レントゲンで影が見えるだけで、本当に根管治療の再治療が必要なの?

相談者: SHさん (39歳:男性)
投稿日時:2007-07-26 19:55:00
先生の皆さん、こんにちは。

SH (39才) と申します。
いつもお世話になっております。

今回、私のことではなく職場の友人のことなのですがお伺いをさせてください。

この友人の所望する治療は、抜髄済みでクラウン保険適用)を被せた下右4番の再治療です。

新しくするクラウンは自費のものを希望で、以前にそれで相談されたので、

「経済的なものが大丈夫なら白金加金メタルボンド、それ以外ならハイブリットセラミックスがいいんじゃないかなー。」

とアドバイスしました。

その歯を治療したのは20年以上前で、今回クラウンが外れかかっていると、以前にかかっていた医院で指摘され、その後、別の歯の噛みあわせ治療でその医院に不信感が出て転院し、A医院に行ったとのこと。

A医院で診てもらったところ、クラウンの中はやはり二次カリエスになっており、虫歯の治療は当然なのですが・・・ここで、パノラマでの医師の診断で、

「根っこに影が“あるように見える”。もしかしたら問題ないかもしれないけど、根の治療をします!」

と言われたそうです。 

雰囲気からかなりヤル気満々で、「する」「しない」の選択権は友人には無い模様です。

ここで質問なのですが、

“あるように見える”“もしかしたら問題ないかもしれないけど”

という非常に曖昧な診断で、20年以上まったく問題の出ていない根管の治療は必要なのでしょうか?

明らかに病巣がある、もしくは薬が根までいってないなどの診断なら、「別に自覚症状はないけど虫歯の治療もあるし、この際だから致し方ない。やろう!」と納得できるのですが。(私が、ですけど(苦笑))

A医院の医師が(かなり曖昧な)診断をした材料がパノラマのみとのことだったので、友人には取りあえず、「別な医院で電話予約の時に、デンタル撮影で根に異常があるか診てもらいたいんですが、していただけますか?」と聞いて、セカンドオピニオンをする
ように言っておきました。(正しいアドバイスかどうかは分かりません…)

すみません。 相談をよろしくお願いいたします。

特に根管治療は、抜歯と背中合わせのものとの印象がありますので心配です。

友人にできるだけ良い治療を受けさせてあげたいです。


P.S.

先述の、友人の希望する自費のクラウンについても、A医院の医師は

「ハイブリットは10年くらい前にポッと出たものなので、“5年で絶対に割れます”。あまりお勧めしません。」

「メタルボンドは硬過ぎて噛み合わせに問題が出ます。あまりお勧めしません。」(友人の場合?)

と言われたそうです。
それで、保険の銀歯を積極的に勧められたそうです。

これも、わたし的にはかなり「?」なのですが。。。


回答 回答1
  • 回答者
回答日時:2007-07-26 20:03:00
良いアドバイスだったと思います。パチパチパチ。(^^)\

自費を希望している患者さんに保険の銀歯を勧める?
患者さんに選択権が無い。


根管治療が必要かどうか?と言うよりもその先生の考え方がどうか?と言う事ではないでしょうか?

少なくともデンタルを撮ってから治療の必要性を問うべきでしょう(デジパンならいざしらず)。

セカンドオピニオンを求めるべきでしょう。

回答 回答2
  • 回答者
回答日時:2007-07-26 22:28:00
虫歯がかなり進行していて、あまり長持ちしないと思われる場合は、良心的な先生であれば、保険外の治療をあえて勧めず、保険の治療を勧めるケースはあるかと思います。

保険の治療ですと、銀歯をセットしてから、根に症状が出た場合、銀歯の再作成の部分は保険での給付がうけられませんので、感染根管治療にある程度自身のある先生なら、「あやしい歯は根管治療」と判断することは、不思議なことではないと思います。もちろん同意は必要ですが、

自費なら、自分の根管治療に自信があれば、上記のような場合はもちろん勧めるのが普通かと思います。

ただ、何となく相性が悪そうですから、タイヨウ先生の言うように他院を受診してみるのもよろしいかと思います。

回答 回答3
  • 回答者
回答日時:2007-07-27 00:00:00
すばらしい回答だと思いますよ。
さすがSHさん。。

いくつか気になる点もあるので、SHさんの更なるパワーアップのために。



パノラマでの診断

これは私もちょっと気になります。

デジタルなら大丈夫、ということでもなくて、10枚法や14枚法のめんどくさいデンタル撮影のひとつの目的は、同じ歯を複数の角度から撮影して正しく診断する目的もあります。

??だとは思いますが、レントゲン写真というのは正しく「影絵」ですから、前後的に奥行きのある歯の周囲の状態を正しく理解するためには、「真っ直ぐに写した影絵」と「斜めに写した影絵」を見比べなくてはなりません。

そういう意味でも、パノラマ一枚だけでの診断というのは少し不安です。

例えば、今回はそんな心配はまさかないとは思いますが、研修医がする様な代表的なミスに、「オトガイ孔と、下顎小臼歯根尖病変の見間違いによる誤診」というのがあります。

「オトガイ孔」というのは、よく下顎5番あたりの根っこの先端付近に重なって写る骨の穴です。

神経や血管の出口でこれは正常な形態なのですが、ちょうど根尖病変の様に黒く丸く写るので、一枚だけのレントゲン撮影だと見間違うことがあります。

まさかこんな初歩的なミスをする先生は滅多におられないですけど、もっと細かい診断では本当に差のつくところです。

(※パノラマで大雑把に状態を把握して、怪しい箇所についてはあらためてデンタルを1〜2枚撮るのならOKだと思います。)



・“もしかしたら問題ないかもしれないけど”という歯の根管治療について

根管治療を行うこと自体が処置中の細菌感染を引き起こす危険を伴います。

レントゲン上は大丈夫そうだけど、クラウンを外したらいかにも色や臭いで汚れている様な場合もあって、その様な場合にはやり直した方がいいかも知れません。

でもどちらにしても、わざわざ危険を冒してまでやり直すのでしたら、相当根管治療のうまそうな先生にして貰わないと後で何かあった時にやりきれません。。

20年たって自覚症状もなくて、レントゲンでもちょっと怪しい程度でしたら、なんだか大丈夫そうな気は確かにします。

でも最近になって大きな虫歯(=細菌感染)も起こしている訳ですから、これは慎重を期してセカンドオピニオンも有意義だと思いますよ。



ハイブリッドについて

これも慣れてない先生・技工士がやると、「丁寧に作った仮歯」程度のひどい品質になる危険はあります。

ご存知の様に、ハイブリッドセラミックという名前でも実体はレジンですから、これもある意味匠の技というか、技術と知識の差は出やすい方法ではあります。

ですからA医院の先生のおっしゃることにも一理はあるかも知れませんね。



そんなところです。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: SHさん
返信日時:2007-07-27 20:32:00
先生の皆さん、回答を本当にありがとうございます。

友人は、次の予約をキャンセルして別の歯科医デンタル撮影での検診を予約したそうです。

「明日行ってくる!」と言っていました。
先生のお返事もすべて伝えました。

個別にレスをさせてください。


> タイヨウ先生

もし友人が医院選びに困り果ててるようだと、タイヨウ先生の医院を紹介しようと思っていました、実は。 (充分通える距離です)

結構、フットワークの軽い(良い意味で)友人で、自分でサクッと転院→予約ができるようだったので、暖かい目(?)で見守ることにします。


>森川先生

あれよあれよと、どのケースも納得です。

でも、どのケースにしても、今回の相談内容では医師の説明不足は明らかですよね。。本当に“相性”は大事だと思います。


>渡辺先生

最近、「歯科医になればよかった。。。」などと軽い妄想を抱くようになってるのでパワーアップは勘弁してください! (笑)

でも先生の回答は丸暗記はさせてもらいました。。。
(パワーアップ…)

ハイブリットにしても、10年も前の素材と現在では同じではないと思いますし、A歯科の言い分も裏を返せば、「勉強不足」or「品質が悪い技工士と分かっててそこに依頼している」となると思いますのでやはり「?」じゃないかなと思います。


本当に回答をありがとうございました☆


P.S.

色々と先生方にお聞きしたいことはあるのですが、あまり自身のトラブルに関することではない(とちらかと言えばかなりノー天気な質問)ので、投稿をためらってます。

そのような質問は投稿してもいいのでしょうか・・・?
回答 回答4
  • 回答者
回答日時:2007-07-28 02:24:00
凄いですね…。
確実にポイントを押さえてますね。

もう少し勉強すれば、普通にデンタルカウンセラーとか出来そうな感じがしますよ。


>そのような質問は投稿してもいいのでしょうか・・・?

歯オタクさん大歓迎です(^^)

ただし内容が違う質問の場合には、お手数ですけど別スレッドを新規に立てて下さいね。

相談者からの返信 相談者からの返信
相談者: SHさん
返信日時:2007-07-30 20:28:00
先生の皆さん、こんにちは。
報告ですが、友人は別の医院で診察してもらったとのことです。

その先生はデンタルを診て、

「前の先生がなぜ根幹治療が必要と言ったのか……ちょっと分からないです。私なら必要ないと思いますが。。」

……と、根幹治療は無しで、所望する二次カリ自費クラウンの再作成の治療となったようです。

“相性”も非常によさそうとのことで、

「ムダな治療をするところだった!」
「やっと“歯科難民”とおさらばできるかも!?」

と、先生の皆さんのコメントに大変感謝していました。
友人には、「よかったね。」と言いつつも、

「医療は100%ではないので、医師との相性を見定めて大目に見てあげるられるところは大目にみるように。」
「予後の多少の痛みは、ガマンするのも治療のひとつらしいよ。」

とアドバイスしておきました。

非常に歯科に敏感になっているようなので。。。
でも概ね安心のような印象でしたヨ。


P.S.
田尾先生へ

ミラノールを先日初めて買いました。(もちろん歯科医院で)
空想の中でしかなかった実物を目の前にした時の感動を久しぶりに味わいました。(笑)
回答 回答5
  • 回答者
回答日時:2007-07-31 08:52:00
よかったですね。

これもSHさんのアドバイスのおかげですよ。
これからも頑張って布教活動(?)に励んでください。




タイトル レントゲンで影が見えるだけで、本当に根管治療の再治療が必要なの?
質問者 SHさん
地域 千葉
年齢 39歳
性別 男性
職業 会社役員
カテゴリ 根管治療の治療法
根管治療の失敗・再治療
根管治療その他
その他(診断)
回答者




  • 上記書き込みの内容は、回答当時のものです。
  • 歯科医療は日々発展しますので、回答者の考え方が変わることもあります。
  • 保険改正により、保険制度や保険点数が変わっていることもありますのでご注意ください。

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