歯髄ギリギリまで削ってある歯(下7番遠心側)の再治療について

相談者: 主婦Aさん (36歳: )
投稿日時:2007-04-26 15:23:00
いつも興味深く拝読させていただいております。
多数の質問が寄せられる中、恐れ入りますが相談に乗って頂ければと思います。

以前も相談させていただいていますが、私ののなかで右下7番の遠心側の虫歯(半年ほど前に治療してレジン充填済み)が、不安要素となっています。

他の方の質問と回答(下7番遠心歯肉縁下虫歯治療)も拝読し、これがかなり難易度の高い治療であったことを今更ながら知り、自分の歯の今後についても再び考えるようになりました。

私の場合もかなり虫歯が深く、神経まで1mmほどというところまで削ったけれど、感染歯質は完全に取り去ることができたとのことで、九死に一生を得たような感じです。

レジンでは技術的なエラーが起こりやすいとのことですが、幸いにして充填がうまくいったのか、月1回程度は経過観察を行い、今のところは何事もなく来ています。

が、この処置をした先生(ちなみに研修医ではなく、病院内の立場上は横綱・大関級?の先生です)からは、いずれレジンではなく被せるような形で修復し直したほうがいいかもしれない、ということも何度か言われています。

咬合面ではないので様子を見ながらこのままでもよいのではと、以前タイヨウ先生からおっしゃって頂きましたが、レジンの充填が確実に行われていれば、という前提のもとでのお言葉と受け止めています。きっといつかはやり直しが必要ではないかと覚悟はしています。

その後、他の歯のインレー換装もあるため、同じ歯科大病院の中で保存修復を専門とする科に移り、担当医が変わりました(最初の先生からの紹介で、やはり研修医ではないそれなりの先生です)。

その先生とも他の歯のことを含め何度も相談していますが、どうもこの7番遠心側の再処置については積極的でない雰囲気を感じました。

歯チャンネルの先生方も「かなり難しい」とおっしゃるような部位で、しかも歯髄からレジン充填した界面までの距離が1mmほどという歯の再処置ですから、この先生の反応も当然のものなのかもしれませんが、はてどうしたものか??と悩んでしまいます。

歯チャンネルの過去ログも色々読ませて頂いていますが、先生方のコメントを拾ってみると、この歯の再処置が非常に不安になってきます。(やり直しをすることで歯を傷つけてしまうリスクがある、削った時の発熱で歯髄が壊死することがある、レジン充填をやりかえるたび健康な部分は少しずつではあるが、削られてしまう‥‥などなど)

 て、この歯の今後について、どうすべきなのか、歯チャンネルの先生方のお考えを伺えたらと思います。

1.再処置のタイミングは?(何もトラブルが発生していないうちに踏み切るべき?歯髄まで1mmということを考えると、何か発生してからでは手遅れ?)

2.ここはマイクロスコープの出番でしょうか。使用して欲しいと担当医に申し出るべきでしょうか。(歯大病院なので設備が無いはずはないと思うのですが)

3.何としても歯髄を保存し、できるだけ再処置を繰り返したくないというのが希望です。そのために最適な修復材料、接着方法などがあるとしたらご意見を伺いたいです。

長くなりましたが、以上、よろしくお願い致します。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-04-26 17:24:00
痛みが無ければ1年くらいは様子を見ましょうか。

歯髄保護の処置が上手くいっていたら「第二象牙質」と言って、髄を守る象牙質が成長してきてくれるはずです。

1年位すればそれも安定するでしょうし、削っても痛みは少ないです。

マイクロを使う事もアリかと思いますが、CTも撮ってもらうとより良いかもしれませんね。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2007-04-26 17:31:00
いつもながら、主婦Aさんは専門家並みの理解力で、恐れ入ります。

1.について

再処置のタイミングとしては、”しみる”様になってからでいいんじゃないでしょうか。
ご指摘の通りで、何も症状がないのならそのままの方がいいと思います。

問題が起きるとしたら接着の不良が原因で、最初はまず界面から隙間が開いてくると思うんですね。

そしたら歯髄に何らかの刺激が伝わりますから、”しみる”感じが出てくると思います。


2.について

マイクロスコープの使用難易度としては根管治療に使うのが一番簡単です。

ですから、マイクロスコープをわざわざ買っても、大半の先生は根管治療に使用するのがメインになると思いますよ。

慣れてくるとスケーリング歯周外科虫歯の治療などにも使えますが、一番生きるのは根管治療でしょうね。

個人的な感覚としては、難しい根管の根管治療以外だったら、5倍程度の拡大率の拡大鏡(※頭に固定する、ミニ双眼鏡みたいなもの)で十分に感じていますけど、これは慣れの問題だと思います。

肉眼でもよく見えてると思っている先生には見えている訳で、強要しても何も変わりません。


3.について

とりあえずはこのままでいいと思いますよ。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 主婦Aさん
返信日時:2007-04-26 20:42:00
>タイヨウ先生

保存修復の先生から、「このを処置したのはいつですか」と尋ねられたのですが、なぜ聞かれたのかがタイヨウ先生のコメントでピン!ときました。二次象牙質の成長のことがあるからだったのですね。

削った当初、そ〜っと舌で押してみると軽い圧迫痛を感じていました。それが、しばらく経つと少し押したぐらいでは痛みをまったく感じなくなっていたので、「二次象牙質が出来てきたのかな?」と思っていました。1年ぐらい経つとそれがさらに安定するわけですね。

CTを撮るとよいというのは、その二次象牙質のでき具合を確認するためということでしょうか? CTによってX線とは異なる情報を得られるとしたら、どんなことですか?


>渡辺徹也先生

「しみる」と感じるようになってからでも手遅れというわけではないのですね。もともと、隣にいた水平埋伏知歯を抜くまで、まったくしみたり痛んだりが無かった鈍感な7番なので心配ですが、今後は「しみる」感じに注意してみます。

今の担当医は、常時、ミニ双眼鏡タイプの拡大鏡を使用している先生です(今まで開業医では一度も拡大鏡を使う医師を見たことがなかったので、初めてその先生を見た瞬間、キター!と思ってしまいました〜)。やはり、先生方にとってはご自分の使い慣れた道具のほうが最大限力が発揮できるということなのですね。

レジン象牙質との接着界面について調べていると、SEMで観察した画像がよく出てくるので、過不足なくレジンを除去してもらうには、とにかく可能な限り拡大したほうが治療しやすいのかと思っていました。それで、根管治療でよく名前を見るマイクロスコープ…と思ってみたりしたのです。
回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2007-04-27 01:13:00
SEMですかー。SEMの話まで持ってこられると、私の回答も大丈夫か不安になってしまいます・・。

歯科処置って細かーい手作業ですから、実際にその精度が出せるかどうかはともかく、拡大すればするほどいいには違いないでしょうね。

拡大した視野に一度慣れると、肉眼との差には愕然としてしまいます。

でも患者さんだって動きますしねー・・マイクロスコープ覗いてる時にコックリコックリされると結構きつかったりしますよ。

関係ない話ですが、拡大鏡ってハタから見るとかなりおかしな装備だと思うんですけど、不思議と今まで患者さんには「何それ?」とか言われたことないんですよね。

歯医者だったら喜んで「覗かせてー」って言ってきますけど。
患者さんに「キター!」なんて言われたら爆笑してしまいそうです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 主婦Aさん
返信日時:2007-04-27 08:08:00
>拡大した視野に一度慣れると、肉眼との差には愕然としてしまいます。

なるほど〜。渡辺先生の実感をお聞きしたら、拡大鏡を常用しておられる先生なら、やっぱり安心してお任せできそうかなと思えます。

担当医が7番の再処置に気が進まない様子に見えたため、「拡大鏡でもダメなのかしら」と心配だったのですが、この先生にとっては使い慣れた見やすい道具のはずなので、きっと大丈夫ですよね。

こっくりこっくりされる患者さん…渡辺先生を信頼しておられるのでしょうね!
私も、動いたり寝たりしないように気をつけます。

>拡大鏡ってハタから見るとかなりおかしな装備

最近オタク入ってきているせいか、拡大鏡は私にとっては「デキル歯医者さん」に見えて、素敵に見えてしまいます♪(←感覚がおかしい?)

今の病院では、そのへんの開業医では見たことのなかったウ蝕検知液やら、ラバーダムやら(私は付けてもらえなかったけど)、セパレータやら(何の部品かと思いました)、色々なものが登場するので、「キター!」と思ってしまうことが多いですね(笑)。

また、相談に乗ってください。よろしくお願い致します。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2007-04-27 10:02:00
寝られちゃうと厳しいんですよね。
マイクロ覗いていると酔います。

ウチにはCTが無いので(欲しい!)、どのくらい正確に見えるのかはわかりませんが(タカタ先生、そのへん教えてください)、象牙質の厚みを3次元的に見れるのはCTだけですからね。

マイクロはあくまでも「今、見えている所を拡大する」ものですから、厚みはわからないのです。

僕は厳密には分けていませんが、マイクロ=自費拡大鏡保険、と言う感じで使い分けてますかね。

でも、埋伏歯抜歯時にマイクロを使うとどこが引っかかっているかすぐわかるので、時間短縮になります。いいですよ〜。

>そのへんの開業医では見たことのなかったウ蝕検知液やら、ラバーダムやらセパレータやら色々なものが登場するので

???!
じょ、常識なんですけど‥。
そんなに他の開業医さんて使ってないの?
無きゃ治療できないと思うんだけど‥。

マイクロの出番はいろいろありまっせ!
特にCR充填には必需品!って感じです(保険では拡大鏡しか使わないけど)。
ウチの衛生士にはスケーリングもポケット検査もマイクロを使わせてます。

あとは、患者さんに自分の口腔内を知ってもらうにはマイクロが一番かな〜と。
先日見せてもらったタカタ先生のCT画像も強烈なインパクトがありましたね。

クラウンインレーの不適合の状態や、歯肉炎でプニュプニュしている状態、破折やブラキシズム磨耗しているところ‥。

形成しているところをリアルタイムで見せちゃうと、こっちも緊張しますからね、失敗はできません。

でも「面白かった」って言ってくれますよ。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 主婦Aさん
返信日時:2007-04-27 15:35:00
>タイヨウ先生

「マイクロ=自費拡大鏡保険」で使い分けておられるとのことですが、今までの人生、保険治療で何軒もの歯医者(開業医)に行ったことがありますが、拡大鏡は見たことが一度もありません。

ちなみに、これまでの生活圏は東京23区をはじめとする都市部のみですが。
たまたま持っていない開業医ばかりに当たっていたんでしょうか。

それと、ウ蝕検知液も本当に今まで見たことがなかったです。

歯学部附属病院で初めて見て、これがタイヨウ先生ご愛用のう蝕検知液かぁ〜なんて思いました。染め出し液みたいですね

。ネットの知識で知ったものを現実に見ると、ちょっとした感動があります。

セパレータも、担当医がネジをくるくるしているのを見て「何だろう」と思い、病院帰りに大きな書店で保存修復の教科書を探して見つけました。へ〜!という感じでした。

また、今かかっている歯科病院では、窩洞形成後、鏡を手に持たせてくれて窩洞を見せてくれたうえで、どの程度削ったかとか説明してくれました(そういう時以外でも、よく手鏡を渡されて説明を受ける機会が多い)。

ところが身の回りの人に「鍾乳洞を見ている気分だった!」と、自分のの大きな窩洞を見せてもらった話をしたら、「へぇ〜!」という反応で誰もそういう経験をした人がいませんでした。

私自身、過去に開業医で見せてもらったことがありませんでしたので、今まではそれが普通と思っていました。

タイヨウ先生のように、患者さまに口腔内を知ってもらうためにマイクロを使っておられるなんて、親切過ぎてスゴイと思ってしまいます(でもマイクロは保険外のみですよね)。

インレーの不適合の状態なんか、すごく見てみたいと思います。

また色々教えていただければ嬉しいです。
ありがとうございます。
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2007-04-27 15:50:00
ふ〜ん。。。

と、言う感じです。
みんなもっとやればいいのにね。

だって、言葉で100説明するよりも見れば一発で納得してもらえるでしょ。
ま、僕は口下手なので、見てもらった方がいいかなぁって。

>マイクロは保険外のみですよね

いや。
どうせあるんだから、使わにゃ損でしょ。
見てもらう分には保険でもやりますよ。

実際に削ったり根治したりする時にはある程度使い分けますけどね。
マイクロ治療って結構、時間かかるんですよ。

塗り絵をする時にクレヨンで塗りつぶすか、シャープペンシルで塗りつぶすか‥。
それにかかる時間が保険ではできないなぁ‥と言う感じです。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2007-04-28 04:57:00
ついに良さそうな歯医者さんに辿り着かれたようですね(^^)

一般の人は歯医者は何処に行っても同じ・・・と思っている人が多いんですけど、実は全然違うんですよね。

そのような医者さんを見分けられるようになったのは、主婦Aさんの勉強の賜物だと思います。

でも・・・

>病院帰りに大きな書店で保存修復の教科書を探して見つけました。


凄すぎます・・・

主婦Aさんクラスの患者さんだと、話すら通じない歯医者さんも結構いるでしょうね・・・。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: 主婦Aさん
返信日時:2007-04-28 09:14:00
>タイヨウ先生

「みんなもっとやればいいのにね」…というのは、一般的な保険医だと無理かと…。

私の自宅付近で「人気医院」とされるような医院は、受付表をのぞき込むと30分に4名ぐらい予約を取って医師1人で並列診療をしていますので、とにかく時間がタイト。

そうなると、ガーっと削るだけで先生はサッと隣のユニットへ移動し、後は衛生士さん(または助手?)の対応になるような感じです。

だから、医師からの説明はあまりなくて衛生士さんが代弁しますし、レジン充填も衛生士さんがされるんですね。

30分に4人なんていう割合で取っていても、人気医院だからなかなか予約は取れないって周りの知り合いは言っています。


>田尾先生

ありがとうございます。

私の場合たまたま、「痛みはないけど親不知を抜こうかな〜♪」ぐらいの気持ちで大学病院歯学部附属)に行ったら、これまで経験した粗雑な開業医との質の違いにショックを受けて、一時期ブラキシズムが悪化してしまいました(笑)。

今までの歯科治療はナンだったの〜!?というショックです(笑)。
そこから、歯チャンネルなどで猛勉強して生まれ変わりました!
(私は親が大学病院のOBだったため縁故があり、研修医に当たらずに済んだから良かったのかもしれません、大学病院の歯科で研修医や下手な先生に当たってイヤな思いをしたという知り合いも、現実に何人かいますので…)

親不知抜歯を機に、思い切ってそのまま全面的に大学病院に転院してからは、ホッとしたのか顎関節症も軽快しました。

ストレスは歯科疾患に悪影響がある!ということを身をもって感じました。タイヨウ先生がよくおっしゃっているように、保険制度にもかなり問題があるというのも身をもって理解しました。

そんなわけで、田尾先生の活動を心から応援しております。
頑張ってください!



タイトル 歯髄ギリギリまで削ってある歯(下7番遠心側)の再治療について
質問者 主婦Aさん
地域  
年齢 36歳
性別  
職業  
カテゴリ レジン(白いプラスチック)
詰め物、インレーその他
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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