プラークコントロールをしっかり行えば、口の中のphは低下しない?
相談者:
モーレツ歯太郎さん ( : )
投稿日時:2007-06-10 02:36:00
はじめまして。
3ヶ月前から保険治療により歯周病の治療をしている者です。
治療中ということもあり、口の健康に関しネットを利用して勉強しているのですが、調べてもわからないことがありますので質問させてください。
変な質問で申し訳ありませんがどうぞよろしくお願いします。m(__)m
質問◆1
毎食後に歯ブラシと歯間ブラシ&フロスを使い、しっかりとケアをしているのですが、そんな状態でも「糖を含んだ飲食物を摂取するとプラーク中の細菌が酸を産生」し口の中の phは下がるのでしょうか?
それともプラークが少なければ phは維持されますか?
歯茎上のプラークについてはほとんど除去できていると思います。(染出しで 3%台)
もし、phが下がる場合それは口の中全体の phが下がるのでしょうか?
それともプラークが取りきれていない箇所の周辺だけの phが下がるのでしょうか?
歯周病をできるだけ早く完治させたいと思い全力を尽くしていますが、原因を取り除き口腔環境を改善することがこんなに大変だったとは…トホホ(笑)
正しい知識と習慣を身につけなければと思いつつ、やや疲れ気味です。(笑)
質問◆2
上記のようなケアをしていても歯石が大きくなることはありますか?
歯石除去をしていただいたのですが、歯石が取りきれていないのでは? と感じています。(フロスが数ヶ所で引っかかるのですが、最近それが大きくなっているような気が。)
歯間の根元部分=歯茎との境い目あたりですので器具が入らないのかもしれませんが…
このように狭い個所の歯石も完全に取ることは可能なのでしょうか?
また、歯石が完全に取れていないと歯周病は完治しないのでしょうか?
自分で取ることも考えています。
おススメのスケーラー等があれば教えてください。
以上、長くなりましたが どうぞよろしくお願いいたします。m(__)m
3ヶ月前から保険治療により歯周病の治療をしている者です。
治療中ということもあり、口の健康に関しネットを利用して勉強しているのですが、調べてもわからないことがありますので質問させてください。
変な質問で申し訳ありませんがどうぞよろしくお願いします。m(__)m
質問◆1
毎食後に歯ブラシと歯間ブラシ&フロスを使い、しっかりとケアをしているのですが、そんな状態でも「糖を含んだ飲食物を摂取するとプラーク中の細菌が酸を産生」し口の中の phは下がるのでしょうか?
それともプラークが少なければ phは維持されますか?
歯茎上のプラークについてはほとんど除去できていると思います。(染出しで 3%台)
もし、phが下がる場合それは口の中全体の phが下がるのでしょうか?
それともプラークが取りきれていない箇所の周辺だけの phが下がるのでしょうか?
歯周病をできるだけ早く完治させたいと思い全力を尽くしていますが、原因を取り除き口腔環境を改善することがこんなに大変だったとは…トホホ(笑)
正しい知識と習慣を身につけなければと思いつつ、やや疲れ気味です。(笑)
質問◆2
上記のようなケアをしていても歯石が大きくなることはありますか?
歯石除去をしていただいたのですが、歯石が取りきれていないのでは? と感じています。(フロスが数ヶ所で引っかかるのですが、最近それが大きくなっているような気が。)
歯間の根元部分=歯茎との境い目あたりですので器具が入らないのかもしれませんが…
このように狭い個所の歯石も完全に取ることは可能なのでしょうか?
また、歯石が完全に取れていないと歯周病は完治しないのでしょうか?
自分で取ることも考えています。
おススメのスケーラー等があれば教えてください。
以上、長くなりましたが どうぞよろしくお願いいたします。m(__)m
回答1
回答日時:2007-06-11 06:13:00
はじめまして。
HN通りの、勢いのある内容ですね。
ご質問に沿っての回答ではありませんが、私なりにいくつかポイントをご説明しますので、参考にされて下さい。
【1.お口の中には400種類とか500種類の細菌が常にいます。】
歯磨きや環境を変えること(食事内容、スケーリング、歯磨きなど)で菌全体の数が変わったり、勢力の強い菌種(細菌のバランス)が変わったりする・・とイメージして下さい。
菌の種類によって働きが違って、一部(数十種類)の菌種はいわゆる虫歯菌と総称されたり、歯周病菌と総称されたりします。
他にも口臭の原因となる菌、根尖病変の原因となる菌、粘膜病変の原因となる菌など様々な種類の菌が複雑な相互関係を持って暮らしており、基本的には身体に対して悪さをする訳ではありません。
【2.菌の中に一部分ですが、糖、炭水化物などをエサにして酸を酸性する菌種がいます。】
悪さをする菌は大体みんなに共通して、長い時間同じ場所にいることで、悪いやつばかり数が増えてきます。
嫌われ者世にはばかる・・?
酸産生→細菌のいる部位を中心としたpHの低下→歯を溶かす
これが極端に長期間続くと、唾液の緩衝能(pHを戻す力)が追いつかなくなって虫歯(歯が溶けて崩れる現象)が発生します。
ですから、こういう種類の菌(いわゆる虫歯菌。歯の表面にベタッとくっつく種類の菌)を成熟させないこと、全体の数を減らすこと、エサを与えないこと、酸に強い歯を作ることなどが虫歯予防につながると考えられます。
つまり、歯磨きの間隔を長く空けないこと(と言っても30分とかではなくて、1日とか2日という単位ですが・・)、しっかり歯ブラシでプラークを落とすこと(3%は見事です!)、食事に気をつけること、フッ素などの利用、他にも色々ありますが、こういう事です。
【3.同じく菌の中に一部分、歯ぐきに炎症を引き起こす菌種がいます。】
歯ぐきの炎症→細菌と身体の免疫力の戦い→腫れ、出血、排膿
これが長期化すると、近くにある骨(歯を支える骨、歯槽骨)が細菌感染しない為に避難します。
骨が、近所で戦争が起きているのを察知し、自分で自分の身体を溶かして逃げていく・・というのが歯周病です。
やっかいなことに、一度歯周病で逃げた骨の場合、虫歯と同じで形は元には戻りません。(※密度や多少の形態については回復します)
こういう種類の菌は、糖などをエサにしている訳ではありません。
歯石(プラークの死骸)を足場にして、空気がないところ、出血しているところを好んで、歯周ポケットの底へ底へと増えていく性質があります。
ですから、プラークを長期間ためこまないこと、歯石をためないことが歯周病予防になると考えられます。
ただし、どんな菌でもそうですが、身体にとっての許容量というのもあります。
少ないに越したことはないですが、ある程度少なければ問題はありません。
【4.虫歯を引き起こすには2日間、歯ぐきの炎症を引き起こすのには1日、プラークが成熟する必要があります】
個人差はだいぶありますので、ひとつの目安ですが・・
つまり、理論上、ですが、1日に1回、染め出しで0%になる歯磨きを実践していれば大半のトラブルは防げることになります。
でも普通はあちこち磨き残しが残るのが普通ですから、2回以上は磨いた方がいいでしょうし、実際に1日2回以上の歯磨きをする人たちは1回の人よりも虫歯や歯周病が少ないことが分かっています。
大事なことは、回数ではなくて質。
(※同じ場所が毎回磨き残れば成熟してしまう為)
1日最低1回は本気で時間をかけてしっかり磨く必要があって、あとの1〜2回はアシスト程度の意味合いと理解しても良いのかも知れません。
【5.同じ歯磨きでも、目的によって・・】
実はポイントが異なります。
虫歯予防に最も効果があるのは、「フッ素の使用」です。
(プラークも少ないに越したことはありませんし、間食も非常に注意が必要です)
歯周病予防に最も効果があるのは、「プラークの除去」です。更に細かく言うと、「歯間ブラシの使用」とも言えるかも知れません。
加えて、歯石が出来たときには出来るだけ小さいうちに除去してもらうことも大切です。
(※歯石の除去率には技術の差がモロに出ます。ご自身でするよりも技術のありそうなプロを探すのが賢明です。技術のあるプロでも、自分の歯の歯石は取りきれませんよ)
因みに、成熟したプラークを薬液で取り除くことは出来ません。
ここは誤解が多いので、お間違いなく。
以上ですが、なんとなく言いたいことが理解していただけましたでしょうか?
一部、先生によっては意見が異なる部分もあるかとは思いますが、大体こんな感じの理解で良いと思いますよ。
無理せず頑張って下さいね。
HN通りの、勢いのある内容ですね。
ご質問に沿っての回答ではありませんが、私なりにいくつかポイントをご説明しますので、参考にされて下さい。
【1.お口の中には400種類とか500種類の細菌が常にいます。】
歯磨きや環境を変えること(食事内容、スケーリング、歯磨きなど)で菌全体の数が変わったり、勢力の強い菌種(細菌のバランス)が変わったりする・・とイメージして下さい。
菌の種類によって働きが違って、一部(数十種類)の菌種はいわゆる虫歯菌と総称されたり、歯周病菌と総称されたりします。
他にも口臭の原因となる菌、根尖病変の原因となる菌、粘膜病変の原因となる菌など様々な種類の菌が複雑な相互関係を持って暮らしており、基本的には身体に対して悪さをする訳ではありません。
【2.菌の中に一部分ですが、糖、炭水化物などをエサにして酸を酸性する菌種がいます。】
悪さをする菌は大体みんなに共通して、長い時間同じ場所にいることで、悪いやつばかり数が増えてきます。
嫌われ者世にはばかる・・?
酸産生→細菌のいる部位を中心としたpHの低下→歯を溶かす
これが極端に長期間続くと、唾液の緩衝能(pHを戻す力)が追いつかなくなって虫歯(歯が溶けて崩れる現象)が発生します。
ですから、こういう種類の菌(いわゆる虫歯菌。歯の表面にベタッとくっつく種類の菌)を成熟させないこと、全体の数を減らすこと、エサを与えないこと、酸に強い歯を作ることなどが虫歯予防につながると考えられます。
つまり、歯磨きの間隔を長く空けないこと(と言っても30分とかではなくて、1日とか2日という単位ですが・・)、しっかり歯ブラシでプラークを落とすこと(3%は見事です!)、食事に気をつけること、フッ素などの利用、他にも色々ありますが、こういう事です。
【3.同じく菌の中に一部分、歯ぐきに炎症を引き起こす菌種がいます。】
歯ぐきの炎症→細菌と身体の免疫力の戦い→腫れ、出血、排膿
これが長期化すると、近くにある骨(歯を支える骨、歯槽骨)が細菌感染しない為に避難します。
骨が、近所で戦争が起きているのを察知し、自分で自分の身体を溶かして逃げていく・・というのが歯周病です。
やっかいなことに、一度歯周病で逃げた骨の場合、虫歯と同じで形は元には戻りません。(※密度や多少の形態については回復します)
こういう種類の菌は、糖などをエサにしている訳ではありません。
歯石(プラークの死骸)を足場にして、空気がないところ、出血しているところを好んで、歯周ポケットの底へ底へと増えていく性質があります。
ですから、プラークを長期間ためこまないこと、歯石をためないことが歯周病予防になると考えられます。
ただし、どんな菌でもそうですが、身体にとっての許容量というのもあります。
少ないに越したことはないですが、ある程度少なければ問題はありません。
【4.虫歯を引き起こすには2日間、歯ぐきの炎症を引き起こすのには1日、プラークが成熟する必要があります】
個人差はだいぶありますので、ひとつの目安ですが・・
つまり、理論上、ですが、1日に1回、染め出しで0%になる歯磨きを実践していれば大半のトラブルは防げることになります。
でも普通はあちこち磨き残しが残るのが普通ですから、2回以上は磨いた方がいいでしょうし、実際に1日2回以上の歯磨きをする人たちは1回の人よりも虫歯や歯周病が少ないことが分かっています。
大事なことは、回数ではなくて質。
(※同じ場所が毎回磨き残れば成熟してしまう為)
1日最低1回は本気で時間をかけてしっかり磨く必要があって、あとの1〜2回はアシスト程度の意味合いと理解しても良いのかも知れません。
【5.同じ歯磨きでも、目的によって・・】
実はポイントが異なります。
虫歯予防に最も効果があるのは、「フッ素の使用」です。
(プラークも少ないに越したことはありませんし、間食も非常に注意が必要です)
歯周病予防に最も効果があるのは、「プラークの除去」です。更に細かく言うと、「歯間ブラシの使用」とも言えるかも知れません。
加えて、歯石が出来たときには出来るだけ小さいうちに除去してもらうことも大切です。
(※歯石の除去率には技術の差がモロに出ます。ご自身でするよりも技術のありそうなプロを探すのが賢明です。技術のあるプロでも、自分の歯の歯石は取りきれませんよ)
因みに、成熟したプラークを薬液で取り除くことは出来ません。
ここは誤解が多いので、お間違いなく。
以上ですが、なんとなく言いたいことが理解していただけましたでしょうか?
一部、先生によっては意見が異なる部分もあるかとは思いますが、大体こんな感じの理解で良いと思いますよ。
無理せず頑張って下さいね。
相談者からの返信
相談者:
モーレツ歯太郎さん
返信日時:2007-06-11 08:28:00
渡辺先生
ご回答いただきありがとうございます。
大変ていねいに説明いただいた内容は、今まで調べ学んできたどれよりも口の中の出来事がリアルにイメージでき、今後の理解に非常に役立つものでした。
ありがとうございます。
歯石のことについてもう少しお聞きしたいのですが、今時間がありませんのでまた後で書かせていただきます。
取り急ぎお礼まで。
ご回答いただきありがとうございます。
大変ていねいに説明いただいた内容は、今まで調べ学んできたどれよりも口の中の出来事がリアルにイメージでき、今後の理解に非常に役立つものでした。
ありがとうございます。
歯石のことについてもう少しお聞きしたいのですが、今時間がありませんのでまた後で書かせていただきます。
取り急ぎお礼まで。
タイトル | プラークコントロールをしっかり行えば、口の中のphは低下しない? |
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