過剰な咬合」なら増悪因子にならなるんではないかと未だに言われてきているのですが(歯医者はあくまで咬合を触りたい、執念?)、よくよく調べると根拠はめちゃくちゃな動物実験だったりで、その結論も色々。「可能性はある」というレベルの話です。
肝心な、細菌感染(=歯周病)と咬合の問題(=外傷性咬合)とどちらもある場合に(歯周治療目的で)咬合は触るべきか?という問題に関しては、以下の論文が結論と言っていいと思います。
A randomized trial of occlusal adjustment in the treatment of periodontitis patients.
J Clin Periodontol. 1992 Burgett FG, Ramfjord SP, Nissle RR, Morrison EC, Charbeneau TD, Caffesse RG.
「咬合」の教科書を書いてる本人、咬合&歯周病の権威の中の権威、Ramfjordが行った研究というところがミソなのですが。
ネットでも読めるabstract(要約)には
「There was significantly greater gain of clinical periodontal attachment in patients who received an OA compared to those who did not. (咬合調整を行った方が、歯周病の治りにおいて、確かに差があった)」
と書いてますが、本文をよく読むと、たったの0.3mmか0.4mmの話です。
そりゃ、解釈は色々出来ますけど・・・。
そんな訳ですから、みーちゃん、すばらしい衛生士さんの話はそれはそれで良いのですが、人の話というのはエビデンスレベルで言うところの5、ということは念頭に置いておいた方がいいですよ。
参考⇒二次カリエスを発生させない治療法について(EBMのエビデンスレベル)
これから勉強していくと、色んな人が色々正反対のことをもっともらしく話します。
この人の話本当かな?というのは、冷静に、慎重に、時に疑いながら聞いた方がいいですよ。僕の話もね。
英語はさすがにキツイと思うので、オススメ本をご紹介します。
・山本浩正先生の本色々
・最近デンタルダイヤモンド社から出た
コレクテッド エビデンスvol.1(弘岡 秀明先生 著)
本を選ぶ時は、きちんと英語論文をたくさん引用してるかどうかがポイントですよ。
(参考⇒Healing of the dento-epithelial junction following subgingival plaque control. II: As observed on extracted teeth.
Waerhaug J. J Periodontol. 1978 Mar;49(3):119-34.【※No abstract available】 他にも似た様な内容のがいくつかあって、数値はバラバラです⇒臨床的には関係ないですが)
咬合と歯周病の関係は、僕も大学の歯周病科にいた時にそう教わりました・・。
咬合が原因になるのでは?と専門家の間で言われてたのは実は20世紀の前半ですね。(死体解剖の結果などから)
で1950年前後には否定されたみたいです。
でその後「細菌感染+過剰な咬合」なら増悪因子にならなるんではないかと未だに言われてきているのですが(歯医者はあくまで咬合を触りたい、執念?)、よくよく調べると根拠はめちゃくちゃな動物実験だったりで、その結論も色々。「可能性はある」というレベルの話です。
肝心な、細菌感染(=歯周病)と咬合の問題(=外傷性咬合)とどちらもある場合に(歯周治療目的で)咬合は触るべきか?という問題に関しては、以下の論文が結論と言っていいと思います。
A randomized trial of occlusal adjustment in the treatment of periodontitis patients.
J Clin Periodontol. 1992 Burgett FG, Ramfjord SP, Nissle RR, Morrison EC, Charbeneau TD, Caffesse RG.
「咬合」の教科書を書いてる本人、咬合&歯周病の権威の中の権威、Ramfjordが行った研究というところがミソなのですが。
ネットでも読めるabstract(要約)には
「There was significantly greater gain of clinical periodontal attachment in patients who received an OA compared to those who did not. (咬合調整を行った方が、歯周病の治りにおいて、確かに差があった)」
と書いてますが、本文をよく読むと、たったの0.3mmか0.4mmの話です。
そりゃ、解釈は色々出来ますけど・・・。
そんな訳ですから、みーちゃん、すばらしい衛生士さんの話はそれはそれで良いのですが、人の話というのはエビデンスレベルで言うところの5、ということは念頭に置いておいた方がいいですよ。
参考⇒二次カリエスを発生させない治療法について(EBMのエビデンスレベル)
これから勉強していくと、色んな人が色々正反対のことをもっともらしく話します。
この人の話本当かな?というのは、冷静に、慎重に、時に疑いながら聞いた方がいいですよ。僕の話もね。
英語はさすがにキツイと思うので、オススメ本をご紹介します。
・山本浩正先生の本色々
・最近デンタルダイヤモンド社から出た
コレクテッド エビデンスvol.1(弘岡 秀明先生 著)
本を選ぶ時は、きちんと英語論文をたくさん引用してるかどうかがポイントですよ。
相談者からの返信
相談者:
みーちゃんさん
返信日時:2007-05-13 10:25:00
回答5
歯医者/歯科情報の歯チャンネル運営者の田尾です。
回答日時:2007-05-15 22:53:00
歯周病というのは、細菌と全身の免疫力の勝負ですからね。
多少細菌が存在していたとしても、免疫力のほうが勝っていれば歯周病はほとんど進行しません。
しかし、風邪を引いたり体が疲れていたりして免疫力が落ちると、その間に歯周病が進行します。
この、体の免疫力が勝っていて歯周病の進行が停止している時期を「静止期」、免疫力よりも細菌の力が勝って歯周病が進行している時期を「活動期」と言いますが、歯周病はこの静止期と活動期を繰り返しながら徐々に進行していくわけですよね?
で、排膿というのは炎症が起きていることの証拠ですから、主に活動期の場合に見られます。
歯周病患者で歯石がついていたとしても、静止期の場合には基本的には排膿は見られません。
(基本的に・・・というのは、例えば歯内-歯周複合疾患の場合などでは静止期でも排膿が見られることはあるので)
また、最初にも書いた通り歯周病というのは細菌と全身の免疫力の勝負ですが、患者さんの免疫力を意図的に高めるということは出来ませんので、様々な手段を用いて「細菌」を叩くということが僕達の仕事になります。
・歯周病の検査
・プラークコントロール指導
・SRP
などなど、どれも当たり前のことでどこの歯科医院でも普通に行われているのですが、そのレベル・内容には非常に大きな差があります。
みーちゃんさんはこれからスーパー衛生士さんになるわけですから、ぜひ積極的に勉強をしていって下さい。
僕もまだまだヒヨッコですが、分かる範囲でお手伝いしますからね〜
(エビデンスレベル6ですけど^^;)
多少細菌が存在していたとしても、免疫力のほうが勝っていれば歯周病はほとんど進行しません。
しかし、風邪を引いたり体が疲れていたりして免疫力が落ちると、その間に歯周病が進行します。
この、体の免疫力が勝っていて歯周病の進行が停止している時期を「静止期」、免疫力よりも細菌の力が勝って歯周病が進行している時期を「活動期」と言いますが、歯周病はこの静止期と活動期を繰り返しながら徐々に進行していくわけですよね?
で、排膿というのは炎症が起きていることの証拠ですから、主に活動期の場合に見られます。
歯周病患者で歯石がついていたとしても、静止期の場合には基本的には排膿は見られません。
(基本的に・・・というのは、例えば歯内-歯周複合疾患の場合などでは静止期でも排膿が見られることはあるので)
また、最初にも書いた通り歯周病というのは細菌と全身の免疫力の勝負ですが、患者さんの免疫力を意図的に高めるということは出来ませんので、様々な手段を用いて「細菌」を叩くということが僕達の仕事になります。
・歯周病の検査
・プラークコントロール指導
・SRP
などなど、どれも当たり前のことでどこの歯科医院でも普通に行われているのですが、そのレベル・内容には非常に大きな差があります。
みーちゃんさんはこれからスーパー衛生士さんになるわけですから、ぜひ積極的に勉強をしていって下さい。
僕もまだまだヒヨッコですが、分かる範囲でお手伝いしますからね〜
(エビデンスレベル6ですけど^^;)
回答6
美江寺歯科医院(岐阜県瑞穂市)の小牧です。
回答日時:2007-05-16 01:33:00
渡辺先生の咬合のお話はすばらしいのですが、みーちゃんにはチョッと難しいようですね。
ほとんどの歯周病には咬合は関係ないのですが、進行した歯周病のときのみ、外傷性咬合により歯周病は進行することがあります。
ただし、これは動物実験でのことで、エビデンスレベルは低いのです。
臨床で考えれば、歯周病で骨がかなり吸収して動揺がある歯牙で、かみ合わせるとその歯が対合歯とあたると動いてしまうようなときは咬合調整をしたほうがいいということです。
また、進行して歯周病の患者さんが矯正治療をするときは、まず歯周病の治療をしてから、つぎに矯正治療をすることになります。
重度の場合は出来れば、歯周治療終了後も矯正のワイヤーを変えて力をかけるときには、直前にメインテナンスでサルカス内の洗浄を行ったほうがいいかもしれません。
もうひとつ、排膿は何を示しているかというと、そこに細菌がいることを示しているわけです。
排膿の原因は歯周病だけとは限りません。
まずは鑑別診断が必要です。
他に考えられる原因は、根尖病変、歯根破切、パーホレーションです。
また、メインテナンス中の歯肉溝から、膿のようなどろっとしたものが出てくることがまれにあります。
排膿とは違うように感じ私たちは”遊離プラーク”と呼んでいます。
(私が)信頼できる歯周病の権威の教授にお尋ねしたところ、同じような経験があるが、文献を調べてもないと思うとの回答でした。(エビデンスレベルの低い権威者の意見)
このような観点からもう一度見直してみてください。
ほとんどの歯周病には咬合は関係ないのですが、進行した歯周病のときのみ、外傷性咬合により歯周病は進行することがあります。
ただし、これは動物実験でのことで、エビデンスレベルは低いのです。
臨床で考えれば、歯周病で骨がかなり吸収して動揺がある歯牙で、かみ合わせるとその歯が対合歯とあたると動いてしまうようなときは咬合調整をしたほうがいいということです。
また、進行して歯周病の患者さんが矯正治療をするときは、まず歯周病の治療をしてから、つぎに矯正治療をすることになります。
重度の場合は出来れば、歯周治療終了後も矯正のワイヤーを変えて力をかけるときには、直前にメインテナンスでサルカス内の洗浄を行ったほうがいいかもしれません。
もうひとつ、排膿は何を示しているかというと、そこに細菌がいることを示しているわけです。
排膿の原因は歯周病だけとは限りません。
まずは鑑別診断が必要です。
他に考えられる原因は、根尖病変、歯根破切、パーホレーションです。
また、メインテナンス中の歯肉溝から、膿のようなどろっとしたものが出てくることがまれにあります。
排膿とは違うように感じ私たちは”遊離プラーク”と呼んでいます。
(私が)信頼できる歯周病の権威の教授にお尋ねしたところ、同じような経験があるが、文献を調べてもないと思うとの回答でした。(エビデンスレベルの低い権威者の意見)
このような観点からもう一度見直してみてください。
タイトル | 歯肉から排膿がおこるってことは? |
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質問者 | みーちゃんさん |
地域 | |
年齢 | 22歳 |
性別 | |
職業 | |
カテゴリ |
歯茎の異常・トラブルその他 歯周病その他 歯周病関連 |
回答者 |
- 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
- 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
- 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。