シーラントは全員するものですか?

相談者: りじょうさん ( : )
投稿日時:2007-07-20 23:32:00
はじめまして、子供(8歳)のシーラントについてお尋ねします。

次回シーラントをするからと言われました。
(こちらから頼んではいません)

その歯科に通うお子さんは全員シーラントをされているそうです。

受付の方に、シーラントの短所はないか確認したところ「長所だけで短所はない、あるなら教えて欲しい」と言われました。

シーラントは薄くてかけ易く、かけるとかえって虫歯になり易い(ということは一生メンテナンスが必要?)など注意点があったような記憶がありますし、子供は全員した方が良いというのも初めて聞いたので少し驚きました。

我が子はブラッシングが雑で虫歯になりやすいと思うので、シーラントをした方が良いのならぜひお願いしたいのです。

ただ、その場合でも短所を説明してくれた上で、「それでもやった方が良い」という方針なら分かるのですが、「全く短所はありません」といわれるとかえって不安になります。


【質問です】

子供は全員シーラントをした方が良いのでしょうか?
「シーラントは長所しかない」という説明は問題ないのでしょうか?

シーラントをお願いするときの注意点や、何か先生に確認した方が良いことがあったら教えてください。

よろしくお願いいたします。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-07-21 00:34:00
はじめまして。

「全員にする」「長所しかない」・・なんて言われれば、不安になるのはごもっともですよね。

シーラントについては私はあまり詳しくはなかったのですが、以前にも大勢の先生方が回答をされています。

ちょっと内容が専門的すぎて読むのがキツイかも知れませんが、良かったらご覧になって下さい。

参考⇒シーラント大激論


因みに8歳と言いますと、肝心の6歳臼歯第1大臼歯、最も重要な歯です)は萌出しきってる頃ですよね?

私も歯科医になりたての頃は、予防効果があるのなら全員にすればいいじゃないかと考えていたのですが、実際はなかなか意外と適応の難しいものの様です。

でも、受付の方が詳しく知らない点については仕方がないですよね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: りじょうさん
返信日時:2007-07-21 07:49:00
渡辺先生、ご回答ありがとうございます。


>肝心の6歳臼歯第1大臼歯、最も重要な歯です)は萌出しきってる頃ですよね?

萌出しきっています。(うち一本は以前虫歯になり、他の歯科で治療してもらっています)


シーラントについて

拝見させていただきました。ありがとうございます。

あちらのご説明を読みますと、シーラントを「子供の患者全員にしている」「短所はない」はかなり違和感を感じます。

「短所はないですよ、あるなら教えてください」と仰っていたのは、(失礼ですが)受付の方の勉強不足ということでしょうか・・・

かなり強い姿勢で勧められたので、実際はよく分かっていないのかと思うとちょっと怖いです。


>実際はなかなか意外と適応の難しいものの様です。

虫歯になりやすい場合処置するとのことなので、うちの子の場合当て嵌まるということなのでしょうか。

あ、でも、子供の患者全員に処置してるってやっぱりおかしいですよね・・・?
回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2007-07-21 18:06:00
結構気軽に患者さん全員にされる様な医院はあるとは思います。

ただ個人的にはリンク先で話題になりました様に、もう少し慎重にするかしないかを選んだ方が良いのではないかとは感じていますね。

不安がおありでしたら、別の小児歯科専門の先生のところでセカンドオピニオンでも、といったところでしょうか・・。

因みに受付の方のお仕事は基本的には治療と関係ない事務職ですから、専門知識については勘弁して下さい。

よく勉強されてる方も多いのですけど、歯科受付や歯科助手というのは特に教育を受けてきている訳ではなくて、一般の方ですからね。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2007-07-21 19:33:00
渡辺先生が示された部分で、小牧先生が書かれておりましたように


>適応症は、局所的なリスクが高く(溝が深い)、口腔全体・全身的リスクが高い場合(権威者の意見)。

>どちらかのリスクが高い場合は、検討を要する(権威者の意見)。

>どちらもリスクが低ければ非適応症(権威者の意見)。

う蝕の進行状態は、C2のごく初期まで、それ以上ならフィッシャーブロックの適応(私見)。


が、妥当かと思います。
うちでもそうしてます。

8歳でも反対側が虫歯になっているなら特に不適当とは思いません。

受付の方は、「短所は”ほとんど”ない」の”ほとんど”が抜けてしまっていたのではないでしょうか

受付の方の間違いは、重大と言えば重大ですが、そうでもないと言えば、そうでもないかも?

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: りじょうさん
返信日時:2007-07-22 03:46:00
渡辺先生、森川先生、ご回答ありがとうございます。
受付の人へ専門的な質問はしてはいけなかったのですね。(反省)


>渡辺先生

「全員」は珍しいことではないのですか(汗)

勧められた時、シーラントは保留にしフッ素ブラッシング指導のみ予約しました。

とりあえず次回シーラントを頼むのはやめておこうと考えています。
(その歯科は直接先生に質問できる雰囲気ではないので)

セカンドオピニオン探したいと思います。
ありがとうございます。


>森川先生

そうですね、そのようにどうして必要なのか説明して頂けたのなら、その場でお願いしていたかも・・・

今回は見送りますが、うちの子の場合はシーラントをした方が良さそうとのことなので、いろいろ相談できる小児歯科を探してみたいと思います。ありがとうございます。


>ALL

シーラントは、まめに定期検診できるということを前提に処置するものなのでしょうか?

リンク先を読みますと、処置のしかたによっては簡単に剥離することがあるそうですし、本人が大きくなった時、定期検診を怠るとかえって酷い虫歯になる可能性があるのではという不安があります。

お勧めされていたグラスアイオノマーは剥離してもダメージがないとのことなので、こちらをしてくれる医院を探した方が良いのかと新たな迷いがでてきました。
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2007-07-22 11:28:00
あくまで個人的な考えですけど、「予防」と言って全員の患者さんにシーラントをした方が、「あそこは予防をしっかりしてくれる」と良い評判が立ち、しかも「保険点数」がつくのでオイシイんじゃないか。と私もつい考えてしまいます。(笑)

大体シーラントの下から虫歯が出来て痛い思いをされる頃には、子どもの頃にそんな処置をしたことも忘れられてる事が多いでしょうし、恨まれる心配もまずありません。

でも、まさに

>本人が大きくなった時、定期検診を怠るとかえって酷い虫歯になる可能性があるのではという不安があります。

なんですよね。

そこまで考え出してしまうと、ほとんど出来なくなってしまう・・というのが私の私見でもあります。

現在はとりあえず小児を診る機会がほとんどないのですが、もしも診る様になっても、リンク先の回答でタイヨウ先生がおっしゃっていた様な考え方で私も行くことになるかと思います。

とりあえずりじょうさんが今すべきことは、「きちんとした説明をしてくれる小児歯科医を探すこと」と、お子さんにはシーラントがあってもなくても「歯医者に通う習慣を教えてあげること」ではないでしょうか。

回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2007-07-22 19:47:00
渡辺先生、ちょっと誤解があるようなので、

まず、保険では、虫歯でないとシーラントはできません。
虫歯でない歯は保険外です。

ですので、全部を保険でシーラントは不可能かと思います。


あと、初期う蝕の対応に関しては、大きく分けて

 1.機械的処置なし
 2.シーラント
 3.充填

の3通りかと思います。

3は確実かもしれませんが全部のCOにしたのでは30年前に逆戻りの発想ですから、有り得ないことかと思います。

それで、1と2を比べると、1のほうが後で進行する確率がかなり多いように感じます。

特に、後で大きい虫歯になっている場合はほとんどが1です。

シーラントが脱落していないケースで大きな虫歯になってしまったケースは非常に少ないように思います。

シーラントは中に虫歯が残っていたとしても、進行を遅くする可能性が高いと感じています。

このことも小牧先生が指摘されていたかと思います。

うちでは、シーラントは、デメリットは少ないと感じてますので、気軽に勧めてます。

もちろん、前記の判断基準にそってですが。

回答 回答6
  • 回答者
回答日時:2007-07-22 22:35:00
シーラントに限らず大切なことがあります。

1)診査

その歯の状況、お口の中全体の状況、全身の状態、生活習慣などの社会的状況などをきちっと診査します。

例えば、シーラントでいうなら、その歯の脱灰がどこまで進んでいるのか、溝の深さは、虫歯リスク(虫歯のなり易さ、危険度)など。


2)診断

その歯だけでなく、診査で述べた項目全般から、その歯に何らかの処置が必要かを診断します。


3)治療

決められた手順に従って治療を行う。
例えば、歯面の清掃と確実な防湿下で、メーカーの指示に従う。


4)再評価

治療後一定期間(数ヶ月後、数年後など)経て、再度診査を行い処置後の経過を判断する。

例えば、シーラントが壊れていないか、シーラントの下で虫歯になっていないか。

同じ歯を診ても、先生によってするかしないかの基準は違ってきます。

しかし、以上の手順をしっかり踏んでいるのなら、その先生の判断に任せてもいいのではないでしょうか。


どんな処置でも、多かれ少なかれ必ずメリット・デメリットがあります。

予防と称して、必要のない歯までシーラントをしてしまえば、予後がいいに決まっています。

だって最初っから虫歯にならない歯までシーラントしてるのですから、そんな歯は虫歯にならなくて当たり前です。

臨床家の、自身の予後の感覚は当てになりません。

治療や予防がうまくいっている患者さんは、続けてきてくれる確率が高いですけど、うまくいかなかった患者さんは、うまくいった患者さんに比べよその歯医者に変わる確率が高くなります。

開業医は、すべての予後を見られません。

うまくいかなかった予後を診ることもありますが、どちらかといえばうまくいっている予後のほうを診る確率が多いはずです。

私の医院でも今までに9千人近くの患者さんを診てきましたが、現在メインテナンスに続けて通っていただいているのは、1千人ほどです。

つまり、私が100人の患者さんに同じ治療をして、現在診ているすべての患者さんで予後が良かったとすれば、成功率は100%のように見えますが、実は、来てない患者さんが、すべて失敗していたとすれば成功率は約10%ということになります。

これは極端かと思いますが、常に自分に厳しくありたいと思います。

回答 回答7
  • 回答者
回答日時:2007-07-23 00:05:00
>臨床家の、自身の予後の感覚は当てになりません。

とありますが、私としては、先生のお書きになった

>面白い研究があります。
虫歯の部分をわざと取り残してレジン充填をして観察したら、虫歯は進行しなかった。

という部分の検証の意味も含めて私の経験上でのことを書いたのですが、小牧先生は、きちんとした論文以外は、自分の経験をもまったく参考にしないのでしょうか?

それだと自分自身の進歩がかえって遅くなるのでは?

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: りじょうさん
返信日時:2007-07-23 11:35:00
渡辺先生、森川先生、小牧先生ご回答ありがとうございます。


>渡辺先生

ご指摘のとおり、「予防をしっかりしてくれる」という印象の歯科でとても好感をもっていたのです。

それが「虫歯になりにくいように、フッ素塗りましょうね」と同等の雰囲気で「虫歯になりにくいように、次回から全ての歯にシーラントをしましょうね」と言われ疑問に思ってしまった次第です。


>「歯医者に通う習慣を教えてあげること」

はい、がんばります;

子供は、私が見ていないとブラッシングも超適当で、仕上げ磨きを止めたとたん虫歯になってしまいました。

丁寧な歯磨き、定期検診を習慣づけられるよう、教えていきたいと思います。


>森川先生

気軽に勧めると書かれていらっしゃる先生でも、完全にはえた歯の予防として勧めてはいらっしゃらないのですよね・・・

先生のお話のようにきちんとした判断基準があって勧められるのとは違うのかもしれません。

(渡辺先生のお話は、「はえ始めの子は虫歯でなくても、全員保険でできるのだ」という意味で読ませていただきました。)


>小牧先生
>以上の手順をしっかり踏んでいるのなら、その先生の判断に任せてもいいのではないでしょうか。

判断やお考えをお聞きする機会がないため(混んでいるので相談しにくい)、手順を踏んでいるか分からない状況です。

こちらの先生方の見解は、どの先生も患者さんの状態をよく診て判断されていらっしゃる感じが伝わってきます。

きっと患者さんも安心してお任せできるのではと羨ましい限りです。


>ALL

きちんとした説明をしてくれる小児歯科医を探し、その先生を信頼してお任せするようにしたいと思います。

貴重なご意見、ご指導本当にありがとうございました。
回答 回答8
  • 回答者
回答日時:2007-07-24 00:10:00
>という部分の検証の意味も含めて私の経験上でのことを書いたのですが、小牧先生は、きちんとした論文以外は、自分の経験をもまったく参考にしないのでしょうか?それだと自分自身の進歩がかえって遅くなるのでは?

失礼しました、前後の文脈が他のスレッドとごちゃごちゃになってしまって、勘違いしました。

森川先生と考えは近いかもしれません。
自分自身の経験はEBMの手法を使って、ステップ5で検証しています。




タイトル シーラントは全員するものですか?
質問者 りじょうさん
地域  
年齢  
性別  
職業  
カテゴリ 虫歯予防
シーラント
予防関連
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
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